FUJIFILM X-T2は2430万画素のX-Trans CMOS Ⅲセンサー・X-Processor Proを搭載したハイエンドミラーレス一眼カメラで2016年7月に発売しました。
ここではFUJIFILM X-T2のデザイン・スペック・画質についてレビューしています。
現在はX-T3が最新モデルですが、X-T2は価格が少し安くなっているので少しでも安くハイエンドな富士フイルムのカメラが欲しい方におすすめの機種となっていますよ。
今まで使ってきたカメラを紹介しています。合わせてみて欲しい。
この記事の目次
FUJIFILM X-T2の特徴
X-T2のスペックをX-T3、X-T1の3機種で比較してみました。
X-T3 | X-T2 | X-T1 | |
イメージセンサー | X-Trans CMOS 4 | X-Trans CMOS Ⅲ | X-Trans CMOS Ⅱ |
画素数 | 2,610万画素 | 2,430万画素 | 1,630万画素 |
プロセッサ | X-Processor 4 | X-Processor Pro | EXRプロセッサーⅡ |
オートフォーカス | 顔・瞳認識対応 | 顔認識対応 | |
連写性能 | 約30コマ/秒 | 約14コマ/秒 | 約8コマ/秒 |
シャッタースピード | 4秒〜1/8000秒 | 4秒〜1/4000秒 | |
動画 | DCI4K(最大59.94p)最大30分 | 4K(最大29.97p)最大10分 | フルHD(最大60p) |
露出補正 | -5.0EV~+5.0EV | -3.0EV~+3.0EV | |
ISO感度(常用) | 160~12800 | 200~12800 | 200~6400 |
ISO感度(拡張) | 80/100/125/25600/51200 | 100/125/160/25600/51200 | 100/25600/51200 |
液晶 | 3インチ3方向チルト式タッチパネル(約104万ドット) | 3インチ3方向チルト式(約104万ドット) | 3インチチルト式(約104万ドット) |
EFV | 0.5インチOLED 369万ドット | 0.5インチOLED 236万ドット | |
フィルムシミュレーション | 16モード | 15モード | 11モード |
Wi-Fi | 802.11b/g/n | ||
Bluetooth | Bluetooth 4.2 | – | |
外部ポート | USB-C、HDMIマイクロ(D) | USB-MicroB、HDMIマイクロ(D)、3.5mmオーディオジャック | USB-MicroB、HDMIマイクロ(C)、3.5mmオーディオジャック |
サイズ | 132.5 × 92.8 × 58.8mm | 132.5 × 91.8 × 49.2mm | 129.0 × 89.8 × 46.7mm |
重量 | 539g | 507g | 440g |
価格 | 158,000円 | 121,000円 | 30,000円(中古) |
イメージセンサーは各世代によって異なっていてX-T3のX-Processor 4が最新のセンサーとなっています。とはいえ、X-T2の画素数は2,430万画素と最新モデルに引けのない高画素カメラとなっています。
X-T2の液晶画面は3方向のチルト液晶になったことからX-T1と比較して撮影の幅が広くなったのが特徴となっています。
最新型のX-T3が発売したことでX-T2の価格が下がっています。画質自体はそんな差がないのでX-T3の新機能(オートフォーカスの高速化、新エフェクト)に興味がないならX-T2を選んでもほぼ問題はないでしょう。
ちなみに、X-T2のボディは中古なら6万円くらいで買うことができるので、かなりリーズナブルな価格で手に入れることができますよ。
FUJIFILM X-T2 レビュー
パッケージと付属品
FUJIFILM X-T2は黒基調のしっかりとしたパッケージとなっていて、箱の中にさらに「X」を切り取ったパッケージが入っていてハイエンドらしくこだわりのあるパッケージデザインとなっていますね。
この「X」の箱を開けると説明書などが入っているのですが、その下にX-T2本体が収められています。
付属品は電池パック、充電器、ケーブル類、外部フラッシュが入っています。X-T10は内蔵フラッシュでしたが上位モデルのX-T1/T2は外部フラッシュとなります。
しかし、純正の外部ストロボが付属しているのでフラッシュが欲しい時もちゃんと対応できるのは嬉しいですね。
本体デザイン
FUJIFILM X-T2のデザインはクラシカルな一眼スタイルのカメラとなっていてX-T1を継承したものとなっています。このスタイルは最新モデルのX-T3にも引き継がれているものとなっています。
