携帯電話にはカメラが搭載されていて、デジタルカメラを窮地に追い込んでしまいましたが、今度はスマートフォンのカメラがミラーレス一眼カメラを脅かす存在になりつつあります。
とくに、近年は複数のカメラを搭載しているスマホが増えて、超広角〜望遠まで1台で撮影できるようになりました。
また、本体の薄さからスマホは望遠に弱いとされてましたが、Galaxy S21 ultraはペリスコープ望遠カメラを搭載してスマホの弱点を克服。さらに、Xperia 1 Ⅲ、Xperia 5 Ⅲは70mmと105mmの画角を切り替えできる可変式のペリスコープ望遠カメラを搭載し、まだまだ進化している最中です。
スマホカメラはどこまで画質が向上しているのか?
この記事では、スマホのSONY Xperia 1 Ⅲ、ミラーレス一眼カメラのFUJIFILM X-E4 + XF18-55mmF2.8-4で写真の画質・雰囲気の違いを比較してみました。
この記事の目次
スマホとミラーレス一眼カメラの違い
スマートフォンのカメラの特徴
スマートフォンのカメラはスマホの筐体サイズの制限から大きなイメージセンサー、レンズを採用することができず、広角カメラ、超広角カメラ、望遠カメラをそれぞれ分離した多眼カメラシステムを採用している機種が多いです。
ただ、全てのスマホに複数のカメラが搭載されてるわけでななく、価格の安いXperi Ace Ⅱ、arrows Be4 Plusはシングルカメラとなっています。
広角画角のカメラを搭載しているので、普通に風景を撮影したり、人を撮影することには使えるので、凝った写真を撮影することに興味がない方であれば価格の安いスマホでも十分かもしれません。
2〜5万円のミドルレンジスマホのAQUOS sense5G、Xperia 10 Ⅲ、Mi 11 Lite 5Gなどはトリプルカメラを採用しています。
OPPO Reno5 Aはクアッドカメラとなっていますがモノクロカメラも含まれているため、実際はトリプルカメラといってもいいかもしれませんね。
iPhone SE(第2世代)とPixel 4aは3〜5万円ほどのミドルレンジスマホではありますが、シングルカメラとなっていますが高度なソフトウェア処理によって2万円前後のエントリースマホよりもキレイな写真を撮影することができます。
5〜10万円以上のハイエンドスマホはiPhone 13はデュアルカメラ、iPhone 13 Proはトリプルカメラを搭載しカメラの数と構成はミドルレンジスマホと同じですが、大きいイメージセンサー、明るいレンズ、高度なソフトウェア処理ができるなど写真の画質がいい端末が多くなっております。
Xperia 1 Ⅲはトリプルカメラでありながらも可変式ペリスコープカメラを採用することで70mmと105mmを切り替えて撮影ができる、ちょっと変わった望遠カメラを搭載しています。
LEICAと協業しているシャープのAQUOS R6はハイエンドスマホとしては珍しくシングルカメラですが、1インチサイズの大型センサーを採用することで、シングルカメラでありながら広角〜望遠6倍までカバーできる仕様となっています。
ミラーレス一眼カメラの特徴
ミラーレスカメラは「カメラ」なので大きいイメージセンサーを搭載することができ、レンズも単焦点からズームレンズなど幅広いものを状況に合わせて取り替えて撮影できます。
同じ焦点距離のレンズでも画質、ボケ味などが異なるので楽しむことができます。
イメージセンサーはAPS-Cとスマホでは搭載は不可能な大きいサイズのものとなっており、一度に多くの光を取り込むことができるため、ダイナミックレンジが広く、暗所撮影においてもノイズの少ない綺麗な写真を撮影できます。
スマホはソフトウェアによる処理によって画質をいいように見せるのが得意ですが、ミラーレス一眼カメラはレンズの性能、センサーの性能が画質の良し悪しを決めているところがあり、見たままの自然な雰囲気のある写真を撮影できるように考えられています。
Xperiaを開発しているソニーは自らがカメラ事業を持っています。
そのため、スマホカメラであってもソフトウェア処理に頼るのではなく、見たままモノをそのまま切り取ったかのような自然な写真が撮影できるように、とくにハイエンドのXperia 1シリーズにおいては他メーカーとは異なった雰囲気のある写真を撮影できます。
Xperia 1 Ⅲ・X-E4のスペックを比較
