ソニーのXperia 1 II(エクスペリア1マーク2)は6.5インチの4KシネマワイドディスプレイにSnapdragon 865 5Gを搭載した2020年ハイエンドスマホです。
リアカメラにZeissコーティングが施されたレンズを採用したカメラにもこだわったモデルとなっています。
この記事では、Xperia 1 IIのサイズ・性能・カメラの画質をレビュー。実際に使ってどうなのか旧型となったXperia 1との違いも比較しています。
Xperia 1 IIを検討してる方は参考にどうぞ。
- 6.5インチの縦長ディスプレイ
- 4KHDR有機ELの画面がとにかく美しい
- ツァイスレンズでいい感じの写真が撮れる
- PhotoProでカメラと同じ操作感に
- 指紋認証搭載でマスクしながら使える
- ワイヤレス充電に対応している
- Felica対応でおサイフケータイとして使える
- HSパワーコントロールでゲームしやすい
- 120Hzリフレッシュレートに非対応
- バッテリーの減りが少し速い
- カメラの操作感が少し特殊かも
- 顔認証に対応していない
Xperia 1 IIは現在はドコモ認定リユースで購入可能です。ahamoからも手続きができるので月額費用を抑えながらXperia 1 IIを買うことができます。
→ 後継機種はXperia 1 Ⅲ、ProモデルはXperia PRO-Iとなっています。
この記事の目次
Xperia 1 IIの特徴
- 6.5インチ(90Hz)有機ELディスプレイ
- 解像度:4K(3,840 × 1,644ピクセル)
- SoC:Snapdragon 865 5G
- メモリ:8 / 12GB、ストレージ:128 / 256GB
- 広角カメラ:12MP(1/1.7型)・F1.7
- 超広角:12MP(1/2.55型)・F2.2
- 望遠 ×3:12MP(1/3.4型)・F2.4
- 生体認証:サイドボタン式指紋認証
- スピーカー:ステレオ
- 充電:USB-C(21W) & ワイヤレス(Qi)対応
- 通信:Bluetooth 5.1、Wi-Fi 6、5G Sub-6 / mmWV
- バッテリー:4,000mAh、防水防塵:IP68
- NFC :Type A/B/F(おサイフケータイ対応)
- サイズ:165.1 × 71.1 × 7.6 mm、重量:181 g
- OS:Android 10 → 12
- 発売日:2020年6月
Xperia 1 IIは6.5インチ4K HDRシネマワイドディスプレイを搭載し21:9の縦長な画面で2画面表示にしても余裕ある表示領域で操作できるのが大きな特徴です。
ハイエンドSoCのSnapdragon 865に8GBメインメモリを搭載し快適に動作し普段使いだけでなくゲームも快適に遊べます。メモリとストレージはキャリア版が8GB/128GB、SIMフリー版が12GB/256GBとなっています。
リアカメラにカール・ツァイスのコーティングレンズを採用したトリプルカメラ(広角・超広角・望遠)を搭載しています。
ツァイスレンズは、階調、色再現、透明感、立体感、ぼけ味など、被写体の微細な質感までを忠実に再現できるレンズで、SONYのミラーレスカメラの交換レンズとしてもラインナップされてます。
Xperiaシリーズにαテクノロジーを採用することでブランド化することもできますし、αのカメラとの連携機能も使えて可能性が広がりそうです。
Xperia 1 IIは現在はドコモ認定リユースで5〜6万円で購入可能です。ahamoからも手続きができるので月額費用を抑えながらXperia 1 IIを買うことができます。
Xperia 1 II レビュー・評価
筐体は角張ったデザイン
Xperia 1 IIの筐体は角張ったスタイルとなっていて、背面パネルはガラス素材、サイドフレームはステンレス金属を採用しています。
サイドフレームは滑らかなエッジ加工が施されているのでぶつけてすぐに凹むということはなさそうです。スクエア型の角張ったデザインに相まって美しくてかっこいいスタイルですよね。
リアカメラは正面から見て右側に搭載していて縦一列にカメラが並んでいるスタイルとなっています。
最近のカメラはトリプルカメラが当たり前になり、大きなレンズを採用することが多いのでカメラ部分の高さのある端末も多いですが、Xperia 1 IIのカメラ周りはスッキリとした印象となっています。
