FUJIFILM X-T4は2020年4月に発売したクラシカルなミラーレスカメラでイメージセンサーはX-T3と同じ裏面照射型約2610万画素「X-Trans CMOS 4」を搭載しています。
あれ?違いないの?…ってなりますが、X-T4はついに5軸・最大6.5段のボディ内手ブレ補正機能を搭載しました!ついに、X-Tシリーズにもボディ内手ぶれ補正…!
もうね、ボディ内手振れ補正は最高です。
X-H1も手振れ補正あったけどボディサイズがフルサイズ並でしたし、このサイズ感でボディ内手振れ補正に対応したことに大きな意義があるのです。
ここでは、FUJIFILM X-T4のデザイン・サイズ・操作性のしやすさ・画質をレビューしています。X-T3やX-H1との違いについても比較しているので購入を検討している方は参考にどうぞ!
ちなみに、X-T4の後継機種・X-T5が出て中古市場で価格が下がって買いやすくなりました。画質や使い勝手はそう大きな違いはなくバリアングルで動画撮影もしやすいX-T4の中古は意外とおすすめです。
- ボディ内手ぶれ補正を搭載しブレに強くなった
- フィルムシミュレーション・クラシックネガを使える
- オートフォーカスの精度・速度が向上している
- 低照度EV-6で暗所でもAFが使えるようになった
- バッテリー容量が大きくて撮影可能枚数が増えた
- 動画機能も充実して撮影しやすくなった
- ボディサイズが少し大きくなった
- チルト式液晶が廃止された(個人的には)
- 4K60fpsの動画撮影で熱落ちする(30分くらいで)
→ 後継機種はFUJIFILM X-T5です。
この記事の目次
FUJIFILM X-T4 の特徴
X-T4は2610万画素のAPS-Cイメージセンサーにボディ内手ブレ補正機能を搭載したミラーレスカメラとなっていてX-T3の後継機。イメージセンサーとプロセッサは同じものを採用しています。
X-T3 → X-T4の進化したポイントをまとめました。
- 5軸6.5段のボディ内手ブレ補正機能を搭載
- バリアングル液晶ディスプレイを搭載
- フォーカルプレーンシャッターで最速15コマ/秒の高速連写
- アルゴリズムの改善で最速0.02秒の高速・高精度AF
- 「クラシックネガ」「ETERNAブリーチバイパス」追加
- 新開発の大容量バッテリーで約500枚の静止画撮影が可能
- HDR合成撮影に対応(専用の切り替えスイッチあり)
- 静止画/動画切換ダイヤルを搭載し操作性アップ
イメージセンサーとプロセッサはX-T3と同じですが、中身は全く別といっていいくらい改善されています。
とくにボディ内手ブレ補正機能に対応しバリアングル液晶ディスプレイを搭載したのは大きな違いとなっています。
新しいフィルムシミュレーション「クラシックネガ」と「ETERNA ブリーチバイパス」の設定ができるようになり表現力がより向上。
さらに、違う露出設定で3枚連続撮影し自動的に合成し白トビを抑えた写真に仕上げることができる「HDR合成撮影」に対応し専用の切り替えスイッチも搭載しています。
FUJIFILM X-T4 スペック
X-T4とX-T3のスペックを比較しました。
X-T4 | X-T3 | |
イメージセンサー | 2610万画素・APS-Cサイズ・裏面照射型X-Trans CMOS 4センサー | |
プロセッサ | X-Processor 4 | |
ボディ内手ぶれ補正 | 最大6.5段分(センサーシフト方式5軸補正) | – |
ISO | 常用:160-12800、拡張:80-51200 | |
シャッター速度 | 1/8000-30秒、1/32000-30秒 | |
HDR合成撮影 | 専用ボタンあり | – |
フィルムシミュレーション | 18モード(クラシックネガ、ETERNAブリーチバイパスが追加) | 16モード |
グレイン・エフェクト | 強度:強、弱、OFF 粒度:大、小 | 強、弱、OFF |
