Appleが2020年8月にスペックアップしたiMac 27インチ(2020)は第10世代Core i5プロセッサを搭載し、標準モデルが6コア、上位モデルは8コア、CTOモデルで10コアのCore i9プロセッサを選べます。
さらに、外部GPUにRadeon Pro 5000シリーズでiMac Proに迫る性能になったことでiMac Proとどう違うのか気になるところです。
ということで、この記事では通常のiMac 27インチとiMac Proは何が違うのかスペック・価格の比較をしどっちがいいか見ています。
iMac 27インチとiMac Proは価格差がありますが、クリエイティブな作業するならiMac Proを選んだ方がいい場合もあるので、iMacを検討している方は参考にどうぞ。
この記事の目次
iMac 27インチ(2020)と(2019)スペック比較
2020年と2019年のiMac 27インチ上位モデルのスペックを比較してみました。
iMac 27インチ(2020) | iMac 27インチ(2019) | |
ディスプレイ | 27インチ(対角)Retina 5Kディスプレイ 5,120 × 2,880ピクセル、十億色対応 500ニトの輝度 、広色域(P3) |
|
True Tone | 対応 | – |
Nano-texture | +50,000円で変更可 | – |
CPU | 第10世代 Core i5 3.8GHz(8コア) CTO:Core i7 3.6GHz(10コア) |
第8世代 Core i5 3.7GHz(6コア) CTO:第9世代 Core i9 3.6GHz(8コア) |
GPU | Radeon Pro 5500 XT(8GB GDDR6) | Radeon Pro 580X(8GB GDDR5) CTO:Radeon Pro Vega 48(8GB HBM) |
RAM | 8GB 2,400MHz DDR4 (32GB/64GB/128GB) |
8GB 2,666MHz DDR4 (32GB/64GB) |
セキュリティチップ | T2チップ | – |
ストレージ | 512GB SSD | 2TB Fusion Drive |
Wi-Fi | 802.11a/b/g/n/ac | |
Bluetooth | 5.0 | 4.2 |
FaceTimeカメラ | 1080p | 720p |
外部ディスプレイ | 最大2台の6K(6,016 x 3,384)ディスプレイの出力に対応 | 最大1台の5K(5,120 x 2,880)ディスプレイの出力に対応 |
スピーカー | 低音が強化されたステレオスピーカー | ステレオスピーカー |
マイク | スタジオ品質の3マイクアレイ | マイクロフォン |
USBポート | USB 3(USB-A) × 4 Thunderbolt 3(USB-C)× 2 |
|
Ethernet | 10/100/1000BASE-T(OPで10Gb) | 10/100/1000BASE-T |
SDカード | SDXCカード(UHS-Ⅱ) | SDXCカード |
サイズ | 高さ:51.6 cm、幅:65.0 cm、スタンドの奥行き:20.3 cm | |
重量 | 8.92 kg | 9.44 kg |
キーボード | Magic Keyboard | |
マウスとトラックパッド | Magic Mouse 2 or Magic Trackpad 2 | |
カラー | シルバー | |
価格 | 249,800円 | 253,800円 |
iMac 27インチ(2020)は第10世代のCoreプロセッサ、Radeon Pro 5500シリーズのグラフィックチップを搭載し処理性能がさらに向上しています。
また、True Toneテクノロジーを採用し画面の見え方がより自然になって、オプションで映り込みを最小限に抑えるNano-textureガラスもあります。
iMac 27インチ(2020)・iMac Pro スペックの比較
iMac 27インチ(2020)はカスタマイズすることでiMac Proに迫る性能となっていて、iMac 27インチの標準モデルとiMac Proの仕様に近づけたカスタマイズモデル(Core i9、32GB RAM、1TB SSDにカスタマイズ)と標準モデルのスペックを比較してみました。
iMac 5K(2020) | iMac 5K(2020) CTOモデル |
iMac Pro | |
ディスプレイ | 27インチ(対角)Retina 5Kディスプレイ 5,120 x 2,880ピクセル、十億色対応 500ニトの輝度 、広色域(P3) |
||
CPU | Intel Core i5 3.1GHz(6コア) | Intel Core i9 3.6GHz(10コア) | Intel Xeon W 3.0GHz(10コア) |
GPU | Radeon Pro 5300 4GB GDDR6 |
Radeon Pro 5700XT(16GB GDDR6) | Radeon Pro Vega 56(8GB HBM) |
RAM | 8GB 2,666MHz DDR4 ユーザー交換可 |
32GB 2,666MHz DDR4 ユーザー交換可 |