筐体の右側に音量ボタン、指紋センサー内蔵式のサイドボタン、シャッターボタンを搭載しています。
充電ポートはUSB-Cを採用していて急速充電にも対応しています。
筐体の左側にSIMカードスロットがあります。
nanoSIMに対応しています。SIMロック解除してSIMフリー化することで他キャリアの回線を使って通信もできます。
microSDカードは最大1TBまで対応しています。
Xperia 1 IIは128GBのストレージを内蔵しているので、そう簡単に一杯になることはないですが、写真や動画を撮るのが楽しいスマホなのでストレージ拡張できるのは嬉しい仕様ですね。
旧型となったXperia 1のリアカメラは中央にありました。また、サイドフレームと背面パネルが丸みのあるスタイルになっていました。
Xperia 1 II | Xperia 1 | |
サイズ | 166 × 72 × 7.9mm | 167 × 72 × 8.2mm |
重量 | 181g | 179g |
基本的なデザインは同じですがXperia 1 IIの方が角張って洗練されたスタイルになっています。サイドフレームが角張ったことで大きいスマホですがガッチリ握ることができて意外と操作性もいいです。
21:9シネマワイドディスプレイを搭載
Xperia 1 IIは6.5インチの画面比率21:9の縦長ディスプレイを搭載していて同じ6.5インチのAQUOS R5Gと比べると横幅のサイズが抑えられて比較的持ちやすくなっています。
基本的な画面スペックはXperia 1と同じですが、Xperia 1 IIは残像低減技術を搭載し90Hzのリフレッシュレートで画面を滑らかに表示させることができます。
Xperia 1 II | Xperia 1 | |
画面サイズ | 6.5インチ | |
解像度 | 3,840 × 1,644ピクセル | |
仕様 | 4KHDR対応有機ELディスプレイ、4Kアップスケーリング、HDRリマスター、クリエイターモード | |
リフレッシュレート | 90Hz相当(残像低減技術) | 60Hz |
ただし、Xperia 1 IIの残像低減技術はネイティブに90Hz駆動してるわけではないです。
表示が切り替わりの立ち上がりを速くして残像を低減する技術でGalaxy S20やAQUOS R5Gなどの倍速ディスプレイと比較すると滑らかではないです。
「画質設定」で「残像低減設定」をONにすることで90Hz相当の表示ができます。
Xperia 1 IIは映画を忠実に再現できるクリエイターモードに対応しています。「動画再生時の高画質処理」をONでBRAVIAの「X1 for mobile」により動画をきめ細やかに再現も可能です。
YouTubeの動画も4K解像度にアップスケーリングしてくれるのでとにかくキレイな画面で動画を楽しめます。
6.5インチはスマホの中では大きめなサイズですが4Kテレビと比較するとものすごく小さなディスプレイです。このサイズに4Kの解像度が詰め込まれているのですからそれはもうキレイの一言です。
NetflixはアプリからはフルHDの再生しかできないですがAppleスケーリング機能で解像感が高くなるので映画を楽しむなら最適なスマホです。
大画面と使いやすさを両立したサイズ感
Xperia 1 IIは6.5インチの大きめサイズですが21:9の縦長ディスプレイに狭小ベゼルレススタイルを採用することで画面サイズの大きさの割にコンパクト抑えられています。
本体横幅は72mmとなっていてXperia 10 ⅡやXperia 5と比較すると幅広なので片手操作は難しいですが画面サイズと本体サイズのコンパクトさを考えた大きさに仕上がっています。
最近は大きい画面のスマホで電子書籍を読んだりもしますが、6.5インチの大画面なのでランドスケープモード(横持ち)でなかなか見やすい大きさだなと感じています。
片手キーボードを設定することで片手での文字入力は問題ありません。
また、ソニー独自のサイドセンスを使うことで片手でアプリの切り替えもできます。
Xperia 1 IIはベゼルの幅が狭くてサイドセンスの呼び出しも快適なので慣れればこのサイズも意外と使えます。また、「21:9マルチウィンドウ」でサッと2画面表示に切り替えるができます。
