ソニーの完全ワイヤレスイヤホン・WF-1000XM4は従来モデルからデザインを一新しサイズもコンパクトになってノイズキャンセリング性能と音質が向上した革新的なイヤホンです。
さらに、高音質コーデック・LDACに対応しハイレゾ相当のサウンドを気軽に楽しむことができます。
この記事では、WF-1000XM4のデザイン、サイズ、音質、機能をレビューしました。実際に使ってみてどうなのかメリット、デメリットも書いているので参考にどうぞ!
- 楽器屋ボーカルの声がリアリティある
- 重厚感のあるサウンドを楽しめる
- LDAC対応でハイレゾ相当の音質
- 装着性が向上しズレにくくなった
- 高性能なANCで周囲の音をシャットアウト
- マルチポイントに対応している
- 声を出してり込みモードにできる
- 充電ケースが小さく持ち運びしやすい
- ワイヤレス充電に対応している
- ウレタンイヤーピースは好みが割れる
- ウレタンイヤーピースの耐久性
- NFCによりペアリングに非対応に
WF-1000XM4は現在は値下げされて22,500円で購入可能です。
→ 後継機種はWF-1000XM5です。
この記事の目次
WF-1000XM4の特徴
- 本体デザインがシンプルになった
- コンパクトになって軽量化した
- Sony V1で音質・ANC・電池持ちが向上
- 対応コーデック:SBC、AAC、LDAC
- バッテリー:ANCオン 8/24時間(単体/ケース)
- バッテリー:ANCオフ 12/36時間(単体/ケース)
- 防水性能:IPX4(生活防水)
- 本体カラー:ブラック、プラチナシルバー
- 発売日:2021年6月25日
- 価格:33,000円、実売:22,500円(2024年1月)
WF-1000XM4はイヤホン本体のデザインが新しくなって丸みのあるシンプルなスタイルに。WF-1000XM3は横に長く重量感あったのがスタイリッシュになりました。
本体が小さくなって、Sony V1でノイズキャンセリングの性能、音質、電池持ちが大幅に向上、生活防水にも対応し使い勝手のいいイヤホンに進化しています。
さらに、イヤホンのサイズが小さくなったのにバッテリー駆動時間が6時間 → 8時間に伸びたのは素晴らしい。バッテリー切れで音楽が聴けなくなるというシーン減りそうですね。
また、充電ケースはワイヤレス充電に対応してサイズもコンパクトになって持ち運びもしやすくなっています。
WF-1000XM4はWF-1000XM3と同じシリーズとは思えないくらい、見た目だけでなく中身も進化し2年の技術の進化をしっかり味わえるワイヤレスイヤホンです。
WF-1000XM4 レビュー
では、WF-1000XM4をレビューしていきます。
パッケージと付属品
WF-1000XM4のパッケージは竹、さとうきび、市場で回収したリサイクル紙を由来とするソニー独自開発のオリジナルブレンドマテリアルを使ったプラスチックを全廃した包装です。
めちゃくちゃ小さいパッケージに驚き。イヤホンのパッケージデザインもプラスチックを排除した流れは必然なのかもしれませんがソニーが先陣を切るとはやりますね。
箱の中身を開けるとこんな感じです。
イヤホン、ケースの本体と説明書が入っている簡易手順が書かれた箱が収められています。説明書などが入った箱の下に各サイズのイヤーチップが入っています。
WF-1000XM4は耳にねじ込むタイプのカナル型イヤホンです。サイズの異なるイヤーチップを付属し自分の耳にあったものを選べます。
さらに、充電ケーブルはUSB-A to Cのものが付属しています。
充電ケーブルの長さは15cmほどで短くモバイルバッテリーのお供に外で充電するためのケーブルとしても使うことができるでしょう。
ワイヤレス充電対応の小型充電ケース
WF-1000XM4の充電ケースはサラサラとした手触りの良い樹脂素材を採用した丸みのあるスタイルとなっています。
それぞれの色に合わせた単色で従来モデルのWF-1000XM3は高級感のあるスタイルだったのに対してWF-1000XM4はカジュアルになって音楽をより身近に感じられるものとなっています。
何よりもこのコンパクトさに驚きを隠せません。WF-1000XM4のケース体積をWF-1000XM3より約40%も小さく持ち運びしやすくなっています。
モデル | WF-1000XM4 | WF-1000XM3 |
---|---|---|
高さ | 39mm | 53mm |
横幅 | 67mm | 78mm |
奥行き | 28mm | 28mm |
重量 | 41g | 77g |
驚くべきスリムダウンですよね。ほんとにソニーのイヤホンを手にしているのか?と思ってしまうほどで雰囲気としてはWF-SP800Nの充電ケースと似ています。
