富士フイルムのミラーレスカメラのXマウントには標準ズームレンズがいくつかありますが、XF18-55mmF2.8-4 R LM OISはキットレンズとして一つ目のレンズとして手に入れることが多いです。
次のステップに単焦点レンズにするのもいい選択肢ですが、RED badgeレンズのXF16-55mmF2.8 R LM WRを選ぶのもあり。このレンズは標準ズームレンズでありながらキレ、ボケ味、表現力が高く一度使うと手放すことができないレンズなんですよね。
ということで、この記事ではXF18-55mmF2.8-4 R LM OISとXF16-55mmF2.8 R LM WRの違いを比較しているので、XC15-45mmの入門レンズからのステップアップを考えていてどっちのレンズにするか迷っている方も参考にしてみてください。
この記事の目次
XF18-55mm・XF16-55mm スペック比較
XF18-55mmF2.8-4 R LM OISは実売55,000円、XF16-55mmF2.8 R LM WRは実売130,000円と価格は倍近く異なるので、そう簡単にXF16-55mmを選ぶことはできないですよね。
また、レンズの大きさも想像以上にXF16-55mmは大きいです。これで、レンズ内手ぶれ補正もないのでレンズの取り回し、撮影のしやすさを重視するなら間違いなくXF18-55mmの方がいいでしょう。
XF18-55mmとXF16-55mmのスペックを比較しました。
XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS | XF16-55mmF2.8 R LM WR | |
開放絞り | F2.8 – F4.0 | F2.8 |
レンズ構成 | 10群14枚(非球面レンズ3枚、EDレンズ1枚) | 12群17枚(非球面レンズ3枚、EDレンズ3枚) ナノGIコーティング |
羽根枚数 | 7枚(円形絞り) | 9枚(円形絞り) |
手ぶれ補正 | ◯ | × |
最短撮影 | 標準:0.6m – ∞ マクロ:広角:30cm-10m、望遠:40cm-10m |
|
防塵防滴 | × | ◯ |
点像復元処理 | × | ◯ |
大きさ | ø65.0mm×70.4mm(ワイド端)/97.9mm(テレ端) | ø83.3mm×106.0mm(ワイド端)/129.5mm(テレ端) |
重量 | 310g | 655g |
価格 | 約5.5万円 | 約13万円 |
XF18-55mmF2.8-4 R LM OISはレンズ内手ぶれ補正があるので、X-T3やX-T30に装着しても手ブレの少ない写真を撮影できますが、XF16-55mmF2.8 R LM WRは手ぶれ補正を搭載していません。
X-T4、X-H1のボディ内手ぶれ補正のあるカメラならレンズ内手振れ補正なくても問題ないですが、そのほかのカメラだと暗いところでの撮影だと手振れ写真を量産してしまう可能性が高くなります。
とはいえ、XF16-55mmが写し出す写真はキレがあり、ボケ味も豊かなので表現力は間違いなくXF18-55mmよりも上です。また、XF16mmF1.4と同じ広角撮影ができるのもいいところですよね。少しでもキレイで雰囲気のある写真を撮影したいならXF16-55mmがおすすめです。
XF18-55mm・XF16-55mm サイズ・大きさを比較
XF18-55mmF2.8-4 R LM OISとXF16-55mmF2.8 R LM WRのレンズの大きさはかなり異なり、XF18-55mmは10群14枚(非球面レンズ3枚、EDレンズ1枚)レンズに手ぶれ補正機構を備えているのに、こんなにもコンパクトなサイズのレンズとなっています。
XF16-55mmは12群17枚(非球面レンズ3枚、EDレンズ3枚)のレンズを搭載していて、大きなレンズとなっています。
多層コーティング処理「HT-EBC (High Transmittance Electron Beam Coating)」、ナノGIコーティング技術を採用することでゴーストやフレアを低減したクリアな表現ができるレンズとなっています。
XF18-55mmは手ぶれ補正のON・OFF、オートフォーカスのON・OFFのスイッチを搭載していますが、XF16-55mmは絞りリング、フォーカスリングのみのスタイルとなっています。