他機種ではマルチタスク画面から2画面表示にしないといけないのに対して、Xperia 1 IIは「アプリ起動」→「2画面にするアプリを選択」するだけでマルチウィンドウ化できます。
21:9と縦長ディスプレイなので2画面表示しても余裕のある表示領域を確保できて見やすいですよ。
さらに、Xperia 1 IIは「マルチウィンドウスイッチ」という新機能を搭載し上の画面で起動しているアプリを簡単に切り替えることができるようになりました。
これは、Xperia 10 Ⅱにも搭載されている機能ですが、Xperia 1 IIの高性能なSoCにより起動と動作が速くストレスなくアプリ切り替えが可能となっています。
サイドボタン式 指紋センサーの精度
Xperia 1 IIはサイドボタンに指紋センサーを内蔵しています。
登録した指を触れるだけで画面ロック解除ができるのでマスクをしていても画面ロック解除できるのであらゆるシチュエーションでXperia 1 IIを使うことができます。
Xperia 1はセンサー式の指紋センサーで隣に電源ボタンがありましあが、Xperia 1 IIは電源ボタンに指紋センサーを内蔵していて精度も向上しています。
左利きの場合は中指と親指、右利きの場合は親指と中指を登録しておくことで、手で持った時や机の上に置いたままでも使うことができます。
なお、顔認証機能には非対応です。ソニーってなんで顔認証機能を搭載しないんでしょうかね。デュアル生体認証はあるととても便利なんですけどね。
内蔵スピーカーの音質が向上している
Xperia 1 IIの内蔵スピーカーはステレオ対応で筐体下側の画面端とサイドフレームの隙間があってここから音が鳴るようになっています。
もう片方のスピーカーは受話スピーカーを代用した形となっていますが、こちらも筐体とサイドフレームの隙間にスピーカーを埋め込む形になっています。
従来のモデルの筐体下側のスピーカーはサイドフレームにスピーカーを内蔵していました。
従来モデルは正面から音が出る受話スピーカーと側面から音が出るスピーカーで音の定位が崩れてましたが、Xperia 1 IIはどちらのスピーカーも正面から音が出て定位が安定し自然に音が鳴ります。
さらに、立体音響のDolby Atomsにも対応し対応コンテンツであれば迫力の立体音響を内蔵スピーカーで楽しむことができます。非対応コンテンツで低音が増強されて少し立体的なサウンドになって音楽が聴きやすくなります。
Xperia 1 IIは3.5mmオーディオジャックを搭載しています。
付属のテレビアンテナを接続することでフルセグ、ワンセグが見れるだけでなくハイレゾの音源を有線イヤホンを使って楽しむこともできます。
個人的にはワイヤレスイヤホンのWF-SP800NかWF-1000XM3を使って音楽を聴いているので、あまり使わないですがあると便利な端子です。
ワイヤレス充電に対応
Xperia 1 IIはワイヤレス充電に対応していてQi対応の充電器に乗せるだけで無線充電ができます。
Xperia 1はワイヤレス充電非対応でしたがXperia 1 IIではワイヤレス充電が復活したのはいい改善点といっていいでしょう。
充電速度がかなり速くてAnker PowerWave II StandでXperia 1 IIを充電して時間を計測してみました。
Anker PowerWave II Stand | Anker PowerPort III mini | |
充電方式 | ワイヤレス | 有線 |
0分 | 0% | 0% |
30分 | 25% | 48% |
60分 | 51% | 72% |
90分 | 70% | 92% |
120分 | 85% | 100% |
150分 | 98% | 100% |
USB-C PD充電器(18W〜30W)を使えば2時間ほどでフル充電できるのに対して、ワイヤレス充電は0%からフル充電するのに2.5時間ほどでした。
やはり有線による充電の方が素早く充電はできますが、ワイヤレス充電でも十分使える充電速度になっているようです。
PowerWave II Standは最大で15W出力での充電に対応していてメーカー公式ではXperia XZ3が15W充電ができるとしています。Xperia 1 IIも15Wの高速ワイヤレス充電に対応しているのかも?
