iPhone 11 Proは現役で使える性能を持ったA13 Bionicに、広角、超広角、望遠のトリプルカメラに背面にテクスチャーマットガラスを採用した質感の高いハイエンドなiPhoneです。
画面サイズは5.8インチとiPhone 11 Proはちょうど使いやすい大きさで、本体横幅も71mmに抑えられ片手操作もしやすく使いやすい端末で正直なところiPhone 12 Proよりも扱いやすかったりもします。
この記事では、iPhone 11 Proのデザイン・スペック・使いやすさ・カメラの画質のレビューし、実際に使ってみてどうなのかメリット、デメリットも書いてるので検討している方は参考にどうぞ。
- 5.8インチで片手で使えるサイズ感
- 有機ELで明るく色鮮やかで視認性が良い
- マットガラスボディで指紋が付きにくい
- 現役で使える高性能なA13 Bionicを搭載
- トリプルカメラで幅広い写真撮影ができる
- IP68(水深4m 30分)耐水防塵で安心
- FeliCaによる電子決済(おサイフケータイ)対応
- ワイヤレス充電(Qi)に対応している
- 中古のイオシスで47,800円〜で買える
- ステンレスフレームは傷付きやすい
- 120Hzリフレシュレートは非対応
- 端末が発熱しやすい傾向がある
- 指紋認証が使えない
- マスクしながらFace IDが使えない
- 横向きFace IDが使えない
この記事の目次
iPhone 11 Proの特徴
- ディスプレイ:5.8インチ(有機EL)
- 解像度:2,436 × 1,125ピクセル
- SoC:A13 Bionic、メモリ:4GB
- ストレージ:64GB・256GB・512GB
- 生体認証:Face ID(顔・マスクに対応)
- 広角カメラ:12MP(1/2.5型)・ƒ/1.8
- 超広角カメラ:12MP(3.8型)・ƒ/2.4
- 望遠光学2倍カメラ:12MP(3.6型)・ƒ/2.4
- インカメラ:12万画素・ƒ/2.2
- オーディオ:ステレオスピーカー、空間オーディオ
- 通信:Wi-Fi 6(802.11ax)、Bluetooth 5.0、4G LTE
- NFC:NFC A/B/Felica(おサイフケータイ対応)
- バッテリー容量:3,046mAh
- 充電:Lightning(急速充電対応)、ワイヤレス充電(Qi)
- 電子決済:おサイフケータイ(Felica)対応
- 防水防塵:IP68(水深4メートル30分)
- サイズ:144× 71.4 × 8.1 mm、188 g
- 端末価格:106,800円(発売当初)
- 発売日:2019年9月20日
iPhone 11 Proは5.8インチのディスプレイを採用し本体サイズが144 × 71.46 × 8.1 mmと横幅71mmとiPhone 11よりもコンパクトなサイズに仕上がっています。
5.8インチという画面サイズはとてもバランスの取れた大きさですよね。6.1インチも小さい方ではありますが、片手操作するならiPhone 11 Proの5.8インチはとても扱いやすいサイズ感ではないでしょうか。
リアカメラは「デュアル → トリプル」になって超広角での視野の広い撮影が可能になっています。背面パネルに非光沢なテクスチャーマットガラスを採用しサラサラとした指紋が付着しにくい筐体へと進化しています。
すりガラスのような素材ですね。1年ほどケースを装着せずに使いましたが指紋が付かないし細かい傷も全く付かなかったことに驚きです。ケースをできるだけ装着したくない派なのでまさに最高のiPhoneが舞い降りた…そんな感じです。
SoCはA13 Bionic、メモリは4GBを搭載し現役でも使える性能を持ってます。さらに、バッテリー容量が2,658mAh → 3,190mAhに大幅に増えて電池持ちが4時間も向上しモバイルバッテリーがなくてもある程度使えるiPhoneになっています。
iPhone 11 Proは販売終了していますがdocomo Certified(ドコモ認定リユース品)や中古で購入が可能です。64GBモデルが4〜6万円ほどで手に入れられるので費用を抑えつつiPhoneが欲しいならいい選択肢ではないでしょうか。
iPhone 11 Pro レビュー・評価
パッケージと付属品
