5.8インチのiPhone XはiPhone10周年記念モデルとして2018年9月にリリースしたプレミアムモデルでiPhone 7の後継機種となるiPhone 8 とiPhone 8 Plusも同時発売しました。
iPhone Xはホームボタンを廃止して顔認証・Face IDを搭載したベゼルレスディスプレイの革新的な操作性を実現した現在のスマホの礎を築いたモデルとなっています。
この記事ではiPhone XとiPhone 8 Plusのデザイン・サイズ・スペックを比較しています。この2機種はどちらもA11 Bionicに3GBのメモリを搭載し見た目は違えど中身は似てるところがあります。
この記事の目次
iPhone X・8 Plus スペックの違いを比較
iPhone XとiPhone 8/8 Plusの違いをまとめました。
iPhone X | iPhone 8 Plus | iPhone 8 | |
画面 | 5.8インチ(19:9) | 5.5インチ(16:9) | 4.7インチ(16:9) |
パネル | 有機EL(P3対応・60Hz) | 液晶(P3対応・60Hz) | |
SoC | A11 Bionic | ||
メモリ | 3GB | 2GB | |
広角カメラ | 12MP(1/2.9型)・F/1.8 | ||
望遠カメラ | 12MP(1/3.6型)・F/2.4 | 12MP(1/3.6型)・F/2.8 | – |
フロントカメラ | 7MP・F/2.2 | ||
生体認証 | Faec ID(顔) | Touch ID(指紋) | |
耐水防塵 | IP67(水深1mに30分耐えられる) | ||
充電 | Lightning、Qiワイヤレス充電 | ||
NFC | NFC A/B Felica対応 | ||
サイズ | 143.6 × 70.6 × 7.7mm | 158.4 × 78.1 × 7.5mm | 138.4 × 67.3 × 7.3mm |
重量 | 174 g | 202 g | 148 g |
SoCは同じ世代のA11 Bionicを搭載し基本性能は同じですが、iPhone Xのディスプレイは有機ELパネルに顔認証のFace IDに対応した新世代モデルとなっています。
iPhone Xはジェスチャーでの操作を基本とし現在のiPhone 14 Pro、iPhone 14の礎となったモデルとなっています。
この頃のカメラはまだ控えめで広角と望遠のデュアルカメラとなっていて、iPhone XとiPhone 8 Plusはどちらも光学2倍の望遠カメラを搭載しています。(Xの方がレンズが明るく手ぶれ補正がある。)
iPhone XはiPhone XSの発売と同時に販売終了しましたが、2022年9月配信のiOS 16にしっかり対応しています。中古のイオシスなら30,800円から買えます。
iPhone 8 PlusもiOS 16に対応しており中古でiPhone Xと同価格帯で手に入れることができます。
本体デザインの違いを比較
iPhone 8とiPhone 8 Plusのデザインはホームボタンのある従来型のiPhoneで、iPhone Xはホームボタンがなくなってベゼルレスの迫力ある全面ディスプレイを採用しています。
画面サイズは5.5インチのiPhone 8 Plusよりも大きい5.8インチですが、ベゼルレスとなって本体サイズは小さくなっているのが特徴です。
iPhone X・iPhone 8/8 Plusの背面パネルはアルミ素材ではなくガラス素材を採用しておりiPhone XのサイドフレームはApple Watchと同じステンレス素材となっています。
ステンレスフレームは初代iPhoneからiPhone 3GSまで採用されていたもので、iPhone Xで原点回帰したといってもいいでしょう。
iPhone 8/8 Plusの背面パネルはガラス素材ですが、サイドフレームはiPhone 7と同じアルミ素材を採用しています。
- iPhone X:ステンレスフレーム + ガラス筐体
- iPhone 8/8 Plus:アルミフレーム + ガラス筐体
iPhone 8の名称はiPhone 7sで良かったんじゃないのかな…とも思いましたが、iPhone 8 / 8 Plusを持ってみると背面パネルがアルミからガラスに変わって質感が高くなったのがわかります。
また、アルミがベースなので本体重量も軽いです。
iPhone Xはサイドフレームにステンレスを採用し高級感のあって鏡面仕上げのiPod classを彷彿とさせます。手で持って見るとステンレス素材の滑らかな感触が手に馴染んでとてもいい感じです。