Xperia 1 Ⅲは広角、超広角、望遠のトリプルカメラを搭載したスマートフォン、X-E4はAPS-Cサイズのイメージセンサーを搭載したレンズ交換型のカメラです。
Xperia 1 Ⅲ | X-E4 | |
---|---|---|
タイプ | スマートフォン | ミラーレス一眼カメラ |
レンズ | 一体型(トリプルカメラ) | レンズ交換方 |
画素数 | 1220万画素・デュアルPDセンサー | 2610万画素(APS-C)X-Trans CMOS 4センサー |
画像処理エンジン | Snapdragon 888 5G(Spectra 580 image signal processor) | X-Processor 4 |
レンズ | カールツァイス製 広角:F/1.7 超広角:F/2.2 望遠:70mm/F2.3、105mm/F2.8 |
Xマウントレンズ |
Xperia 1 Ⅲに採用しているレンズはカールツァイス製となっていおり3つの画角を切り替えて撮影するスタイルです。X-E4はXマウントレンズを装着して撮影することになりますが、今回の比較ではXF18-55mmF2.8-4でしトータルの価格がXperia 1 Ⅲの15万円と同じに合わせました。
- Xperia 1 Ⅲ:約15万円
- X-E4(約10万円)+ XF18-55mmF2.8-4(約6万円)
X-E4はXF16-80mmF4、XF16-55mmF2.8など高価なレンズを使うことで、同じ画角のレンズでも画質が違ったり、ボケ味が異なったりするのでいろんな楽しみ方ができるのが魅力の1つとっていいかもですね
Xperia 1 Ⅲ・X-E4の画質を比較
色合い・画質・ボケ味を比較
Xperia 1 ⅢとX-E4で写真の仕上がりの違いを比較してみました。どちらも基本的にオートで撮影しているので、誰でもシャッターを押すことで簡単に撮影できる写真となっています。
Xperia 1 ⅢはBASICモードで撮影しているためHDRが自動的に適用となるため、白トビしそうなシーンも明暗差の少ない写真に仕上げることができ、X-E4よりも暗部が明るく、空が青くしっかりと表現できています。
こちらは部分拡大した画像ですが2610万画素のイメージセンサーを搭載しているX-E4の方が高精細に描画できています。
大きなディスプレイで見ない限りは違いは分かりにくいですが、大画面で写真を見返すことが多いならXperia 1 ⅢよりもミラーレスカメラのX-E4の方がいいかもしれないですね。
Xperia 1 Ⅲは超広角カメラを搭載しているため16mmの視野の広い写真を気軽に撮影できます。
X-E4も超広角用のレンズを装着することで視野の広い写真を撮影できますが、超広角用のレンズは高価でなかなか手にすることができません。なので、スマホの超広角カメラはとてもリーズナブルなんですよね。
Xperia 1 Ⅲで70mm望遠カメラに切り替えて、X-E4はXF18-55mmを最大ズーム55mm(換算84mm)にして撮影してみました。
Xperia 1 Ⅲの方が全体的に明るく撮影できていますね。スマホの望遠カメラでミラーレスカメラと遜色ないレベルで撮影できてしまうことが凄いことですが、Xperia 1 Ⅲの望遠カメラは可変式レンズを採用しているため105mmに切り替えて撮影もできます。
X-E4に装着しているレンズはXF18-55mmなのでこれ以上ズームして撮影はできません。
ただ、2610万画素の高画素センサーを搭載しているので、画像をトリミングして使うことはできます。こちらは55mm(換算84mm)で撮影した画像をトリミングして使用したもの。
トリミングしたとしてもXperia 1 Ⅲよりもミラーレス一眼カメラの方が解像感が高くなってるのがわかるかと思います。ミラーレスカメラはソフトウェアの処理がほとんど入らないので自然な表現ができるのが魅力です。
こちらも望遠カメラで撮影したものです。
被写体が大きくなるとXperia 1 Ⅲの望遠カメラでも背景をぼかすことが難しいので、ソフトウェアの「ぼけ」を使うことでキレイに背景をぼかしすことが可能となります。
Xperia 1 Ⅲはスマホの中では色合いは控えめではありますが、ミラーレス一眼カメラと比べると色鮮やかな写真に仕上げることができるので、写真を撮影してそのままSNSにアップすることも普通に可能です。
Xperia 1 Ⅲは105mmの望遠カメラで撮影したためミラーレス一眼カメラよりも寄って撮影できてるだけでなく、白トビを抑えながら高精細な写真に仕上げることができていますね。
