初代のiPhone SE(第1世代)はiPhone 6sとほぼ同じでSoCにA9に2GBのメインメモリを搭載した小型モデルで廉価なiPhoneとしてiPhone 5sと同じスタイルで登場しました。
画面サイズが4インチサイズのiPhoneは現行のiOS 15が動作するモデルとしてはiPhone SE(第1世代)が最後となっており、動作はさすがに遅いと感じる場面はありますが普通に使うことができます。
この記事では、iPhone SE(第1世代)のデザイン・サイズ・性能をレビューとiPhone 5sの比較もしています。なお、後継機種としては4.7インチのiPhone SE(第3世代)、iPhone SE(第2世代)があります。
この記事の目次
iPhone SE(第1世代)の特徴
- iPhone 5sと同じフラットデザインを採用
- 4インチ(1,136 × 640)液晶ディスプレイ
- SoC:Apple A9、メインメモリ:2GB
- ストレージ容量:32GB、128GB
- Touch ID内蔵のホームボタンを搭載
- リアカメラ:1200万画素・F/2.2
- インカメラ:120万画素・F/2.4
- 通信:4G LTE、Wi-Fi 5、Bluetooth 4.2
- NFC:おサイフケータイ(Felica)対応
- 防水防塵:非対応
- サイズ:123.8 × 58.6 × 7.6 mm、113g
- 発売日:2016年3月31日
初代のiPhone SE(第1世代)は4インチサイズの小型モデルで2021年9月配信のiOS 15もアップデートして使うことができる現役機種となっています。
SoCはA9なので性能はそれなりですが普通に使うくらいなら十分使える動作速度でiPhoneを使えます。さすがに、快適ではないですし2016年に購入した方はバッテリーが持たないなどかなり厳しいでしょう。
ちなみに、iPhone SE(第1世代)はiPhone 5sのブラッシュアップモデルとなっており。SoCがA7からA9、メインメモリが1GBから2GBになって動作速度が快適になっています。
他にも、リアカメラが800万画素から1200万画素になって4K30Pの動画撮影に対応し、通信規格もWi-Fi 4からWi-Fi 5にスペックアップするなど同じデザインのまま性能が向上しています。
iPhone SE(第1世代)は2016年に発売した機種ですが数年間販売していたこともあり、中古の数はまだあります。8,000円前後でAランクの個体もあるのでコレクションで買ってみるのもいいかも?
2021年9月配信のiOS 15にもしっかりアップデートも可能です。
なお、2020年にiPhone SE(第2世代)、2022年にiPhone SE(第3世代)が発売となりました。
iPhone SE(第1世代)レビュー
では、iPhone SE(第1世代)をレビューしていきます。
原点回帰したデザインに
iPhone SE(第1世代)は4インチサイズの液晶ディスプレイを搭載していますが、このサイズは故スティーブ・ジョブズが最後までこだわり続けたサイズでもあります。
正確には3.5インチがジョブスが生み出したサイズですが、時代の流れに乗るために画面比率を3:2から16:9にして横幅を変えずに縦だけ伸ばしたのがiPhone 5でした。
つまり、iPhone SE(第1世代)は原点回帰ともいえるiPhoneなんですね。
筐体デザインもあえて変えずにiPhone 5sと同じものを採用しているのでケースもそのままま使うことができます。
iPhone SE(第1世代)の音量ボタンとミュートボタンは筐体左側にあってボタンデザインは丸型となっています。
本体の上右側にトップボタンを搭載していてスリープ解除したり電源をOFFにするときに使います。
iPhone SE(第1世代)の充電ポートはLightningをなっています。
高速充電には非対応となっています。また、ワイヤレス充電もできないので普通にLightningケーブルを使ってiPhone SE(第1世代)を充電することになります。
なお、iPhone SE(第1世代)は3.5mmオーディオジャックを搭載しています。
iPhone SE(第1世代)とiPhone 5sは全く同じデザインに見えますが、ダイヤモンドカットの加工が光沢から非光沢に変わっています。
iPhone SE(第1世代)のサイドフレームはエッジ処理はアルマイト処理を施したアルミフレームとなっていて、光沢のあるサイドフレームのiPhone 5sよりも落ち着いた雰囲気に仕上がっているんですよね。
この非光沢のエッジ加工処理はiPad Pro 10.5インチの廉価版バージョンのiPad Air 3やiPad mini(第5世代)も同じような加工方法に変更されています。
Appleのエンブレムの加工方法も変わっています。
iPhone 5sは本体にペタッと貼り付けた剥がれそうで剥がれないエンブレムでしたが、iPhone SE(第1世代)はiPhone 6/6sと同じように内側からはめ込むエンブレムに変更となっています。
