MacBook Pro 15インチは16インチの登場によって通常販売は終了しましたが、Apple公式サイトのMac整備済製品から安い価格で手にできるようになっています。(時期にもよる)
では、MacBook Pro 16インチが発売した今。MacBook Pro 15インチを購入してもいいものなのか。MacBook Pro 15インチ(2019)の整備済製品をレビューしていきたいと思います。(随分前に買ってたけどレビューし忘れてた…)
この記事の目次
MacBook Pro 15インチ(2019)特徴とレビュー
MacBook Pro 15インチは15.4インチのディスプレイを搭載していて16インチよりも本体サイズがすこしだけ小さくコンパクトになっています。また重量も少しだけ軽いので大画面サイズのMacBook Proの持ち運びしやすさを重視するならおすすめです。
- 15.4インチのディスプレイを搭載している
- 16インチよりもコンパクトな本体サイズで軽い
- CPUは6コアプロセッサで性能が高い
- 外部GPU搭載でグラフィック性能がよい
- 16GBのメインメモリを搭載し最大32GBまで増設可
- バタフライ構造のキーボードを搭載している
- タッチバー・Touch IDを搭載している
- USB-Cポートを4つ搭載している
第9世代のIntel Core i7プロセッサを搭載しています。このCPUはMacBook Pro 16インチにも採用されているので基本性能は同じです。
ただし、グラフィック性能は15インチよりも16インチの方が上なのでグラフィック処理をすることが多いならMacBook Pro 16インチを選ぶのがいいでしょう。
MacBook Pro 15インチと16インチのスペックの比較です。
MacBook Pro 15インチ | MacBook Pro 16インチ | |
ディスプレイ | 15.4インチ(2,880 × 1,800ピクセル) | 16インチ(3,072 × 1,920ピクセル) |
CPU | Intel Core i7 2.6GHz(6コア) | |
GPU | Intel UHD Graphics 630 + Radeon Pro 555X(4GB GDDR5) | Intel UHD Graphics 630 + Radeon Pro 5300M(4GB GDDR6) |
メインメモリ | 16GB 2,400MHz DDR4(32GB増設可能) | 16GB 2,666MHz DDR4(32/64GB増設可能) |
ストレージ | 256GB(512GB/1・2・4TB) | 512GB(1・2・4・8TB) |
生体認証 | Touch ID | |
キーボード | 第4世代バタフライ構造キーボード | シザー構造Magic keyboard |
バッテリー | 83.6Wh | 100Wh |
本体サイズ | 34.93 x 24.07 x 1.55 cm | 35.79 x 24.59 x 1.62 cm |
本体重量 | 1.83kg | 2.00kg |
端末価格 | 192,800円(整備済) | 248,800円 |
大きな違いの一つとして16インチはシザー構造のMagic Keyboardを採用しているのに対して、15インチはバタフライ構造キーボードを採用しています。
タイピングの跳ね返りは16インチの方が上ですが、バタフライ構造のキーボードは撫でるように高速タイピングができるので慣れれば使いやすいキーボードとなっています。
MacBook Pro 15インチの整備済製品とMacBook Pro 16インチの標準モデルの価格差は約5万円となっています。少しでも安く高性能で画面の大きなMacBook Proを狙うなら間違いなく15インチモデルがおすすめ。
- 本体サイズが少しだけコンパクトで軽い
- 価格が安いので買いやすい
- 1年間のハードウェア製品限定保証付き
整備済製品は一度使用されたモノですが何らかの問題があり返品されたデバイスをAppleが修理・点検・バッテリーと外装の交換をしたほぼ新品に生まれ変わった製品です。
もちろん、通常版と同じように1年間のハードウェア製品限定保証が付いているので安心して使うことができますよ。
ただし、MacBook Pro 15インチ(整備済)のデメリットもあります。
- US配列のキーボードを選べない
- 負荷がかかるとファンがうるさい
MacBook Proの整備済製品は通常のストアで買うよりも安い金額で買うことができますが、キーボードはJIS配列のみに限られてしまいます。US配列のキーボードを選べません。
また、MacBook Pro 15インチは16インチよりも筐体が薄く排熱能力が劣っていて負荷がかかるとファンがうるさくなります。
おそらくパフォーマンスも落ちてしまうので処理速度を追求するなら16インチを選んだ方がいいでしょう。
Mac整備済製品についてはこちらを参考にしてください。
MacBook Pro 16インチ、MacBook Airのレビューはこちら。
MacBook Proの整備済製品のパッケージ
整備済製品のパッケージは通常版とは異なり製品名と「Apple Certified Refurbished」と記載されたシンプルなものとなっています。
ただ、パッケージデザインが違うだけで中身は通常版と全く同じとなっているので安心してください。
付属品も通常品と同じとなっていて87WのUSB-C対応充電アダプタ、USB-C to Cケーブル、説明書、Appleのロゴシールとなっています。
MacBook Pro 15インチに付属しているUSB-C充電アダプタは87Wタイプとなっています。本体に搭載している4つのUSB-Cポートのいずれかに接続して充電することになり、2〜3時間ほどでフル充電することができます。
純正の電源アダプタは筐体サイズが少し大きいのでサードパーティ製のコンパクトな充電アダプタを持ち歩くのもいいでしょう。家や職場では純正のアダプタを使って外では60Wくらいの小さい充電アダプタを使うといった感じです。
MacBook Pro 15インチ 筐体デザイン
MacBook Pro 15インチの筐体は13インチ、16インチと同じデザインとなっています。2016年モデルから現在のデザインが採用されています。
世代によってデザインが変わらないのもMacBook Proのいいところでもあります。パッと見でいつ発売のモデルか分からないので世代が古くなっても古臭く感じないのがいいですよね。
それにしても、どこから見ても美しいデザインだ…!