32GB 2,666MHz DDR4 ECC (64GB/128GB) ユーザー交換不可 |
ストレージ | 256GB | 1TB SSD | 1TB SSD |
FaceTimeカメラ | 1080p | ||
外部ディスプレイ | 6,016 x 3,384ピピクセルで2台まで(60Hz,10億色) | 5,120 x 2,880ピクセルで2台まで(60Hz,10億色対応) | |
オーディオ | ステレオスピーカー、マイクロフォン、3.5mmヘッドフォンジャック | 強化されたステレオスピーカー、4つのマイクロフォン、3.5mmヘッドフォンジャック | |
USB | USB-A x 4 USB-C(Thunderbolt 3)x 2 |
USB-A x 4 USB-C(Thunderbolt 3)x 4 |
|
SDカード | SDXC(UHS‑IIに対応) | ||
Ethernet | 10/100/1000BASE-Tギガビット | 1Gb、2.5Gb、5Gb、10Gbに対応 | |
サイズ | 51.6 x 65.0 x 20.3cm | ||
重量 | 8.92 kg | 9.7 kg | |
キーボード | Magic Keyboard | スペースグレイ Magic Keyboard | |
マウスとトラックパッド | Magic Mouse 2 or Magic Trackpad 2 | スペースグレイ Magic Mouse 2 or Magic Trackpad 2 | |
カラー | シルバー | スペースグレイ | |
価格 | 194,800円 | 419,800円 | 558,800円 |
iMac 27インチをカスタマイズしてスペックをiMac Proに近づけると42万円なので、2020年モデルになってコストパフォーマンスがかなり良くなったように感じますね。
iMac 27インチは映り込みを低減してくれるNano-textureガラスに+50,000円で変更可能で14コア、18コアのプロセッサが必要ないならiMac 27インチがいいかも?
iMac ProとiMac(2020)の違いを比較
本体カラーの違い
iMac 27インチの本体カラーはシルバーですが、iMac Proのカラーはスペースグレイとなっています。また、本体だけではなくMagic Keyboard、Magic Mouse 2、Magic Trackpad 2もスペースグレイに統一されていてかなり格好良くなっています。
iMac Pro | iMac 27インチ | |
本体カラー | スペースグレイ | シルバー |
同梱品 | スペースグレイのMagic Keyboard、 Magic mouse 2 | ホワイトのMagic Keyboard、 Magic mouse 2 |
スペースグレイは通常モデルのiMacにはないカラーとなっているので、これだけでもiMac Proには価値があるといってもいいでしょう。スペック関係なしでブラックのiMacが欲しいのなら迷わずiMac Proを選びたいところです。
CPUのスペックと性能の違い
iMac 27インチのCPUプロセッサは第10世代Coreプロセッサを採用していて標準モデルは6コア、上位モデルが8コア、CTOカスタマイズモデルで10コアのモデルを選ぶことが可能となっています。
iMac Pro | iMac 27インチ | |
標準モデル | Intel Xeon W(10コア) | Intel Core i5(6コア)3.1GHz |
上位モデル | – | Intel Core i5(6コア)3.3GHz |
CTO1 | Intel Xeon W(14コア) | Intel Core i7(8コア)3.8GHz |
CTO2 | Intel Xeon W(18コア) | Intel Core i5(10コア)3.6GHz |
iMac ProにはIntelのワークステーション向けプロセッサで通常のCoreプロセッサよりも性能が高くて価格の高いハイエンドマシンに搭載されるものとなっています。
Coreプロセッサは最大10コアなのに対して、Xeonプロセッサは最大18コアまで選ぶことができるので、処理性能をとにかく高くし効率を向上させたいならiMac Proを選ぶことになります。
なお、iMac ProのXeonプロセッサはiMac Pro専用のカスタムモデルが採用されておりLGA2066ソケットを採用しているコードネーム「Skylake-W」と名付けられたプロセッサとなっています。
GeenbenchによるCPUの性能差は以下のとおりです。
シングルコア | マルチコア | |
iMac 27インチ 6コア Intel Core i5-10600 @ 3.3 GHz |
1170 | 6003 |
iMac 27インチ 8コア Intel Core i7-10700K @ 3.8 GHz |
1248 | 7974 |
iMac 27インチ 10コア Intel Core i9-10910K @ 3.6 GHz |
1252 | 9073 |
iMac Pro 8コア Intel Xeon W-2140B @3.2GHz |
1067 | 8012 |
iMac Pro 10コア Intel Xeon W-2150B @3.0 GHz |
1126 | 9449 |
