2020年モデルのiMac 27インチはフルモデルチェンジはしなかったものの、オプションでディスプレイのガラスを標準ガラスからNano-textureガラス(ナノテクスチャーガラス)にカスタマイズできるようになりました。
Nano-textureガラスはもともとはMac Proの相棒となるPro Display XDRでもオプションで選べて光の反射を抑えディテールを最大限に表現することができるハイエンド仕様のディスプレイとなっています。
ということで、iMac 27インチのNano-textureガラスを搭載したモデルを買ったので、Nano-textureガラスの効果を標準ガラスとの違いを比較していきます。
ちょっと高いので使用環境に合わせてどちらのガラスを選ぶのか決めるのがいいでしょう。ちなみに、Studio Displayもナノテクスチャーモデルがあります。
この記事の目次
Nano-textureガラスとは
オプションで選べるNano-textureガラス
Nano-textureガラスはiMac 27インチ(2020)、Pro Display XDRで選ぶことができる光の映り込みが少ないマットなガラスとなっています。
- iMac 27インチ(2020):+50,000円
- Pro Display XDR:+70,000円
53万円もするPro Display XDRだけの特別なガラスだと思っていただけに、まさか無印のiMac 27インチでもNano-textureガラスを選ぶことができるようになったことにテンションが上がってしまいました。(上がらない?)
映り込みが少ないマットなガラス
Nano-textureガラスの表面には光を散乱させるコーティングが表面に施されていて光の映り込むを防いでいます。
一般的なマットパネルにもこのようなコーティングが施して光の映り込みを防いでいますが、コントラストを低くなり、かすみや不自然な輝きが発生してしまいます。
そんな中で、Nano-textureガラスはNano-textureを実際にナノメートルレベルでガラスに彫り込むことでコントラストを維持しながら光の映り込みを最小限に抑えることができるとのこと。
Nano-textureガラス:レビュー
ということで、実際にNano-textureガラスを搭載したiMac 27インチ(2020)と標準ガラスのiMac 27インチ(2019)を比較してみました。
映り込みの違い・効果を比較
iMacの設置場所によっては映り込みがしやすいしにくいがありますが、窓に対面しているところに設置すると外の光が画面にくっきりと映り込んでしまいます。
Nano-textureガラスを搭載したiMac 27インチになると、カーテンの映り込みが消えて、うっすらと白い光が浮かんでいる状態となります。
従来のiMacでは考えられないほど光の映り込みが抑えることができています。iMacだけでなくMacBook AirやMacBook Proの画面もペッカペカに光が反射しますからね。
斜めから見ると光の反射具合の違いがよく分かります。
見事にカーテンからの光を消し去っています。素晴らしい。よく、Macの画面を撮影することがあるのですが、光の反射がないので撮影しやすくなるのも個人的には嬉しいポイント。
画面が非表示なので映り込みがあるのは当たり前だろ…ってなると思うので、画面が表示している状態でどれくらい見え方が違うのかを比較してみました。
画面の明るさは50%ほどに設定しています。
標準ガラスのiMac 27インチだと窓側のカーテンの光が映り込んでいますが、Nano-textureガラスを搭載したiMacやPro Display XDRはこのように光の映り込みを防ぐことが可能となります。
画質・見え方の違いを比較
一般的なマットガラスは標準ガラスよりもコントラストが落ちて、かすみや不自然な輝きが発生して見にくいと感じることがあります。
そんな中、Nano-textureガラスのiMac 27インチは十分なコントラスを維持しつつマットガラス特有のギラつき感もかなり少ないのでとても見やすいディスプレイとなっています。
とはいえ、Nano-textureガラスと標準ガラスでは見え方には間違いなく違いがあるので、好みは分かれると思います。
実際に画質の違いを比較してみました。環境設定のコントロールパネルの部分を撮影したものです。(左がNano-textureガラス、右が標準ガラスです。)
標準ガラスはクッキリとした画質となっているのに対してNano-textureガラスはソフトな画質となります。ソフトウェアアップデートのアイコンを拡大してみるとこんな感じになります。
