iPhoneとGalaxy。二つ合わせて世界のスマートフォンのシェアの4割を占めるスマホ界の巨塔でもあります。iOSとAndroidとOSが異なるので単純な比較はできませんが性能や使いやすさを比較することはできます。
ということで、この記事では、iPhone 12 ProとGalaxy S21の違いを比較して、どっちを選ぶべきかを見ていきたいと思います。
ちなみに、iPhone 12とiPhone 12 Proは筐体サイズ、スペックはほぼ同じです。カメラの数が違うだけなのでiPhone 12と検討したい方も参考にしてみてください。
この記事の目次
iPhone 12 Pro・Galaxy S21 違いを比較
本体デザイン
iPhone 12 Pro、Galaxy S21ともに本体デザインは個人的にはかなりいいと思っています。iPhone 12 Proはフラットエッジフレームを採用した角張ったスタイル、Galaxy S21はラウンドエッジフレームを採用した少し丸みのあるスタイルとなっています。
Galaxy S20まではディスプレイもラウンドエッジ仕様でしたが、Galaxy S21より一般的なフラットディスプレイになったので従来のモデルと比べて誤動作は起きにくくなった印象はあります。
iPhone 12 Proは右側にサイドボタン、Galaxy S21は音量ボタンとサイドボタンを搭載しています。
iPhone 12 Proは左側に音量ボタンを搭載しているので、操作ボタンの配置は若干異なります。
筐体の素材はiPhone 12 Proはマットガラスとなっています。
Galaxy S21はプラスチックとなっています。
質感はiPhone 12 Proの方が上ですが、プラ素材を採用しているGalaxy S21が見た目がイマイチということはなく、プラ素材とは思えないくらい質感の高い筐体となっています。
プラ素材は落としても割れないというメリットもあるので、ケースなしでこのまま使うこともできるかと思うので実用性の高くなっているように感じます。
充電ポートはiPhone 12 ProはLightning、Galaxy S21はUSB-Cを採用しています。
充電ケーブルはそれぞれのものを使えばいいので問題はとくにありませんが、USB-Cを採用しているGalaxy S21はUSB-Cに対応している外付けSSDを接続して簡単にデータのやり取りができるメリットはあります。
また、Galaxy S21はDisplayPort出力にも対応し外付けモニターと接続することで画面を拡張したり、DeXモードにしてパソコンとしても使うことができます。
このような使い方はiPhoneではできません。スマホがパソコンになってしまうことが驚いてしまうのですが、DeXモードはずいぶん前のGalaxyからも搭載されていたお馴染みの機能となっています。
動作するのはAndroidアプリですがDeXモードに対応しているアプリならそこそこ快適に使うことができますし、Microsoft Officeを使うこともできます。Bluetoothでマウスとキーボードを接続すればパソコンとして使うことができるのです。
本体サイズと持ちやすさ
iPhone 12 ProとGalaxy S21の本体サイズを比較しました。
iPhone 12 Pro | Galaxy S21 | |
画面サイズ | 6.1インチ | 6.2インチ |
本体サイズ | 146.7 × 71.5 × 7.4mm | 151.7 × 71.2 × 7.9mm |
重量 | 187g | 167g |
本体サイズはほぼ同じですが、画面サイズが0.1インチだけ大きいGalaxy S21の方が一回り大きくなっています。しかし、重量が167gと軽量化されているので手で持った時の印象としてはGalaxy S21の方が扱いやすい感じがします。
ただ、標準モデルのiPhone 12であれば重量が162gと軽量なのでGalaxy S21と同じように軽いです。iPhone 12 Proとの違いは基本的にカメラの数とメインメモリの容量だけなので軽さを重視するならiPhone 12を選ぶのもいいでしょう。
どちらのモデルも手の大きい方であれば片手操作できるサイズ感ですが、基本的には快適に片手操作はできません。
ただ、筐体を持ち直すなどしてポジショニングをしっかり確保することで片手操作ができるので、画面の大きさと使いやすさを両立した端末になっているかと思います。
なお、Galaxy S21はサイドバー機能を搭載していて、この部分からスライドすることでクイックメニューを起動することができます。
クイックメニューを使うことで片手でアプリの切り替えを簡単にすることができるので、6.2インチのディスプレイでも意外と片手操作ができるようになっています。
また、2画面表示機能、ウィンドウ機能にも対応しているのでマルチタスクでアプリを使うということも可能となっています。スマホでマルチタスクってなかなか使いこなすの難しいのですがYouTube見ながらTwitterをするといった単純な使い方もできるので意外と便利ですよ。
さらに、Galaxy S21は横画面モードにすることもできます。
iPhone 12 Proも横画面にしてアプリを使うことができますが、ホーム画面は対応していません。