iMac Pro 14コア Intel Xeon W-2170B @2.5 GHz |
1103 | 10819 |
iMac Pro 18コア Intel Xeon W-2191B @2.3 GHz |
1113 | 13465 |
iMac 27インチのCTOカスタマイズモデルのCore i9(10コア)とiMac Proの標準モデルのXeon W(10コア)でほぼ同じ性能となっているので、iMac 27インチのカスタマイズモデルで満足いく性能であると感じるならiMac Proを選ぶ理由はほぼなくなるでしょう。
ちなみに、iMac Proの標準モデル(Xeon W 10コア)の価格は558,800円なのに対して、iMac 27インチのカスタマイズモデル(Core i9 10コア)の価格は289,800円なので、いかにiMac 27インチのコストパフォーマンスが高いかがわかりますね。
どちらのモデルも動画編集なども十分こなすことができる高性能マシンですが、より高度な処理を必要とするならiMac Proを選ぶのがいいのかもしれません。
なお、MacBook Pro 15インチ、MacBook Pro 16インチも6コアプロセッサを搭載し性能が高くなっていますが、MacBook Pro 13インチは4コアプロセッサも十分性能の高いモデルとなっています。
GPUのスペックと性能の違い
iMac Proは「AMD Radeon Pro Vega」というGPUを搭載しています。VegaはGPUのパッケージ内にVRAMの代わりとなるHBM2メモリを搭載しているので最大400GB/sでデータ転送が可能となり、より多くの処理ができる高性能なGPUとなっています。
iMac Pro | iMac 27インチ | |
標準 | Radeon Pro Vega 56(8GB HBM2) | Radeon Pro 5300(4GB GPDDR6) Radeon Pro 5500XT(8GB GPDDR6) |
CTO | Radeon Pro Vega 64/64X(16GB HBM2) | Radeon Pro 5700XT(16GB GPDDR6) |
iMac Proに搭載されているRadeon Pro Vega 56の性能は単精度浮動小数点が11TFlops、半精度浮動小数点が22TFLOPSの性能がありPS4 Proは4.2TFlopsなのでPS4 Proよりも3倍も性能が高いGPUということになります。
iMac 27インチのGPUもGPDDR6の高速メモリを搭載したRadeon Pro 5xxxシリーズを採用し性能が向上しています。トータルの性能はiMac Proの方が上ですが、動画編集の書き出しくらいであれば無印のiMac 27インチでも十分な性能となっています。
メインメモリのスペックと性能の違い
iMac Proのメインメモリは2,666MHz DDR4 ECCメモリを採用していて、iMac 27インチは2,666MHz DDR4のメインメモリを搭載しています。
iMac Pro | iMac 27 2020 | |
メインメモリの規格 | 2,666MHz DDR4 ECC | 2,666MHz DDR4 |
容量 | 32GB・64GB・128GB・256GB | 8GB・16GB・32GB・64GB・128GB |
iMac Proは標準モデルで32GBのメインメモリを搭載しているので標準仕様でそのまま使えるスペックとなっていますが、iMac 27インチの標準モデルは8GBのメインメモリなので少し心許ない容量となっています。
ただ、iMac 27インチは自分でメインメモリを換装できるようになっているので、費用を抑えることが可能となっています。iMacのメモリを増設することで最大128GBまで容量を増やすことができます。
なお、iMac Proに採用されているRAMはECCメモリとなっています。EECはエラーを検出し正しい値に訂正できるメモリーモジュールでサーバー用途のパソコンで採用されている信頼性の高いメモリ。また、256GBの容量まで増設することができるので、プロな作業をするならiMac Proを選ぶのがいいでしょう。
なお、iMac Proは自分でメモリ交換はできずAppleのサポートでの増設となります。
SSDストレージのスペックと性能の違い
iMac Proは最大3.3GB/sの読み書きが可能な高性能な高性能なSSDストレージを採用しているので4K動画などの大きなデータもサクサク読み書きすることができるようになります。
iMac Pro | iMac 5K 2020 | |
ストレージ | 1TB/2TB/4TB SSD | 256GB/512GB/1TB/2TB/4TB/8TB SSD |
iMac 27インチのSSDストレージは2GB/sのスループットったので素早い反応、動作を求めるならiMac Proでしたが、2020年モデルのiMac 27インチのSSDも最大3.2GB/sの高速タイプとなり性能が向上しています。
強化されたステレオスピーカー
iMac 27インチのスピーカーはもともと音質は良く個人的にもかなり満足できるレベルでしたが、iMac Proのスピーカーはウーファーとツイーターの2ウェイ構造になっており、音質がさらに良くなっています。
