
ここ最近のMacBookは毎年のように新型モデルを発売していますが、2025年3月12日(水)にM4チップを搭載したMacBook Airが発売しました。
SoCがM4チップに置き換わったマイナーアップデートモデルで、今回は新色のスカイブルーが登場。春らしい爽やかなカラーでMacBookを楽しむことができます。
この記事ではMacBook Air(M4)をレビューしました。実際に使ってどうなのかメリット、デメリットも書いたので参考にどうぞ。
- 本体が薄く軽量で持ち運びしやすい
- サイズ 13.6 / 15.3インチの2種類から選べる
- M4チップで処理性能が向上
- メモリ最小容量が16GB〜で動作が安定
- メモリ 24GB / 32GB に増設できる
- Thunderbolt 4 / USB 4に対応
- メイン画面 + 外部モニター2枚出力に対応
- クラムシェルモードで音が籠らない
- MagSafe 3による充電に対応
- 新色スカイブルーが選べる
- 120Hzリフレッシュレート非対応
- USB-Cポートが2つと少ない
- SDカードスロットを搭載してない
この記事の目次
MacBook Air(M4)の特徴

- 13.6インチ Liquid Retinaディスプレイ
- 解像度:2,560 × 1,664ピクセル
- SoC:M4チップ(10CPU + 8 / 10GPU)
- メインメモリ:16 / 24 / 32GB
- ストレージ:256GB〜2TB
- 生体認証:指紋認証(Touch ID)
- キーボード:フルハイトファンクションキー付き
- ポート:MagSafe 3、USB-C(Thunderbolt 4)× 2
- オーディオ:ステレオ、3.5mmヘッドフォンジャック
- 色:スターライト、シルバー、ミッドナイト、スペースグレイ
- サイズ:304 × 215 × 11.3 mm、1.24kg
- 端末価格:164,800円〜
- 発売日:2025年3月12日(水)
2025年モデルのMacBook AirはSoCにAppleシリコン・M4を搭載した第4世代モデルです。画面サイズは13.6インチ、筐体は先代のM3モデルと同じなので見た目は全く同じ。

ただ、今回のモデルは本体カラーに新色のスカイブルーが追加されてM4だけの色を持ちだせる喜びがありますね。MacBookとしてはブルーは初めての色ですし新色が欲しいなら迷いなくM4モデルのMacBook Airにしましょう。

SoCに10コアCPU、8コアGPUのM4チップを搭載し処理性能も大きく向上し、最小メモリが16GBからとなり最も価格の安い最小構成モデルでも複数アプリを起動して安定した作業ができるようになりました。
メモリが16GBあるとFinal Cut Proで4K60fpsの動画を快適に編集できたり、Adobeのデザインソフトも十分快適に動作してくれるので、多くの人は最小構成モデルを選んでも問題ない感じとなりなります。
これで、価格据え置きの168,800円なのは嬉しい進化ではないです。
※ MacBook Air M3も発売から半年後に16GBが最小構成モデルになりましたが、初期版は8GBが最小メモリでした。
MacBook Air(M4)レビュー
本体デザイン:先代と同じ
MacBook Air(M4)の筐体デザインは先代と全く同じでシンプルで飽きのこない見た目となっています。

本体サイズは(304 × 215 × 11.3 mm)、重量は 1.24kg と同じ。本当にSoCが置き換わっただけのマイナーアップデートモデルですね。

見た目は「Air」という雰囲気はないですが本体厚みが11.3mmで本体重量が1.24kgとMacBook Pro 14インチよりも薄くて軽量となっていて持ち運びはしやすい筐体に仕上がっています。

MacBook Airは四方が丸みがあり天板と底面にかけて丸みの帯びた持ちやすいスタイルなのが良いですよね。

先細りデザインのMacBook Air(M1)はディスプレイ側に重心がありディスプレイを開いて持つとずっしりとした重心を感じましたが、M4モデルは重心が手前側にあるので軽さを感じることができます。

内蔵スピーカーは4スピーカーシステムを採用しています。

ヒンジ部分の隣にスピーカを搭載していて画面を開いた状態だと画面に音が反射して広がるようなサウンドを楽しめて、閉じた状態でもヒンジ部分の隙間から音が鳴るようになっていてクラムシェルモード時で音質を損なうことなく再生が可能です。

低音用のウーファーと高音用のツイーターを搭載してるので音を反射させずに再生できるクラムシェルモードの方が音質が良いって感じますし、ノート型パソコンにしては全体的に音質はとても良いモノとなっています。
30W USB-C電源アダプタ、USB-C充電ケーブル(2m)が同梱します。