今までのiPhoneのパッケージは白を基調としたものが多かった(iPhone 7のジェットブラックは黒色基調だった)ですが、iPhone 11 Pro/Pro Maxのパッケージは黒を基調としたものとなっています。
蓋を開けたらiPhoneが収められているスタイルはiPhone 7以来でしょうか。久しぶりですよね。しかも、今回はカメラ推しなのか画面ではなく背面パネル側で収められています。
iPhone 11 Proの付属品は説明書一式、Appleのシール、SIMピン、EarPods with Lightning Connector、USB-C – Lightningケーブル、18W USB-C電源アダプタとなっています。
iPhone 11は、5W USB-A電源アダプタを同梱していますが、iPhone 11 ProはiPad Proにも付属しいている18Wの充電アダプタを同梱しています。
PD充電ができるUSB-C – Lightningケーブルも付属しているので、iPhone 11 Proを買えばすぐに約30分で最大50%充電ができるようになります。
iPhoneの急速充電は旧型のiPhone XS/XS Max/XRも対応してましたが、わざわざ充電器を購入する必要があったので急速充電ができる18Wの充電器とケーブルが付属しているのは嬉しいですよね。
筐体デザインは高級感のあるスタイルに
iPhone 11 Proの基本デザインはiPhone XS/Xを踏襲したお馴染みのベゼルレススタイルとなっています。
正面から見るとこの端末がiPhone XなのかiPhone 11 Proなのか判別することができませんが、裏返すとリアカメラがトリプルカメラになっているので一発で判別可能。
それにしても…奇抜なデザインですよね。
3つのカメラをなんでこのように配置したのか。縦に1列に並べても良かったんじゃないか…とも思いましたが、不思議なことに今では「カッコイイじゃん!」ってなっています。
iPhone 11 Proは「iPhone」のロゴが廃止されてAppleのロゴマークが中央に移動しています。
スクエア型のトリプルカメラが大きすぎてAppleのロゴマークに近すぎるので中央に移動させたのでしょうね。iPhoneのロゴがなくなったのは悲しいですが意外と悪くないデザインではないでしょうか。
iPhone 11 Proの本体カラーはミッドナイトグリーン、スペースグレイ、シルバー、ゴールドの4色から選ぶことができます。
どれもなかなか活かした色してるんですよね。僕は無難なシルバーを購入しましたが、新色のミッドナイトグリーンも思ってたよりも落ち着いた配色で渋くてカッコイイですよね。
マットガラスになって指紋が付きにくい
iPhone 11 ProはiPhone XSと同じくステンレスフレーム + ガラス筐体ですが、ガラスの素材が「テクスチャードマットガラス」に変更となっており磨りガラスのような筐体デザインとなっています。
手触りが従来のモデルとは異なりサラサラとしていてアルミ素材のiPhone 7に近い感覚があり従来のガラス筐体のスマホにはない手触りです。
光沢タイプのガラスと違って指紋が付きにくいのが良いです。個人的にケースを付けずにiPhoneを使いたい人なので指紋が付きにくいテクスチャードマットガラスは最高です。
テクスチャードマットガラスはケースなしで使っても筐体に傷が付きにくくそのまま使っても問題ないくらいです。(もちろん、ぶつけたりすると傷は付くことがあります。)
iPhone 11 ProとiPhone 11でカメラ部分の加工方法が異なっており、iPhone 11は従来と同じ光沢のあるガラスでリアカメラの部分は非光沢のマット調仕上げで、iPhone 11 Proとは逆の加工がされているのです。
どっちが良いかは別として面白いですよね。サイドフレームはステンレス素材を採用していて高級感のあるスタイルを実現しています。このあたりのデザインはiPhone Xから引き継がれたスタイルとなっています。
筐体右側にミュートボタン、音量ボタンがあります。
筐体右側にサイドボタンを搭載しています。
サイドボタンは電源ボタンではなくスリープ解除したり、ウォレットアプリやSiriを起動するためのボタンとなっていて、電源を切る場合はサイドボタンと音量ボタン(下)を同時押しで可能です。
ホームボタンを搭載しているiPhoneからの乗り換えだと慌ててしまうかもしれないですね。