Galaxy S21はホーム画面も横に対応しているので、YouTubeで横画面で動画を見ていてホーム画面に戻ったときもホーム画面を横にしたまま操作できます。わざわざスマホを持ち直すことなく操作できるのでこれは便利ですよね。
というか、iPhoneも横画面モードを復活してほしい。
画面サイズと綺麗さ
iPhone 12 Proの画面サイズは6.1インチとなっていて、Galaxy S21の6.2いんちよりも0.1インチ小さい大きさとなっています。
iPhone 12 Pro | Galaxy S21 | |
画面サイズ | 6.1インチ | 6.2インチ |
解像度 | 2,532 × 1,170ピクセル 460ppi |
2,400 × 1,080ピクセル 421ppi |
ディスプレイ | Super Retina XDR(有機EL)、最大1200ニト | Dynamic AMOLED 2X Infinity-O(有機EL)、最大1300ニト |
リフレッシュレート | 60Hz | 48-120Hz |
解像度がiPhone 12 Proの方が上ですが、この違いを目視で判別することはできないので気にする必要はありません。
それよりも、リフレッシュレートがiPhone 12 Proは60Hzなのに対して、Galaxy S21は120Hzになっているのが大きな違いとなっています。
120Hzのリフレッシュレートに対応しているGalaxy S21の方がスクロール時に文字の残像が少なくてコンテンツを動かしながらも文字を確認できるのがメリットとなっていて、画面が見やすいだけでなく、ぬるぬると動作するのでクセになる操作感を実現しています。
生体認証の使いやすさ
iPhone 12 Proは顔認証のFace IDに対応、Galaxy S21は顔認証だけでなく画面内指紋認証も使えるデュアル生体認証に対応しています。
iPhone 12 Pro | Galaxy S21 | |
顔認証 | Face ID(マスクは使えない) | 対応(マスク、暗闇は使えない) |
指紋認証 | – | 画面内指紋認証 |
iPhone 12 ProのFace IDはあらゆるセンサーを駆使して顔を識別する3Dカメラなので暗闇の中でも顔を認識してくれる精度を持っているので、どこでも快適にiPhoneを使うことができます。
ただし、マスクをしていると反応してくれないので外で使う場合はパスコード入力が必須となります。(今後のアップデートでApple Watchとの組み合わせでマスクをしていても顔を認識できるようになるのでデメリットは少し解消されます。)
Galaxy S21は顔認証だけでなく画面内指紋認証にも対応しているのでマスクをしていてもちゃんとに使うことができます。
しかも、Galaxy S21の画面内指紋認証はGalaxy S20よりもセンサーが大きくなったことで精度と認証速度が向上しているので、快適に画面ロック解除ができるようになっています。
iPhone 12 Proは指紋認証機能を搭載しておらず顔のみの認証しか対応していないのが最大のデメリット。ただ、今後のアップデートでApple Watchを装着することで顔半分で画面ロック解除ができるようになります。
Apple Watchtoの連携機能が搭載されたら指紋認証がなくてもそれなりに使えるようになるかもしれませんね。
ワイヤレス充電のしやすさ
iPhone 12 Pro、Galaxy S21はQi規格のワイヤレス充電に対応していますが、iPhone 12 ProはMagSafeアクセサリによる充電に対応しています。
iPhone 12 Pro | Galaxy S21 | |
MagSafe | 15Wの充電 | – |
Qi | 7.5Wの充電 | 10Wの充電 |
iPhone 12 ProはApple独自のMagSafeという規格に対応していて、磁力を持ったMagSafe充電器やMagSafeデュアル充電器を使うことで端末をピタッとくっ付けるだけで充電することが可能です。
AmazonなどにMagSafe専用のスタンドなどが数多く販売されていますが、それらを使うことによってこのように立てかけて充電することができます。
従来のQi対応のワイヤレス充電器でもAnker Power wave2 Standなどスタンドタイプのものを使うことで立てかけて充電することができます。
ただ、位置がズレてしまって充電ができていなかったり、充電しながら使うときに端末が動いてしまうことがありますが、MagSafeならそのようなことがありません。充電しながら端末を使うことが多いならiPhone 12 Proの方が快適に使うことができます。
また、MagSafeアクセサリは充電だけでなくMagSafeレザーウォレットを使うことで財布を持ち歩かなくてもよくなったり、MOFTスタンドを使うことでどこでもiPhoneを立て掛けて動画を見ることができたりと新しい使い方が可能となります。
[adiphone12pro]
CPUのスペックと性能
iPhone 12 ProはA14 Bionicに6GBのメインメモリ、Galaxy S21はSnapdragon 888に8GBのメインメモリを搭載しています。
iPhone 12 Pro | Galaxy S21 | |