ただ、鏡面仕立てなので指紋が付きやすいのと細かい傷が多数付着するのが困ったところ。
画面サイズ・ディスプレイの違い
iPhone Xは5.8インチのディスプレイを搭載し本体横幅は70.6mmとギリギリ片手で操作できるサイズ感に収まっています。
iPhone 8 Plusは5.5インチですが画面比率が16:9で横幅が78mmと少し大きめで両手で使うことを想定したモデルとなっています。
iPhone XはiPhoneとしては初めて有機ELディスプレイ(OLED)を採用して画面サイズは5.8インチと大きく、解像度は2,436 x 1,125ピクセル(458ppi)とより高精細なディスプレイとなっています。
モデル | iPhone X | iPhone 8 Plus | iPhone 8 |
---|---|---|---|
画面サイズ | 5.8インチ | 5.5インチ | 4.7インチ |
アスペクト比 | 19.5:9 | 16:9 | |
解像度 | 2,436 x 1,125ピクセル(458ppi) | 1,920 x 1,080ピクセル(401ppi) | 1,334 x 750ピクセル(326ppi) |
コントラスト比 | 1,000,000:1 | 1,300:1 | 1,400:1 |
最大輝度 | 625cd/m2 | ||
カラー | 広色域(P3)/True Toneディスプレイ | ||
HDR | 対応(HDR10) | – | |
3D Touch | 対応 |
iPhone Xの有機ELディスプレイ(OLED)は通常の液晶(LCD)と比べても文字や画像をくっきりと高精細に表示できます。
左がiPhone Xの有機ELディスプレイ(458ppi)で右がiPhone 8の液晶ディスプレイ(326ppi)をカメラで撮影したもの。
このように解像度の高いiPhone Xの方がより高精細に文字や画像が表示されているのが分かります。ただし、肉眼でその差を判別するのは難しいですけどね。
iPhone Xのアスペクト比が19.5:9の縦長ディスプレイになって、横幅の画面の広さはiPhone8 Plusよりも狭くiPhone 8 Plusよりも小さく表示されることもあります。
iPhone Xは縦長ディスプレイになったことでiPhone 8 Plusよりも縦方向における表示は広くなってるんですね。
ただし、iPhone Xの横画面はiPhone 8 Plusよりも狭いのでYouTubeなど16:9の動画コンテンツをランドスケープモード(横表示)で試聴すると画面が小さくなります。
21:9のシネマサイズの動画コンテンツならよりワイドはiPhone Xの方が迫力ある映像になりますが、ノッチが少し邪魔かも。YouTubeくらいの動画ならiPhone 8 Plusの方が適しています。
iPhone X・8 Plusの疑似解像度の関係は以下の通りです。
iPhone | X | 8 Plus | 8 |
---|---|---|---|
解像度 | 1125 × 2436 | 1080 × 1980 | 750 × 1334 |
実効解像度 | 375 × 812 (3x) | 414 × 736 (3x) | 375 × 667 (2x) |
ドット数 | 304,500ドット | 304,704ドット | 250,125ドット |
実効解像度のドット数で比較するとiPhone 8 Plusがわずかに画面が広く、縦サイズが長くなったiPhone Xは8 Plusよりもインチ数は大きい5.8インチですが、実際の表示領域はiPhone 8 Plusの方が多いのです。
ちなみに、iPhone 8 Plusの擬似解像度を受け継いてるのがiPhone XR、iPhone 11となっています。
SoCのスペック・性能の比較
iPhone XとiPhone 8/8 PlusはA11 Bionicを搭載しており、2つの高性能コアと4つの高効率コアの合計6つのCPUコアを搭載したSoCとなっています。
高効率コアはA10 Fusionよりも最大70%高速になって、高性能コアも最大25%高速化。ニューラルエンジンを内蔵し機械学習による高度な処理ができます。
iPhone | 8 / 8 Plus / X | 7 / 7 Plus |
---|---|---|
SoC | A11 Bionic | A10 Fusion |
CPU | 6コア (2 + 4) |
4コア (2 + 2) |
GPU | 3コア Apple GPU |
6コア PowerVR GT7600 Plus |
Neural Engine | 1コア 6000億回/秒 |
– |
プロセス | 10nm | 16nm |