標準ガラスはドットがきちんと見えるのに対して、Nano-textureガラスは間にナノコーティングが施されていることで標準ガラスよりもクッキリ感は少なくソフトな描画になっているのが分かります。
どちらも同じ解像度の画面ですが、よりガチッとした画質を求めるならNano-textureガラスは向いていません。ただ、表示される文字がより滑らかに見えるので長時間見ていてもチカチカすることなく作業することが可能。
また、光の映り込みが少なく画面が見やすく動画編集やデザイン制作など作業はしやすいのかなと感じています。色の発色もギュッと詰まった感じ(表現しにくい..)で標準ガラスのディスプレイよりも良いように見えます。
光の反射がなくなり作業性・表現力が向上する
最近はブラックUIを採用したソフトウェアが増えています。
例えば、Final Cut Pro XやAdobeツールなどのデザインツールはほぼ黒色のUIになっているので窓のあるところで作業するとガッツリと光が映り込んでしまいます。
しかし、Nano-textureガラスを搭載していればブラックUIを採用しているクリエイティブツールも光の映り込みのない画面で集中して作業することが可能となります。
また、このような作業環境だけでなく、音楽のPVを見たり、映画を見るのなら間違いなくNano-textureガラスの方が見やすいです。
例えば、YouTube Musicの画面とか真っ黒なので映り込みがないのでコンテンツに集中することができます。これがね、ほんとに見やすくていいんですね。ついつい動画コンテンツを見入ってしまいます。
専用のポリッシングクロスで清掃
Nano-textureガラスを搭載したモデルを選ぶと付属のポリッシングクロスが付属してきます。Appleのマークが刻印された少し硬い素材のクロスとなっていて、これだけでもプレミアム感があります。
画面を清掃するには専用のポリッシングクロスを使う必要があります。
「ポリッシングクロスのみを使って清掃」と記載されていて、市販のマイクロファイバークロスなどを使ってはいけません。ポリッシングクロス以外の素材で清掃するとコーティングを剥がしてしまう可能性があるのでしょう。
汚れが落ちにくい場合はIPAを使っても問題はないようです。IPAって電子機器の基板清掃なんかに使うかなり強力な溶液ですけど大丈夫なんですね。
いずれにしても、Nano-textureガラスは標準ガラスよりも扱いを注意しないといけないのでメンテナンスが面倒くさいと感じる方は選ばない方がいいのかも。
Nano-textureガラスを選ぶ価値はある?
iMac 27インチは+50,000円、Pro Display XDRは+70,000円で標準ガラス → Nano-textureガラスにカスタマイズすることができます。
Nano-textureガラスのメリット
Nano-textureガラスにすることで光の映り込みを防ぐことができます。
- 光の映り込みがほとんどない
- 画面が見やすい、作業に集中できる
- MVや映画がとても見やすい(とくに暗めの映像)
標準ガラスよりもクッキリした画質ではなくソフトな画質となりますが、光の映り込みがないので画面がとにかく見やすいです。
窓際にiMacを設置しないといけなかったり、映り込みが気になる方は選んでもいいでしょう。
Nano-textureガラスのデメリット
標準ガラスからNano-textureガラスのカスタマイズは追加費用になるところがツライところ。
- 価格が5万円〜7万円と高い
- 専用のクロスで清掃する必要がある
追加で5万〜7万円は高いですよね…。5万円追加してまでの価値はあるのかは微妙なところではあります。標準ガラスでも十分キレイな画面ですし、どうしても光の反射を抑えたいという方以外は選ぶ必要性はないでしょう。
また、専用のクロスで清掃する必要があるのでメンテナンスに気を使う必要もあるので今までとは違った付き合いをしていかなといけないので注意しましょう。
ただ、iMacは据え置きで使うマシンです。MacBook Air・Proのように画面の開閉時に画面に触れてしまったり、カバンの中に入れてホコリが画面に付くこともないし画面が汚れる機会はかなり少く問題はないでしょう。
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iMacのメインメモリ、Macのストレージの選び方はこちらをどうぞ。
大変有用な情報でした。
ありがとうございます。