WF-1000XM5

ソニーのWF-1000XM5は世界最高ノイキャンと高い装着性を実現する小型設計のハイレゾ完全ワイヤレスイヤホンでWF-1000XM4の後継機種です。

実売価格は3.5万円とまあまあ高いですがハイエンドイヤホンらしく音質はとても良いですし先代モデルより装着感も向上し満足度はかなり高いです。

この記事では、WF-1000XM5のデザイン・サイズ・音質をレビューしています。実際に使ってどうかメリット・デメリットも書いたので参考にしてください。

WF-1000XM5のメリット
  • 楽器音、ボーカルに艶がある音質
  • 高音質コーデックLDACで音質が良い
  • マルチポイントで2台同時接続ができる
  • LE audio対応で低遅延モードがある
  • 装着感が向上して耳の負担が軽減
  • 従来型よりも25%小型軽量化
  • 「デバイスを探す」アプリに対応
WF-1000XM5のデメリット
  • イヤホン本体が光沢仕様で滑りやすい
  • 日本語ガイダンスが無くなった
  • LE audio ⇄ LDAC 切り替えが手間
  • イヤーピースは好みが分かれる
  • イヤホン側にフィルターがない

※ このレビューで使用しているWF-1000XM5はAmazon公式ストアで自腹で購入したものです。

WF-1000XM5の特徴

WF-1000XM5
WF-1000XM5の特徴
  • 形状:カナル型(密閉ダイナミック)
  • ドライバー:8.4mm ダイナミックドライバーX
  • プロセッサ:V2 + QN2e
  • コーデック:SBC、AAC、LDAC、LC3
  • 通信:Bluetooth 5.3
  • 連続再生時間(イヤホン):約8時間
  • ケース込み再生時間:約24時間
  • Google Fast Pair、Swift Pair対応
  • 防滴防塵:IPX4
  • 充電:USB Type-C / Qiワイヤレス充電
  • 重量:イヤホン片耳 5.9 g、ケース 50.8 g
  • 価格:41,800円(実売:35,980円)
  • 発売日:2023年9月1日(金)

WF-1000XM5はカナル型の密閉タイプでポリウレタンフォーム素材のイヤホンで耳栓のように耳にねじ込んで使うイヤホンです。

新しくなった統合プロセッサーV2とノイズキャンセリングプロセッサーQN2eを搭載しドライバーユニットが刷新されてノイキャンと音質が向上しています。

従来型のWF-1000XM4もノイキャンの効きが良く音質も良かったですが、WF-1000XM5は音質は全域で解像感が向上しワンランク上のサウンドを楽しめます。

高音質コーデックLDACに対応しAndroidの対応スマホなら解像度の高いハイレゾ級サウンドを楽します。マルチポイント(2台同時接続)も対応してるのでスムーズに機器の切り替えも可能です。

WF-1000XM5 レビュー

本体デザイン・サイズ・装着感

WF-1000XM5のパッケージはサトウキビや竹、市場で回収したリサイクル紙を由来の再生紙を使用した環境に優しいものとなっています。

コンパクトなので輸送コストも抑えることができてるみたいですね。付属品は説明書、充電用のUSB Type-Cケーブル、イヤーピースです。

WF-1000XM5のイヤーピースはSSサイズが追加されてより多くの人の耳にもフィットするように考慮されています。

ポリウレタンフォームのイヤーピースは形状も改良されて装着時の圧迫感軽減と快適性向上が向上しています。

WF-1000XM4は確かに圧迫感が強く耳が疲れてしまうことがあったのがWF-1000XM5は長時間視聴も耳への負担が少なくなった気がします。

イヤホンの体積も25%もコンパクトにあって重量も片耳 7.3 g → 5.9 g に軽量化したのも耳が楽になったと感じる要因なんでしょうね

耳との装着部分はイヤホン本体と耳とフィットするようにデザインされた「エルゴノミック・サーフェス・デザイン」を採用しています。

軽くて装着感もめちゃくちゃいいです。フィット感が素晴らしいので6時間くらいずっと付けっぱなしでも耳が痛くなることはないです。

ただ、イヤホン横部分が光沢素材になってツルツルと滑ります。これがマイナス点です。惜しい。ほんと惜しい。

XM4はマット調だったので滑ることはなかったのがWF-1000XM5はケースから取り出し時に滑って苦労します。なんで光沢仕様にしたのでしょうかね。

タッチセンサーのあるヘッド部分はマット調となってます。イヤホンのヘッド部分に触れるだけで音楽の再生・停止・スキップ・ノイズキャンセリングのON・OFFができます。