ケーブルは本体カラーに合わせてカラーリングされていて、スカイブルーだと水色のケーブルが付属してきます。

MacBook Air(M4)の本体カラーはスカイブルー、シルバー、スターライト、ミッドナイトの4色あります。今まであったスペースグレイは廃止となっています。

今回、レビューしてるのは新色のスカイブルーとなっています。

スカイブルーは光の当たり方によって見え方がだいぶ異なっており、しっかりブルーに見えたり、シルバーっぽい感じに見えることもある不思議な本体カラーですね。

ちなみに、使ってる機器がシルバーで合わせてる場合はスカイブルーだと少し浮く可能性もあります。ためしに、シルバーのMac mini(M4 Pro)、iPad mini 6、Studio Display、iPhone 16 Proを並べてみました。

意外とアリですかね..?ただ、シルバーで統一感を出すならシルバーに合わせた方がいいですし、あえてスペースブラックにすることでメリハリ感を出し、スカイブルーは少しアクセントを出したい時にいいかもしれません。
ディスプレイ:13.6インチで先代と同じ
MacBook Air(M4)は13.6インチサイズの液晶ディスプレイを搭載しています。

左右上のベゼルの幅は統一化したすっきりスタイルで解像度は2,560 × 1,664ピクセル(224ppi)、画面輝度は500nits、10億色対応(広色域P3)、True Toneテクノロジーに対応しています。
リフレッシュレートは60Hzなので120Hzが必要ならMacBook Pro 14インチを選ぶことになります。13.6インチは一般的な使用用途では丁度使いやすい大きさで資料作成、ブログ執筆、動画編集も作業がしやすい大きさです。

作業領域を広げたいなら「設定」の「ディスプレイ」から「スペースを拡大」に設定で広い画面で作業ができるので、マルチタスクがしやすくなりますしデザイン制作なども13.6インチの画面サイズで作業可能です。
インカメラはiPhoneのようなノッチスタイルを採用しています。

パンチホール型でいいのでは?っていつも思ってしまいますが、ノッチ型にすることでメニュー部分を上に上げることができてMacBook Air(M1)よりも画面が広く作業がしやすくなっています。
キーボード:タイピングしやすい
MacBook Air(M4)のキーボードはフルハイトのファンクションキーを採用したバックライト付きのMagic Keyboardを採用しています。(ここでレビューしてるのはUS配列のキーボードです。)

キーの高さは先代のM3/M2と同じでMacBook Air(M1)やMacBook Pro 14インチよりも薄いタイプのキートップで安定感のあるタイピングが可能となっています。

個人的には「Pro」のキーボードよりも「Air」の方がタイピングがしやすく作業効率が向上するので、文章を入力することが多いならMacBook Airはおすすめです。
なお、キーキャップの刻印も少し変わっていて、USキーはcommandなどの記号マークの位置が内側から外側になっています。


JIS配列のキーボードも「英・かな」が「ABC・あいう」に変更となっていて、iPhoneやiPadからMacを使い出した人も違和感なくタイピングしやすく配慮されてるようですね。

長らくMacを使ってたユーザーにとっては違和感しかないですけどね(笑)
生体認証は指紋Touch IDを搭載しています。

Touch IDの認証精度と速度も高速で指をさっと触れるだけで画面ロック解除、パスワード管理、Apple Payの支払い手続きも可能です。
外部ポート:2台のディスプレイ出力に対応
本体左側にMagSafe3、USB-C(Thunderbolt 4)が2ポートを搭載しています。

本体右側に3.5mmヘッドフォンジャックを搭載しています。

ポートの種類はシンプルで使用用途においては足りないと感じることはありますが、電源専用のMagSafe 3を搭載してるので充電しながらもUSB-Cポート2つをフルで使うことができます。

外部モニターへの出力はUSB-Cポートから可能です。Studio Displayはもちろん、他社製のHDMIポート対応のモニターも表示が可能となっています。

Thunderbolt 4は3と同じく40Gbpsの通信できる規格ですが、バージョンが 3 → 4 になってデータ転送に利用できる最小帯域幅が 16Gbps から 32Gbps と倍になり外部モニターの接続台数が2台に増えました。