充電ポートはLightningを採用しています。
Apple 20W USB-C充電アダプタを使うことで30分で最大50%の急速充電にも対応しています。実際に試してみたところお風呂に入っている30分の間に25% → 70%ほどに回復していました。
もし、Apple WatchやAirPodsなども使ってるなら2ポート同時充電ができるAnker 521 Chargerというアダプタが便利ですよ。
充電ケーブルはAnker PowerLine Ⅲ Flowが柔軟性のあるケーブルで絡まりにくいのでとても使いやすいです。
なお、ワイヤレス充電にも対応しているのでスタンド型のワイヤレス充電器を組み合わせることで充電しながら動画を見ることもできますよ。
ディスプレイの画質・サイズ感
iPhone 11 Proは5.8インチの有機ELディスプレイを搭載し、Super Retina XDRという次世代のパネルを採用していてスペックが向上しています。
iPhone 11 Pro | iPhone XS | |
画面サイズ | 5.8インチ | |
ディスプレイ | Super Retina XDR(有機EL) | Super Retina HD(有機EL) |
解像度 | 有機EL(2,436 x 1,125ピクセル) | |
コントラスト比 | 2,000,000:1 | 1,000,000:1 |
最大輝度 | 800〜1200ニト | 625ニト |
3D Touch | – | 搭載 |
同じ有機ELディスプレイですが、ディスプレイドライバとディスプレイ間の連係を向上させて、効率が良いOLED素材を採用したことで、より明るく・省電力(15%省電力に)になったパネルとなっています。
実際の見た目の違いはどうなのか。iPhone 11 ProとiPhone Xの写真アプリで同じ画像を開いて比較してみました。(カメラで撮影して比較しています。)
正直…わからん。
ちょっとだけiPhone 11 Proの方がコントラストが高いような気もしますが、ほぼ同じですよね。
なお、iPhone 11 ProはHDR動画に対応しています。
HDR動画はハイライトとシャドウの部分のコントラスト比が上がってメリハリのある映像となります。そんな中で、2019年10月中旬のアップデートでiPhone 11 ProでもHDR再生ができるようになりました。
やはりHDRの映像は深みがあってキレイですね!とはいえ、Super Retina XDRとSuper Retina HDRの違いはちょっと分からないかな…。どちらも深みのある色鮮やかな表現ができるディスプレイになっているのかなと思います。
有機ELは太陽下でも画面が見やすい
スタンダードモデルのiPhone 11は液晶ディスプレイですが、プロモデルのiPhone 11 Proは有機ELディスプレイを採用しています。
有機ELディスプレイはコントラスト比・輝度が高いパネルで太陽下で使うと液晶のiPhone 11だと少し暗く見えるのが、有機ELのiPhone 11 Proは画面が明るくて視認性がとてもいいです。
屋内で使うなら違いはないですが外で使うことが多いならiPhone 11 Proを選ぶメリットは大きいです。とくに撮影をするときは液晶だと少し見にくさを感じますが有機ELは視認性が良くて撮影がとてもしやすいです。
5.8インチで片手操作しやすい大きさ
iPhone 11 Proのディスプレイは5.8インチサイズで意外とコンパクトな大きさに収まっています。本体サイズは(144 x 71.4 x 8.1mm)で丸みのあるスタイルなので操作性はいいです。
筐体重量も188gと軽めなので扱いやすいです。
iPhone 11 Proなら片手で文字入力も可能です。(手が小さい方は難しいかもですが…。)丸みのあるスタイルので手に馴染む感じでコンパクトに使うには適しています。
カメラのスペックと画質
iPhone 11 Pro/Pro Maxは超広角・広角・望遠のトリプルカメラを搭載しています。
モデル | iPhone 11 Pro | iPhone XS |
---|---|---|
広角 | 1200万画素(1/2.5型)・ƒ/1.8 | 1200万画素(1/2.5型)・ƒ/1.8 |