XF18-55mmはレンズの大きさが小さいのでX-T30との相性抜群です。XF16 -55mmだとバランスがおかしなことになってしまいますが、X-T4、X-T3、X-H1などに合っているのではないでしょうか。
もちろん、XF18-55mmとX-T4 or X-T3の組み合わせで、取り回しをコンパクトにすることができるので、便利ズームレンズとして使うなら最高の組み合わせになりそうですよね。
ちなみに、望遠側に合わすとレンズはこれくらいまで伸びます。
XF18-55mmはこれでレンズ内手ぶれ補正機構を搭載しているのだから、すごいですよね。コンパクトで使い勝手はとても良いレンズとなっています。
XF18-55mmF2.8-4 作例
XF18-55mmF2.8-4 R LM OISで撮影した作例をいくつか掲載しておきます。カメラはX-T4で撮影しています。
標準ズームの画角なので使用範囲はとても広くて使いやすいレンズとなっています。十分すぎる解像感のあるレンズなのでXC15-45mmからの乗り換えにはいいかもしれないですね。
全域で最短で30cmまで寄って撮影できるので、花の接写写真もそれなりに楽しむことが可能となっています。
レンズ内手振れ補正機構を内蔵しているので、暗いところでも手振れさせることなく撮影することができます。
また、シャッタースピードを遅くすることによって手持ちでもちょっとしたレーアービーム撮影もできます。
シャッター速度1/5くらいなら手ブレせずに撮影できます。これよりも長くなると腕の筋力が必要となってくるのかな…。
このように、XF18-55mmF2.8-4 R LM OISは十分な解像感を持ったレンズとなっていてコンパクトなサイズなので、どこにでも持ち歩いて持っていくことができる万能レンズと見ていいでしょう。
XF16-55mmF2.8 作例
XF16-55mmF2.8 R LM WRは望遠側でも開放F2.8で撮影できるレンズです。EDレンズを3枚採用し、ゴーストやフレアの発生を抑えてシャープでクリアな描写なナノGIコーティングを採用しワンランク上の画質を実現しています。
標準ズームレンズでありながら全域でキレのある高精細な写真を撮影することができるので、風景の撮影のおいては最強のレンズといってもいいかもしれないですね。レンズは重いですが、旅行には欠かすことができない。
また、ボケもとてもキレイな表現ができるので雰囲気のある写真に仕上げることもできますね。
子どもの写真をXF16-55mmF2.8 R LM WRで撮影することが多いですが、肌の質感も素晴らしいですし、オートフォーカスの速度も高速でとても使いやすいレンズとなっています。
望遠側も全域でキレのある表現力を持っています。
フレアも少なく抑えられてるので、夜の撮影もクリアで美しい写真を撮影することができます。
レンズ内手振れ補正がないのがツライところではありますが、F/2.8と明るいレンズなのでボディ内手ぶれ補正のないカメラでもそこそこ使うことができます。ただ、やっぱりX-T4やX-H1のボディ内手ぶれ補正のあるカメラで使うのがいいですね。
夜間撮影のしやすさは雲泥の差で違います。もうね、X-T4やX-H1のためにXF16-55mmF2.8 R LM WRが存在すると言っても過言ではないでしょう。さらに、防塵防滴も備えているのでどこにでも持っていくことができるレンズとなっています。
XF18-55・XF16-55 画質比較
では、XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS、XF16-55mmF2.8 R LM WRで表現力・画質がどれくらい違うものか比較してみたいと思います。
広角側の画質を比較
X-T10に各レンズを装着して撮影しています。
広角画角に関しては画質に差はほとんどないですね。同じ感じに撮影することが可能となっています。拡大してみてもそんなに差はありません。
むしろXF18-55の方がシャープなんじゃないの?と思うくらい。おそらく手ぶれ補正の有無がキレ味に違いが生じてしまった感じがします。
ピンクのお花を広角28mmで撮影をしました。
拡大してみます。
あまり違いは分かりませんが、XF16-55の方が花の繊維がより綺麗に表現できているように見えます。
望遠側の画質を比較
望遠側にして撮影をしてみました。