もちろん、USB-C to HDMIの接続でも2台出力に対応してるで、マルチディスプレイ環境の構築が圧倒的にしやすく進化しています。
今までは外部モニターを2台表示するならDisplay Linkを使ってドッキングステーション経由で表示させる必要があったのがネイティブに2台出力ができるようになったのは便利ですよね。
なお、MacBook Air(M4)はSDカードスロットは搭載していません。

画像や動画データを取り込むにはSDカードリーダーが必要です。このような手間が面倒となるならSDカードスロットを搭載しているMacBook Pro 14インチの方を選ぶのが良さそうです。
性能:M4で処理性能が大幅に向上
MacBook Air(M4)はAppleシリコン第4世代のM4チップを搭載しています。10コアCPU(高性能4 + 高効率6)、8コアGPU(または10コアGPU)、16コアNeural Engine(毎秒38兆回)を内蔵しています。

TSMCの3nmプロセスの280億個トランジスタで構成されたSoCですが、M3はCPUが8コア(高性能4 + 高効率4)だったのがM4は10コア(高性能4 + 高効率6)にコア数が増えています。
Geekbench 6のスコアは以下のとおりで、CPUはシングルコアが20%ほど処理性能が向上し単純にコア数が増えたこともありマルチコアCPUが25%も性能向上しています。

GPU(Open CL)はGPU(8コア)は15%、GPU(10コア)は40%も性能向上。よりグラフィック性能が必要なら10コアのGPUを内蔵しているM4チップを選ぶのが良さそうです。

GPU(Metal)も同じ傾向でGPU(8コア)は15%、GPU(10コア)は20%ほどの性能向上となっています。

※ 10GPUはMacBook Pro 14インチ(M4)で計測しています。
M4チップもGPUのパフォーマンスを最適に割り当てる新アーキテクチャ・Dynamic Cachingによりグラフィック周りのメモリを効率良く使えます。

光と影の表現を負荷を抑えながら表現できるハードウェアアクセラレーテッドメッシュシェーディング、ハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシングの処理も2倍高速化しています。
3D markのSolar BayでM4とM3で比較しました。
ベストスコアが M3(11533)→ M4(13284)と15%ほど処理性能が向上しています。

10コアGPUでファンを内蔵しているMacBook Pro 14インチ(M4)はM4(16179)とさらに処理性能が高いのでGPUの性能を求めるなら10コアGPUを内蔵したM4チップがおすすめです。さらに、長時間実行することがあるならファンを内蔵してるMacBook Proを選ぶのが良さそうですね。
ストレージ(256GB)は読み込み(2888MB/s)、書き込み(1947MB/s)とM3モデルより少しだけ向上してる程度です。同じく2チップ構成は変わりないと思います。

容量が512GBのMacBook Pro 14インチ(M4)は(2958MB/s)、書き込み(2942MB/s)と書き込み速度が向上。おそらく、容量差による性能アップなのでAirも512GBを選択することで同様の性能になるはずです。
メモリは LPDDR5X になったことでデータ転送速度が向上してます。

このあたりの性能はAirもProも変わりないですが、MacBook ProはM4 Proにすることで、さらに帯域が広くなるので処理性能が大きく向上することになります。
Illustrator、Photoshopの動作も全体的に向上しています。
メモリが8GBと16GBという差があるので単純比較はできないですが、最小構成のM3モデルから最小構成のM4モデルに乗り換えてこれほど処理が安定することのになります。メモリってやっぱ大事なんですよね。
端末発熱:負荷がかかると発熱する
M4チップは3nmプロセスで製造された新世代のSoC(システムオンチップ)ですが、Final Cut Proなどの動画編集ソフトでレンダリング、書き出しなど負荷がかかると、それなりに発熱します。

Final Cut Proで動画書き出し中(4K60fps 15分の動画)の発熱を計測したところ、M3が(Max 38.1℃)に対してM4が(Max 40.6℃)と少し高くなっていました。

ファンを内蔵しているMacBook Pro 14インチは(Max 33.2℃)に抑えられてるのでファンの有無の差はやはり大きいですね。ただ、Final Cut Proの書き出しにおいてはM4チップを搭載したAirもProも時間は同じでした。

