ソニーが2024年モデルのXperia 1 VIを発表しましたが、今回のモデルは縦長ディスプレイと専用カメラアプリ(Photo Pro、Video Pro、Cinema Pro)を廃止した転換期を迎えた新世代のハイエンドスマホです。
この記事ではXperia 1 VIと先代のXperia 1 Vのスペックを比較しました。どんな違いがあるのか、どっちがいいのかも含めて見ていきたいと思います。
※ 取材協力:ソニーマーケティング株式会社
この記事の目次
Xperia 1 VI vs Xperia 1 V 比較
本体デザインの違い
Xperia 1 VIとXperia 1 Vの本体デザインは基本的に同じで端末背面の右側の縦並びのカメラを搭載したスッキリとした見た目のデザインを採用しています。
背面パネルはシボ加工が施されたマット調のGorilla Glass Victus 2を採用し、サイドフレームはスレッド加工のあるアルミフレームを採用しています。この辺りのデザイン周りは新旧変わりないですがカメラのシャッターボタンが少し大きくなってます。
リアカメラのデザインが微妙に進化しておりXperia 1 Vはレンズと土台部分は完全ツライチだったのがXperia 1 VIは少し下に下がったすり鉢状に変更となっています。
また、今まではブラックに統一されていたのがXperia 1 VIは本体カラーに合わせてカラーリングされています。
本体カラーはブラック、プラチナシルバー、カーキグリーン、スカーレット(レッド)の4色展開です。ブラックとシルバーはキャリア版のみ、グリーンとレッドはSIMフリーモデルであります。
ついに、レッドカラー!
Xperia 1 Vはブラック、プラチナシルバー、カーキグリーン(SIMフリー)の3色展開です。
Xperia 1 VIは新色としてスカーレットが追加された形になりますね。久しぶりのレッドカラーに心躍らせてる方も多そう。どの色が好きですか?
本体サイズの違い
Xperia 1 VIとXperia 1 Vの本体サイズと重量の違いを比較しました。
モデル | Xperia 1 VI | Xperia 1 V |
---|---|---|
画面 | 6.5インチ(19.5:9) | 6.5インチ(21:9) |
サイズ | 162 × 74 × 8.2 mm | 165 × 71 × 8.3 mm |
重量 | 192 g | 187 g |
素材 | マットアルミフレーム + Gorilla Glass Victus2 | マットアルミフレーム + Gorilla Glass Victus2 |
防水防塵 | IPX5 / IP68 |
画面サイズはXperia 1 VI、Xperia 1 Vともにが6.5インチのディスプレイを搭載していますが画面比率が21:9から19.5:9に変更されて本体の横幅が71mmから74mmに幅広になり片手で扱いにくいサイズ感ではあります。
大画面で片手操作にこだわるならXperia 1 Vの方が扱いやすいサイズ感です。ただ、Xperia 1 VIの19.5:9の画面比率の方が一般的な動画コンテンツや電子書籍、ゲームは操作しやすいのでコンテンツファーストになったと言ってもいいのかもしれません。
ディスプレイの違い
Xperia 1 VIとXperia 1 Vのディスプレイの違いを比較しました。どちらも6.5インチサイズですが画面比率と解像度が変更となっています。
モデル | Xperia 1 VI | Xperia 1 V |
---|---|---|
形状 | フラット | |
ディスプレイ | 6.5インチ(19.5:9) 2,340 × 1,080ピクセル 有機EL(LPTO) |
6.5インチ(21:9) 3,840 × 1,644ピクセル 有機EL |
リフレッシュレート | 1-120Hz | 60 / 120Hz |
画面輝度 | 1 Vより1.5倍明るい | ?? |
高画質技術 | Powered By BRAVIA、クリエイターモード、サンライトビジョン、HDRリマスター | クリエイターモード、4Kアップスケーリング、HDRリマスター |
保護パネル | Gorilla Glass Victus2 |
先代のXperia 1 Vは縦長の4K(3,840 × 1,644ピクセル)で高精細なパネルでしたが、リフレッシュレートが切替式の120Hzで消費電力がネックでした。
Xperia 1 VIは一般的なスマホの画面比率のLPTO対応の有機ELディスプレイで解像度を一般用途に適したFHD+(2,340 × 1,080ピクセル)に落とし1-120Hzの可変リフレッシュレートで電力効率が良くなって電池持ち向上に貢献してます。
FHD+と4Kの違いですが一般用途であればわからないレベルです。
写真や4K対応の映画になってくると差は分かりますが、普段使いにおいては問題なさそうです。