ただ、立体感のあるシチュエーションになるとXperia 1 Ⅲのペリスコープレンズでも背景をぼかすことは難しく、ミラーレス一眼カメラの方が雰囲気のある写真を撮影することができます。
Xperia 1 Ⅲは青空があるように見えますが、実際はミラーレス一眼カメラのように薄い水色が近い色となっており、全体的な雰囲気はXperia 1 Ⅲよりもミラーレスカメラの方が表現がいいです。
ただ、色鮮やかな写真い見えるのはXperia 1 Ⅲの方なのでどっちがいいかは個人の好みで分かれてくるのではないでしょうか。ちなみに、Galaxy S21などのスマホはさらに色鮮やかな写真に仕上げてくれますよ。
望遠で撮影した花ですが、Xperia 1 Ⅲでもすっかりと長いレンズのおかげで背景をぼかすことができていますが、物理的にセンサー、レンズが大きいミラーレスカメラの表現力には太刀打ちはできません。
広角で撮影したベンチもミラーレス一眼カメラなら雰囲気のある感じで背景をぼかしてくれます。とても自然でいいですよね。
ただ、立体感のないシチュエーションになってくるとXperia 1 Ⅲでも十分な画質、質感の写真に仕上げることができています。
こちらも広角で撮影した看板ですが、色合いがかなり異なっており自然な色合いになのはXperia 1 Ⅲとですが、ミラーレス一眼カメラも雰囲気のある感じの写真に仕上がっております。
神社に掲げられていた提灯ですが、Xperia 1 ⅢはHDRを自動適用させることで白トビをしっかり抑えながらも全体的にしっかりと写し出していますが、ミラーレス一眼カメラの方も夏らしく明るい写真で悪くはないですよね。
水に浮かんでいる花を撮影してみましたが、どちらも色鮮やかに撮影できています。
広角でしめ縄を撮影。ミラーレス一眼カメラの方がキレイなボケ感を演出できています。
望遠で垂れ下がっていた風鈴を撮影。
こういう前後あるシチュエーションになってくるとイメージセンサー、レンズが小さいスマホカメラは不利になりますが、Xperia 1 Ⅲのペリスコープレンズなら立体感のある写真に仕上げることができます。
スマホカメラでここまでリアリティのある写真を撮影できてしまったことに驚きです。
木陰で撮影した写真ですが、Xperia 1 ⅢはHDRをしっかり効かすことで白トビを抑えることができていますが、ミラーレス一眼カメラは太陽が当たっている部分が白トビしています。
ただ、ミラーレス一眼カメラの中にはHDRをオンにして撮影することもでき、富士フイルムのX-E4はHDRを設定することで3枚連続露出の異なる写真を撮影し自動的に画像を合成し白トビを抑えてくれます。
スマホは得意とする合成写真も最近のミラーレス一眼カメラでも使うことができるんですね。
夜間撮影の画質・ぼけ味を比較
同じように、夜の街並みもミラーレス一眼カメラで普通に撮影すると電飾看板の部分が白トビしていますが…
HDRを有効にすることでスマホと同じように白トビを抑えてバランスの良い写真に仕上げることができます。
にしても、Xperia 1 Ⅲの望遠カメラは素晴らしい描画力です。スマホのカメラとは思えないくらい、質感の高い自然な写真に仕上げることができます。近年のスマホは夜間撮影は明るくなりすぎる傾向がありますが、Xperia 1 Ⅲはホントにちょうどいい明るさになってます。
Xperia 1 Ⅲは超広角カメラでの撮影ができて、夜間撮影でも視野の広い写真を撮影が可能です。
望遠で撮影し解像感、ノイズの出方を確認してみました。
Xperia 1 Ⅲもスマホの割に解像感が高くてノイズの少ない写真に仕上がっていますが、ミラーレス一眼カメラはAPS-Cの大型センサー、大きなレンズで撮影することでさらにノイズの少ないキレイな写真に仕上げることができます。
どちらも暗いところの撮影もちゃんとできます。
Xperia 1 ⅢはBASICモードであればソフトウェア処理を使うことでノイズの少ない写真に仕上げることができます。ミラーレス一眼レフカメラもISO感度、シャッター速度を設定することで、ノイズの少ないキレイな写真に仕上げることができます。
Xperia 1 ⅢはBASICモードなら「夜景」または「低照度」モードで暗いところでもノイズが少なく自然な写真に撮影ができます。