本体サイズは34.93 x 24.07 x 1.55 cm、重量は1.83kgとなっています。
画面サイズが15インチと大きいので仕方ないですが、大きいです。重いです。でもMacBook Pro 16インチよりも間違いなくコンパクトで軽いので外に持ち運ぶことが多いなら15インチの方がいいのかも。
MacBook Pro 15インチはバタフライ構造のキーボードにTouch Bar、巨大すぎる感圧式トラックパッドを搭載しています。
整備済製品なのでJIS配列のキーボードになるのでUS配列をお求めの方は注意しましょう。
USB-Cポートを4つ搭載している
MacBook Pro 15インチはUSB-Cポートを4つ搭載していてUSB 3.1 Gen2(10Gbps)・Thunderbolt 3(40Gbps)の高速通信に対応しています。
本体サイド左側にUSB-Cポートを2つ搭載しています。
本体サイド左側にUSB-Cポートを2つ、3.5mmオーディオジャックを搭載しています。
ポートの形状はUSB-Cのみですが全てのポートで充電・画面出力・データ転送ができます。USB-C to CでUSB-C対応の4Kモニターや外付けSSDストレージ、USB-C to HDMIでHDMI対応のモバイル4Kモニターに接続したりできます。
SDカードスロットがないのでSDカードリーダーが必要になります。おすすめはSatechiのUHS-Ⅱ対応のSDカードスロットです。
そんなに大きなデバイスではないですし高速転送ができるUHS-Ⅱ対応のSDカードリーダーも使えるので外付けでもまあ悪くないのかな。といった感じがします。
バタフライ構造キーボードとタッチバー
MacBook Pro 15インチは第4世代のバタフライ構造のキーボードを搭載しています。
バタフライ構造キーボードは2015年のMacBook 12インチから採用されたキーボードで、15インチはMacBook Pro 15インチ(2016)より搭載しています。
キーの高さが0.5mmと低く抑えられていてペチペチとした独特のタイピング感のキーボードとなっています。
MacBook Pro 15インチ(2019)のバタフライ構造のキーボードは第4世代とかなり改良が重ねられたモノになっているので跳ね返りもそれなりにあってタイピング音も静かなので個人的には使いやすいキーボードに仕上がっています。
最新型のMacBook Pro 16インチはマジックキーボードに刷新されましたが、違いを動画で比較してみました。
タイピング音は15インチのバタフライ構造キーボードの方が意外と静かな感じがします。ただ、癖はあるので薄っぺらいキーボードがどうしても慣れないという方も一定数いるのでApple Storeや家電量販店で触ってみるのがいいでしょう。
Touch Barと指紋認証のTouch IDを搭載しているので指で簡単に画面ロック解除をすることができます。
MacBook Pro 15インチは大型の感圧式トラックパッドを搭載しています。
とにかくトラックパッドが大きいのでキーボードをタイピング中にちょっと触れて誤動作してしまうのではないか心配になってしまいますが、macOSはその辺りをきちんと制御しているのでとても使いやすいですよ。
15インチは少しだけ小さくて軽い
MacBook Pro 15インチと16インチ のサイズ差を比較してみました。15インチの方がひと回り小さいサイズになっているので持ち運ぶは少しはしやすいようになっています。
MacBook Pro 15インチと16インチの本体の厚みを比較してみました。16インチ は16.2mmなのに対して15インチは15.5 mmと0.7mmほど薄くなっています。
たった0.7mmだったら違いを感じないのでは?と思うかもしれませんが、筐体自体大きいので0.7mmの差は感じます。
15インチを持ってから16インチを持つと明らかに大きい・重いと感じてしまうので大画面をできるだけ軽くコンパクトに持ち運ぶならMacBook Pro 15インチはおすすめです。
画面サイズは15.4インチ(2,880 × 1,800ピクセル)となっています。
MacBook Pro 16インチ(3,072 × 1,920ピクセル)よりも画面サイズが小さく表示領域も狭いのがわかります。
まあ、このサイズ差をどう感じるかですね。
動画編集をすることが多いなら、少しでも表示領域が広い方が作業しやすいですが資料作成など普通の作業であれば15インチの画面サイズでもなんら問題はないでしょう。
MacBook Pro 15インチ(2019)スペック・性能
CPU・GPUの性能
MacBook Pro 15インチは第9世代のIntel Core i7プロセッサ(6コア)を搭載していて16インチと全く同じプロセッサとなっています。
ちなみに、上位モデルはCore i9(8コア)プロセッサとなっています。ただ、排熱の問題からフルパワーを出すことができないという?