また、画面の明るさ(輝度)も「サンライトビジョン」により先代から1.5倍明るくなって視認性の良いパネルになっています。Xperiaの体験会で展示されていた実機です。
比較するとだいぶ明るさが違うので外での撮影はしやすくなるでしょう。先代のXperia 1 Vの4Kパネルは普通に使っていても端末が発熱することがあったので負荷が軽くなることは良いのかもしれません。
オーディオの違い
内蔵スピーカーはどちらもフルステージステレオスピーカーを搭載しており、Xperia 1 VIはスピーカーが新しく刷新されて音質が向上しています。
スピーカーユニットが新しくなったことで低音域と高音域の音圧レベルが向上しています。実際に聴き比べたところ余韻が良くなった感じしました。アンプはXperia 1 VI、1 Vともに同じです。
モデル | Xperia 1 VI | Xperia 1 V |
---|---|---|
スピーカー | フロントステレオ(新型) | フロントステレオ |
コーデック | AAC / SBC / aptX / aptX Adaptive / LDAC / LC3 | |
端子 | 3.5mm オーディオジャック:○ 新型オーディオIC |
3.5mm オーディオジャック:○ |
ワイヤレスイヤホンの高音質コーデックは変わらずでaptX Adaptive、LDACに対応しLE audio(LC3)にもどちらの機種も対応しています。
有線イヤホンはどちらも3.5mmヘッドフォンジャックを搭載で、Xperia 1 VIはオーディオICが新しくなって有線イヤホンの音質が向上します。
SoCスペック・バッテリー容量の違い
Xperia 1 VIのSoC(システムオンチップ)はTSMC 4nmプロセスで製造された「Snapdragon 8 Gen 3」を搭載し処理性能が向上しています。
機種 | Xperia 1 VI | Xperia 1 V |
---|---|---|
SoC | Snapdragon 8 Gen 3 | Snapdragon 8 Gen 2 |
CPU | Cortex-X4 × 1 Cortex-A720 × 5 Cortex-A520 × 2 |
Cortex-X3 × 1 Cortex-A715 × 2 Cortex-A710 × 2 Cortex-A510 × 3 |
GPU | Adreno | Adreno 740 |
メモリ | 12 / 16 GB LPDDR5X | |
ストレージ | 256 / 512GB | 256 / 512GB |
外部ストレージ | microSD(最大1.5TB) | microSD(最大1TB) |
バッテリー | 5,000mAh | |
充電 | USB Type-C(最大30W) ワイヤレス(最大15W) バッテリー対応 |
SoCは先代のSnapdragon 8 Gen 2 → 8 Gen 3にアップデートされて処理性能が向上。Xperiaは他社スマホよりも性能は控えめにする傾向ですが世代が新しくなって15%〜20%ほど処理性能向上が見込めそうです。
Xperia 1 VIは熱拡散シートとシリーズ初としてベイパーチャンバーを内蔵してSoCやディスプレイからの熱の放熱性能を大幅に強化しています。
ディスプレイがFHD+になってシステム全体の負荷が減って全体的に発熱しにくい構造ではありますが、さらにベイパーチャンバーを内蔵することでゲームや動画撮影時における熱を効率良く放熱が可能になります。
また、バッテリー容量は5,000mAhと先代と同じですが電池持ちがビックリするほど良くなってます。
Xperia 1 VIの体験会で披露されてたものですが、動画の連続再生時間がXperia 1 Vは14時間だったのがXperia 1 VIは倍以上となる38時間連続再生という驚異的なバッテリー駆動時間でした。
カメラのスペックは同じ
Xperia 1 VI、Xperia 1 Vともに広角、超広角、望遠(光学ズーム)のトリプルカメラを搭載していますが、1 VIは最大望遠画角が125mmから170mmに伸びています。
機種 | Xperia 1 VI | Xperia 1 V |
---|---|---|
広角 | 光学1倍(24mm) 48MP(1/1.35型)・F/1.9 2層トランジスタ画素積層型CMOSイメージセンサー Exmor T for mobile |
|
超広角 | 光学0.6倍(16mm) 12MP(1/2.55型)・F/2.2 |
|
望遠 | 光学3.2-7.2倍(85-170mm) 12MP(1/3.5型)・F/2.3-F3.5 最大デジタルズーム21倍 テレマクロ対応 |
光学3.2-7.2倍(85-125mm) 12MP(1/3.5型)・F/2.3-F2.8 最大デジタルズーム15.6倍 |
インカメラ | 12MP・F/2.2 | |