Xperia 1 IIのスペック・性能
CPU・GPU・ストレージの性能
Xperia 1 IIは、Snapdragon 865に8GBのメインメモリを搭載したハイエンドスマホです。Xperia 1と性能の違いをGeekbench 5で比較してみました。
Xperia 1 II | Xperia 1 | |
CPU | Snapdragon 865 | Snapdragon 855 |
メインメモリ | 8GB(SIMフリー版 12GB) | 6GB |
シングルコア | 896 | 740 |
マルチコア | 3268 | 2773 |
GPU(OpenCL) | 3183 | 2467 |
Snapdragon 855 → 865になることでCPUの性能が 2773 → 3268 と20%、GPUの性能も30%ほど向上し快適にアプリを動かすことができるようになっています。
Xperia 1のカメラは写真撮影すると処理に時間がかかってすぐにプレビュー表示できなかったのがXperia 1 IIは処理が高速化しレスポンスが向上しすぐにプレビュー画面を確認できるようになりました。
Antutuで性能を比較してみました。
Xperia 1 II | Xperia 1 | |
CPU | Snapdragon 865 | Snapdragon 855 |
メインメモリ | 8GB(SIMフリー版 12GB) | 6GB |
ストレージ | 128GB(SIMフリー版 256GB) | 64GB |
トータル | 543791 | 438263 |
CPU | 182179 | 143468 |
GPU | 209185 | 173280 |
MEM | 79772 | 54570 |
UX | 72655 | 66945 |
トータルで25%ほどXperia 1 IIの方が処理性能が向上し、SoCがSnapdragon 865になってメインメモリの容量、ストレージ容量が増えたてデータ転送速度も大きく向上しているようです。
実際の動作速度
Xperia 1 IIとXperia 1の実際の動作速度をYouTubeで比較しています。13:30頃からChromeブラウザ、Twitter、Google Play、PUBGモバイルなどで比較しています。
Snapdragon 855を搭載しているXperia 1も快適に動作するので普段使いでの違いはなくPUBGモバイルも快適に動作しています。
ただ、カメラで写真を撮影したときの処理の速さがXperia 1 IIの方が高速なので写真や動画をたくさん撮影するならSnapdragon 865を搭載しているXperia 1 IIの方がおすすめです。
バッテリー・電池の持ちについて
Xperia 1 IIのバッテリー容量は4,000mAhとなっています。
検証で色々と使ってみて(カメラで200枚ほど写真撮影したり、ネットサーフィン、Twitterを1時間ほど使用、ベンチマークアプリを回したりゲームを少し)18時間ほどで100% → 36%でした。
Xperia 1 IIを普通に使うなら1日はちゃんと持ちますがバッテリーの減りは速いように感じます。
Twitterは1時間で10%の減りなので10時間ほどTwitterをする人はモバイルバッテリーがあった方が安心です。YouTubeは1時間30分の連続再生で5%でした。
HSパワーコントロールでゲームも快適に
Xperia 1 IIは「パフォーマンス・バランス・省電力優先」の3つのモードでプレイができて、「HSパワーコントロール」により充電中にバッテリーに電力供給しないでシステムに直接電力を供給ができます。
充電しながらゲームで遊ぶと通常モードだとバッテリーに電力を供給しながら端末が発熱しパフォーマンスの低下や電池劣化を引き起こしてしまいます。
HSパワーコントロールをONにすることでシステムに直接電力供給することができるのでバッテリーに負担がかからず、発熱が抑えられてパフォーマンス低下を抑制できるのです。
長い時間、ゲームで遊びたいという方には嬉しい機能ですよね。
5G通信の速度
Xperia 1 IIは高速データ通信ができる5G通信(Sub-6)に対応していて、docomo 5G、au 5G、SoftBank 5GのSIMカードを入れることで高速データ通信ができるようになります。
ミリ波は非対応ですが、5Gエリアであれば理論値で下り3.4Gbps、上り182Mbpsの高速通信が可能となっています。
実際にdocomo 5Gで通信速度を計測してみました。
受信速度 | 送信速度 | |
1回目 | 282.7Mbps | 94.5Mbps |
2回目 | 205.7Mbps | 92.3Mbps |
3回目 | 237.6Mbps | 93.3Mbps |
4回目 | 127.2Mbps | 92.3Mbps |
5回目 | 207.8Mbps | 92.6Mbps |
下りで200〜250Mbps、上りで90〜100Mbpsの通信速度となっていました。4G LTEによる通信だと下りで80Mbps、上りで10Mbpsほどなので5Gで通信することで大幅に通信速度が向上するのは間違いなさそうですね。
5Gが使えるエリアはまだまだ少ないので、高速通信の恩恵を受ける機会は少ないのでこれからの普及に期待したいところです。