iMac Proは内部構造を見直して2ウェイスピーカー構造になっていて高音質サウンドとなっています。最近のAppleはスピーカーの音質にこだわっていますね。Beats Musicを買収したことがいい影響を与えているのでしょうか。
UHS‑II対応のSDカードスロット
iMac ProのSDカードスロットは高速データ転送ができるUHS‑Ⅱに対応しています。
右のカードがUHS‑Ⅱに対応したのSDカードとなっていてUHS‑IIに対応したカードリーダーを使うことで超高速でデータを読む込むことができます。iMac ProのSDカードスロットはUHS‑IIに対応しているので専用カードリーダーなしでデータの読み込みが可能となっています。
追記:2020年のiMac 27インチもUHS‑ⅡのSDカードスロットに対応しました。
T2チップを搭載
iMac ProはMacBook Air・ProがTouch BarやTouch IDを動作させるためのSecure Enclaveに対応したARMコプロセッサ・T2チップを搭載しています。
追記:2020年のiMac 27インチもT2チップを搭載。
iMac 27インチ(2020) | iMac Pro | |
コプロセッサ | T2チップ | T2チップ |
音声アシスタント | Hey!Siriに対応 | Hey!Siriに対応 |
iMac ProでTouch IDを使うことができないのでT2チップを搭載しているメリットはないですが、システム管理コントローラ、画像信号プロセッサ、オーディオコントローラ、SSDコントローラなどのコントローラが統合されてiMac 27インチよりも安定した動作を期待してもいいのかも。
iMac 27インチ(2020)とiMac Pro どっちがいい?
iMac 27インチ(2020)をフルカスタマイズすると価格は912,600円、10コアのCPUプロセッサに128GBのメインメモリ、8TBのSSDストレージとかなり高性能なマシンです。
iMac Proはメインメモリは256GBまで増設できますが、ストレージは4TB止まりなので実用性は最新型のiMac 27インチの方がいいのかも?
iMac 27インチ(2020)を選ぶのがいい人
普通の人は無印のiMac 27インチを選ぶのがいいでしょう。2020年8月の最新型でCPUも第10世代のCoreプロセッサと新しいですし、何よりもiMac Proに搭載されていた機能も搭載しています。
- 27インチの5Kモニターを使いたい
- 高性能でパワフルなiMacを使いたい
- メインメモリは自分で増設したい
- 少しでも安くiMacを購入したい
- 本体カラーはシルバーがいい
- Nano-textureガラスを選べる
オプションでNano-textureガラスに変更できるので画面の見やすさはiMac Proを超えることができます。
ちなみに、iMac 27インチの一番安い構成なら194,800円から購入することができるので、ある程度の性能があって27インチの5Kモニターを使いたいという方にもおすすめです。
なお、iMac 27インチはメインメモリを自分で増設することができます。費用を抑えることができるのでおすすめです。
iMac Proを選ぶのがいい人
iMac ProはiMac 5K(2019)のフルカスタムモデルよりもさらに高い性能を求める方におすすめです。
- 動画編集するのでパワフルなiMacが欲しい
- お金が有り余っているApple信者
- 本体カラーはスペースグレイがいい
8コアのCore i9プロセッサやRadeon Pro Vega 48に満足することができない方は、より高性能な構成できます。とくに、動画編集をすることが多く、動画書き出し時間をより短縮させて時短したいなら、高スペックなiMac Proを選ぶのがいいのではないでしょうか。
Mac Proと比較するとiMac Proは安い
ちなみに、iMac ProはMac Proと比較するとかなり安いです。Mac Proは標準モデルでも60万円ですからね。
Mac Proはデスクトップ型のパソコンでディスプレイは別で用意しないといけません。
ProDisplay XDRとセットで購入すると100万超えコースとなってしまいますし、この価格を考えるとiMac Proは安いですよね。
iMacProとiMac 27インチどっちがいい?:まとめ
2017年のiMac 27インチとiMac Proを比較すると圧倒的にiMac Proの方が性能が高くてレベルが違いすぎましたが、2019年3月19日に発売したiMac 27インチ(2019)はCPUの性能が大きく向上したので魅力度がかなり上がりました。
正直なところiMacのこのデザインはベゼルが太くて古臭いデザインです。そろそろ、デザインを完全刷新した正真正銘の新型iMacが欲しいところなので、今回のモデルチェンジはガッカリ感がありました。
しかし、スペック的には魅力的なのでフルモデルチェンジするまでの繋ぎとしては良いモデルす。
(2023年現在、iMac 27インチの後継機種は存在せずiMac 24インチが現行機種となっています。)
→ iMac 24インチはこちら
→ iMacの比較・おすすめはこちら
→ Mac Studio、Studio Displayはこちら
コメントをどうぞ!