ミラーレス一眼カメラは自動だと手振れ写真になってしまうことが多いですが、ISO感度を上げて、シャッター速度を上げることで手振れのない写真に仕上げることができますし、APS-Cの大きなイメージセンサーによって光をたくさん取り込むことができ、ノイズの少ない写真に仕上げることができます。
やはり暗いところはミラーレス一眼カメラは強いですよね。また、望遠で撮影するとその差はさらに広がります。
望遠レンズは明るさが暗めとなりますが、APS-Cセンサーを搭載しているので明るく撮影することができます。ちなみに、iPhone 12 Pro Maxのナイトモードを使うことでこれだけ明るく撮影できます。
ミラーレス一眼カメラは夜間撮影でもレンズの特性を生かすことができるので、このように背景をぼかして雰囲気のある写真に仕上げることもできます。
Xperia 1 Ⅲの望遠カメラは光の処理が特徴的なので好き嫌いあるかもしれないですね。
ブツ撮りの画質を比較
Xperia 1 Ⅲは70mm、105mmの望遠カメラを搭載してるためブツ撮りもこなすことができます。ミラーレス一眼カメラ・X-T4を撮影し比べてみました。
Xperia 1 Ⅲは105mmの望遠カメラで撮影できるのでXF18-55mmよりも寄って撮影することができます。スマホのカメラでここまで高精細、自然な写真に仕上げることができるのは凄いですよね。X-E4も2610万画素の高画素センサーを搭載していることもあって、画像処理でトリミングして素材として使うこともできます。
ミラーレス一眼カメラは被写体深度が浅い(ボケやすい)ので絞りによっては背景がボケすぎることがありますが、Xperia 1 Ⅲは被写体深度が深い(ボケにくい)ので意外とブツ撮りに向いているのかもしれません。
正直、違いはあまりないと言ってもいいかもしれませんね。
スマホとミラーレス一眼カメラの違い:まとめ
スマホのカメラか、ミラーレス一眼カメラか。どっちがいいかのか?それぞれのメリットをまとめました。
- 肌身離さず持っていつでも撮影できる
- 簡単に色鮮やかな写真に仕上げられる
- 風景の写真はスマホで十分すぎる
- 超広角カメラで視野の広い写真撮影ができる
- 写真の編集をアプリで簡単にできる
- SNSに簡単にアップロードできる
スマートフォンは生活必需品なので基本的に肌身離さず持っていることが多く、シャッターチャンスに強いです。しかも、シャッターを切っただけでそれなりにキレイな写真を撮影することができます。
写真の編集アプリで簡単に色合いを変更したりもできますし、SNSに簡単にアップロードできる気軽さがあります。
- 解像感が高くて自然なボケ味を表現できる
- レンズ交換で雰囲気の違い写真を撮影できる
- 人物撮影、ポートレート撮影は絶対にこっち
- 写真を撮影している楽しみを得られる
スマホのカメラはメーカー・機種によっても大きく異なるので一概にこうとはいえませんが、Xperia 1 Ⅲはソフトウェア処理は少なめでミラーレス一眼カメラのような自然な写真を撮影できるのでミラーレス一眼カメラに興味があるという方におすすめです。
Photo Proモードでカメラのような使い方、設定で撮影することもできますし、ある程度のカメラの知識も手に入れることができます。もし、Xperia 1 Ⅲが高くて買えない…という場合はXperia 1 Ⅱ、Xperia 5 Ⅱを選んでもいいかもですね 。
1.0型センサーを搭載したXperia Pro-Iはこちらです。スマホとは思えないくらい高精細な写真を撮影することができます。
ミラーレス一眼カメラは純粋に写真を撮ることを楽しみたい方、レンズを交換して楽しみたいという方におすすめです。また、撮影できる写真の幅は間違いなくミラーレス一眼カメラを選ぶのがいいです。
とくに、子どもをいい感じに撮影するならミラーレスカメラの方がいいです。肌の質感、雰囲気、全てにおいて満足いく写真を撮影することができるでしょう。
なお、色鮮やかな写真を気軽に撮影したいならXperia 1 Ⅲでもなく、ミラーレス一眼カメラでもなく、iPhone 13、Pixel 6、Galaxy S21、Mi 11 Lite 5Gなどを選んだ方がいいです。
Xperia 1 Ⅲはスマホではあるものの、ソフトウェアに頼らない落ち着いた写真に仕上げてくれるため色鮮やかな写真を簡単に撮影できるスマホとは異なります。SNSに映える写真を気軽に撮影したいな他メーカーのスマホを選ぶべきでしょう。
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