ドコモ版のXperia 1 II(SO-51A)の対応バンドは以下の通りです。(→ドコモ公式サイト)
- 4G(国内):1,3,19,21,28,41,42
- 4G(海外):1,3,4,5,7,12,13,17,28,38,39,40,41,42
- 5G:n78,n79(Sub-6)
au版と対応バンドが異なっていて、Band 18がないのでUQモバイルや楽天モバイルのau回線で使うならau版を選んだ方がいいのかも。
ちなみに、ワイモバイルのSIMカードを入れてXperia 1 IIを使っていますが、問題なく通信できています。
Xperia 1 II カメラのスペック・性能
Xperia 1 IIのリアカメラはカール・ツァイス製のレンズを採用し標準、超広角、望遠のトリプルカメラとなっています。また、3D iToFセンサーでオートフォーカスの精度を高めています。
ツァイス(ZEISS)製のレンズはソニーのαシリーズのカメラの交換レンズにもあります。T*(ティースター)コーティングをしたレンズでクリアな質感の高い表現が可能となりました。
Xperia 1 II | Xperia 1 | |
標準 | 1220万・F/1.7・24mm (1/1.7インチ) |
1220万・F/1.7・26mm (1/2.6インチ) |
超広角 | 1220万・F/2.2・16mm (1/2.55インチ) |
1220万・F/2.4・16mm (1/3.4インチ) |
望遠 | 1220万・F/2.4・70mm (1/3.4インチ) |
1220万・F/2.4・52mm (1/3.4インチ) |
オートフォーカス | 3D iToFセンサー、瞳AF(動物対応) | 瞳AF |
連写性能 | 20枚/1秒 | 10枚/1秒 |
インカメラ | 800万画素・F2.0(1/4インチ) |
標準カメラのイメージセンサーは1/1.7インチの大型センサーで高精細かつスマホだけどボケ味を自然に表現できます。
ソフトウェアによるボケ機能もありますがPhoto Proでは使えないのであまり使って欲しくない感じです。カール・ツァイス製のレンズはボケ味もキレイなので納得です。
Xperia 1 IIは引き続き瞳AFに対応した顔追従オートフォーカスを搭載していますが、なんと動物の瞳にも対応してくれます。
スマホのカメラに瞳AFは必要なのか?ってXperia 1を使ったときに感じましたが動物は顔追従してくれません。しかし、瞳AFは動物の瞳にもしっかりフォーカスしてくれるので使いやすいです。
Xperia 1 IIは大きめのイメージセンサーになって被写体深度が浅くなりピントがずれるとボケやすいので瞳AFの必要性は以前よりもあるように感じます。
それぞれのカメラが独立している
従来のモデルは一発で標準 → 超広角に画角を切り替えることができない仕様でしたが、Xperia 1 IIのカメラはワンタッチで広角、望遠、超広角を切り替えることができるようになりました。
また、Xperia 1 IIのカメラは超広角、標準、望遠のレンズを切り替えて使うという概念があり連続して画角を変更することができない少し癖のある仕様となっています。
レンズ | 光学画角 | デジタルズーム | デジタルズーム(PhotoPro) |
---|---|---|---|
超広角 | 16mm(光学0.65倍) | 〜48mm(デジタル3倍) | 〜24mm(デジタル2倍) |
標準(広角) | 24mm(光学1倍) | 〜70mm(デジタル3倍) | 〜70mm(デジタル3倍) |
望遠 | 70mm(光学3倍) | 〜200mm(デジタル3倍) | 〜200mm(デジタル3倍) |
24mmの画角は超広角カメラのデジタルズーム3倍と標準カメラの標準画角、70mmの画角は広角カメラのデジタルズーム3倍と望遠カメラの標準画角の2つ存在することになります。
例えば、こちらは標準カメラでデジタルズーム3倍して撮影した画像と、望遠カメラでそのまま撮影した画像を比較したものです。
標準カメラでデジタル3倍ズームした画像(70mm)は輪郭が濃く表現されたものになっています。望遠カメラで撮影した画像(70mm)は輪郭が自然に表現できています。
標準カメラと望遠カメラでそれぞれ同じ画角で撮影できるスマホカメラってなかなかないですよね。ちょっと混乱してしまいそう。
ちなみに、通常のカメラアプリとPhoto Proでは超広角カメラでデジタルズームできる画角が異なります。通常のカメラアプリはデジタル3倍、Photo Proはデジタル2倍の画角までズームすることができます。
ますます混乱しそうですが、ミラーレスカメラのズームレンズを付け替えて使うイメージと近いかもしれないですね。3つのカメラを必要に応じて切り替えて使う感じ。
Xperia 1 IIとXperia 1の標準カメラの画質を比較してみました。
どちらも1220万画素のイメージセンサーで画質はほぼ同じですがXperia 1の1/2.6インチからXperia 1 IIは1/1.7インチになったことで背景のボケ方がキレイになりました。