カラークローム・エフェクト | 強、弱、OFF(ブルーあり) | 強、弱、OFF |
低照度限界 | 像面位相差AF:EV-6、コントラスト:EV-3 | 像面位相差AF:EV-3 |
顔・瞳AF | 顔検出性能が2倍に向上 | 対応 |
フォーカス速度 | 0.02秒 | 0.06秒 |
撮影間隔 | 0.17秒 | |
レリーズタイムラグ | 0.035秒 | 0.045秒 |
起動時間 | 0.39秒 | 0.3秒 |
連写性能 | 電子:30コマ/秒 メカ:15コマ/秒 ライブビュー:8コマ/秒 |
電子:30コマ/秒 メカ:11コマ/秒 ライブビュー:5.7コマ/秒 |
シャッター機構 | フォーカルプレーンシャッター、約30%静音化、耐久性能30万回 | 耐久性能15万回 |
ファインダー | 0.5型有機EL(約369万ドット・100fps) | |
液晶 | 3型TFT液晶(約162万ドット)、バリアングル式タッチパネル | 3型TFT液晶(約104万ドット)、チルト式タッチパネル |
Wi-Fi | 802.11 b/g/n | |
Bluetooth | 4.2 | |
防塵防滴仕様 | -10℃耐低温性能 | |
メモリーカード | デュアルSDスロット(SDXC UHS-II) | |
バッテリー | NP-W235 | NP-W126S |
撮影可能枚数 | ノーマル:500枚、エコノミー:600枚 | 390枚 |
ポート | USB Type-C 3.2 Gen 1、マイクロHDMIタイプD、シンクロターミナル、3.5mmステレオミニジャック | USB Type-C 3.1 Gen 1、マイクロHDMIタイプD、シンクロターミナル、3.5mmステレオミニジャック |
サイズ | 134.6 × 92.8 × 63.8mm(最薄部37.9mm) | 132.5 × 92.8 × 58.8mm(最薄部35.4mm) |
重量 | 607g | 539g |
ボディ内手ぶれ補正を搭載したことにより本体サイズと重量が大きくなってしまいましたが、ボディが大きくなったことで大容量バッテリーに対応しボディ内手ぶれ補正を搭載しつつも通常時で500枚の写真撮影ができるようになっています。
FUJIFILM X-T4 レビュー
クラシカルなセンターファインダースタイル
FUJIFILM X-T4のボディデザインはセンターファインダーのクラシカルなスタイルX-T3を継承しています。
X-T4はボディ内手振れ補正を搭載したことによりX-T3よりも一回りだけ大きくなっています。
こうやって比較すると分かるのですが、X-T4の方が少しだけシュッとしたデザインに変更されていますね。
ボディサイズの肥大化をポジティブに取るか、ネガティブに取るか。大きくなったとはいえ、めちゃくちゃ大きくなったわけではないので手に持って比べないと分からないレベルです。
グリップが少しだけ大きくなりXF16-55mmF2.8やXF90mmF2などの大型レンズとの相性が良くなり撮影しやすくなったのかなと。もし、X-T3をXF35mmF1.4などの小型短焦点レンズで使ってるならX-T4は大きいな…って感じるかもしれないです。
カメラボディの上部に操作ダイヤルを搭載していて直感的に設定を変えながら撮影できるようになっています。左側にはISO感度と撮影モードの2段切り替えダイヤルがあります。
ダイヤル(下段)は撮影モード切り替えができます。
- HDR:HDR合成撮影
- S:1枚撮影
- CL(低速):3/5/7/8fps
- CH(高速):15fps・10/20/30fps(1.25クロップ)
- BKT撮影:設定値を変えながら複数連続撮影
- ADV.撮影:フィルター効果を加えて撮影
- パノラマ:カメラを胃動かしながらパノラマ写真作成
専用のダイヤルを搭載しているので瞬時に連続撮影モードにしたり、HDR合成撮影モードにすることができます。富士フイルムのカメラは多彩はフィルムシミュレーションを使うことができ正直なところどれを使うか迷います。