また、WF-1000XM4の最大の改善点なのが(そんなわけない)充電ケースが自立してるところでしょう。
これはほんとに待ち望んでいたアップデートです。
WF-1000XM3は横向きでしかケースを置くことができなかったので、イヤホンを戻すときに必ず手に持つ必要があったのが、WF-1000XM4は置いたまま蓋を開けてイヤホンを戻せます。
WF-1000XM4の充電ケースはケース後ろ側にUSB-Cポートを搭載していて付属の充電ケーブルで充電が可能です。
充電器は付いてこないのでスマホの充電器を使って充電するのもいいですし、USB-C PDによる充電にも対応しているのでモバイルノートのPCのUSB-Cポートからの充電も可能です。
さらに、WF-1000XM4の充電器はワイヤレス充電に対応しています。
Qi対応のワイヤレス充電器でワイヤレスで充電が可能で充電ケースが小さくなってワイヤレス充電できるのは嬉しい改善点ですよね。
ちなみに、充電ケースが小さくなってバッテリー駆動時間が心配ですが、WF-1000XM4は充電ケース併用で最大24時間の音楽再生が可能でWF-1000XM3と同水準となっています。
イヤホン本体のデザイン
WF-1000XM4のイヤホン本体のデザインは丸みのあるスタイルを採用しています。
完全にWF-1000XM3からの路線と決別してゼロから設計したんだろうなと思わせる全く新しいソニーの完全ワイヤレスイヤホンとなっています。
イヤホンサイズも小型軽量化を実現していて重量は片耳で従来モデルが8.5g → 7.3gと1.2gほど軽くなっています。ハイエンドイヤホンなのにほんとに小さくて軽い。
このサイズのワイヤレスイヤホンは他メーカーでありますがソニーの高音質テクノロジーが凝縮していることが胸熱です。
WF-1000XM4とWF-1000XM3を比較するとこれくらい大きさが異なります。
デザインが全く違うので違うシリーズのイヤホンかと思うほど、完全一新してますよね。デザインだけでなく質感の高い素材を採用し汚れがつきにくいのもWF-1000XM4のメリットです。
WF-1000XM4の装着性について
WF-1000XM4は従来モデルと同じで耳にねじ込むタイプでイヤホン本体と耳の接触面を増やすことを目指した「エルゴノミック・サーフェース・デザイン」を採用しています。
WF-1000XM4とWF-1000XM3では大きく形状が異なります。
従来は大きなイヤーチップを耳に入れてノーズ部分で安定を保っていたのに対して、WF-1000XM4はイヤホン本体と耳が接着するデザインに変更となって全体で支える構造になっています。
WF-1000XM3は走るとイヤホンがブレてズレることがあったのが、WF-1000XM4は走っててもピタッとイヤホンが耳にくっ付いていて安定感がとても良いです。
また、イヤホンを付けてる感じが少ないので快適に運動もできるあらゆるシチュエーションで使える完全ワイヤレスイヤホンに仕上がっています。
従来モデルは歩いている時の足音が耳元に響いて不快な感じがあったのが、WF-1000XM4は付けながら歩いていも違和感なく自然に使うことができます。
イヤーピースも独自開発のポリウレタンフォーム素材のノイズアイソレーションイヤーピースを採用し付け心地がソフトで耳が痛くなることもあります。(個人差はあるかと思います。)
この素材は中に空気層があるため耳の形状によって形が自在に変化するため耳との密着度がよくなって遮音性も向上しています。
なお、ポリウレタンフォーム素材の耐久性ですが発売日に買って半年経過後も破れることなくまだ使えてましたが、1年ほど経過で亀裂が入ってしまいました。
また、ウレタンの柔らかさも硬くなって装着しにくくなってきてるので1年経過すると少し装着感が変わってくる感じがします。
なお、最適なイヤーピースをアプリで判定する機能があります。
もし、密閉されていない警告が出たら違うサイズのイヤーピースを試すことがで来ますし感覚ではなくしっかり判定してくれるので助かります。
ノイズキャンセリングが凄い
WF-1000XM4はパッシブ & アクティブノイズキャンセリンング(ANC)機能を対応し周囲の騒音を掻き消して「静」を耳元に手に入れることができます。
ヘッドホン本体の外側と内側に2つのマイクを搭載し効率的にノイズを集音する「デュアルノイズセンサーテクノロジー」を搭載し、ノイズキャンセリングの性能が向上しています。
ノイズアイソレーションイヤーピースを採用したことで耳との密着度が良くなっているのもノイズキャンセリングの性能が向上した1つの要素となっています。
Bluetoothとノイズキャンセリングプロセッサーを1つのチップに統合したSoC(システム・オン・プロセッサ)・V1でWF-1000XM3より低遅延でノイズの処理が可能になりました。