ちょっとした違いですが見比べてみると意外と異なります。デザイン性の改良というよりも製造のしやすさを考慮した変更点といったところでしょう。
片手で使える小型モデル
iPhone SE(第1世代)はiPhone 5sと同じデザインを採用した角張ったスタイルとなっていて、なかなかカッコいいです。2022年の今もカッコいいと思えるスタイルのスマホってないですよね。
フラットデザインなので手に馴染むというよりも手でガッチリと握ることで落とすリスクも抑えることができます。
iPhone SE(第1世代)は4インチの液晶ディスプレイを採用しており、解像度は1,136 × 640ピクセルとなっています。
4インチのディスプレイを搭載していたのはiPhone 5、iPhone 5c、iPhone 5s、そしてiPhone SE(第1世代)の4機種です。
iPhone SE(第1世代)が4インチのiPhoneの集大成といってもいいかもしれません。
iPhone SE(第1世代)はとにかくコンパクトなスマホとなっており最新のOSが動作するスマホとしては最小最軽量な筐体になっています。Rakuten Hand 5Gよりも小さいですしね。
手が小さい方でもiPhone SE(第1世代)なら片手で文字入力をサクッとすることができます。
2021年9月配信のiOS 15が使えるので動作が少しモッサリしていても問題ないならiPhone SE(第1世代)はまだ使えるでしょう。
バッテリーはさすがに交換しないと厳しいかもですが、Appleで交換してもらえるのでまだまだiPhone SE(第1世代)を長く使いたいならバッテリー交換もしてみてください。
→ iPhoneのバッテリー交換について
Touch ID(指紋)内蔵ホームボタンを搭載
iPhone SE(第1世代)は指紋認証ができるTouch ID内蔵のホームボタンを搭載していて、指で画面ロック解除したり、Apple Payの電子決済をすることができます。
物理式のホームボタンですが指を乗せてボタンを押すだけで認証してくれるので快適に使い出すことができます。マスクをしながらもでちゃんと使えるのは有難いですよね。
SoCはA9チップでそれなりに動作する
iPhoen SE(第1世代)はデザインがiPhone 5sと全く同じですが内部スペックが大幅に進化し、iPhone 6sと近いスペックを持っていて現行のiOS 15もしっかり動作します。
iOS 15はメモリ1GBのiPhoneはアップデート対象外となったのでメモリの容量はとても重要です。iPhoen SE(第1世代)はiPhone 6sと同じく2GBの容量があるので普通に使うくらいなら十分動かすことができます。
iPhoen SE(第1世代)のA9チップとiPhone5sのA7チップの性能をGeekbenchで比較してみました。
iPhone SE | iPhone 5s | |
SoC | A9 | A7 |
RAM | 2GB | 1GB |
CPU シングルコア | 2551 | 1314 |
CPU マルチコア | 4460 | 2246 |
GPU(Metal) | 11003 | 595 |
iPhoen SE(第1世代)のA9はA7よりも2倍ほどCPUの処理速度が速くなっており、GPUは20倍も処理が高速化し圧倒的なスコア差となっています。
A7チップはMetalにちゃんと対応できてないのかもしれませんね。
Antutuによるベンチマークも比較してみました。
iPhone SE | iPhone 5s | |
SoC | A9 | A7 |
トータル | 140115 | 66874 |
CPU | 61607 | 35446 |
GPU | 43251 | 10167 |
UX | 29383 | 17847 |
MEM | 5874 | 3414 |
iPhoen SE(第1世代)のA9チップはCPUは2倍、GPUは4倍ほど向上していて、メインメモリの容量も2GBになったことでトータルで見てもスコアが大きく向上しています。
発売当初のiPhoen SE(第1世代)はサクサク動作していましたが、さすがに6年も経過すると最新のOSを快適に動かすには少し厳しいようで動作が遅いと感じる場面はあります。
それでも、ブラウジングやSNS、動画を見るといった基本的な使い方であればiPhoen SE(第1世代)でも十分使うことができるでしょう。
実際の動作速度を比較
スコアだけではiPhone SEがどれくらい高速化されたのか分からないので、iPhone 5sとiPhone SEを動画で比較してみました。
意外だったのがTouch IDが同じ第1世代なのにiPhone SEの方が明らかに指紋の認証速度が向上していた点でしょうか。