先代のM3モデルと比べると2分ほど書き出し速度が向上してるので大きな差となります。ちなみに、M3も1年前に計測した時よりも1分ほど速度が速いのでFinal Cut Proの最適化が進んだ結果とも言えます。
- MacBook Air(M4):15分20秒
- MacBook Pro(M4):15分21秒
- MacBook Air(M3):17分13秒
なお、MacBook Pro 14インチ(M4)とAir(M4)の書き出し速度は変わりないです。ProはGPUのコア数が10個と多いのに速度が変わりないのは意外ですね。
電池持ち:普段使いでロングバッテリー
M4チップは3nmプロセスの新世代のSoCで電力効率が向上していますが、どれくらいの電池持ちなのか2世代前のMacBook Air(M2)とMacBook Air(M1)で比較しました。
モデル | MacBook Air 13(M4) | MacBook Air 13(M2) | MacBook Air 13(M1) |
---|---|---|---|
バッテリー容量 | 53.8Wh | 52.6Wh | 49.9Wh |
0時間 | 100% | 100% | 100% |
1時間 | 93% | 92% | 97% |
2時間 | 84% | 84% | 89% |
3時間 | 75% | 75% | 82% |
4時間 | 65% | 63% | 74% |
5時間 | 55% | 53% | 64% |
6時間 | 45% | 41% | 51% |
7時間 | 35% | 30% | 39% |
8時間 | 25% | 21% | 28% |
9時間 | 16% | 11% | 17% |
10時間 | 7% | 3% | 6% |
11時間 | 0% | 0% | 0% |
初代Appleシリコンを搭載したMacBook Air(M1)とほぼ同じ電池持ちでした。SoCは微細化して電力効率が上がってバッテリー容量は少しずつ増えてはきてますが、処理性能も大きく向上した中で維持できてるのはいいですね。
負荷のかかった状態だとどうなのか。3D Mark(Soler Bay)20回ループ時のバッテリー消費はM4が(15%消費)、M3が(15%消費)と同じでした。
Final Cut Proの動画書き出し(4K60fps・15分)はM4が(7%消費)、M3が(9%消費)とMacBook Air(M4)の方が電池持ちが良かったです。
電源アダプタは70Wがおすすめ
MacBook Air(M4)は 30W USB-C電源アダプタ が同梱してますが、+3,820円で 70W USB-C電源アダプタ または デュアルUSB-Cポート搭載35Wコンパクト電源アダプタ に変更可能です。

おすすめは 70W USB-C電源アダプタ です。


- 70W 電源アダプタ:0 → 23% → 47%
- 30W 電源アダプタ:0 → 49% → 82%
1時間の充電速度が30Wが47%、70Wが82%でほぼ倍です。この差が大きく、30Wは待たされてる感が強いですが、70Wはあっという間にフル充電できます。
持ち出すことが多い人は追加費用を支払ってでも70Wがおすすめです。
MacBook Air(M4)レビュー:まとめ

MacBook Air(M4)メリット・デメリット
- 本体が薄く軽量で持ち運びしやすい
- サイズ 13.6 / 15.3インチの2種類から選べる
- M4チップで処理性能が向上
- メモリ最小容量が16GB〜で動作が安定
- メモリ 24GB / 32GB に増設できる
- Thunderbolt 4 / USB 4に対応
- メイン画面 + 外部モニター2枚出力に対応
- クラムシェルモードで音が籠らない
- MagSafe 3による充電に対応
- 新色スカイブルーが選べる
- 120Hzリフレッシュレート非対応
- USB-Cポートが2つと少ない
- SDカードスロットを搭載してない
MacBook Air(M4)おすすめな人
- 費用を抑えつつ軽量なMacBookがほしい
- 電池持ちの良いモバイルノートがほしい
- メモリを32GBに増設して快適に作業したい
- 外部モニター2台 + メイン画面で作業したい
- 新色のスカイブルーに惚れ込んだ人
MacBook Air(M4)は最小構成で16GBのメモリを搭載しカスタマイズなしでそこそこ使えるマシンです。

ストレージが256GBだと足りない可能性もありますが、外付けSSDを駆使することで対処できるので、費用を抑えつつ高性能なMacBookがほしい人におすすめです。
13.6インチは現行のMacBookシリーズの中で最も薄くて軽量なモデルなので持ち運びにも最適で、新幹線で移動中にちょうどいいサイズ感で作業が可能となっています。15.3インチだと少し大きいかもですね。
MacBook AirはAppleシリコンになってから電池持ちも最高に良いので1日しっかり使えるモバイル性能を持っています。
また、メインモニターを表示したまま外部モニターを2台接続も対応し3画面表示ができるのもM4モデルの魅力です。ポートが少ないのがネックになりそうですが、ドッキングステーションでポートを拡張して上手く環境を整えることができそうです。
M4のMacBook Pro持ってたのか…