こちらはソニーの公式ページに公開されているノイズキャンセリングの効果をグラフにしたものでWF-1000XM4はWF-1000XM3より多くのノイズを低減できているとしています。
実際のノイズキャンセリング効果ですがコレが凄いです。耳につけた瞬間に周囲の雑音がスッと消えていきます。
いろんなイヤホンのレビューでもスッと音が消えると言っていますがWF-1000XM4はノイズキャンセリングのレベルがとても高く、車のロードノイズはほぼ聞こえないくらいで空調の騒音もキレイに消えます。
スタバなどのカフェの話し声は聞こえますが声量は抑えられておいて、WF-1000XM3をさらに上をいくノイキャン性能を持っています。
また、WF-1000XM4はイヤホン本体がコンパクトで、装着したまま寝っ転がれるのがいいところでもあります。
WF -1000XM3はイヤホンが長くて寝ながら使うとズレることがありますが、WF-1000XM4はイヤホン小さいので装着したまま寝て、横に向いても痛くないですし、そう簡単に外れないのでかなり使えます。
風切り音がかなり少なくなった
ノイズキャンセリングのイヤホンは装着状態で強風に煽られると風の音が増幅しますが、WF-1000XM4は風切り音がノイズキャンセリング機能をオンの状態でも抑えられています。
従来モデルのWF-1000XM3はランニングしているだけでも風切り音をがありましたがWF-1000XM4はうまく抑えられています。
強風になると風切り音が大きくなりますが、WF-1000XM4のフィードフォワードマイクは風を検知すると自動的にOFFとなって「自動風ノイズ低減」機能を搭載しています。
イヤホン本体が風を検知するとノイズキャンセリング用のフィードフォワードマイクがOFFになって自動的に風切り音を低減し風の強い日も快適に使えるでしょう。
外音取り込み機能が向上した
WF-1000XM4はアンビエントサウンド(外音取り込み)モードに対応し、イヤホンしたまま外の音を取り込めるのでレジなどイヤホンを外さずに対応できます。
取り込んだ音は自然で違和感なく会話できて「スピーク・トゥ・チャット」で話始めた瞬間にノイズキャンセリング → アンビエントサウンド(外音取り込み)に切り替えてくれます。
これがめちゃくちゃ便利すぎてずっとイヤホンを装着し続けたくなります。
家で音楽を聴きながら作業しつつ、子どもが来て何か話しかけられても自分が声を出せば自動的にノイズキャンセリングがOFFになってアンビエントがONになるので操作は必要ありません。楽です。
ただし、独り言をしたり大きめの咳払いをしただけでもアンビエントがONになるので独り言が多い方は設定はOFFにしておいた方がいいかもです。
WF-1000XM4の音質について
WF-1000XM4はドライバーの磁石体積を大きくしつつ振動板の可動性を高めた新開発の6mmドライバーユニットを搭載し音質が向上しています。
WF-1000XM3も音質の良いイヤホンでしたが、WF-1000XM4は全体的な音のクオリティがワンランク上がって一皮剥けた感じ。ソニーらしいリアリティーあるサウンドで低音が力強く中高音の解像感が豊かで自然な音質を楽しめます。
WF-1000XM3の時はイコライザーをOFFにした状態だと少し音がこもってたのがWF-1000XM4は中高音の解像感が向上しイコライザーをOFF(フラット)でも音がクリアで1つ1つの音が聞こえてきてボーカルの息遣いも感じられます。
LDACでハイレゾ相当の音楽を楽しめる
WF-1000XM4はワイヤレスでもハイレゾ相当のクオリティで音楽を楽しめます。
LDACは一般的なコーデックのSBC、AACの最大約3倍の情報量(最大転送速度990kbps)で伝送できる高音質コーデックで、スマートフォンがLDACに対応してる必要があります。
ソニーのスマホのXperia 1 V、Xperia 5 V、Xperia 10 Vだけでなくエントリー向けのXperia Ace IIIでもLDACの高音質サウンドを楽しめます。
専用アプリのHeadphones Connectアプリから「接続優先モード」 → 「音質優先モード」でLDACの高音質サウンドを楽しめます。
また、ハイレゾ非対応の圧縮音源のコンテンツを楽しむときも「DSEE Extreme」のAI(人工知能)技術よりリアルタイムに楽曲の情景を分析してハイレゾ相当の音質にアップスケーリングしてくれます。
iPhoneはLDACに非対応ですが、Headphones Connectアプリから「DSEE Extreme」をONで、Apple MusicやYouTubeの音源をアップスケーリングして高音質サウンドにできます。
従来のWF-1000XM3にも「DSEE HX」でMP3やAACなどの圧縮音源の失った高音域の微小な音を再現できましたが、WF-1000XM4はより精度の高い高精細な音の表現ができます。
