ARMプロセッサを搭載したSurface Pro Xがついに日本でも発売です!新設計された本体はスリムで美しい!Surface Penもキーボードに収めることができるスゴイやつ!!
でも、下手に手を出してしまうと扱いに困るほどじゃじゃ馬モデル…!!というわけで、Surface Pro Xを購入してみました。やっぱり、新世代の端末って気になっちゃうんですよ…。
ここでは、Surface Pro Xの特徴・出来ること・できないこと・スペック・使いやすさなどをレビューしています。Surface Pro Xってどんなパソコンなの…って思ってる方は参考にしてください。
この記事の目次
Surface Pro Xの特徴
ARMベースのMicrosoft SQ1プロセッサ
Surface Pro XのSoC(システム・オン・チップ)は従来のIntelではなくSnapdragonをベースにMicrosoftと Qualcommが共同開発したMicrosoft SQ1を搭載しています。(2020年10月にSQ2を搭載した上位モデルが発売となります。)
- Surface Pro 7(Intel Core i3・ i5・ i7):x84・x64
- Surface Pro X 標準(SQ1プロセッサ):ARM64
- Surface Pro X 上位(SQ2プロセッサ):ARM64
ARMアーキテクチャはスマホ・タブレットで広く採用されているSoCです。
AppleのiPhone・iPadのAプロセッサ、多くのAndroidスマホに採用しているSnapdragonなどもARMをベースとしたSoCとなっています。
ARMアーキテクチャのSoCは様々なチップがパッケージングされているモバイルプロセッサで基板を小さくし省電力化・発熱を抑えることができ本体サイズを薄くすることが可能となります。
Surface Pro 7 → Surface Pro Xにより本体の厚みが8.5mm → 7.3mmと1.2mmも薄くなってます。
もうね、タブレット並みの薄さですよね。
アーキテクチャはプロセッサの基本設計みたいなもの。それぞれの設計に合わせてアプリが開発されているので、お互い互換性はなく従来のWindowsアプリはSQ1プロセッサで動作させることはできません。
そこで、Surface Pro Xは従来のx86アプリをエミュレーションすることでARMプロセッサで動作させる仕組みを採用。ARMプロセッサでありながら従来のWindowsのソフトウェアを動かすことができるようになっているのです。
対応している使えるアプリケーション
デスクトップの見た目は従来のWindowsと同じです。
なので、いつものWindowsのソフトウェアが使えると思ってしまうのですが、対応アプリに制限があるので注意しましょう。
アーキテクチャ | Surface Pro X | Surface Pro 7 |
---|---|---|
x86(Windows 32bit) | エミュレートで対応 | ネイティブ対応 |
x64(Windows 64bit) | ×(11月以降にbeta版より対応) | ネイティブ対応 |
ARM64(Windows ARM) | ネイティブ対応 | × |
Adobeの制作ツールはPhotoshop、Illustratorをインストールできますが最新の64bitに対応したバージョンはインストール不可。32bitの旧バージョンはインストールが可能となっています。
他にも、Acrobat DC・Indesign・Brige・Dreamweaver・InCopy・Fuse CCの32bit版はインストール可能。LightroomとPremiere Proは64bit版しか公開しておらずSurface Pro Xで使えないので注意です。
なお、2020年11月以降にx64(Windows 64bit)のエミュレートもbeta版よりできるようになるということで、一般ユーザーにも近いうちに提供されることになれば、Surface Pro Xで基本的に動かないソフトウェアはなくなるということになります。
ARMに対応しているアプリは?
Surface Pro Xは基本的にx86対応のアプリをエミュレートして使うことになります。Microsoft OfficeはARM64に対応しておらずx86版をエミュレートしているみたい…
ただ、いずれARMに対応したネイティブアプリが登場すると思うので時間が解決してくれるでしょう。
ウェブブラウザのEdgeは「Microsoft Edge Canary」というバージョンをインストールすることでARMネイティブ動作したウェブブラウザを手に入れることができます。(現在は正式版がARM64に対応しネイティブに動作しています。)
まだ正式版ではないのですが、通常のx86版のEdgeよりも動作が速くて安定しています。実際にARM対応のネイティブ動作するEdgeとエミュレーションしているEdgeの動作速度を比較してみました。
明らかにネイティブ動作しているEdgeの方がサクサク動作しているのが分かりますね。なお、現在のedgeは正式版もARM64に対応してネイティブに動作しているので、このように動作が遅い現象は解消されています。
ARMにネイティブに対応することで、Surface Pro Xでもかなり快適に使うことができるのでこれからに期待です。
eSIM・nanoSIMでLT通信ができる
Surface Pro Xに搭載しているSQ1プロセッサはLTEモデムを内蔵したSoCなので、nanoSIMカードを入れるかeSIMを契約でモバイル通信も可能となっています。
eSIMに対応している通信業者はau、GigSky World Mobile Data、Ubigiの3社となっています。
auの「LTEデータプリペイド」は1GBで1,500円なのでちょいと高いです。
なので、格安SIMのデータSIMカードをSurface Pro Xに入れて使うのがいいでしょう。僕はmineoのauプランのSIMカードを入れて使うことにしました。
SIMカードを入れると自動的にカードを認識されるのでAPNの設定をするとモバイル通信ができるようになります。
スマホと同じ感じで設定できるので迷うことなく使い始めることができますよ。
これで、どこでもいつでもモバイル回線で作業ができるぞ…!