そこで、BKTで「フィルムシミュレーションBKT」を使うことで3つの異なるフィルムシミュレーションを同時撮影することができます。迷った時はおすすめですよ。
右側にはシャッター速度と静止・動画撮影の2段切り替えダイヤル、露出補正ダイヤルを搭載しています。
X-T4は「STILL(静止画)」と「MOVIE(動画)」の切り替えダイヤルが新たに搭載されました。その他の細かい設定はカメラの右側から各種ボタンで変更することができるようになっています。
ボタン配置はX-T3と似ていますが「Q」ボタンが上側に移動、さらに親指AF専用ボタン「AFON」が新たに配置されています。X-T3は「AE-L」にワンプッシュオートフォーカスを割り当てすることで親指AFが使えましたがX-T4は専用のボタンが追加されたことになりますね。
まあ、どうだろう。この場所に配置したのは賛否ありそうな気がしないでもないですね。個人的にはちょうど親指が届く範囲に「AFON」があるので使いやすいですが。
X-T4はデュアルSDカードスロットに対応していていずれのスロットもUHS-Ⅱ対応SDカード・ビデオスピードクラスV90に対応したSDカードを使って写真を記録することができます。
「順次記録」だけでなく同じ写真をもう一つのSDカードに記録してくれる「バックアップ記録」、JPEGとRAWを分割して記録してくれる「RAW/JPEG分割記録」に対応しています。
絶対に紛失できない仕事で使う写真データは「バックアップ記録」は必須ではないでしょうか。
X-T4の外部ポートはボディ左側に集約。ø3.5mmステレオミニジャック(マイク用)、φ2.5mmリモートレリーズ端子、 HDMIマイクロ端子(Type D)、USB-Cポートを搭載。
X-T4は充電器が同梱していないので、USB-Cポートに充電ケーブルを接続して充電するのが基本スタイルとなります。もし、撮影枚数が多くてバッテリーを交換しながら使いたい場合は専用の充電アダプタを買う必要があります。充電器くらい同梱して欲しかった。
バリアングル液晶ディスプレイを搭載
X-T3まではチルト液晶ディスプレイでしたが、X-T4はついにバリアングル液晶ディスプレイを搭載。画面サイズは3インチ(3:2)でタッチパネルにも対応しているので指でシャッターを切るといった使い方もできます。
写真撮影するにおいてバリアングル液晶は光軸上から横にずれてしまうので撮影のしにくさはあります。とくにカメラを上に持ち上げて撮影するときなどはチルト液晶のX-T3やX-H1の方が使いやすいのかな。
ただ、動画を撮影するときはバリアングル液晶の方が使いやすいシーンがあるので、動画撮影の需要が高まっている今はこの判断は間違ってはいないのでしょう。
個人的にいいなと思ったのが、バリアングル液晶は裏返すことで画面を隠すことができるので、ファインダー撮影に徹することができます。
撮影後に液晶画面で確認する時間を節約できるだけでなく、画面に鼻の油がつかないという大きなメリットもあります。
X-Pro 3も液晶画面を見させないという奇抜なデザイン設計となっていますが、X-T4も同じようにファインダー撮影に集中できるスタイルにできるのはなかなか良い構造です。
電子ビューファインダー(EVF)を搭載している
X-T4は0.5型有機EL(約369万ドット・100fps)の電子ビューファインダー(EVF)を搭載しています。
大型のアイカップを搭載しファインダー倍率0.75倍と大きくて見やすいEVFとなっているのファインダーを主体として撮影することも可能となっています。
EVFの表示項目は露出、ISO感度、F値、ISO感度など必要な情報が瞬時に確認できるようになっています。
また、被写体やシーンにあわせて最適な表示モードを3種類より選択できるようになっています。
- 低照度優先:暗所での被写体を見やすく表示
- 表示解像度優先:解像度を高くして被写体を高精細に表示
- 表示フレームレート優先:動きを滑らかに表示