ソフトウェアで背景をぼかす機能もありますが接写することでリアルに背景のボケを表現できるので必要性はないのかも。iPhone 11 Proと比べると背景のぼけ味がかなりキレイですよね。
ぼけ味についてはツァイス製のレンズの性能が発揮されているのか暗いところのライトの玉ボケもとてもキレイに表現できます。
Xperia 1 IIの標準カメラで撮影した作例をいくつかどうぞ。金沢のひがし茶屋街のメインストリートです。コロナの影響で人がいないので写真取り放題…。
Xperia 1 IIのカメラの色合いは忠実に表現してくれます。見たままの風景を切り出してくれるので違和感の少ない写真を撮影できます。
ホントに人が少ないので写真が撮影しやすい…。いいことなのか、どうなのか。
紫陽花がちょうど見頃を迎えていますね。青々とした花の模様、水滴もキレイに表現できています。
F/1.7の明るめのレンズに1/1.7インチの大型イメージセンサーにより暗いところもキレイに写真を撮影することができます。
自動的に長時間露光モードに切り替わりますが、ナイトモードではないので暗部が極端に明るくなってしまうことはありません。
Xperia 1 IIはHDRによる暗部の明るさ引き上げは控えめなので、写真のバランスが崩れないのがいいところ。
子どもや人物撮影についてですがとても良いです。写真を上げることができないのですが、ブランコに乗った子ども達を標準のカメラアプリを使って撮影してみましたが驚くほどピントが合います。
ブランコだと瞳AFは関係ないですが、素早い被写体の移動に対してもしっかりAFが追ってくれるようで、高速連写して撮影してピントの合点率がなかなか高い。
また、肌の質感の表現もなかなか良いので子ども達をキレイに撮影したいならXperia 1 IIはかなり使えるなぁといった印象です。
Xperia 1 IIの超広角カメラはF2.2の明るさの16mmのレンズに1/2.55インチのイメージセンサーを搭載しています。
Xperia 1とXperia 1 IIの超広角カメラの画質を比較してみました。
自動販売機の部分を拡大してノイズの出方や解像感をチェックです。
どちらも超広角画角の1220万画素のイメージセンサーを搭載していますが、レンズの明るさがF/2.4 → F/2.2と明るくなり、センサーサイズも1/3.4インチ → 1/2.55インチと大型化し画質が向上しています。
超広角カメラがあれば広い視野で写真を撮影することができます。
明るくなったレンズと大きくなったイメージセンサーで暗くても手振れしくい写真を気軽に撮影可能となっています。超広角カメラになると極端に画質が低下してしまうスマホがあったりしますが、Xperia 1 IIは自然な感じで撮影することができます。
Xperia 1 IIの望遠カメラはF2.4の明るさの光学3倍(70mm)のレンズに1/3.4インチのイメージセンサーを搭載しています。
Xperia 1とXperia 1 IIの望遠カメラの画質を比較してみました。こちらは、Xperia 1の望遠カメラ(光学2倍)をデジタルズームで3倍にして金沢駅の入り口を撮影したものです。
Xperia 1の3倍ズームは光学2倍の望遠ズームをデジタルズームしているので、輪郭が強調されて違和感のある画像になってしまいますが、Xperia 1 IIは光学3倍の望遠レンズとなっているので違和感のない自然な表現が可能となっています。
Xperia 1 IIで2倍ズームで撮影する場合は標準カメラに切り替えて「×2」にすることで可能です。
ただし、Xperia 1の望遠カメラと比較するとXperia 1 IIの標準カメラのデジタル2倍ズームの画質は劣ります。
イメージセンサーが大きくなって画質が向上したとはいえ、光学2倍の望遠レンズにはかなわないですよね。望遠カメラで52mmの画角で撮影するならXperia 1、70mmの画角で撮影するならXperia 1 IIということになります。
まあ、Xperia 1 IIを使うなら70mm(光学3倍)の画角に慣れるのがいいのかもしれないですね。
望遠カメラ(光学3倍)での作例をいくつか掲載しておきます。
光学3倍(70mm)の画角なので被写体から離れていても近くで撮影できますし圧縮効果により引き締まった感じになります。
個人的に望遠レンズが好きなので3倍光学のカメラはとても嬉しい。
ただし、Xperia 1 IIの望遠カメラに採用されているイメージセンサーは1/3.4インチと小さいので画質は思ったほどではないかも。
というよりも、ピントがボケることが多い感じ。
しっかりとピントが合っていれば暗いところでもキレイな写真に仕上げることができるのですが、高倍率の望遠レンズはピントがズレやすいので扱いが少し難しいかもですね。
ちなみに、Xperia 1 IIの望遠カメラ(70mm)はあまりにも暗いところでは使えません。暗いと「フォーカスを合わせるには、もう少し明るさが必要です。」と警告が表示してしまいます。
Xperia 1は自動的に標準カメラのデジタル2倍ズームに切り替わってたのがXperia 1 IIはカメラを交換レンズのように手動で切り替える概念があります。
警告が表示した場合は手動で望遠カメラから標準カメラに切り替えてデジタル3倍ズームにする必要があるんですよね。ここまでミラーレスカメラに近い操作感とは…こだわってる。?