もちろん、専用アプリ・Headphonesを使ってタッチセンサーの機能割り当ても可能なので自分が使いやすいようにカスタマイズできます。

WF=1000XM5の充電ケースは再生プラスチック素材を採用した環境に優しくマットで柔らかい手触りとなっています。

雰囲気としてはXM4と同じですがワンサイズ小さくなっていますね。

充電ケースの大きさはWF-1000XM4が()でしたたがWF-1000XM5()です。重量も軽くなって持ち運びもしやすくなりました。

収納時のイヤホンの向きも適正でそのまま方向転換することなく耳に装着することが可能です。でも、やっぱりツルツルしてて滑りやすい…。

充電はUSBType-Cだけでなくワイヤレス充電(Qi)にも対応しています。

スマホを充電してるワイヤレス充電器を使って隙間時間で充電も可能です。

音質:iPhoneで視聴(AAC)

WF-1000XM5とiPhone 15 Proを接続して音楽を視聴をしました。

iPhoneは高音質コーデックLDACに対応していないので音声コーデックはAACですがハイエンドイヤホンらしく音質はとても良いですね。

低音から高音まで全域で解像度が高くて音もしっかり分離し一つ一つの音が埋もれることなく聞こえてきます。

とくに低音から中音域にかけての音に艶があってソニーらしい音質です。ベース、ドラムの音がとてもご機嫌でリズミカルにビートを刻んていきます。

ただ、中音から高音にかけてボーカル域の空間の広がりはあと一歩でもう少し抜けが欲しいところです。

音質:Androidで視聴(LDAC)

LDAC(最大転送速度990kbps)に対応しているXperia 5 VでWF-1000XM5を視聴してみました。

iPhoneで気になった中音から高音にかけて音の広がり表現力が向上し音の輪郭がしっかりして一つ一つの音が立体感のある包まれるようなサウンドを楽しめます。

低音も豊かで躍動感がより高まるので、せっかくWF-1000XM5にするなら性能をフルで発揮できるLDACが使えるAndroidスマホを使いたいところです。

ちなみに、WF-1000XM5はノズル部分にフィルターがなく剥き出し状態でイヤーピース側にフィルターがある仕様になってるんですね。

フィルターがないので他社製のイヤーピースが使えません。使えないことないけどゴミがイヤホン内部に入る可能性があるのは注意です。

旧型WF-1000XM4と比べて音質は?

WF-1000XM5は音質はとても良いです。ただ、旧型のXM4と比べて大きな変化があるわけではなくWF-1000XM3 → XM4ほどの感動はありません。

音の傾向は同じでどちらも音に艶のあるソニーらしいサウンドを楽しめます。

とはいえ、WF-1000XM5の方が低音に躍動感があり解像感も高く音場は広く感じるので間違いなく進化を感じられます。とくにボーカルの声がよりクリアで音質が良くなったように聞こえます。

ノイズキャンセリングは自然で強力

WF-1000XM5はアクティブノイズキャンセリングを搭載していて周囲の騒音をかき消して静かな空間んを手に入れることができます。

ソニーのノイキャンの素晴らしいところは違和感のない自然な静寂をもたらしてくれるところ。

スタバのガヤガヤ音もスッと掻き消してくれます。店内の音楽は少し聞こえますがノイキャンは強力です。車のロードノイズ、空調の音はほぼ消えます。エンジン音はかすかに聞こえる感じ。

圧迫感の少ないノイズキャンセリングなのでAirPods Proのキュッとした感覚のあるノイキャンが苦手な人もWF-1000XM5なら大丈夫な可能性はありそうです。