本体カラーはブラックとシルバーの2色から選べますが、今回購入したのはブラックとなっています。X-T3はシルバーを買ったのでシルバーが気になる方はX-T3のレビューも併せて見てくれると嬉しいです。
操作ダイヤル
X-T2は左側にISO感度、右側にシャッタースピード、露出補正を個別設定できる操作ダイヤルを搭載しています。
操作ダイヤルは2段式になっていてISO感度を設定するダイヤルの下にシャッターモードをS(1枚)、CL(連写低速)、CH(連写高速)に切り替えることができるダイヤルも搭載しています。
他にもBKT設定、多重露出撮影、ADVアドバンスフィルター、パノラマモードに切り替えることもできるようになっています。
右側にある操作ダイヤル(左)は上がシャッタースピード、下が測光モードの切り替え、操作ダイヤル(右)は露出補正となっています。
X-T10は完全オートで撮影できるAutoスイッチがありますが、X-T2をはじめX-T1/T2/T1にはありません。
とはいえ、ISO感度、シャッター速度を「A」にセッティングしておけば基本的にオートで写真を撮影できるようになっているので初心者の方でも比較的扱いやすいカメラになっています。
3方向対応チルト液晶に対応
X-T2の液晶はチルト液晶を採用しているので下から撮影もファインダーを覗かなくても簡単に撮影できるようになっています。
さらに3方向チルトに対応したのでこんな感じに横向きに画面を動かすこともできます。
このスタイルで撮影することはほとんどないですが、少し変わった撮影をするときに役に立つかも…しれないですね。
デュアルSDカードスロット(UHS-Ⅱ対応)
X-T2はデュアルカードスロットを採用していてスロット1、スロット2ともに書き込み速度が速いUHS-Ⅱ SDカードに対応しています。
2枚のSDカードを併用することで、写真を連続撮影する「連続記録」、同じ写真を保存する「バックアップ」、スロット1にRAW、スロット2にJPEGを記録する「振り分け」や「動画保存先」することができます。
仕事で使う写真なら2枚のSDカードを入れて「バックアップ」にするのが一番良いように感じます。撮影した写真が紛失するのが一番最悪なパターンなので、仕事で使うならバックアップを設定するのがいいかもしれないですね。
現像作業もしたいならSDカードを分割して記録しておいた方が写真管理はしやすいのかな。
外部ストロボ
X-T2は本体にフラッシュを内蔵していませんが、付属の外付けフラッシュを使うことでフラッシュ撮影もできるようになっています。
X-T2の上の部分にストロボを取り付けるとこんな感じのスタイルとなります。
駆動式になっているので使わない時はフラッシュを折りたたむこともできます。そもそも、フラッシュ撮影をすることはあまりないのでいざという時のお守りといった感じですね。
バッテリーパックはNM-W126S
X-T2のバッテリーパックはNM-W126Sとなっています。
X-T1はNM-W126という「S」のない型式でしたが現在のXシリーズのカメラはNM-W126かNM-W126Sのどちらかを使えるようになっています。
NM-W126Sはカメラ内部の温度上昇に対する耐性が高くなったバッテリーパックとなっていて、動作保証温度である40℃の高温環境下では継続して連写できる時間を約3倍に伸ばせるようになっています。
X-T2とX-T10の比較
サイズは大きいが持ちやすい
X-T2とX-T10の本体の大きさを比較して見たのでX-T○にするか、X-T○○を選ぶか迷っている方は参考にどうぞです。
基本的なスタイルは同じですが、X-T10は本体サイズがかなりコンパクトになっているのが分かります。
X-T10をはじめX-T20、X-T30は本当にサイズが小さくて持ち運びには適したカメラとなっているので、単焦点レンズと組み合わせることで取り回しが良くなるのでスナップカメラとして使うならX-T○よりもX-T○○の方がいいのかもしれません。
EVFが大きくて見やすい
X-T10は0.39インチの有機ELディスプレイを内蔵したEVF(電子ビューファインダー)を搭載していますが、X-T2は0.5インチの有機ELディスプレイを内蔵したEVFを搭載しています。
解像度は236万ドットと同じですが、やっぱりファインダーが大きい方が見やすいですよね。
撮影は間違いなくファインダー越しの方が構図を作りやすいのでちゃんとカメラを構えて撮影するならX-T2の方がいいかもです。また、X-T2は電子ファインダー(EVF)の応答速度が60fpsから100fpsに向上しています。
撮影間隔が短くなった
X-T2は1600万画素から2400万画素に高画素化した「X-Trans CMOS Ⅲ」を搭載していますが、高性能なCPUプロセッサ「X-Processor Pro」を採用することでオートフォーカス速度、撮影間隔やシャッタータイムラグも大幅に向上しています。