Apple Music、YouTube Music、Amazonミュージックなどはハイレゾストリーミングに対応し、モバイルデータだとデータ量が増える問題がありますが、「DSEE Extreme」で圧縮音源も音質を向上しつつ音楽を楽しめます。
WF-1000XM4のバッテリー持ち
WF-1000XM4は電池持ちがノイズキャンセリングをONにした状態で6時間 → 8時間に伸びていますが、実際にどれくらいの電池持ちになってるのか計測してみました。
13:30頃から音楽を3時間ほど、付けたままノイズキャンセリングモードにしたり、アンビエントサウンドにしたりして2時間ほど、合計で5時間使って100% → 40%となっていました。
ずっと音楽を聴いていたわけではないですがWF-1000XM4は7〜8時間くらいは普通に使うことができそうですね。
現在使っているWF-1000XM3は購入して2年経過しているためバッテリー劣化により2時間しか使えないため正確な時間は不明ですが、購入当時はおそらく5〜6時間くらいの電池持ちだった記憶があり、そんなに長く持つ印象はありませんでした。
WF-1000XM4はそこそこ電池持ちは向上しているように感じます。
接続が簡単になった(Google Fast Pairに対応)
WF-1000XM4は接続が少し簡単になっていてBluetoothの画面から接続をしなくてもGoogle Fast Pairという機能を使ってペアリングができるようになっています。
このようにウィンドウが自動的に表示し接続、セットアップができるようになっています。
どこかの時点でAndroidスマホに設定しているGoogleアカウントとの紐付けが求められるので、関連付けることで同じアカウントで運用しているスマホとのペアリング時にもポプアップウィンドウが表示されるようになります。
iPhoneは対応していないですが、Xperia以外のAndroidスマホでもこのようなセットアップ画面を表示させることができるので、接続はとても簡単になったように感じます。
WF-1000XM4はNFCによるペアリングができなくなりましたが、このような簡単なペアリング方法が追加されたのでも問題はなさそうです。
もちろん、今まで通りの通常のBluetoothの設定画面から手動で接続もできますが、LDACの設定や細かい設定、イコライザーはHeadphones Connectからするので、Headphones Connectをインストールしてからセットアップして使うのがおすすめです。
IPX4の生活防水に対応
WF-1000XM4はIPX4の生活防水に対応しました。
IPX4なので水没させるのはNGですが雨に濡れたり、運動中の汗には耐えることができます。従来のWF-1000XM3は防水には一切対応してなかったので嬉しい進化です。
WF-1000XM4 レビュー・評価:まとめ
- 楽器屋ボーカルの声がリアリティある
- 重厚感のあるサウンドを楽しめる
- LDAC対応でハイレゾ相当の音質
- 装着性が向上しズレにくくなった
- 高性能なANCで周囲の音をシャットアウト
- マルチポイントに対応している
- 声を出してり込みモードにできる
- 充電ケースが小さく持ち運びしやすい
- ワイヤレス充電に対応している
- ウレタンイヤーピースは好みが割れる
- ウレタンイヤーピースの耐久性
- NFCによりペアリングに非対応に
WF-1000XM4のメリット
WF-1000XM4はハイエンドの完全ワイヤレスイヤホンでありながらもコンパクトで扱いやすいイヤホンとなっています。さすが、ソニーのハイエンドイヤホン。
本気出してきました。従来モデルのイヤホン、充電ケースが大きい、防水非対応の欠点を完全に克服しつつ、音質、ノイズキャンセリング性能にさらに磨きをかけてきました。
個人的にイヤホンの装着性が高くて外れにくくなったのはポイント高く、イヤホンが軽量化しずっと装着してられます。声を出しただけで外部音取り込みモードに自動切り替え機能が便利です。
WF-1000XM4のデメリット
WF-1000XM4のイヤーピースはウレタン素材を採用しており装着性には癖があり好みは分かれるかもしれません。
個人的には耳の穴にフィットして最高の装着感となっていますが、使う人によっては耳に合わないずっと着けてると耳が痛くなることもあるかもしれません。
また、ウレタン素材のイヤーピースの耐久性です。数ヶ月でダメになることは少ないですが1年ほどでイヤーピースに亀裂が入ったり、柔らかさがなく硬くなるので耐久性は長くないです。
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