MacBook Pro 15インチ・16インチ(標準モデル)、MacBook Pro 13インチのCPUの性能をGeekbench 5で計測比較してみました。
MacBook Pro 15 | MacBook Pro 16 | MacBook Pro 13 | |
CPU | Intel Core i7 2.6GHz(6コア) | Intel Core i5 2.0GHz(4コア) | |
iGPU | UHD Graphics 630 | Iris Plus Graphics | |
iGPU | Radeon Pro 555X (4GB GDDR5) | Radeon Pro 5300M (4GB GDDR6) | – |
RAM | 16GB 2,400MHz DDR4 | 16GB 2,666MHz DDR4 | 16GB 3,733MHz LPDDR4X |
シングルコアCPU | 1056 | 1043 | 1214 |
マルチコアCPU | 5607 | 5659 | 4447 |
iGPU(OpenCL) | 4957 | 4962 | 8419 |
dGPU(Metal) | 13178 | 20905 | iGPU(8526) |
CPUの性能は同じプロセッサを搭載しているMacBook Pro 15インチ・16インチともにほぼ同じ。MacBook Pro 13インチと比較すると35%ほど性能が高いことが分かります。
CPU内蔵のGPUは13インチのIris Plus Graphics 655の方が上なのでdGPUを使わない作業は13インチの方が性能が高いということになりますね。
まあ、MacBook Pro 15インチ・16インチ での作業は負荷のかかる作業が多くなると思うので、基本的にdGPUが動作した状態で使うことになるのかなぁ…。
SSDストレージの性能
MacBook Pro 15インチのストレージ容量は256GB・512GB・1TB・2TB・4TBから選べます。容量の違いによってSSDの転送速度が異なるので同じ256GBのMacBook Pro 13インチと比較してみました。
MacBook Pro 15 | MacBook Pro 13 | |
書き込み | 1145MB/s | 982MB/s |
読み込み | 2481MB/s | 2325MB/s |
13インチよりも15インチの方が少しだけ転送速度が速いですが誤差範囲とみていいでしょう。
MacBook Pro 15インチのSSDストレージの転送速度はかなり高速なのでアプリの起動、データ保存を高速実行することができます。SSDの性能が高いのでメインメモリ16GBでもそこそこ使うことができますよ。
総合性能の比較
トータルの性能をNovabenchで比較してみました。
MacBook Pro 15 | MacBook Pro 16 | MacBook Pro 13 | |
CPU | Core i7 2.6GHz(6コア) | Core i5 2.0GHz(4コア) | |
iGPU | UHD Graphics 630 | Iris Plus Graphics | |
iGPU | Radeon Pro 555X (4GB GDDR5) | Radeon Pro 5300M (4GB GDDR6) | – |
RAM | 16GB 2,400MHz DDR4 | 16GB 2,666MHz DDR4 | 16GB 3,733MHz LPDDR4X |
総合性能 | 1866 | 2159 | 1528 |
CPU | 1159 | 1153 | 847 |
GPU | 315 | 547 | 259 |
RAM | 263 | 271 | 288 |
Disk Speed | 256GB:129 | 512GB:186 | 512GB:134 |
MacBook Pro 16インチの総合性能が高くなっているのは標準モデルのストレージ容量が512GBになったこと、グラフィック性能が大幅に向上したためです。15インチでも512GBモデルを選べばDisk Speedのスコアは伸びるものと思われます。
ちなみに、MacBook Pro 15インチは16インチよりも本体が薄いこともあり排熱性能があまり良くありません。同じような作業をしていても15インチの方が排熱ファンの回転数が上がり煩くなります。
また、15インチは長時間の使用だと熱によりCPUのパフォーマンスが落ちてしまうことあるので安定した作業を求めるなら16インチの方がいいかもです。
MacBook Pro 15インチ バッテリー持ち
