ソニーのWF-1000XM3はWF-1000XM4の前機種ですが、QN1eチップを搭載しノイズキャンセリングに対応した高音質モデルです。
WF-1000XM3は旧型ですがハイエンドモデルらしい音に厚み、臨場感のあるサウンドを楽しめて周囲の音もしっかり掻き消せる性能を持っています。
この記事では、SONY WF-1000XM3のデザイン・音質・ノイズキャンセリング・装着感をレビューしています。実際に使ってどうかメリット、デメリットを書いたので参考にしてください。
- ハイエンドらしく音質がそれなりに良い
- ノイズキャンセリングで周囲の雑音を低減
- 装着感は自然で着け心地が良い
- イヤホンが少し大きい
- 防水仕様に対応していない
- 高音質コーデックLDACに非対応
- マルチポイントに非対応
- ワイヤレス充電に非対応
WF-1000XM3は現在も継続販売しており19,999円で買えます。そこそこのハイエンドイヤホンでいいなら良い選択肢かもしれませんね。
→ 後継機種・WF-1000XM4、WF-1000XM5はこちらです
この記事の目次
WF-1000XM3 特徴とスペック
型式が「XM3」となっていますが、2017年のWF-1000Xの後継機種でナンバリングに「3」が付いている2代目です。
モデル | WF-1000XM3 | WF-1000X | |
---|---|---|---|
ドライバ | 6mm ドーム型(CCAWボイスコイル) | ||
マグネット | ネオジウム | ||
コーデック | SBC, AAC | ||
ANC | あり(高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN1e) | あり | |
アンビエントサウンド | あり | あり | |
高音質技術 | DSEE HX対応(圧縮音源をハイレゾ相当に変換) | – | |
Bluetooth | 5.0(Power Class 1) | 4.1(Power Class 1) | |
最大通信距離 | 見通し距離 約10m | ||
ペアリング | 最大8台まで | ||
充電ポート | USB Type-C | ||
連続音声再生 | 最大6時間(ケース併用で24時間) | 最大3時間 | |
防水防塵 | – | – | |
専用アプリ | Headphones Connectに対応 |
SONYのスマホ・XperiaだけでなくiPhoneでも普通に使えるので、ソニーだからエクスペリアにしないといけない…ことはないので安心してください。
旧モデルのWF-1000Xもノイズキャンセリングを搭載してましたがWF-1000XM3は新開発の高音質ノイズキャンセリンプロセッサ「QN1e」を搭載したのが特徴です。
さらに音楽配信サービスや動画の圧縮音源を高解像度音源にアップスケーリングする高音質技術DSEE HXを完全ワイヤレスイヤホンとしては初めて搭載しています。
- 6mm CCAWボイスコイル採用
- Sony Qn1eでANCに対応
- 対応コーデック:SBC、AAC
- バッテリー:ANCオン 6/24時間、オフ 8/32時間(体/ケース)
- 防水性能:非対応
- 本体カラー:ブラック、プラチナシルバー
- 発売日:2019年7月13日
- 価格:19,000円
WF-1000XM3の大きな特徴がノイズキャンセリング機能となっています。
ノイズキャンセリングってほんとに凄いですね。初めてノイキャンを体験したのですが、バスのロードノイズとか完全に消えてしまう。これには本当にビックリします。
肝心の音質はもちろん良いのですがノイズキャンセリング機能のおかげで外部からの不快なノイズが消し去ることができるので音質がさらに良くなっている感じがします。
SONY WF-1000XM3 レビュー
パッケージ・付属品
WF-1000XM3は高級ワイヤレスイヤホンらしく高級感のあるしっかりとしたパッケージとなっています。
説明書やGoogleアシスタントの使い方の説明書なんかも入っています。そして、WF-1000XM3の充電ケースはUSB-Cポートに対応しているので、USB-C to Aケーブルが付属しています。