望遠 | 1200万画素(1/3.6型)・ƒ/2.0・光学2倍 | 1200万画素(1/3.6型)・ƒ/2.0・光学2倍 |
超広角 | 1200万画素(1/3.8型)・ƒ/2.4 | – |
イン | 1200万画素(1/3.5型)・ƒ/2.2 | 1200万画素(1/4.6型)・ƒ/2.2 |
手ぶれ補正 | デュアル光学式手ぶれ補正(広角・望遠) | |
ズーム | 2倍の光学ズーム(イン・アウト) 最大10倍のデジタルズーム |
2倍の光学ズーム(イン) 最大10倍のデジタルズーム |
フラッシュ | より明るいTrue Toneフラッシュ | True Toneフラッシュ |
高画質技術 | 次世代のスマートHDR、ナイトモード、DeepFusion、ポートレートモード | スマートHDR、ポートレートモード |
動画 | 4k60pの動画撮影に対応 |
iPhone 11 Pro/Pro Maxは広角カメラが新しい1200万画素のイメージセンサーとなり「100% Focus Pixels」つまり全域でAFでピントを合わすことが可能となってオートフォーカスの精度が向上しています。
また、広角カメラはDeep Fusionによってより高精細な写真に仕上げることができるようになっています。
望遠カメラのレンズもF/2.4 → F2.0と明るくなり暗所撮影に強くなっています。さらに、iPhone 11 Proはナイトモードを搭載し暗いところでも明るく撮影が可能となりました。
広角カメラの画質が向上した
iPhone 11 Proのカメラでどんな写真が撮影できるかレビューしていきます。
広角カメラは1200万画素のセンサーですがDeep Fusionの効果もあってかかなり高精細な写真に仕上がっています。
iPhone 11 ProとXSで画質を比較してみました。
ぱっと見はあまり違いがないように見えますが、iPhone 11 Proの方が明るく高精細な画質になってるのがわかります。
部分拡大をしてみるとiPhone 11 Proの方がクッキリと高精細な写真に仕上がっています。
広角カメラのセンサーサイズは1/2.5型と小さめですが被写体に寄ることで背景をぼかして撮影も可能です。
iPhone XSとセンサーサイズは同じなのでボケ量は同じです。
色合いがiPhone 11 Proの方が色鮮やかでキレイですね。
XSもそれなりの写真を撮影可能ですが、次世代のスマートHDRがより効果的に出ている感じでしょうか。
iPhone 11 Proは夜間もキレイに撮影ができます。
次世代のスマートHDRによって電飾看板などのライトの白トビと黒つぶれを抑えながらキレイな写真に仕上げることができます。
色合いや明るさはどちらもいい感じですが部分拡大してみると、Deep Fusionが使えるiPhone 11 Proの方が解像感が高くノイズの少ない写真に仕上がっています。
カツ丼を撮影し比べてみました。
どちらも美味しそうに撮影できますがiPhone 11 Proの方が解像感が高くて色鮮やかな写真になっているようです。
スペック上は全く同じ1200万画素・F/1.8の広角カメラですがセンサーが新しくなってソフトウェアの処理が向上したことで解像間、色も含めてiPhone 11 Proの方がキレイな写真に仕上げることができるようになりました。
望遠カメラの画質も向上している
iPhone 11 Proの望遠カメラは光学2倍とXSと同じ画角ですが、レンズの明るさがF/2.4 → F/2.0に明るくなって画質が向上しています。
iPhone 11 ProとXSの望遠カメラで比較してみました。
ぱっと見は同じですがデジタルズームをしていくと画質に差が出てきます。
iPhone 11 Proの方がより高精細で色鮮やかな画質に仕上がっています。
花びらの模様も繊細に表現できています。ただ、雰囲気としてはiPhone XSの方が自然でいいかもしれません。デジタル処理の不自然さが少ないですね。
望遠カメラは夜間でもちゃんと撮影できます。
望遠カメラでもスマートHDRがしっかり機能しているのでどちらも白トビのない写真になっています。とても自然でいいですよね。
デジタルズームしていくと画質に差が出てきてiPhone XSはノイズがあるのに対して、iPhone 11 Proはノイズの少ないキレイな写真に仕上がります。