おそらくA9が高性能なので認証する速度がソフトウェア的に高速化されたのでしょう。第2世代のTouch IDのiPhone 6sほどではないですが、iPhone 5sより快適に画面ロック解除できます。
2021年9月配信のiOS 15で2016年のiPhone SE(第2世代)がどれくらいで動作するのかブラウザ、Twitterで動かしてみました。
少しモタつきがあるものの待てないレベルではないですし、普通にブラウジングしたり、SNSをしたり、動画を見る程度であれば十分使える動作速度となっています。
1200万画素のシングルカメラ
iPhone SE(第1世代)のリアカメラは広角のシングルカメラ仕様となっています。
スペックは1200万画素(1/2.93型)のイメージセンサーにF/1.8のレンズを搭載しています。
明るいところであればiPhone SE(第1世代)でも高精細でキレイな写真に仕上げることができます。小型センサーですが接写することで背景はある程度ぼかすことはできます。
HDRにより白トビを抑えながら撮影もできますが、明暗差のあるシーンにおいては暗くなる傾向があります。
ピンクの花も色鮮やかでいい感じに撮影できます。
飲み水場の蛇口も接写することで背景をぼかして撮影できます。
明るいところだと2016年のiPhoneとは思えないくらいキレイで高精細な写真になってるのがわかります。ただし、レンズの明るさがF/2.2と暗めなので暗いシーンになると少し暗めの写真に仕上がること多いです。
看板のライトは白トビは抑えられているものの全体的に暗めの写真になっています。iPhone SE(第1世代)は広角カメラしかないですが最大デジタルズーム5倍まで拡大して撮影も可能です。
意外と画質はしっかりしていますが全体的に暗い写真になっています。
暗いシーンにおいては明るくするとか誇張することもなく自然な写真に仕上がっています。
なお、iPhone SE(第1世代)はナイトモードは対応していません。
イメージセンサーが新しくなって800万画素から1,200万画素に進化したことにより動画撮影もフルHDだけでなく4K30pのより高解像度な撮影に対応しています。
さらに、高性能なA9により動く写真のLive Photosやタイムラプス撮影、スローモーション(240fps)撮影、FOCUS PIXELS オートフォーカスにも対応し撮影の幅が広がりました。
Wi-Fi速度が 150Mbps → 433Mbps
iPhone SEはWi-Fiの802.11 acに対応して下り速度が150Mbps → 433Mbpsに高速化しています。
iPhone SE | iPhone 5s | |
Wi-Fi | 802.11a/b/g/n/ac(5GHz・2.4GHz) | 802.11a/b/g/n(2.4GHz) |
最大受信速度 | 433Mbps | 150Mbps |
動画やゲームで遊ぶときはどうしても大容量データをダウンロードする必要がありますが、iPhonen SEはWi-Fiの通信速度が速い802.11 acに対応しているので、快適度はかなり高くなるでしょう。
LTEの対応バンド数が増えた
さらに、iPhone SEが対応しているLTEバンド数も増えています。
- B1(2,100MHz)docomo、au、SB
- B3(1,800MHz)docomo、SB
- B8(900MHz)SB
- B18(800MHz)au
- B19(800MHz)docomo
- B26(850MHz)au
- B28(700MHz)docomo、au、SB
- B41(2,500MHz)au、SB
赤字表示しているB28とB41がiPhone SEで追加されたLTEバンドでiPhone 5sよりもLTEの電波を掴みやすく、高速通信できるようになっています。
Bluetooth 4.2、NFC、VoLTEに対応
iPhone SEではBluetooth 4.2、NFC、VoLTEに対応しました。
iPhone SE | iPhone 5s | |
Bluetooth | 4.2 | 4.0 |
NFC | Apple Payに対応 | – |
VoLTE | 対応 | – |
最近はVoLTEで音声通話するのがスタンダードでauは4Gの音声回線はVoLTEに切り替えているのでau回線を使っている方にとってはiPhone SEの仕様は嬉しいですよね。
iPhone SEはNFCに対応していますが、日本のFelicaなど電子マネーには非対応なので注意です。電子マネーを使いたいならiPhone 7/7 Plus以降のモデルを購入しましょう。
バッテリー駆動時間が長くなった
iPhoen SE(第1世代)のバッテリー容量は1,624mAhを内蔵してます。
iPhone 5sのA7は28nmプロセスルールで製造されています。iPhoen SE(第1世代)のA9は16nm FETのプロセスルールで微細化されて性能を上げつつ省電力化しています。
そのお陰なのか、iPhone SEはiPhone 5sよりもバッテリー持ちも改善していて長く使うことができます。