動画 | 4K@30/60fps, 1080p@30/60fps、HDR10+ |
イメージセンサーとレンズの構成は基本的に同じで広角カメラは2層トランジスタ画素積層型CMOSイメージセンサー「Exmor T for mobile」を採用した48MP(1/1.35型)・F/1.9で1 VIは48mmのクロップズーム、48MPの高画素モードにも対応します。
望遠カメラは基本的に同じ光学ズームレンズを採用し1 Vは85〜125mmだったのが1 VIは85mm〜170mmと望遠画角が長くなっています。センサーは1/3.5型と同じです。
望遠レンズの構成は入り口のレンズ構成が少し違うようにも見えますがほぼ同じ。中央のレンズの可動領域を長くなってるのが見えますが、これによりより遠くにズームできるように改良されたようです。
Xperia 1 VIと1 Vの望遠カメラ(×5.2)で比較しました。(Xperia 1 VIの体験会に参加してきた時に撮影した素材です。)
Xperia 1 VIの方がわずかにキレイに撮影できてるでしょうか。また、Xperia 1 VIはテレマクロモードにも対応しています。
最短撮影距離4cmまで被写体によってマクロの世界を望遠カメラを使って撮影が可能です。マニュアルフォーカスによる撮影になりますが先代のXperia 1 Vでは撮影できなかった世界を撮影できます。
また、Xperia 1 VはPhoto Pro、Video Pro、Cinema Proの3つのカメラアプリがあるのに対して、Xperia 1 VIは一つのカメラアプリに統合されて、他社スマホから乗り換えても違和感なく使えるようになっています。
通信性能の違いを比較
通信性能を比較しました。
モデル | Xperia 1 VI | Xperia 1 V |
---|---|---|
Wi-Fi | Wi-Fi 7(アップデート対応) Wi-Fi 6E |
Wi-Fi 6E |
Bluetooth | 5.4 | 5.3 |
SIMカード | nanoSIM × 1 eSIM |
|
5G mmWV | n257:キャリア版 | n257:キャリア版 |
5G Sub-6 |
n3/n28/n41/n77/n78 | n3/n28/n41/n77/n78 |
4G LTE | B1/B2/B3/B4/B8/B11/B12/B17 B18/B19/B28/B38/B39/B40 B41/B42 |
B1/B2/B3/B4/B8/B11/B12/B17 B18/B19/B28/B38/B39/B40 B41/B42 |
USB | USB-C(USB 3.2 Gen 1 / 5Gbps) |
どちらもWi-Fi 6Eに対応しています。Xperia 1 VIは2024年秋頃のアップデートでWi-Fi 7に対応予定でBluetooth 5.4にも対応しています。
モバイル通信の対応バンドは同じですね。
NFC / おサイフケータイについて
どちらもNFC Type A/B、Type-F(Felica)に対応しおサイフケータイとして使うことができます。
モデル | Xperia 1 VI | Xperia 1 V |
---|---|---|
NFC | Type A/B | |
Felica | 対応(おサイフケータイ) |
Visaタッチなどの電子決済だけでなくFelica(おサイフケータイ)の交通系カード・Suica、PASMOやiDやQUICPayといった電子決済が使うことが可能です。
Xperia 1 VI・Xperia 1 V スペック比較
Xperia 1 VIとXperia 1 Vのスペックを比較しました。
モデル | Xperia 1 VI | Xperia 1 V |
---|---|---|
ディスプレイ | 6.5インチ(19.5:9) 2,340 × 1,080ピクセル 有機EL(LPTO) |
6.5インチ(21:9) 3,840 × 1,644ピクセル 有機EL |
リフレッシュレート | 1-120Hz | 60 / 120Hz |
SoC | Snapdragon 8 Gen 3(4nm) | Snapdragon 8 Gen 2(4nm) |
メモリ | 12 / 16GB LPDDR5X | |
ストレージ | 256 / 512 GB | |
microSD | 最大1.5TB | 最大1TB |
生体認証 | サイドボタン式指紋認証 | |
広角 | 50MP(1/1.35型)・F/1.9 | |
超広角 | 12MP(1/2.55型)・F/2.2 | |
望遠 | 光学3.5-7.1・12MP(1/3.5型)・F/2.3-3.5 | 光学3.5-5.2・12MP(1/3.5型)・F/2.3-2.8 |
イン | 12MP(1/2.55型)・F/2.2 | |
オーディオ | フロントステレオスピーカー | |
通信性能 | Wi-Fi 7 / 6E Bluetooth 5.4 |