レンズの明るさがF/2.4 → F/2.0になったことで夜間撮影に強くなったのは間違いないようですね。
iPhone 11 Proは提灯の模様をしっかり表現できています。
正直なところiPhone XSのカメラも十分使えるレベルではありますが、iPhone 11 Proはさらに画質が向上しあらゆるシーンで使えるカメラになったと言えるでしょう。
超広角カメラで視野の広い写真を
iPhone 11 Proの目玉は超広角カメラとなっています。
超広角カメラは従来のiPhoneよりもより広い視野の写真を撮影できるカメラで2019年のスマホのトレンドとなっているカメラで、同じ場所から撮影しても一歩引いて撮ったかのような面白い写真を撮ることができます。
画像はクリックで拡大できます。(そんなにデータ大きくないけどモバイルデータ時は注意して。)
アーケード街とか狭いところでも広く撮影することができます。
ただ、画質が広角カメラよりも劣ってしまうのがちょっと残念。こちらは同じ場所から広角カメラで撮影した画像です。
広角カメラはさすが新型センサーとF1.8のレンズの組み合わせだけあって画質がキレイです。
iPhone 11 Proの超広角カメラはなんかぼやけた感じの写真に仕上がることが多いような気がする。もうちょっといいカメラを搭載して欲しかったけど、まあ仕方ないのかなぁ。
とはいえ、超広角カメラでしか撮影できない写真というものがあるので画質がちょっと落ちたとしてもバンバン使っていくことになるのかなぁと思います。
iPhone 11 Proの超広角カメラは歪みはほとんどありません。おそらくソフトウェアで上手く補正しているのでしょう。
超広角カメラはナイトモードには対応していませんが、手持ちでも問題なく撮影できます。
これくらいの画質があれば十分使えますよね。ノイズも少なめですし自然な雰囲気の撮影ができます。なお、超広角カメラはスタンダードモデルのiPhone 11にも搭載しているので望遠カメラが必要ないならiPhone 11 ProではなくiPhone 11がおすすめです。
外枠を自動撮影し自動傾き補正に対応
なお、iPhone 11 Proのトリプルカメラは同時にリアルタイムで表示していて撮影時も同時撮影することによって、あとから編集で画角を超広角側に広げたり傾き補正をすることが可能になっています。
例えば、めちゃくちゃ傾いた状態で写真を撮影したとします。
しかし、iPhone 11 Proなら「編集」から「トリミング」のアイコンをタップするだけで超広角カメラで撮影していた外側の画像を自動的にくっ付けて自動的に傾きを補正してくれます。
これは凄いですよ。とっても便利。傾きの自動補正機能を使うには「設定」→「カメラ」→「写真のフレームの外側を含めて撮影」をONにしておく必要がありますが、この機能は絶対に有効にしておくべきでしょう。
ちなみに、この機能を活用することで広角カメラで撮影した写真を後から簡単に視野を広げることもできます。
ポートレートモードは広角〜望遠で使用可能に
iPhone 11 Proは超広角カメラを搭載したことで、今まで望遠側でしか背景をぼかすことができなかったところ、広角側のカメラでも背景をぼかすことが可能になっています。
なので、今までよりも広い視野で背景をぼかせるようになりました。
今までの望遠側のポートレートモードも少しだけ撮影距離が短くなっています。
なので、テーブルフォトで離れないといけなかったシーンでもiPhone 11 Proなら少しだけ寄って撮影することもできます。(もうちょっと寄れるようになってたら嬉しかったけど。)
- iPhone XR:約0.2m ~ 約1m
- iPhone XS/XS Max:約0.7m ~ 約2.5m
- iPhone 11 :約0.25m ~ 約2.5m
- iPhone 11 Pro/Pro Max:約0.25m ~ 約2.5m
なお、ボケの精度は従来の機種と変わりはありません。同じところでボケたりボケなかったりするので、iPhone 11 Proに機種変更したからといってボケ味が良くなることはないみたい。
ナイトモードで暗所でも明るく撮影可能に
iPhone 11 Pro/Pro Maxは「ナイトモード」が搭載されました。長時間露光するいわゆる夜景モードですね。