低照度モードで暗いところを明るく撮影
Xperia 1 IIはナイトモード非搭載ですが、 暗いシーンでは低照度モードに自動的に切り替わって長時間露光による撮影(3〜5秒ほど)となり、暗いところで明るく撮影することが可能となっています。
実質的なナイトモードのような機能ではありますが、一般的なナイトモードと違って明るくなりすぎないという特徴があり、より自然な写真に仕上げることができます。
ただし、Xperia 1 IIの低照度モードはAIが状況を判断して自動的に切り替わるため使いたいときに使えないというデメリットがあります。
また、夜景モードに切り替わると光を生かした明るさを抑えた写真になるのでちゃんと撮影できないこともあり、扱いが少し難しいなと感じます。
Photo Proでこだわりの写真を撮影できる
Xperia 1 IIは通常のカメラアプリだけでなくPhotograph Pro(Photo Pro)を使って撮影ができます。
ソフトウェアシャッターボタンがないので、筐体サイドにあるシャッタボタンを使って撮影スタイルとなります。
しかも、半押ししてオートフォーカスを合わせてボタンを押し込むと撮影できるという仕様となっているので(手ブレ起こしそうになる)こだわりのあるスタイルとなっています。
Photo Proは「Auto・P・S・M」の4つのモードを切り替えて撮影ができます。
Auto | P(プログラムオート) | S(シャッタースピード優先) | M(マニュアル露出) | |
ドライブモード | ○ | ○ | ○ | ○ |
AFモード | ○ | ○ | ○ | ○ |
フォーカスモード・エリア | ○(MF設定不可) | ○ | ○ | ○ |
シャッター速度 | × | × | ○ | ○ |
露出補正 | × | ○ | ○ | ○ |
ISO調整 | × | ○ | × | ○ |
測光モード | × | ○ | ○ | ○ |
ホワイトバランス | × | ○ | ○ | ○ |
「Auto」は標準カメラと同じ操作感で撮影ができるモードとなっていて、「P」にすることでISO感度やホワイトバランスが調整できます。「S」にするとシャッター速度を調整できるので、三脚を立てて車のヘッドライトをレザービーム撮影するという使い方も可能となります。
Photo Proは「露出/色」から「DRO/オートHDR」の設定を変更することができます。
通常のカメラアプリは自動HDRでの撮影となりますが、Photo Proを使えばHDRをOFFにしたり、Dレンジオプティマイザーに変更することができます。
Dレンジオプティマイザーはミラーレスカメラにもある機能です。
HDRは複数枚の画像を合成し黒つぶれと白トビを最適化するモードですが、Dレンジオプティマイザーは1枚の画像で階調を最適化するモードです。
HDRと比べて白トビしてしまいますが、自然な写真に仕上げることができるのが特徴です。こちらは、各スマホの望遠カメラを使って撮影した画像です。
iPhone 11 Proは周囲の暗いところの諧調を上げようとして破綻してしまっていますが、Xperia 1 IIは比較的うまく表現できているようです。
さらに、Photo ProのDレンジオプティマイザーで撮影すると、光源の白トビを上手く抑えながら光の加減も実際の雰囲気に近い感じで表現できます。
他のスマホでも露出補正をいじったり、いろいろすることで撮影できると思いますが、Xperia 1 IIはシャッターボタンを切っただけで雰囲気のある写真を簡単に撮影できてしまうのが凄いところ。
HDRで合成した写真がいいのか、Dレンジオプティマイザーで自然に仕上げた写真がいいのか。完全に好みの部分ではありますが、Xperia 1 IIなら状況に合わせてモードを切り替えて撮影することができます。
Photo Proは撮影する写真の画角設定で「3:2」で撮影ができます。
通常のスマホのカメラは4:3での撮影になることが多いですがXperia 1 Ⅱは3:2に設定できて、フルサイズ、APC-Cセンサーを搭載したカメラで多く採用されている画角で撮影ができます。
カメラで撮影した画像と画角を統一できるのはいいですよね。
PhotoProはRAW撮影も可能で現像処理を自分でしたい方の要望にも答えてくれます。
Xperia 1ⅱのカメラはダイナミックレンジが広いのでRAW現像による幅広い写真を作り出すことができるので、作品を作りたいという方も使えそう。