初期設定は「表示フレームレート優先」に設置されていて100fpsで被写体を追いかけることが可能となっています。
暗いところでの撮影は低照度優先に、動きの激しい被写体を撮影するときは表示解像度を優先させて撮影しやすい環境を手に入れることが可能。なお、低照度と解像度優先モードにするとLCD側の表示も変わります。
ボディ内手ぶれ補正機能を搭載
FUJIFILM X-T4はボディ内手ぶれ補正を搭載したので、レンズ内手ぶれ補正のないレンズもしっかり手ブレを抑えて撮影することができます。
センサーシフト方式(5軸)で最大6.5段の手ぶれ補正に対応、XF90mmF2は6段、XF16-55mmF2.8は5.5段となりますが、最大5段だったX-H1よりも高い手ぶれ補正性能を得ることができます。
実際にどれくらいの手ぶれ補正効果があるのか薄暗いシチュエーションで手ぶれ補正のないレンズ・XF56mmF1.2 Rを装着して検証してみました。
まずは手ぶれ補正を「OFF」の状態で撮影をしてみました。
シャッタースピード1/2だと筋力のない僕の腕ではブレブレになってしまうようです。手ぶれ補正をONにした状態で撮影をしてみました。
ボディ内手ぶれ補正による6.5段の手ぶれ補正の恩恵を受けることができ、シャッター速度1/2秒というプルプルな過酷な状況でも手ぶれを抑える写真を撮影することができました。
暗いところの撮影でISO感度を上げずに撮影するとなる三脚が欲しくなってしまいますが、気軽に持ち運べるものではないですが、X-T4ならボディ内手振れ補正を使うことができます。
暗いところでの手持ちによる撮影も柔軟に対応することができますよ。
ちなみに、動画モードではセンサーシフト式(IBIS)と光学式(OIS)でブレ補正を行うモードに加えて、電子式(DIS)のブレ補正も可能となっていて、設定から変更することが可能となっています。
実際に動画を撮影して手振れ補正の効き方を見たのですが、手持ち撮影は厳しめ。全体的に微ブレは抑えられているのですが定期的にカックンと補正がかかるようにブレるのでジンバルに乗せての撮影は必須かなと感じます。
ただ、ブツ撮りでスローモーション設定して軽く流し撮りをする程度なら十分使えます。実際に、僕のYouTube動画のスマホを流し撮りしている動画はX-T4の120fpsスローモーション撮影にして撮影してます。
HDR合成撮影の専用スイッチを搭載
X-T4は新たにHDR合成モードを搭載し専用のダイヤルスイッチでかんたんに切り替えができるようになっています。
HDR合成モードは明るさの異なる3枚の画像を連写撮影して1枚の画像に合成し白飛びや黒つぶれの少ない画像に仕上げることができるモードですね。
従来のカメラは異なる露出設定の写真をブラケティング撮影して編集ソフトで合成しないといけなかったのが、ボタン切り替えだけでかんたんにHDR合成し写真を撮影できるようになりました。
iPhone 11・11 Proに搭載されているようなスマートHDRのような手軽さがいいですよね。
こちらは通常モードで撮影した夜の立体駐車場です。
電飾看板の部分が白飛びしてしまっていますよね。しかし、HDRモードに切り替えて撮影をすると…
電飾看板の白飛びを抑えて文字が読めるくらいハッキリと表現できるようになります。最近のスマホのカメラでは当たり前のような機能ではありますが、ミラーレスカメラでもHDR合成モードが搭載されたのは撮影の幅が広がるのでいいですよね。これはいい機能。
静止画・動画撮影切り替えスイッチを搭載
X-T4は「STILL(静止画)」と「MOVIE(動画)」の切り替えダイヤルを搭載しています。
従来のモデルは左側の操作ダイヤルの動画モードがありましたが、X-T4は電源ボタンの近くにモード切り替えダイヤルを搭載したので、写真から動画、動画から写真への切り替えが高速にできるようになりました。
最近は動画撮影をすることも増えてきているので、かんたんにモード切り替えができるようになったのは良い改善点ですよね。とっても使いやすくていいですよ。