充電アダプタは付属していませんが、USB-C to AケーブルなのでiPhoneなど手持ちの充電器を使って充電可能です。
イヤーピースの種類が豊富
付属しているイヤーピースは通常のハイブリッドイヤーピースの他にトリプルコンフォートイヤーピースが付属しています。
左の色の付いたイヤーピースがトリプルコンフォートと呼ばれるイヤーピース。
通常のイヤーピースはシリコン素材となっていますが、トリプルコンフォートイヤーピースは発泡シリコン素材(ウレタンっぽい)を使ったものとなっています。
トリプルコンフォートイヤーピースの方が肉厚になっているので、遮音性が通常にイヤーピースよりも高いのが特徴で、肌さわりもサラサラ素材となっているので、通常のイヤーピースの肌さわりが嫌という方はコンフォートを装着するのがおすすめです。
イヤーピースは上に引っこ抜くだけで簡単に取り外しができるので、自分の耳にあったイヤーピースを選ぶことができます。これだけ種類があるのは色々と試すことができるので有難いですね。
ちなみに、僕は通常タイプのイヤーピースを使っています。
なんか靴みたい…。トリプルコンフォートイヤーピースの装着感も悪くないのですが、少し窮屈感があったのでやっぱり僕は普通のイヤーピース。
WF-1000XM3の充電ケース
充電ケースも本体デザインに合わせた楕円形スタイルとなっています。なかなか高級感があっていいですね。
充電ケースの下側にUSB-Cポートを搭載しています。
充電ケースの内部はこんな感じ。
ちなみに、充電ケースにはLEDを内蔵していますが、充電時に赤色に光るだけなので、バッテリー残量をケースだけで把握することはできません。
WF-1000XM3のイヤホン本体はこんな感じで収まっています。
イヤホン単体で4.5時間(ノイズキャンセリング ONで3.5時間)の連続再生が可能、ケースを併用することで最大24時間ほど音楽を楽しめます。
WF-1000XM3 イヤホン本体
イヤホン本体は完全ワイヤレスイヤホンの中では大きめサイズといっていいかもしれませんね。
イヤホン本体の重量は8.5gと重くはないので普通に耳に付けている状態で使って付けてる感じはあります。装着感はWF-1000XM4の方が数倍も上ですが慣れればそんなもんです。
右側の丸い部分にタッチセンサーを内蔵しています。
この部分をタップすることでWF-1000XM3を操作することが可能となっています。
- 左側1回タップする:ANC、外音取込 切り替え
- 右側1回タップする:再生、一時停止
- 左側2回タップする:受話、終話
- 右側2回タップする:次の曲にスキップ、受話、終話
- 右側3回タップする:前の曲に戻る
- 左側ずっとタップする:クイックアテンションモード
- 右側ずっとタップする:音声アシスタント呼び出し
- 左右同時にずっとタップする:ペアリングモード
クイックアテンションモードは左側のイヤホンをずっとタップすることで起動できて、音楽の音量を下げて周囲の音を取り込むことができるモードです。
つまり、音楽を聴いていてイヤホンを取り外すことなく周囲の音、状況を確認きるモードとなって、スタバなんかで店員さんに話しかけられた時に便利な機能となっています。
自然な装着感で付け心地最高
WF-1000XM3はカナル型の密閉タイプのワイヤレスイヤホンです。カナル型は耳に密着するので相性があるのかなと思いますが僕の耳には完璧にフィットしています。
WF-1000XM3の装着感は圧迫されている感じが少なく自然なつけ心地となっています。ずっとイヤホンを装着していても耳が疲れてしまうことはないでしょう。
実はWF-1000XM3は人間工学に基づいた設計されています。
耳の3点で支える「エルゴノミック・トライホールド・ストラクチャー」により安定性の高い装着感を実現。また、耳に接する部分にハイフリクション・ラバー・サーフェスを採用し、摩擦が高く、外れにくい構造になっています。
カナル型イヤホンでありがちな足音が耳に響いしてしまうことも少ないので常用できるイヤホンとなっていて、トレーニング中にも使えます。