iPhone SE | iPhone 5s | |
連続通話時間 | 13時間 | 10時間 |
LTE通話時間 | 13時間 | 10時間 |
Wi-Fi通信 | 13時間 | 10時間 |
音楽再生 | 50時間 | 40時間 |
iPhone SE(第1世代)とiPhone 5sは同じサイズなのに長く使えるのはいいですよね。技術進歩を感じることができます。
ただし、最新のiPhoen SE(第3世代)やiPhoen SE(第2世代)と比べると電池持ちが悪いのでゲームを長時間するには少し厳しいのでゲームをするなら新しいモデルを買うのがおすすめです。
iPhone SEを購入できるところ
iPhone SEは2018年9月にApple Storeでの販売が終了しており、大手キャリア、UQ mobile、Y!mobileも販売を停止しています。
ただ、中古なら10,000円以下で買うこともできるのでどうしても欲しいなら中古を狙うのがいいでしょう。
iPhone SE(第1世代)のスペック
iPhoen SE(第1世代)のスペックをiPhone 6s、iPhone 5sで比較してみました。
モデル | iPhone SE | iPhone 6s | iPhone 5s |
---|---|---|---|
ディスプレイ | 4インチ 1,136 × 640 |
4.7インチ 1,334 × 750 |
4インチ 1,136 × 640 |
CPU プロセッサ | A9+M9 | A7+M7 | |
RAM | 2GB | 2GB | 1GB |
背面+ 前面カメラ | 1,200万画素+ 120万画素 | 1200万画素+ 500万画素 | 800万画素+ 120万画素 |
Live Photos | ○ | × | |
Focus Pixels オートフォーカス | ○ | × | |
Retina Flash | ○ | × | |
タイムラプス 撮影 | ○ | × | |
スローモーション (240fps)撮影 | ○ | × | |
4K動画撮影 | ○ | × | |
VoLTE通話 | ○ | × | |
NFC (Apple Pay) | ○ | × | |
Wi-Fi | 802.11a/b/g/n/ac 433Mbps | MIMO対応 802.11a/b/g/n/ac 866Mbps | 802.11a/b/g/n 150Mbps |
LTE最大速度 | 150Mbps | 300Mbps CA対応 | 150Mbps |
Bluetooth | 4.2 | 4.0 | |
3D Touch | × | ○ | × |
Touch ID | ○ | ○ (第2世代) | ○ |
iPhoen SE(第1世代)とiPhone 6sはスペックは似ていますが、Wi-Fiとモバイル通信の性能が異なっておりiPhone 6sの方が高速通信がが可能となっています。
iPhoen SE(第1世代)レビュー:まとめ
iPhoen SE(第1世代)のメリット
初代のiPhoen SE(第1世代)は4インチのディスプレイを搭載した超小型モデルで4.7インチのiPhone SE(第3世代)よりもコンパクトでどんなに手が小さい方でも片手操作できる大きさになっています。
- iOS 15が動く最小最軽量のスマホ
- 片手で使えるコンパクトサイズ
- ホームボタンを搭載している
- Touch ID(指紋)でマスクしながら使える
- おサイフケータイに対応している
A9 + 2GBのメモリはiOS 15が動作する必要最低限のスペックなので動作は遅めですが、ブラウジングやメール、SNS、動画視聴をするくらいなら十分使える性能を持っています。
おサイフケータイのFelicaも使えるので普段使いのスマホとして、とにかくコンパクトに持ち歩くことができます。
iPhoen SE(第1世代)のデメリット
iPhoen SE(第1世代)は2016年3月発売の機種で2022年で6年経過です。なのに現行のiOS 15が動作してしまってることは驚きですが、さすがに動作は少し遅めです。
- 動作が少し遅め
- そろそろiOSサポート対象外
- 防水防塵対応していない
- 電池持ちは悪い
次のiOSのサポートが外れる可能性もあるので、4インチのサイズのiPhoneが欲しいからといってiPhoen SE(第1世代)を今現在買うのはおすすめはできません。
また、防水防塵にも非対応なのでお風呂に入りながらiPhoen SE(第1世代)を使えないのもデメリットとなります。電池持ちも少し悪いので長く使うスマホとしては微妙なところですね。
まだiPhoen SE(第1世代)を使っていてまだ4インチのiPhoneで頑張りたいならバッテリーを交換するのもいいでしょう。延命させることができます。
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