なお、Windowsは有能でモバイル通信をしているときはOneDriveとの同期がストップするようになっているので気付かないうちにデータ通信をして制限をくらうとことはないので安心してください。
Surface Pro X レビュー
スペックを比較
Surface Pro Xのスペックは以下のとおりです。
Surface Pro X | Surface Pro 7 | |
ディスプレイ | 13インチ | 12.3 インチ |
解像度 | 2880 × 1920ピクセル | 2736 ×1824ピクセル |
CPU | Microsoft SQ1/SQ2プロセッサ | 第10世代Intel Coreプロセッサ |
RAM | 8GB・16GB | 4GB・8GB・16GB |
SSD | 128GB、256GB、512GB(交換可能なSSD) | 128GB、256GB、512GB、1TB |
カメラ | リア:1,000万画素、フロント:500万画素 | リア:800万画素、フロント:500万画素 |
サイズ | 287 x 208 x 7.3 mm | 292 x 201 x 8.5 mm |
重量 | 774g | 775g |
ポート | USB-C × 2、Surface専用の充電ポート | USB-C × 1、USB-A × 1、Surface専用の充電ポート |
スタイラスペン | Surface Slim Pen | Surface Pen |
オーディオ | Dolby Audio Premium(2Wステレオスピーカー) | Dolby Audio Premium(1.6Wステレオスピーカー) |
バッテリー駆動時間 | 最大13時間/15時間 | 最大10.5時間 |
通信性能 | Wi-Fi 5(ac)、LTE Advanced Pro、Bluetooth 5.0 | Wi-Fi 6(ax)、Bluetooth 5.0 |
価格 | 142,800円〜 | 99,800円〜 |
Surface Pro 7よりも画面サイズが大きいのにベゼルレスにすることで本体サイズを小型化しています。
USBポートもType-Aを廃止してType-Cを2ポート搭載しています。専用の充電コネクタも使えるので充電しながらでもUSB-Cポートを2つ同時に使うことができるのは素晴らしい。
パッケージ・付属品
Surface Pro Xは白色ベースのシンプルなデザインのパッケージとなっていて、開封すると保護フィルムに包まれた本体が収められています。
本体下に説明書、充電アダプタなどが収められています。
Office Home & Business 2019が付属してるんですね。買うときに有無を選べなかったので標準で付いてくるのでしょう。
1台のパソコンしかインストールすることができませんが、なんだかんだでWord、Excelは使うものではあるので、あって困ることはないのかな。
ちなみに、Surface Pro XはLTE通信にも対応していてnanoSIMカードを本体に入れることができるようになっています。そのスロットを開けるためのピンも付属しています。
Surface Pro Xの専用充電器はMicrosoft Connectを搭載した65Wの高出力の充電アダプタとなっています。
Microsoft Connectは磁力でコネクタが固定される構造となっているのでケーブルを足で引っかけたとしてもコネクタが外れて本体が飛んでいってしまう心配のないケーブルとなっています。
MacBook Air 2017など旧型のMacもMagSafeコネクタというのが採用されてましたが、それのMicrosoftバージョンみたいなものですね。
あー…MacBook Air・Proも復活してほしい…
Surface Pro Xの充電アダプタにはUSB-Aコネクタが付いています。
出力は5Wなのでスマホやワイヤレスイヤホンくらいしか充電できないですが、埋まったコンセントを一つ補充することができるの嬉しい仕様ではないでしょうか。(使わないと思うけど)
外観デザイン
Surface Pro Xは従来のSurface Pro 7と同じスタイルを継承していますが、画面がベゼルレスになってよりスリムになったデザインとなっていっています。
タブレットとして
本体にはキーボードはなく基本スタイルはタブレットそのものですね。
Surface Pro 7よりも狭額(エッジトゥエッジ型スクリーン)なので画面の占有率が高く画面サイズが12.3インチから13インチに大きくなっているに、本体サイズが小さくなったのが特徴的です。
- Surface Pro 7 → Surface Pro X
- 画面サイズ:12.3インチ → 13インチ
- 縦サイズ:201mm → 208mm
- 横サイズ:292mm → 287mm
- 厚み:8.5mm → 7.3mm
- 重量:775g → 774g