なお、外音取り込み機能もとても自然です。

イヤホンを装着したまま普通に会話が可能で、アプリを使うことで外音取り込み量の調整も可能でボイスフォーカスで声をフォーカスもできます。

通話品質(マイク性能)はクリアで良い

WF-1000XM5はマイク部分がフラットになって風ノイズ低減構造になって通話中の風切り音を抑えることが可能となっています。

さらに、AIを活用した高精度ボイスピックアップテクノロジー、骨伝導センサーを採用しており通話品質も良いです。

実際にiPhoneのボイスレコーダーを使ってWF-1000XM5経由で録音をしてみました。

道路沿いを歩きながら録音したのそれなりに騒がしい環境下でしたが骨伝導センサーのおかげか声をしっかり拾ってくれていますね。声も違和感ないですい通話品質は良さそうです。

電池持ちが良い(7〜8時間)

WF-1000XM5は電池持ちも良好でiPhone 15 Proで4時間ほど視聴して43〜50%のバッテリー残量でした。

これは公式で発表されてる数値と一致します。2023年9月の発売日に購入して4ヶ月経過した状態で検証してるので電池持ちは優秀ではないでしょうか。

なお、ケース併用なら3回フル充電できるので24時間ほど再生が可能となっています。

ペアリングモードはケース上で

WF-1000XM5はペアリングモードにする方法が変更となっています。

今まではイヤホン装着状態で両耳のタッチセンサー同時長押しでしたが、WF-1000XM5はケースに収納しケース側ボタンを長押しで切り替えます。

イヤホンを取り出ししなくてもペアリング設定ができるようになったのは普通に便利です。が、今までの方法に慣れてると最初は戸惑うので注意です。

マルチポイント、LE audioに対応

WF-1000XM5は8台までの機器とペアリング登録できるマルチペアリングに対応し2台同時接続マルチポイント対応でiPhoneとAndroidスマホを簡単い切り替えて使えます。

マルチポイントはBluetoothの設定画面から切り替える必要がなく端末のミュージックプレーヤーの再生ボタンを押すだけで切り替えできるのが便利です。

また、LC3に対応しているAndroidスマホならLE audioも使えます。(現在はXperia 1 VIXperia 1 VXperia 5 VXperia 1 IVXperia 5 IVが対応している。)

LC3は新しい音声コーデックで低遅延で音楽の共有ができる規格です。

WF-1000XM5のLE audioは低遅延ゲームモードとして使えるのでプロセカなど遅延が致命的になりやすいゲームを遊ぶのみ適しています。

ただし、LE audioに切り替えるのがとても手間です。アプリから設定を切り替えてペアリング解除削除して再設定をしないと有効化できないんですよね。

さらに、通常モード(LDAC)に戻すときも同じようにペアリング削除してから再設定が必要です。めっちゃ面倒くさい。もっと気軽に切り替えしたいですね。

LC3はLDACと比べると音質が劣るので頻繁に切り替えできず実用性は欠けます。正直、音質は物足りないです。AACくらいの音質になるのでせっかく音のいいイヤホン、スマホを使ってるのに本領発揮できないのは勿体無い。

低遅延でゲームしたいなら別のイヤホン(INZONE Buds WF-G700Nなど)を用意して音質重視の音楽聴く用としてWF-1000XM5を使った方がいいのではないでしょうか。

WF-1000XM5 レビュー:まとめ

WF-1000XM5をレビューしてきましえたが、最後にどんな人におすすめかまとめます。

WF-1000XM5 どんな人におすすめ?
  • 先代モデルからの乗り換え
  • 音質重視で楽器のリアルな質感を体感したい
  • LDAC対応のAndroidスマホを使っている
  • 自然なノイキャンを使いたい

WF-1000XM5はソニーのフラグシップ完全ワイヤレスイヤホンで最新の統合プロセッサーV2とドライバーユニットで音質が向上しています。

先代モデルと比べると音質は少し向上した程度で乗り換える必要性は少ないですが、イヤホンとイヤーピースの形状が改善されて装着感が大きく向上しています。

従来のWF-1000XM4の音質が好きで耳の負担を減らすならWF-1000XM5に乗り換える価値あります。音質は2世代前のWF-1000XM3からだとビックリするくらい違いを感じられると思います。

ちなみに、1世代前のWF-1000XM4もおすすめです。

イヤーピースは少し圧迫感ありますがノイキャンは強力ですし音質もWF-1000XM5に負けないくらい良いです。

何よりも価格が値下げされていて23,500円で購入できるので3万円以上のイヤホンは買えないけど音質の良いイヤホンが欲しいなら選択肢としては良いですよね。

おすすめです。

WF-1000XM4を詳しく見る