ただし、防水仕様じゃないのが残念なところではあります。
WF-1000XM3 音質 レビュー
原音忠実なクリアなサウンド
WF-1000XM3はこの価格帯の完全ワイヤレスイヤホンの中ではトップレベルの音質の良さとなっています。さすが、オーディオメーカーでもあるSONYが開発しているイヤホンだけあります。
- ドライバーサイズ:6.0mm(CCAWボイスコイル)
- 音声コーデック:AAC/SBC
- Bluetooth:5.0
- マイク:2マイク
- 6時間(ケース込みで18時間)
ドライバーサイズは6mmと一般的なイヤホンと同等の大きさとですが高音質のCCAWボイスコイルとネオジウムマグネットを採用し高音質サウンドを楽しめます。
実際の音質は低音から高音まで全ての音域で解像感の高く低音が強くなりすぎることもなく高音のシャリシャリ感もありません。
とても自然な音質で聴いてて気持ちの良いサウンドを楽しむことができます。
音質の良さはドライバーユニットだけでなく「高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN1e」を搭載していることにも大きく寄与しています。
QN1eは下位モデルのWF-SP800Nには搭載してないチップで聞き比べると音の解像感が全く異なり一つ一つの音がしっかり立って臨場感があります。
CDやMP3などの圧縮音源の高音域を補完してハイレゾ級の高音質を楽しめるDSEE HXでApple MusicやYouTube Musicといった音楽ストリーミングサービスに音楽も質感の高いサウンドで楽しめます。
専用アプリ「Headphones」を使うことでイコライザー調整も可能となっています。
プリセット(OFF・Bright・Excited・Mellow・Relaxed・VocalTreble Boost・Bass Boost・Speech)からサウンドを選ぶのもいいですし、自分で好みのサウンドを作り出すこともきます。
個人的には「Bright」に「CLEAR BASS +7」の設定がおすすめ。クリアで低音も効いた迫力のあるサウンドに仕上げることができます。
アプリから「音質優先モード」と「接続優先モード」の切り替えが可能となっています。
初期設定は「接続優先モード」となっていて駅のホームとか混み合うところの接続性能を上げてくれます。
僕は田舎に住んでいるので「音質優先モード」にしていますが、正直なところ音質の違いがあまり感じられないので「接続優先モード」に設定していてもいいでしょう。
ノイズキャンセリングで不快なノイズを排除
カナル型で高い密閉性を実現し物理的にもノイズを防げますが、さらにACN(アクティブノイズキャンセリング)で周囲の音は物理的にシャットアウト、バスや車のタイヤのロードノイズやエンジン音を低減してくれます。
これには本当に驚きです。音楽を再生しないでノイズキャンセリングをONにするとバスの乗り心地が新幹線に変えられるほどノイズキャンセリング機能がスゴイです。
ノイズキャンセリング機能は音質が低下するデメリットがありますが新開発の高音質ノイズキャンセリンプロセッサ「QN1e」で自然な音を実現しています。
ノイキャンの風切り音について
WF-1000XM3はANCをオンの状態で風が強いところで使うと風の音を拾ってしまい風切り音がしますがアプリの「外音コントロール」から「風邪ノイズ低減」で風切り音を防げます。
ノイズキャンセリングは少しだけ弱くなりますが、しっかり効いているので風の強い日はちょっと設定してあげればいいでしょう。
WF-1000XM3はアンビエントサウンド(外音取り込み)モードにも対応し、音楽を聴きながら周囲の音を確認したい時に便利に使えます。
また、専用アプリ「Headphones Connect」でユーザーの行動を分析して自動的にノイズキャンセリング、外音取り込みのモードを切り替える機能を使えます。
動画の遅延はほぼない
WF-1000XM3は最新のワイヤレスチップを搭載してBluetooth 5.0に対応し接続性能は良くて接続が切れることも少ないです。
動画と音声のズレ、遅延も少ないのでYouTubeや映画などのコンテンツを普通に楽しむことができるでしょう。