正直なところiPhoneやパソコンの画面で見比べるくらいだと、ほぼ同じような写真を撮ることができます。では、差がないのかと聞かれるとNoです。拡大すると画質に差が出てきます。
XF18-55mmは標識の文字はボケているのにXF16-55mmはクッキリと描写できています。望遠側ではXF18-55mmはレンズの周囲の画質が甘くなる傾向があり、XF16-55はよりシャープに描写することができるのでしょうか。
望遠55mmでお花を撮影しました。
レンズ中央部分の画質はどちらもシャープでキレイな画質となっていますね。
背景のボケの表現力はさすがXF16-55mmの方が上といった感じでしょうか。XF16-55mmも悪くないですが、少し硬い印象があります。
夜間撮影の画質の違い
夜に睡蓮の蕾をライトの光をバックにして撮影してみました。
どちらもキレイな表現力となっていますが、XF18-55mmよりもXF16-55mmの方が睡蓮の解像感が高くて、背景のボケ方も自然でキレイですよね。
このようにXF16-55mmF2.8 R LM WRは標準ズームレンズでありながらキレとボケ味が優秀なレンズとなっています。
夜の街頭を撮影してみました。
XF18-55mmですがフレアが発生してしまっていますが
夜の撮影が多いならXF16-55mmを選ぶことによってフレアを抑えることができ、クリアな写真を撮影することができるでしょう。
XF18-55mm・XF16-55mm スペック比較:まとめ
約5.5万円のXF18-55mmF2.8-4と約13万円のXF16-55mmF2.8を比較すると、価格の高いXF16-55mmF2.8の方が画質・表現力が高いのはわかりました。
とはいえ、XF18-55mmF2.8-4がダメということはなくレンズキットに付いてくるレンズにしては質はかなり高いです。レンズ内手ぶれ補正も内蔵してるし5.5万円のレンズとしては出来すぎなくらいだと思います。
XF18-55mmF2.8-4がいい人は
XF18-55mmF2.8-4は35mm判換算で27-84mm相当の撮影ができる標準ズームレンズです。
- レンズが小さくて扱いやすい
- レンズ内手ぶれ補正を搭載している
- 価格の割に描画・表現力が良い
レンズのサイズがとても小さくて扱いやすいのがXF18-55mmの最大のいいところと言ってもいいかもですね。小型ボディのX-T30との組み合わせでもこのサイズ感ですから、どこにでも持って撮影することができます。
これでレンズ内手ぶれ補正を搭載してしますし、価格も5.5万円と安くてレンズキットで手に入れることができるのでコストパフォーマンスはとても良いレンズと見てもいいでしょう。
- 望遠側の画質が甘い
望遠側の画質がイマイチと感じることがあるかもですね。また、ボケ味も固めで単焦点レンズを使ってると画質の違いに差を感じてしまうかも。ただ、単焦点レンズを主に使ってたまに便利ズームとして使うのなら十分すぎる性能と見てもいいかもしれません。
XF16-55mmF2.8がいい人は
XF16-55mmF2.8は35mm判換算で24-84mm相当の撮影ができる標準ズームレンズです。
- 使いやすい16-55mmの画角で撮影できる
- 全域でキレのあるキレイな描写、ボケ味を表現できる
- HT-EBC + ナノGIコーティングでゴーストやフレアが発生しにくい
- ブツ撮りにも使いやすいレンズ
REDbadgeの称号が与えられたレンズだけあって描画力・表現力はさすがです。単焦点レンズで撮影したかのような雰囲気のある写真を撮影することができます。また、絞ることによってキレのある写真に仕上げることができるのでブツ撮りにも威力を発揮するレンズとなっています。
- レンズのサイズが大きい
- レンズ内手ぶれ補正がない
- 価格が約13万円と高い
レンズのサイズが大きいのでX-T30、X-Pro 3など小さいボディのカメラだとバランスが崩れてしまいます。また、レンズ内手ぶれ補正がないのでX-T4、X-H1などのボディが大きくボディ内手ぶれ補正のあるカメラとの相性がいいでしょう。
今回撮影に使用したカメラはX-T4、X-T10となっています。
小型ボディのカメラはX-T30が販売されています。
そのほかのXマウントのレンズはこちら。
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