MacBook Pro 15インチのバッテリー容量は83.6Whと16インチ の100Whよりも少なくなっています。
モデル | MacBook Pro | |
---|---|---|
サイズ | 15.4インチ | 16インチ |
バッテリー容量 | 83.6Wh | 100Wh |
最大駆動時間 | 10時間 | 11時間 |
電源アダプタ | 87W USB-C | 96W USB-C |
公式では最大10時間のバッテリー持ちとなっていますが、実際はどれくらい電池持つのが15インチと16インチで比較をしてみました。Safari、Chromeを起動してブログの執筆、Photoshopによる画像編集を合間にしながらの使用環境となっています。
モデル | MacBook Pro | |
---|---|---|
サイズ | 15.4インチ | 16インチ |
0:00 | 100% | 100% |
1:00 | 76% | 85% |
2:00 | 58% | 64% |
3:00 | 39% | 44% |
4:00 | 18% | 24% |
5:00 | 0% | 5% |
約5時間くらいでバッテリーが0%になってしまいました。間違いなく10時間のバッテリー駆動時間はないので覚悟しておきましょう。通常使いなら4時間〜5時間くらいのバッテリー持ちといった感じがします。
なので外で長時間作業する場合は高出力のモバイルバッテリーがあった方がいいかもしれません。最大60Wの出力ができるモバイルバッテリー・RAVPower RP-PB201なんかおすすめですよ。
https://sin-space.com/entry/ravpower-rp-pb201
15インチ(整備済)と16インチの価格の違いを比較
MacBook Pro 15インチ(整備済製品)と16インチの端末価格の違いを比較してました。
MacBook Pro 15(整備済) | MacBook Pro 16 | |
Core i7(6コア)・256GB/16GB RAM | 192,800円 | – |
Core i7(6コア)・512GB/16GB RAM | 216,800円 | 248,800円 |
Core i9(8コア)・512GB/16GB RAM | 226,800円 | 277,800円 |
Core i9(8コア)・1TB/32GB RAM | 282,800円 | 343,800円 |
MacBook Pro 15インチ(整備済製品)の標準モデルなら192,800円で買うことができます。
16インチの標準モデルよりも56,000円も安いので広大な画面サイズ、シザー構造のMagic Keyboardに興味がないなら整備済製品のMacBook Pro 15インチを選んでも良さそう。
ちなみに、2020年3月に入ってからMacBook Pro 16インチの整備済製品が出たことあるので最新型が欲しい方は待つという選択肢もあります。
MacBook Pro 15インチ 整備済製品を買うべき人
では、最後にMacBook Pro 15インチをおすすめできる人、できない人をまとめたいと思います。なお、15インチモデルは2019年モデルが最終モデルとなり今後は16インチが発売されていくことになるのでその辺りは考慮しておきましょう。
- 大画面を持ち歩きたい、どこでも作業したい
- 少しでも安く高性能なMacBook Proが欲しい
- バタフライ構造のキーボードが気に入ってる
MacBook Pro 15インチを今選ぶ最大の理由は「安い」ことです。
16インチは248,800円〜ですが、15インチは整備済み製品で192,800円〜で買うことができます。しかもほぼ新品で1年保証も付いてるので中古で買うよりも安心感があります。
- 少しでも大画面で作業をしたい
- 少しでも高性能なMacBook Proが欲しい
- 負荷がかかると排熱ファンがフル回転する
- バタフライ構造のキーボードが苦手
- 整備済製品はJIS配列しかない
MacBook Proの大画面モデルの最新型はMacBook Pro 16インチです。なので、性能は間違いなく15インチよりも16インチの方が上です。少しでも高性能なスペックを求めるなら16インチの方がいいでしょう。
また、整備済製品はJIS配列のキーボードしか選べないのでUS配列に慣れている方は買うことができません…。US配列も出てきて欲しい…。
→ MacBookの比較はこちら
→ Macのストレージ・MacBookのメモリについて
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