ナイトモードは暗いところでiPhoneが必要だと感じた時に発動することができます。左上に黄色に秒数が表示されていますが、これが出た時に自動的にナイトモードでの撮影が可能となっています。
iPhone 11 Proのナイトモード撮影時の動作 #iPhone11Pro pic.twitter.com/bTi23KT8Di
— かずやシンスペース (@Logkazu) September 20, 2019
ナイトモードのないiPhone XS Maxで撮影した場合はこんな感じの写真になります。
まあ、これでも全然良いと思うのですが、iPhone 11 Proのナイトモードで撮影するとこうなります。
めちゃくちゃ明るい写真になりました。実際はナイトモードで撮影していない写真に方が近いですがiPhone 11 Proなら簡単に手持ちでHDR合成のような写真を作り出すことができるのです。
夜間の公園をナイトモードを使って撮影をしてみました。
実際は右の写真くらいの明るさですが、ナイトモードで撮影すれば公園全体に証明があるかのような写真に仕上げることができます。リアルな明るさではないですが、このように明るい写真に仕上げることができる選択肢ができるのは撮影する側としては喜ばしいところではあります。
iPhone 11 Proの性能と動作速度
SoCはA13 Bionicを搭載
iPhone 11 Proは新世代のA13 Bionicプロセッサに4GBの容量のメインメモリを搭載しています。
モデル | iPhone 11 Pro | iPhone XS |
---|---|---|
SoC | A13 Bionic | A12 Bionic |
CPU | 2 + 4 = 6コア(20%高速・40%省電力) | 2 + 4 = 6コア |
GPU | 4コア | 4コア |
Neural Engine | 8コア(最大6兆回) | 8コア(最大5兆回) |
メモリ | 4GB | 4GB |
プロセスルール | 7nm+ | 7nm |
トランジスタ数 | 85億個 | 69億個 |
Geekbench 5でA13 BionicとA12 Bionicのスコアを計測してみました。
iPhone 11 Pro | iPhone XS | |
プロセッサ | A13 Bionic | A12 Bionic |
シングルコア | 1326 | 1105 |
マルチコア | 2896 | 2212 |
GPU | 6495 | 4616 |
CPUの性能はAppleが公式で謳っている20%よりも速い30%のスコアとなっています。GPUも40%ほどの性能アップがあるのでA12 Bionic → A13 Bionicの性能アップは中々のものではないでしょうか。
Antutuのスコアを計測してみました。
iPhone 11 Pro | iPhone XS | |
プロセッサ | A13 Bionic | A12 Bionic |
CPU | 139954 | 125789 |
GPU | 209006 | 142822 |
UX | 72919 | 66537 |
MEM | 9191 | 8100 |
トータル | 431070 | 343248 |
トータルで30%ほど処理性能が向上していて、とくにGPUの性能が大きくスペックアップしているようです。
また、SSDの性能も2500 → 3218と高速化しており、A13 Bionicになったことで全体的に性能が向上しているのは間違いないでしょう。
実際の動作速度はとても快適
iPhone 11 ProとiPhone XS Maxで実際の動作速度をGoogle Chrome、Twitter、Googleアース、App Storeなどで比較してみました。
ここまでくると誤差範囲で普段使いのブラウザ、SNS、写真アプリで動作速度に違いが出てくることはありません。
ただ、iOSがアップデートされるたびにOSは少しずつ重くなってきますし世代の新しいSoCを搭載しているiPhone 11 Proの方が快適に動作するのは間違いないでしょう。この差は今後のアップデートでさらに出てくることになります。
LTEの通信速度が高速化している
iPhone 11 Proは4×4 MIMOとLAA対応ギガビット級LTEに対応していて、iPhone 11やiPhone XSよりもLTEの通信速度が速くなっています。