SoC | A14 Bionic | Snapdragon 888 5G |
CPU | 高性能2コア + 高効率4コア | 高性能4コア + 高効率4コア |
GPU | Apple GPU 4コア | Adreno 660 |
NPU | Neural Engine 16コア | Hexagon 780 |
プロセスルール | 5nm | 5nm |
どちらも5nmプロセスで製造されたSoC(システム・オン・チップ)となっていて、高性能かつ省電力性能を両立したものとなっています。iOSとAndroidの比較なのであくまで参考レベルで見てください。
iPhone 12 Pro | Galaxy S21 | |
SoC | A14 Bionic | Snapdragon 888 5G |
RAM | 6GB | 8GB |
トータル | 591594 | 666076 |
CPU | 162563 | 189535 |
GPU | 238834 | 271670 |
MEM | 98276 | 114854 |
UX | 91921 | 90017 |
あくまで参考ですが、A14 BionicよりもSnapdragon 888の方が高いスコアとなっていて、総合性能でiPhone 12 Proが59万点なのに対してGalaxy S21は66万点となっています。
とくに、Snapdragon 888はグラフィックの性能が向上しているようでAntutuの激重の雪のステージのフレームレートはかなり高く、目視で分かるほどiPhone 12 Proよりも処理速度が速くなっていることがわかります。
ブラウザ、Twitter、YouTubeといった一般的なアプリの動作速度の差はほぼありません。iOSとAndroidで挙動が異なるので、その差によってアプリによってiPhone 12 Proが速かったり、Galaxy S21の方が快適に動作します。
電池持ちを比較
バッテリー容量はiPhone 12 Proは2,815mAh、Galaxy S21が4,000mAhとなっているので、Galaxy S21の方が電池持ちが良さそうな感じがしますが、ゲームのPUBGモバイルで30分プレイをしてみたところ差はほとんどなさそうです。
iPhone 12 Pro | Galaxy S21 | |
バッテリー容量 | 2,815mAh | 4,000mAh |
PUBG 30分プレイ | 12%消費 | 13%消費 |
YouTube1時間視聴 | 8%消費 | 調査中 |
省電力だといわれているSnapdragon 888を搭載しているGalaxy S21ですが実際はよく発熱します。とくにカメラアプリを使っているときはすぐにホカホカになるので電池が減ってるんだろうな…と思ってしまいます。
使ってみた印象としてはiPhone 12 Pro、Galaxy S21の電池持ちはほぼ同じになっているかと思います。
カメラのスペックと画質
iPhone 12 Pro、Galaxy S21ともにトリプルカメラ仕様です。
iPhone 12 Pro | Galaxy S21 | |
広角カメラ | 1200万・F/1.6 | 1200万・F/1.8 |
超広角カメラ | 1200万・F/2.4 | 1200万・F/2.2 |
望遠カメラ | 光学2倍・1200万・F/2.0 | 6400万・F/2.0 |
ToF | LiDARスキャナ | – |
インカメラ | 1200万・F/2.2 | 1000万・F/2.2 |
動画性能 | HDR10、4K60fps、フルHD(240fps) | HDR10、8K24fps、4K60fps、フルHD(240fps) |
カメラ機能 | スマートHDR 3、Deep Fusion、Apple ProRAW、ナイトモード、ポートレートモード | シングルテイク、スーパー手振れ補正(フルHDのみ)、シーン認識、ナイトモード、ポートレートモード |
iPhone 12 Proは被写体の距離を正確に測ることができるLiDARスキャナを搭載していてポートレート撮影の精度やAFの速度が向上していますが、Galaxy S21も十分な精度と速度を持っているので問題はありません。違いはほぼわかりません。
広角カメラで金沢の街を撮影してみました。
どちらもキレイな写真に仕上がっていてパッとみた感じでは違いを感じませんが、部分拡大してみるとGalaxy S21の方が高精細に描画できているのがわかります。
超広角カメラで撮影し比べてみました。
こちらも拡大してみたところiPhone 12 Proはノイズが多く出ていますが、Galaxy S21はノイズが少ない写真に仕上がっています。
こちらは望遠カメラです。iPhone 12 Proは光学2倍の望遠レンズを搭載しているのに対して、Galaxy S21は広角画角のレンズに6400万画素の高画素センサーを組み合わせて望遠カメラとしています。
つまり、内部的にデジタルズームしてアップコンバート処理をすることで、ノイズの少ないキレイな写真に仕上げていることになります。拡大して比較してみたところ、どちらもノイズが少なくキレイな表現となっています。
光学2倍の望遠レンズを搭載しているiPhone 12 Proの方が少しだけ高精細な写真に仕上がっていますが、どちらもほぼ同じ画質とみていいでしょう。Galaxy S21の(広角カメラ + 6400万画素)のハイブリッドズーム、恐るべしですね…。