X-T10とX-T2でシャッターを切った時の挙動を動画にしてみました。
X-T10は撮影してから次の撮影に移るまでに少し時間が必要ですが、X-T2はシャッターのタイムラグが倍くらい速くなっているのが分かります。
X-T10だと動き回る子どもを撮影するのも大変でしたが、シャッターのタイムラグが改善したX-T2ならピント合わせも簡単になっています。また、顔検出・瞳AFにも対応しているのでピント合わせが旧モデルと比較してかなりやりやすくなっています。
もし、オートフォーカスの性能を追求するのならX-T3・X-T30を選ぶのがおすすめです。新世代のオートフォーカスシステムでさAFの速度、精度が比べ物にならないくらい進化していますよ。
X-T2の画質について
X-T2 + XF35mmF1.4 Rを使っていくつか作例を載せておきますね。
XF35mmF1.4 Rはずいぶん前からある単焦点レンズでとにかくボケが柔らかくてキレイな表現ができる素晴らしいレンズです。
キレイなボケを演出できるので手前をぼかすととりあえずいい感じになります。
単焦点レンズならそれが簡単にできるんですよね。
逆光を使った写真もぼかすことで柔らかく温かい雰囲気に仕上げることができます。
とにかく、富士フイルムの単焦点レンズは楽しいのです。
カメラの画質じゃなくてレンズの性能になってしまうのですが、レンズの性能をうまく引き出すことができるのがX-T2のX-Trancセンサーのおかげでもあるのです。
グレインエフェクトでフィルムっぽい写真に
FUJIFILM X-Pro 2で搭載されたフィルムの粒状感を演出することができる「グレインエフェクト」が、X-T2でも使えるようになりました。
それに合わせて高精細モノクロモードの「ACROS」も設定できるようになっています。フィルムシミュレーションのACROSを再現するためのエフェクトがグレインエフェクト。
他のフィルムシミュレーションでも粒状感を出すことができるようにしたのが「グレインエフェクト」となっています。
「グレインエフェクト」は写真独特の粒状感を加えてくれるモードのことで写真フィルムを長年製造してきている富士フィルムならではのモードといっていいでしょう。
グレインエフェクトをオンにすると画像に粒状フィルタが追加されフィルムで撮影したかのような雰囲気を簡単に再現することができます。
公園の水飲み場です。こちらはグレインエフェクトOFFの写真です。
グレインエフェクトONにして撮影をするとフィルムの粒状感のエフェクトが追加されます。
パソコンの大きなディスプレイやプリントすることでその違いははっきりと感じることができます。また、人物撮影するときにグレインエフェクトをONにすると雰囲気が変わるので使い方によっては面白いのかなと思います。
ただし、露光が足りない時にグレインエフェクトを使うと単なるノイズの乗ったダメ写真に仕上がることが多いので、使いこなすには高度なテクニックがいるように感じます。
FUJIFILM X-T2 レビューのまとめ
FUJIFILM X-T2は2,430万画素のX-Tranc Ⅲ CMOSセンサー(APS-C)を搭載したミラーレス一眼カメラです。最新のカメラはX-T3で、X-T2は2016年7月に発売した機種ですがまだ現役で使えるカメラとなっています。
- 2,430万画素で高精細な写真を撮影できる
- カメラの大きさがちょうど良いサイズ
- フィルムシミュレーションを使って撮影できる
- 富士フイルムの色をふんだんに楽しめる
- 4K(30P)動画撮影に対応している
- ボディ価格:121,000円
X-T3のボディ価格は16万円ほどですがX-T2なら4万円も安く買うことができます。X-T2 → X-T3にするメリットはオートフォーカスの速度・精度、フィルムシミュレーション「ETERNA/シネマ」の追加、4K60pの動画撮影です。
風景写真を撮ることが多い、じっくり撮影することが多いならX-T2でも十分使える性能を持っていますよ。
- 暗いところのオートフォーカスが安定しない
X-T2はX-T1/T10と比較するとオートフォーカスの速度、精度は向上していますが最近のミラーレスカメラにしては精度は低めです。暗いところだと迷うことはあります。
しかし、じっくり撮影する用途でX-T2を使うなら特に問題はないと思うので安く富士フイルムのミラーレス一眼カメラを手に入れたいなら良い選択肢になるのではないでしょうか。
X-T3、X-H1、X-A5のレビューはこちらです。
https://sin-space.com/entry/fujifilm-xt3-reviewa
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