モデル | iPhone 11 Pro | iPhone 11 | iPhone XS |
---|---|---|---|
LTE | 4×4 MIMOとLAA対応ギガビット級LTE | 2×2 MIMOとLAA対応ギガビット級LTE | 4×4 MIMOとLAA対応ギガビット級LTE |
ドコモ(受信速度) | 1388Mbps | 844Mbps | 844Mbps |
au(受信速度) | 1000Mbps | 968Mbps | 818.5Mbps |
ソフトバンク(受信速度) | 838Mbps | 500Mbps | 676Mbps |
実際にドコモのSIMカードを使って通信速度を比較してみました。
なぜかiPhone XS MaxよりもiPhone 11の方が通信速度が速くなってしまいましたが、iPhone 11 Proは対応LTEバンドも多いのでより速く通信ができるのは間違いなさそうです。
ほんの僅かでも月々同じ通信料金を支払って少しでも速度が速くなるのは嬉しい。
顔認証・Face IDの認証速度
iPhone 11 Pro/Pro MaxのFace IDは30%高速化されたAppleの公式ページに記載されていますが、iOS 13をインストールしたiPhone XのFace IDとほぼ同じ速度でした。
アップデートしていないiOS 12のiPhone XS MaxよりもiPhone 11 Proの方が顔認証速度が速かったので、ハードウェアの違いはなくiOS 12 → iOS 13になったことで速度が向上した…ということでしょう。
Dolby Atoms対応で音質が向上
iPhone 11 Pro/Pro MaxはDolby Atmosによる空間オーディオ再生に対応しています。
これね、なかなか凄いですよ。Dolby Atmosに対応していない音源でもiPhone 11 Proの内蔵スピーカーで立体感のあるサウンドを再生してくれます。
もちろん、内蔵スピーカーなので過度な期待してはいけませんが、iPhone XSよりもDolby Atmosに対応したiPhone 11 Proのスピーカーの方が音の広がりはあります。
Dolby Atmosに対応した音源を再生するとその違いは明らかです。
この動画の音声を手持ちのiPhoneで聞いてほしい。内蔵スピーカーでも音が立体的に。Dolby Atmosの音源は対応端末でなくてもある程度立体的な音が聞こえるようになっているので、旧型のiPhoneでも普通に立体的に聞こえています。
iPhone 11 ProはDolby Atmosに対応したことで通常の音源も立体的なサウンドにしてくれるので、真面目にiPhoneだけで映画コンテンツを見るならいいような気がしますね。
バッテリー持ちがかなり改善している
iPhone 11 Proは内部設計の見直し、筐体サイズを少しだけ大きくすることで3,046mAhmの大容量バッテリーを内蔵しています。
- iPhone XS:2,658mAh
- iPhone 11 Pro:3,046mAh
さらに、15%ほど省電力になった有機ELディスプレイと40%ほど省電力になったA13 Bionicの恩恵によりバッテリー駆動時間がiPhone XSよりもiPhone 11は4時間も長くなりより長くiPhoneを使うことが可能となっています。
実際に使ってみて、確かにバッテリーの減りはiPhone XSよりも少なくなっていて長く使えている印象があります。iPhone XRと同じくらいバッテリーが持っている感じでしょうか。
フル充電状態から1日使って(Twitter、YouTube、ブラウザを見たり、MacBook Pro 13インチにテザリングしたり)40%ほどのバッテリー残量がある感じです。
もし、バッテリー持ちがiPhone SE(第2世代)からiPhone 11 Proに乗り換えたとしたらバッテリー持ちの良さに驚いてしまうかもしれませんね。それくらいiPhone 11 Proのバッテリー駆動時間は伸びているのかなぁと感じます。
iPhone 11 Proのスペック
モデル | iPhone 11 Pro | iPhone XS |
---|---|---|
画面サイズ | 5.8インチ | |
ディスプレイ | Super Retina XDR(有機EL) 2,000,000:1 コントラスト比、800ニト |