筐体素材は 陽極酸化アルミニウムを採用しています。Surface Proシリーズはずっとマグネシウム素材を採用していたのにSurface Pro XはMacBookと同じアルミニウム素材になってしまいました。
真っ黒なアルミボディってあまり見ないのでカッコイイですよね。ただ、指紋がとにかく付きやすいのが困ったところ。しかも、指紋をふき取ってもちゃんと取れないので使っていくうちに汚れはかなり目立ってくるんじゃないのかな。
本体サイズが似ているiPad Pro 12.9インチ(第3世代)と比較してみました。
iPad Proの画面は縦横のベゼル幅は同じとなっていますがSurface Pro Xの画面の縦横のベゼル幅は異なっていて縦持ちをするなら画面に触れることができますが…
横持ちするとベゼル幅が狭すぎて少し持ちにくいかもです。
まあ、そもそもタブレットとしてSurface Pro Xを使う機会は少ないような気はしますけどね。
一応、Windowsは「タブレットモード」というものがありタッチ操作に特化したモードが存在し、アプリのアイコンがタッチしやすいようになっています。
Surface Pro Xは従来のモデルと同じようにスタンドを内蔵していて、スタンドを開いて画面を立てかけることができるようになっています。
スタンドの角度の可変域は広いので画面の角度を付けることもできれば、寝かせる感じにすることもできます。
Surface Proシリーズは本体のスタンドで自由に画面角度を変えることができるのは便利で使いやすいですね。
パソコンとして
Surface Pro XはSignatureキーボードを接続することでキーボードスタイルで作業することができます。
今回はUS配列のSignatureキーボードを選択したので、かなりスッキリとしたスタイルとなっています。
やっぱり、US配列のキーボードはタイピングしやすいです。JIS配列のホームポジションは左にズレていますが、US配列はホームポジションがしっかりセンターにあるのでタイピングがとてもしやすい。
ただし、日本語モードと英数字の切り替えは「Alt + `」での切り替えとなるので注意です。「Alt」ボタンにMacみたいに「英かな」を割り当てようにもアプリがx86に対応してなくてできないので。
Signatureキーボードを装着した状態でスタンドを立てかけないといけないので、これだけのスペースが必要となります。
後ろ側からのスタイルはこんな感じです。
Surface Pro Xはリアカメラを搭載しています。
リアカメラは1000万画素のイメージセンサーを搭載していてカメラアプリを使って撮影ができるようになっています。
カメラの画質はそんなに良くないので使う機会はほとんどないように感じますが、QRコードを読み取るなどの用途で使うことはできる感じです。
フロントカメラは500万画素のイメージセンサーを搭載していて、顔認証機能・Windows Helloにも対応しています。
パソコンの顔認証機能ってほんとに便利ですよね。
スリープ状態からキーボードを叩いてスリープ解除するだけで画面ロック解除ができちゃう。ちなみに、iPad Pro 11インチ・12.9インチ(第3世代)も顔認証に対応していて、同じように画面ロック解除ができるようになっています。
Surface Pro Xの本体右側に電源ボタン、Surface Connectがあります。
Surface Connectをこんな感じに接続して充電することになります。
磁力でくっついているのでケーブルを引っかけてしまっても簡単に外れるので本体ごと床に叩きつけられることはありません。
また、専用の充電アダプタは65Wの高出力タイプで1.5時間でフル充電することが可能となっています。ノートパソコンをこの時間でフル充電できるのはなかなかスゴイ。
本体左側には音量ボタン、USB-Cポートを二つ搭載しています。
もちろん、充電はUSB-Cポート経由からも充電することができるのでモバイルバッテリーを使って外で充電することも可能です。30W出力もあれば問題なくすることができるので、使えるモバイルバッテリーはかなり多いのかなと思います。
https://sin-space.com/entry/ravpower-rp-pb186交換できるSSDとSIMカードスロット
Surface Pro XのSSDストレージはユーザーが簡単に交換できる構造となっていて、キックスタンドを開くとSSDとSIMカードスロットにアクセスできるようになっています。
Surface Pro XのSSDストレージは、2.4 mm T3 トルクスネジを1本外すことで簡単にSSDを取り外しできるようになっています。
容量の大きいモノに交換できるので、128GBモデルを買ったけど長く使っていく上で容量が足りなくなったら512GBのSSDに簡単に交換することができるのです。
ただ、特殊なSSDなのでどこで手に入れればいいのかな。Microsoft Storeに売ってるのかな?