さらに、A11 Bionicは第2世代パフォーマンスコントローラーを搭載し高性能コア2つと高効率コア4つの6つのコア全てを駆動可能になりました。
高効率コア1つだけを駆動させて省電力で処理も可能となのでアイドル時のCPUに使う電力を大幅に減らすことができるんですね。
CPUの性能を計測するGeekbench 5にて、A11 BionicのiPhone 8と、A10 FusionのiPhone 7を比較してみました。
SoC | A11 Bionic | A10 Fusion |
---|---|---|
iPhone | X / 8 / 8 Plus | 7 / 7 Plus |
CPU シングル |
912 | 711 |
CPU マルチ |
2140 | 1361 |
GPU Metal |
4057 | 3096 |
SoC | A11 Bionic | A10 Fusion |
---|---|---|
メモリ | 3GB | 2GB |
トータル | 393637 | 285221 |
CPU | 122990 | 88007 |
CPU | 132732 | 87751 |
MEM | 55307 | 46988 |
UX | 82608 | 62475 |
A10 Fusion → A11 Bionicで処理性能は相当向上していて2022年現在のiOS 16をインストールしてもそこそこ動かすことが可能となっています。
ゲームもPUBGモバイル、原神といった重めの3Dゲームも動きます。ただ、発熱しやすいSoCなので負荷のかかるゲームを長時間遊ぶには適していないかもしれません。
顔認証と指紋認証の違い
iPhone Xは前面カメラ・赤外線・ドットプロジェクターを組み合わせたTrueDepthカメラを搭載したFace IDを使った顔認証機能を使えます。
Apple Payの決済はサイドボタンをダブルタップして顔認証をしてから使うことになります。iPhoneの顔認証システムは3Dセンサーなので精度が高くて暗いところでも問題なく使えます。
ただし、マスクをしてると反応せずパスコード入力が求められます。
後継機種となるiPhone 12 Pro、iPhone 13 Pro、iPhone 14 Proはマスク対応のFace IDとなっており、iPhone 14、13シリーズは横向きFαce IDにも対応しています。
iPhone 8 Plusはホームボタンを搭載したTouch IDを使った指紋認証システムとなっています。現行でいうとiPhone SE(第3世代)と同じですね。
指紋認証なのでマスクしていても普通に認証できますし、指をホームボタンに当てるだけでサクッとホーム画面に行ける便利さがあります。
Face IDモデルはロック画面を見ることはあってもTouch IDモデルはすぐにホーム画面に行ってしまうのでiOS 16から使えるロック画面のウィジェットはあまり意味ないかもしれません。
操作性の違いを比較
iPhone Xはホームボタンがないのでジェスチャーでホーム画面に戻ったり、Appスイッチャーでアプリを切り替えたりします。
ホームボタンを使うことなく、ここまでスムーズに操作することができるのはなかなか凄いですよね。
iPhone X | iPhone 8/8 Plus | |
アプリ終了(ホーム画面に戻る) | 下から上にスワイプ | ホームボタンを押す |
マルチタスク画面 | 下から上にスワイプして長押し | ホームボタンを2回押す |
アプリ切り替え | 下のバーを横にスライド | 3D Touchでスライド |
コントロールセンター | 右上端を上から下にスワイプ | 画面下から上にスワイプ |
Siriの起動 | サイドボタン(電源)を長押し | ホームボタン長押し |
Apple Pay | サイドボタンをダブルクリック | スリープ状態でホームボタンを2回押す |
今までと使い方が思いっきり変わるので慣れるまでに時間が掛かるかもしれませんが、数分もあれば新しい操作方法に慣れるので特に問題はないのかなと思います。
そういった意味でネーミングがiPhone Xと今までの系統から違うものになったのかもしれません。
むしろ、画面が大きくなったぶん、没入感が今までのモデルにないくらい向上しているように感じます。iPhone Xの操作方法についてまとめた記事を書いたので合わせてご覧ください。
https://sin-space.com/entry/iphone-x-faceid-gesture
また、ジェスチャー操作のiPhoneの操作方法をまとめた記事もあるのでこれから新世代のiPhoneを使う方は是非参考に!