大容量バッテリーで撮影可能枚数が向上
X-T4はボディ内手ぶれ補正機能を搭載したことでバッテリー持ちが心配だ…と思う方も多いと思います。でも、大丈夫です。X-T4は新開発の大容量バッテリー・NP-W235を採用して電池持ちが向上しています。
NP-W235のバッテリー容量は2,200mAhです。従来のNP-W126Sの1,260mAhだったので1,000mAhも容量が増えていることになります。そりゃ、バッテリー持ちいいよね。
X-T4 | X-H1 | X-T3 | |
手ぶれ補正 | ボディ内手ぶれ補正 | – | |
バッテリー | NP-W235(2200mAh) | NP-W126S(1260mAh) | |
撮影可能枚数 | ノーマル:500枚、エコノミー:600枚 | ノーマル:310枚 | ノーマル:390枚 |
ボディ内手ぶれ補正をONにした状態でも500枚ほどの撮影ができるので、X-H1からの乗り換えだと感動モノなんですよね。
今までX-H1をメインで使ってましたがバッテリーは2個ないと不安でしたが、X-T4は実際には600枚ほど撮影が可能なので予備バッテリーなしでも大丈夫です。
もちろん、1回の撮影に1000ショットくらいは必要って方はバッテリーは2個あった方がいいでしょうが、USB-Cポートを使ってモバイルバッテリーを使って充電することもできるので、場合によっては予備バッテリーなしでもいけるのかなと感じます。
シャッター音が静かになった
X-T4は高トルクのコアレスDCモーターを採用した新開発のフォーカルプレーンシャッターを採用し最速約15コマ/秒の撮影が可能になりました。試しにCH(高速撮影)で撮影をしてみました。
本当に富士フイルムのカメラなの?って思ってしまうくらい高速連写撮影することができるんですよね。しかも、しっかりとオートフォーカスを追従したまま撮影できるので動き回る子どもたちやハム太郎を撮影するのに重宝します。
さらにX-T4のシャッターは構造や材質を見直したことで耐久性能がX-T3の2倍にあたる30万回に向上、さらに30%の静音化に成功しているそうです。
実際のシャッター音をX-T4とX-T3で比較してみました。
X-H1のフェザータッチシャッターほど静かではないですが、X-T3の「ガチャ」というシャッター音の印象を残しつつ上手いこと静音化していますよね。このシャッター音はね、すごく癖になるのでついついシャッターを切ってしまいます。
オートフォーカスの速度が向上
X-T4はX-T3と同じ「X-Trans CMOS 4」センサーと画像処理エンジン「X-Processor 4」を搭載していますが、アルゴリズムが改善したことでオートフォーカスの精度・速度が向上しています。
X-T4 | X-T3 | |
イメージセンサー | 2610万画素・APS-Cサイズ・裏面照射型X-Trans CMOS 4センサー | |
プロセッサ | X-Processor 4 | |
低照度限界 | 像面位相差AF:EV-6、コントラスト:EV-3 | 像面位相差AF:EV-3 |
顔・瞳AF | 顔検出性能が2倍に向上 | 対応 |
フォーカス速度 | 0.02秒 | 0.06秒 |
撮影間隔 | 0.17秒 | |
レリーズタイムラグ | 0.035秒 | 0.045秒 |
起動時間 | 0.39秒 | 0.3秒 |
風景撮影においては違いは分からないレベルですが、子どもの撮影は間違いなくしやすくなっていますね。「なんでこんなに落ち着きがないんだろう…動くな!」って思っていたシーンもX-T4ならしっかりピントを合わせてくれます。
しかも、瞳AFによりピント合わせもしてくれるので人物撮影をすることが多いならX-T4は頼もしい相棒になること間違いないと思う。また、低照度限界もEV-3からEV-6に向上しているので暗いところでもピント合わせがしやすくなっています。
多彩なフィルムシミュレーションを搭載