さらに、三脚を使ってシャッタースピードを30秒、ISO200、マニュアルフォーカスで撮影することで星空を撮ることもできます。
スマホでここまで星をきちんと撮影できるのがスゴいですよね。
ちなみに、Xperia 1やXperia 5のマニュアルモードもシャッター速度を30秒に設定できるので、三脚を使って撮影ができますがXperia 1 IIの方が実際の色に近い感じで星を撮影することができます。
カメラを使ってきたユーザーにとっては馴染みのある画角なので、個人的には画角だけでPhoto Proを使いたくなってしまいます。
ただし、Photo Proの撮影は普通のカメラアプリと比べると少し難しいので色々と試して慣れる必要はあるのかなぁと感じます。
純正ケースがスタンド付きで使いやすい
Xperia 1 IIの純正ケースは横の部分を守っていないこともあって本体の横幅を大きくすることなくスマホを守れる最高のケースとなっています。
また、スタンドを内蔵しているのでXperia 1 IIを立てかけて使うこともできます。
純正ケースは本当に使いやすいのでおすすめです。本体サイズを維持したままスマホを守りつつどこでも立てかけて映画を観たりすることもできます。
Xperia 1 IIのスペック
ディスプレイ | 6.5インチ(3,840 × 1,644ピクセル) 4KHDR 有機ELディスプレイ 90Hzリフレッシュレート |
---|---|
SoC | Snapdragon 865 5G |
メインメモリ | 8GB |
ストレージ | 128GB |
生体認証 | サイドボタン式指紋認証 |
リアカメラ | 広角:1220万画素・ƒ/1.7 超広角:1220万画素・ƒ/2.2 望遠:1220万画素・光学3倍ƒ/2.8 3D iTOFセンサー |
インカメラ | 800万画素・ƒ/2.0 |
オーディオ | ステレオスピーカー |
通信性能 | Wi-Fi 6(802.11ax)、Bluetooth 5.1、5G通信(Sub-6) |
バッテリー | 4,000mAh |
防水防塵 | IP68 |
ポート | USB-C、3.5mmオーディオジャック |
サイズと重量 | 166 × 72 × 7.9mm・181g |
価格 | 60,170円 |
発売日 | 2020年6月18日 |
Xperia 1 IIはドコモでMNP乗り換えなら57,200円で買うことができます。2年前のモデルですがまだ現役で使える性能を持っていますしこの価格ならアリかもしれません。
Xperia 1 II レビュー・評価:まとめ
- 6.5インチの縦長ディスプレイ
- 4KHDR有機ELの画面がとにかく美しい
- ツァイスレンズでいい感じの写真が撮れる
- PhotoProでカメラと同じ操作感に
- 指紋認証搭載でマスクしながら使える
- ワイヤレス充電に対応している
- Felica対応でおサイフケータイとして使える
- HSパワーコントロールでゲームしやすい
- 120Hzリフレッシュレートに非対応
- バッテリーの減りが少し速い
- カメラの操作感が少し特殊かも
- 顔認証に対応していない
Xperia 1 IIのメリット
Xperia 1 IIは6.5インチの4Kシネマワイドディスプレイにツァイス製のカメラレンズを3つ搭載したハイエンドスマホです。
Xperia 1 IIは4KHDRの有機ELディスプレイを搭載しとにかく画面がキレイです。4Kアップスケーリング機能でNetflixの映画も高精細に視聴できます。
カメラもPhoto Proを搭載しカメラっぽい操作感で撮影可能でZeissコーティングが施されたレンズで雰囲気ある撮影が可能となっています。
望遠カメラは2021年のXperia 1 IIIの方が画質が圧倒的にキレイで撮影しやすいですが広角カメラはXperia 1 IIでも十分使える画質となっています。
Xperia 1 IIのデメリット
Xperia 1 IIはソニーのカメラ事業の柱の中の一つのデバイスでミラーレスカメラのαシリーズを意識しいて3つのカメラを切り替える概念があって操作がややこしいと感じるかもしれません。
ただ、これに慣れると撮影はしやすいですし使い慣れていくでしょう。
また、ディスプレイが120Hzリフレッシュレートに対応せず90Hzまでなのもデメリットです。同世代のXperia 5 IIは120Hzに対応しるだけに残念ですね。
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