カメラ性能の違い
iPhone XとiPhone 8 Plusはデュアルカメラ仕様となっています。
カメラ | iPhone X | iPhone 8 Plus | iPhone 8 |
---|---|---|---|
広角 | 12MP(1/2.9型)・F/1.8 | ||
望遠(×2) | 12MP(1/3.6型)・F/2.4 | 12MP(1/3.6型)・F/2.8 | – |
フロント | 7MP・F/2.2、アニ文字とミー文字 | 7MP・F/2.2 | |
写真 | 自動HDR、ポートレートライティング(5エフェクト) | 自動HDR | |
動画 | 4K 60fps / フルHD 60fps |
広角カメラは12MP(1/2.9型)、F/1.8とiPhone X、8 Plus、8ともに同じなので画質はほぼ同じとなっていますが、iPhone Xは望遠側のカメラにも搭載したデュアル光学式手ぶれ補正を搭載しています。
さらに、iPhone Xの望遠側レンズはf/2.8からf/2.4とより明るくなっているのでズーム撮影やポートレート撮影、夜間撮影にもより強くなっています。
現在のモデルように超広角カメラを搭載してないですが、iPhone X、8 Plusは光学2倍の望遠カメラを搭載してるので遠くの被写体もしっかりキレイに撮影することができます。
ワイヤレス充電に対応
iPhone X、iPhone 8/8 Plusの3モデルともに背面の素材をアルミからガラス素材に変更となったことでQi対応のワイヤレス充電ができるようになりました。
Qi対応のワイヤレス充電を使うことでiPhone X、8 Plus、8をLightningを接続することなく充電が可能となっています。
Anker PowerWave Ⅱ Stand、Anker PowerWave Ⅱ Padを使うことで最大7.5Wで充電ができます。
ライトニングによる充電よりも時間はかかりますが、端末を置くだけでいつの間にか充電できてるので便利ですよ。
また、iPhone 12から対応しているMagSafe充電器を使ってくっ付くことはないもの充電も可能です。
iPhone X・8 Plus どっちがいい?
最後にiPhone XとiPhone 8/8 Plusのどっちがいいか?
iPhone Xがおすすめな人は
iPhone Xはホームボタンを廃止した記念すべき10周年記念モデルです。
- 片手でコンパクトに操作したい
- ジェスチャー操作したい
- 顔認証で画面ロック解除したい
- 手荒れをしていて指紋が使えない
- 費用をとにかく抑えたい
iPhone Xは5.8インチのディスプレイを搭載した初めてのiPhoneとなっていて、横幅が70.6mmと片手で使えるサイズ感になってるので片手操作にこだわるなら8 Plusよりもおすすめです。
最新のiPhone 14・14 Proと同じようにジェスチャー操作もできて、Face IDでサクッと画面ロック解除もできるので中古でいいから費用を抑えながら最新のモデルと同じ操作感を体感したい人におすすめです。
iPhone Xは中古で3万円前後で買うことができます。
iPhone 8 Plusがおすすめな人は
iPhone 8は4.7インチのディスプレイを搭載し本体サイズが抑えられているので片手操作にこだわるのならおすすめの端末となっています。
- ホームボタンは絶対に欲しい
- 指紋認証を使いたい
- マスクをよく着用している
- 動画を視聴することが多い
- 費用をとにかく抑えたい
できるだけ大画面で安くiPhoneが欲しいならiPhone 8 Plusがおすすめ。
iPhone Xはランドスケープモードに対応してないアプリも多いですが、iPhone 8 Plusは対応し横画面で使えるので意外と便利に使うことができます。
また、ノッチもないので横向きで動画を見るのにも適しています。
→ 中古のイオシス、中古iPhoneについて
→ iPhoneの比較はこちら
https://sin-space.com/entry/iphone-size→ iPhone 14、14 Proはこちら
→ iPhone 14・13の違いはこちら
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詳しく解説下さり大変参考になりました。ありがとうございました。
一箇所だけですが誤記発見いたしましたのでお知らせいたします。
「ディスプレイの違い」の項目内の表一番上機種名8と8plusが入れ違っております。