X-T4は多くのフィルムシミュレーションを使って撮影することができますが、新たに「クラシックネガ」と「ETERNAブリーチバイパス」が追加されました。
クラシックネガはX-Pro 3で追加されたフィルムシミュレーションでどこか懐かしい、フィルムで撮影したかのような色合いを再現できます。
クラシックネガは言葉でこんな色だよって言えないのが悔しい。クラシッククロームとはまた違いコントラストは高めで彩度を抑えてるけど赤や緑などの原色は深い色になるというか。どう表現したらいいだろう。とっても難しい。
クラシックネガは緑、赤色などの色が懐かしい感じの表現となるので色々と楽しく使うことができそうです。
さらに、X-T4は新しいフィルムシミュレーション・ETERNAブリーチバイパスを使うことができます。フィルムの「銀残し」のフィルム現像技法を忠実に再現したフィルムシミュレーションでコントラストが強くなり彩度の低い写真になるそうです。
これまた個性的なフィルムシミュレーションですね…。もともと、ETERNAは彩度がかなり抑えられたシミュレーションでしたが、さらに癖を強めた感じ。
ものすごく特徴的な色合いになるので作品を撮影するには面白いフィルムシミュレーションなのかもしれません。
X-T4で使うことができるフィルムシミュレーションをまとめてみました。クリックしたら大きい画像で比較することができます。
X-T4は数多くのフィルムシミュレーションを使って好みの色で撮影することができるので、RAW撮影して後から色を編集するのがとても面倒くさい…という僕のような方におすすめのカメラです。
フィルムシミュレーションが使えるから富士フイルムのカメラを使っていると言っても過言ではないくらい、雰囲気、気分によって簡単にいい感じの色に仕上げてくれます。
X-T4の高感度特性
X-T4の「X-Trans CMOS 4」は裏面照射型のAPS-Cイメージセンサーを採用していることもあり、暗所撮影もそれなりにこなすことが可能です。
基本的にX-T3と同じセンサーとプロセッサを搭載しているので、ISO感度を上げた時のノイズの量はほとんど同じとなっています。ここでは、掲載しませんが軽く比較してみたところほぼ同じように見えました。
X-T4 + XF16−80mmF4の組み合わせで感度をISO6400〜51200に設定して撮影し比べてみました。
こちらは部分的に拡大した画像となっていまが、ISO6400なら常用しても問題ないくらいのノイズ感ではないでしょうか。
ISO12800でもシチュエーションによっては全然イケると思いますし、APS-Cのイメージセンサーでありながら高感度耐性が高いので幅広いシーンで使うことができるのではないでしょうか。
FUJIFILM X-T4 作例
X-T4 + XF16-55mmF2.8の組み合わせで作例をいくつかどうぞ。新しいフィルムシミュレーション・クラシックネガを使って撮影しております。
クラシックネガ…すごいですよね。シャッター切っただけなのにこの雰囲気の写真が撮れちゃう。空の色、雲の質感、木々たちの緑の深さ、すべてにおいて「ああ..」ってなる。
実際の色とは違う感じになってしまうので、記録としては使うことはできないフィルムシミュレーションですが風景、とくに街中ではついつい使いたくなってしまうモードです。
ちょっとした街の風景が少し違った雰囲気で見てしまうから面白い。
金沢の新天地の奥にある小さい飲み屋があるところ。夜に撮ってそのまま飲みに行きたい気分だった。
このエリアは意外とおしゃれなお店も多い。何屋なのかはよく知らないけど。
木倉町通りには色んな飲み屋がありますよ。
片町の中心部となる竪町きらら。この辺りも随分と景色が変わりました。
どことなく時代を感じる色合いですが、つい数ヶ月前に撮影した現代の写真です。
公園で夕陽を逆光で撮影をしてみました。
X-T4はボディ内手振れ補正を搭載しているので、暗所撮影でもISO感度を抑えながら撮影することができるのがいいですね。