Wi-Fi 6E Bluetooth 5.3 |
防水防塵 | IPX8 / IP65 | |
充電ポート | USB-C(PD3 / PPS):最大30W | |
通信速度 | USB 3.2 Gen 2 / 5Gbps | |
ワイヤレス | Qi:最大15W バッテリーシェア対応 |
|
バッテリー | 5,000mAh 4年超寿命 |
5,000mAh |
サイズ | 162 × 74 × 8.2 mm | 165 × 71 × 8.3 mm |
重量 | 192 g | 187 g |
OS | Android 14 → 17(最大3回) | Android 13 → 15(最大2回) |
OSアップデート | 3年 | 2年(公式発表なし) |
セキュリティアップデート | 4年 | ? |
Xperia 1 VIはアップデート保証も公式で発表されていて最大3回のAndroidメジャーアップデート、4年のセキュリティアップデートに対応するので、ある程度は長く安心して使えるようになったのは大きいですね。
Xperia 1 VI・Xperia 1 V 価格比較
Xperia 1 VI、Xperia 1 Vはソニー公式ストア、ドコモ、au、ソフトバンクで購入できます。
モデル | Xperia 1 VI | Xperia 1 V |
---|---|---|
発売日 | 2024年6月 | 2023年6月16日 |
Sony | 189,200円 → 返却:95,200円 |
169,400円 → 返却:127,400円 |
ドコモ | 209,440円 → 返却:160,600円 |
218,680円 → 返却:138,160円 |
au | 214,000円 → 返却:112,800円 |
210,240円 → 返却:111,400円 |
ソフトバンク | 210,960円 → 1年返却:67,500円 + 12,100円 |
154,268円 → 1年返却:43,992円 + 12,100円 |
現時点ではキャリア版の価格はほぼ同じです。ただ、Xperia 1 VI 発売後はVが値下げ傾向になるはずでお得に買えるようになるでしょう。SIMフリーモデルはすでに17万円くらいで購入できます。
Xperia 1 VI・Xperia 1 V どっちがいい?
Xperia 1 VIは19.5:9の6.5インチFHD+ディスプレイにSnapdragon 8 Gen 3を搭載した2024年ハイエンドモデル、Xperia 1 Vは21:9の6.5インチ4KディスプレイにSnapdragon 8 Gen 2を搭載した2023年のハイモデルです。
Xperia 1 VIか、Xperia 1 V どっちを選ぶべきかまとめました。世代が異なるので新しい方がいいのはそうですが、方向性が異なるので先代のXperia 1 を買うのもとてもアリだと思います。
Xperia 1 VIがおすすめな人は
- バランス感覚のあるハイエンドペリアが欲しい
- 縦長じゃないXperiaを待ち侘びていた
- ゲームを快適にプレイしたい(高性能で発熱しにくい)
- 電子書籍(とくに漫画)を快適に読みたい
- テレマクロ撮影で物撮りをしたい
- バッテリー持ちをとにかく重視したい
- レッドカラーに惹かれた
Xperia 1 VIはiPhoneと同じ画面比率の19.5:9のディスプレイを搭載し解像度も4KをやめてFHD+にしたことで1-120Hzのリフレッシュレートに対応し画面輝度も明るくなって良いことも増えて一般的には扱いやすい端末になりました。
バッテリー持ちもめちゃくちゃ持つのでゲームを高画質で長時間プレイしたとしても新搭載したベイパーチャンバーによって発熱しにくく快適に遊ぶことができるはずです。
たしかにディスプレイの高精細さは先代に劣ることはありますが、トータルバランスは取れてるスマホに生まれ変わったように感じます。個人的には電子書籍で漫画読むことが多いので19.5:9の画面比率は意外と好感触です。
Xperia 1 Vがおすすめな人は
- 大画面を片手で使いたい
- 4Kコンテンツを視聴することが多い
- 2画面表示を使うことが多い
- 縦長ディスプレイは外せない
- 少しでもハイエンドを安く買いたい
縦長ディスプレイがどうしても外せないXperiaファンの人はXperia 1 Vを選んでも良いかもしれません。4Kコンテンツも高精細な画面で楽しめますし、文字もより細かく表示できるのでマニアックな使い方できます。
2画面表示機能も縦長ディスプレイのXperia 1 Vの方が表示領域が広くて使いやすいはず。縦長のXperiaを持っておきたいなら今現在最新のXperia 1 Vを買うのはアリですし、今後値下げされて買いやすくなってきます。
→ Xperia 1 Vを詳しく見る
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