WF-1000XM3の機能
マルチペアリング機能で簡単切り替え
充電ケースからイヤホンを取り出すだけで初回は自動的にペアリングモードになって、iPhoneやXperia、GalaxyなどのBluetoothの設定画面からペアリングできます。
一度ペアリングをしてしまえば充電ケースからイヤホンを取り出すたびに自動的に接続をしてくれます。
また、マルチペアリング機能にも対応し一度ペアリングした機器なら接続切断しなくてもBluetoothの設定画面から簡単に切り替えが可能です。
デバイスを切り替える時って使っていたデバイスの接続を解除しないといけませんが、WF-1000XM3は使いたいデバイス側から切り替えができるからとても便利です。
ただし、同時接続ができるマルチポイントは非対応です。
後継機種のWF-1000XM4はマルチポイント対応でBluetoothの設定画面がらデバイスの切り替えしなしで再生ボタンを押すだけで自動的に切り替えができます。
AndroidならNFCでペアリングできる
NFCを使ったペアリングに対応しているのでXperia 1などのAndroidスマホであれば充電ケースにピッとするだけでペアリングができるようになっています。
ペアリング操作は初回だけだから必要性はあまり感じないですけど、便利っちゃー便利ですよね。
WF-1000XM3のデメリット
充電ケースが大きい
まあ、AirPodsの充電ケースが小さすぎるのかもしれませんが、WF-1000XM3の充電ケースは少し大きめです。
AirPodsの充電ケースと比較するとビックリするくらい大きいんですよね。AirPodsってどうしてこんなにもコンパクトで素晴らしいのでしょうか。
充電ケースは少し大きくポケットに入れて持ち運ぶことはほぼ不可能でリュックの中に入れることになります。
イヤホン本体を片付けるときにリュックから充電ケースを取り出す必要があって、とても面倒くさいです。もうちょっとコンパクトにできないのかな…?
防水仕様ではない
WF-1000XM3は防水防塵仕様ではないのでトレーニング中に使ったり、音楽を聴きながら雨に打たれるということができません。
個人的にはイヤホンに防水性能はあまり必要としていないので、まあいいんですけど生活防水くらい対応していてくれたら嬉しかったですね。
ちなみに、スポーツタイプのWF-SP800Nはノイズキャンセリング機能を搭載したモデルで防水防塵仕様で運動で使うことが多いならおすすめです。
LDACに対応していない
WF-1000XM3は高音質コーデック・LDACに対応していません。せっかくハイエンドのイヤホンなのにLDACで接続してより良い音を楽しめないのは残念ですよね。
なお、後期機種のWF-1000XM4はLDACに対応しています。やはり音質はXM4の方が圧倒的に上なので音質をより重視するなら最新モデルを選びましょう。
WF-1000XM3 レビュー・評価:まとめ
WF-1000XM3はソニーのワイヤレスイヤホンなので Xperia 1との相性がいいのかなと思ってましたが、そんなことなかったです。
Xperia 1には圧縮音源をハイレゾ相当にアップスケーリングするDSEE HXを搭載しているのでWF-1000XM3と組み合わせたら最強になるんじゃないかと思ってました。
しかし、DSEE HXそのものを内蔵しているのでiPhoneでもMacでも高音質サウンドを楽しめるようになりました。
また、アプリを使えばイコライザー調整もできるしiPhoneの組み合わせでも全然OKでした。 Xperiaにこだわる必要はなかったのです。なので、iPhoneを使っているApple信者の方も気兼ねなく購入することができますよ!
WF-1000XM3はデザイン、音質、つけ心地、使いやすさにおいて最高の完全ワイヤレスイヤホン!です!
→ WF-1000XM4、LinkBuds S、LinkBudsはこちら
→ その他のメーカーのワイヤレスイヤホンもはこちら
→ AirPods Pro・AirPodsはこちら
エアーポッズと同じくスマホ操作せずにSiriを使って発信する事が出来るんでしょうか