Super Retina HD(有機EL) 1,000,000:1 コントラスト比、625ニト |
解像度 | 2,436 × 1,125ピクセル | |
3D Touch | – | 搭載 |
SoC | A13 Bionic | A12 Bionic |
メインメモリ | 4GB | 4GB |
ストレージ | 64/256/512GB | |
カメラ | トリプルカメラ(広角・超広角・望遠) | デュアルカメラ(広角・望遠) |
生体認証 | 顔認証・Face ID | |
耐水防塵 | IP68(水深4mまで30分耐えられる) | IP68(水深2mまで30分耐えられる) |
充電 | Lightning、Qi対応 | |
バッテリー | 18時間(最大4時間のびた) | 14時間 |
フレームの素材 | ステンレス + テクスチャードマットガラス | ステンレス + ガラス |
本体カラー | ミッドナイトグリーン、スペースグレイ、シルバー、ゴールド | スペースグレイ、シルバー、ゴールド |
本体サイズ・重量 | 144 × 71.4 × 8.1、188g | 143.6 × 70.9 × 7.7、177g |
価格(中古) | 52,800円〜 | 24,800円〜 |
iPhone 11 Pro レビュー・評価:まとめ
iPhone 11 Pro メリット・デメリット
- 5.8インチで片手で使えるサイズ感
- 有機ELで明るく色鮮やかで視認性が良い
- マットガラスボディで指紋が付きにくい
- 現役で使える高性能なA13 Bionicを搭載
- トリプルカメラで幅広い写真撮影ができる
- IP68(水深4m 30分)耐水防塵で安心
- FeliCaによる電子決済(おサイフケータイ)対応
- ワイヤレス充電(Qi)に対応している
- 中古のイオシスで47,800円〜で買える
- ステンレスフレームは傷付きやすい
- 120Hzリフレシュレートは非対応
- 端末が発熱しやすい傾向がある
- 指紋認証が使えない
- マスクしながらFace IDが使えない
- 横向きFace IDが使えない
iPhone 11 Proは伝統的なホームボタンを廃止しベゼルレスディスプレイを採用した3世代目で2024年現在もハイエンドスマホとして使える性能を持ったiPhoneとなっています。
5.8インチサイズってのがいいですよね。
片手で使えるサイズ感で本体も薄くてカメラバンプも薄いので扱いやすいモデルです。コンパクトなのにトリプルカメラでキレイな写真を気軽に撮影できますし、IP68の防水防塵、Felicaによる電子決済、ワイヤレス充電もできる全部入りです。
iPhone 11 Proは背面パネルはマットガラスで傷が付きにくいのも最高です。ただし、サイドフレームはステンレスを採用し指紋や傷が付きやすいので、ここが少し残念なところかもしれません。
また、Face IDによる顔認証はマスクをしてると使えないので注意です。マスク対応してるのはiPhone 12以降なのでApple Watchと連携させて画面ロック解除をして使うのがおすすめです。
iPhone 11 Proがおすすめな人は
では、最後にiPhone 11 Proがおすすめな人をまとめます。
- 旧型モデルからの乗り換え
- 費用を抑えてProモデルが欲しい
- 5.8インチのハイエンドモデルが欲しい
- 光学2倍カメラで撮影したい
旧型のiPhoneからの乗り換えはもちろん、2024年現在中古で安く購入するのいいでしょう。ブラウジング、SNS、コミュニケーションツールを使うくらいなら十分な性能を持ってますしゲームも128GB以上のモデルならそこそこ遊べます。
5.8インチのiPhone 11 Proは片手でギリギリ使えるサイズなので4.7インチのiPhoneからの乗り換えも違和感少なく使うことができるので、ハイエンドで小型なiPhoneが欲しい方におすすめです。
iPhone 11 Proは販売終了していますがdocomo Certified(ドコモ認定リユース品)や中古で購入が可能です。64GBモデルが4〜6万円ほどで手に入れられるので費用を抑えつつiPhoneが欲しいならいい選択肢ではないでしょうか。
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