しかも、この6400万画素のイメージセンサーは高精細モード(6400万画素)による撮影もできるので、光学式の2倍望遠レンズを搭載するよりも高画素なイメージセンサーを搭載した方が効率はいいのかもしれません。
広角カメラでハム太郎を撮影し比べてみました。
iPhone 12 Proの方が毛並みがくっきりと描画できています。これはDeep Fusionによるソフトウェア処理によるものでよりくっきりとした写真に仕上げている影響でしょう。
Galaxy S21はソフトな感じに仕上がっているので写真としての表現力としては一枚上手といったところではないでしょうか。
椿の花を撮影し比べてみました。
どちらも自然に仕上がっているように見えますが、iPhone 12 Proの方が花びらの繊維までしっかり描画できているのがわかります。
どちらもレベルの高いカメラに仕上がっているので、あとは好みの問題といってもいいかもしれませんね。個人的には子どもの写真、花の写真はiPhone 12 Proの方が好きですが、動物の写真、風景の写真はGalaxy S21の方がいいですね。
動画撮影について
動画はiPhone 12 Proは4K60fpsまで、Galaxy S21は8K24fps、4K60fpsまでの撮影に対応。さらに、Galaxy S21は動画撮影中に背景をぼかすことができる機能も搭載しているので表現力の高い動画撮影が可能となっています。
iPhone 12 Pro、Galaxy S21ともに強力な手ぶれ補正機能を搭載しているので、ブレの少ない動画を気軽に撮影することができます。Galaxy S21はフルHD動画ならスーパー手ぶれ補正によりアクションカメラ並みの手ぶれ補正をすることもできます。
さらに、8K動画撮影もできるのでとにかく高精細な動画撮影が可能となっています。
[adiphone12pro]
端末価格を比較
端末価格は税込でiPhone 12 Proが117,480円、Galaxy S21は海外モデルが799ドル(105円換算で約9万円)となっています。
iPhone 12 | iPhone 12 Pro | Galaxy S21 | |
64GB | 94,380円 | – | – |
128GB | 99,880円 | 117,480円 | 799ドル(約9万円) |
256GB | 11,1980円 | 129,580円 | 849ドル(約10万円) |
512GB | – | 153,780円 | – |
Galaxy S21の日本国内版がいくらになるのか分かりませんが、グローバル版の価格で比較するとiPhone 12に近い価格設定となるはずです。つまり、本来比較するならiPhone 12とGalaxy S21ということなんですね..。
価格だけで比較するとGalaxy S21のコストパフォーマンスはかなりいいですよね。
iPhone 12 Pro・Galaxy S21 どっちがいい?
基本的にどちらの端末もハイエンドモデルとなっているので、どっちを選んでも満足いくスマホ体験を得ることができるでしょう。iOS、Androidで選んでもいいですし、デザインだけで決めてもいいかと思います。
それだけ完成度の高い端末となっています。
iPhone 12 Proがいい人
iPhone 12 Proを選ぶのがいい人は基本的にハードウェアがどうのこうのではなく、Apple製品との連携機能を使いたい人です。Apple Watchを使うにはiPhoneが絶対に必要になります。
- Mac、iPadの連携機能を使いたい
- MagSafeアクセサリを使いたい
- Apple Watchを使いたい
もちろん、スペックは高いので快適な操作ができます。筐体の質感は高級感があって所有欲を満たしてくれるでしょう。個人的にはMagSafeが使えるのは大きなメリットです。
ケーブルの抜き差しをしなくても充電できたり、端末を立て掛けて使うことができるのが本当に便利ですね。これはGalaxy S21では体験できないことでもあります。
ただし、指紋認証に対応していないのでマスクをしていると使いにくいというデメリットがあります。(Apple Watchをしてるなら今後のアップデートで快適になる可能性があります。)
[adiphone12pro]
Galaxy S21がいい人
Galaxy S21を選ぶのがいい人はマスクをしている時の操作性を重視したい方におすすめです。
- 指紋認証を使いたい
- 滑らかなディスプレイを使いたい
- 2画面表示機能を使いたい
- スーパー手ぶれ補正で動画撮影
- 8k24fpsで高精細な動画撮影
画面内指紋認証を搭載しているのでマスクをしていても問題なく使うことができますし、120Hzのリフレッシュレートに対応しているのでスムーズなスマホ体験をすることができます。
8K動画、アクションカメラ並みの手ぶれ補正に対応した動画撮影に対応するなど動画の性能が意外と高いので写真よりも動画を重視するならGalaxy S21はいい選択肢になるのかもしれません。
とても分かりやすかったです。
カメラ機能の気になる部分まで記してあり、購入前に検討が出来ました。
また来ます!