とくにXF16-55mmF2.8やXF90mmF2などの手振れ補正のないレンズを使うことが多いので、ほんとにボディ内手振れ補正を搭載してくれたのは大きい。もう、手放すことができません。
クラシックネガだと光の色も淡い雰囲気になっていい感じです。
ボディ内手振れ補正のないX-T3だと、これくらいの暗さだと手振れ写真を連発していたので、1発でバシッとブレのない写真を撮影することができるのはとてもいい。
クラシックネガばかりだとアレなので、フィルムシミュレーション・スタンダードで設定した写真もいくつかどうぞ。
X-T4はフィルムシミュレーションだけでなく、写真の粒子を再現することができるグレイン・エフェクト、特定の色の深みを増すことができるカラークローム・エフェクトなどの機能も使うことができるので、この1台があれば写真を楽しむことができますよ。
FUJIFILM X-T4 レビュー:まとめ
FUJIFILM X-T4は2610万画素のAPS-Cイメージセンサーにボディ内手ブレ補正機能を搭載したミラーレスカメラです。メリットとデメリットをまとめました。
FUJIFILM X-T4のメリット
X-T4のメリットはボディ内手振れ補正を搭載したのが大きなメリットとなっています。
- ボディ内手ぶれ補正を搭載しブレに強くなった
- フィルムシミュレーション・クラシックネガを使える
- オートフォーカスの精度・速度が向上している
- 低照度EV-6で暗所でもAFが使えるようになった
- バッテリー容量が大きくて撮影可能枚数が増えた
- 動画機能も充実して撮影しやすくなった
X-T4はX-T3と同じ裏面照射型約2610万画素の「X-Trans CMOS 4」に「X-Processor 4」を搭載しているので画質はほぼ同じとみていいですが、ボディ内手振れ補正、新フィルムシミュレーションを搭載し新たな表現力を手にしたボディとなっています。
さらに、バッテリーパックが大容量タイプになったことでフル充電で600枚ほどの写真を撮影できるようになったのは大きい。X-T3やX-H1は2つのバッテリーパックを使い回してましたが、X-T4はそのようなことをしなくても十分使える電池持ちになっています。
FUJIFILM X-T4のデメリット
X-T4のデメリットはボディサイズが大きくなったことやチルト液晶が廃止されたことでしょうか。
- ボディサイズが少し大きくなった
- チルト式液晶が廃止された(個人的には)
- 4K60fpsの動画撮影で熱落ちする(30分くらいで)
ボディ内手振れ補正を搭載したことでボディサイズはX-T3と比べて少しだけ大きくなりましたが、グリップが少しだけ大きくなるなど大型レンズとの相性はアップしています。
X-T3よりも大きくて重いけど写真を撮るという動作においては使いやすくなっているので、携帯性は小型モデルのX-T30に任せるとしてX-T4の進化は個人的には良い方向に進んだのかなと思っています。
ただし、チルト液晶ではなくバリアングル液晶になったので角度を付けての撮影はしにくくなりました。光軸上に画面がないと撮影がしにくいです。慣れの問題はあると思いますが。
動画をするならバリアングルは必須なんでしょうが、写真がメインだとちょっと慣れる必要があると感じます。
いずれにしてもX-H1よりもコンパクトなボディサイズで手振れ補正機能を使って撮影できるX-T4はとても良いカメラですよ。
→ FUJIFILM X-T5 を詳しく見る
→ 富士フイルムのその他のカメラボディはこちら
少し古めの富士フイルムのカメラボディはこちら。中古で買うことができたりするので、価格を抑えたい方はX-H1とかおすすめですよ。
Xマウントの標準ズームレンズはこちら。
Xマウントの単焦点レンズはこちら。
はじめまして、風景が見慣れたものばかりで、同じ県内にお住まいなんだなぁと思いながら読ませていただきました◎
X-T4を購入検討しているのですが、肌の質感がどう出るのか気になります。よければ追加でレビューしていただきたいです。