US配列 Signature キーボード(スリムペン付)
Signatureキーボードには専用のコネクタとSurface Pro Xを接続するタイプとなっています。
有線で接続されてるのでバッテリーを気にする必要はないですし、キーボードの入力に遅延は一切ないのがいいですよね。
キーボードは地に設置しておくこともできますし…
折り曲げてキーボードに傾斜を付けることもできます。
ただし、キーボードに傾斜を付けてしまうと画面下のアプリランチャーをタッチしにくくなるデメリットもあります。キーボードでの作業がメインなら気にしなくてもいいですがタッチ操作でアプリを起動したりすることが多使いにくいかも。
Signatureキーボードは一般的なシザー構造のキーを採用しています。
キーピッチは約19mm、キーストロークは約1mmとなっていて、Surface Go2のキーボード(約1.2mm)よりも薄くなっているのかな。
タイピング音はとても静かなので喫茶店などで高速タイピングしたとしても「うるさい!」って嫌な顔をされることはないでしょう。MacBook Pro 16インチのMagic Keyboardよりもタイピング音は静かですよ。
バックライトを内蔵しているので暗いところもでもキーを光らすことができます。これがiPadのスマートキーボードよりも素晴らしいポイントですよね。やっぱり、夜のキーボードは光らないとダメです。
で、Surface Pro Xの新しい試みとしてスタイラスペンのSurface Slim Penをキーボードに収めることができるようになっているところ。
ワイヤレス充電に対応しているので、このようにSurface Slim Penをキーボードカバーに収めておくだけで充電することができます。持ち運ぶときもペンが落ちてしまうことがないのですごく良い構造ではないでしょうか。
Surface Slim Penは物理ボタンを搭載していて、ツールを切り替えたり、選択範囲モードに切り替えたりすることができます。
さらに、Surface Slim Penのお尻側にもボタンを搭載しています。
このボタンを押すことでスクリーンショットを撮影することができたり、さらにお尻の部分は消しゴムとしても使うことができるようになっているのでモード切替をしなくても書いた文字を消すことができます。
Surface Slim Penで文字を書いてみました。
iPad Proのように120Hzのディスプレイではないので追従性能はかないませんが、遅延は少ない方だと思うし比較的書きやすいペンシルになっていますよ。
CPU・GPU・SSDの性能
Microsoft SQ1は Qualcommと共同開発したSoCでパワフルかつ省電力性能に優れたモバイルプロセッサです。
性能はいかほどかベンチマークアプリ・Geekbench 5(x86バージョン)で計測してみました。
ちなみに、今回購入したモデルのメインメモリは8GBとなっています。エミューレートを挟んでの計測なので正確性は不明ですが、x86対応のアプリケーションを使う時の動作速度の参考にはなるのかなと思います。
プロセッサ | Microsoft SQ1 | Snapdragon 855 | A12 Bionic |
---|---|---|---|
デバイス | Surface Pro X | Pixel 4、Xperia 5、Galaxy S10… | iPhone XS/XR、iPad Air3、iPad mini 5 |
シングルコアスコア | 727 | 602 | 1106 |
マルチコアスコア | 2766 | 2436 | 2706 |
Pixel 4、Xperia 5、Galaxy S10はSnapdragon 855を採用していますが、Microsoft SQ1は855よりも高いスコアとなっているようで、iPhone XRなどに採用しているA12 Bionicプロセッサと近い性能となっていますね。
グラフィックスチップはSQ1プロセッサにAdreno 685を内蔵しています。GPUの性能を32bit版ドラゴンクエストⅩのベンチマークアプリで計測してみました。
解像度をフルHD、グラフィック設定は標準にしましたが、普通に動作しており、たまに処理落ちすることがありましたが滑らかに動作したのでこれくらいの3Dゲームでx86(32bit)に対応しるならSurface Pro Xでも遊ぶことができそうです。
なお、2020年10月に発売されるSurface Pro Xの上位モデルに搭載されるSQ2プロセッサの詳細はまだ分かってないですが、SQ1よりもマルチタスク性能が向上しているとのこと。
さらに、バッテリー駆動時間が13時間から15時間に長くなってるので、電力効率が向上したプロセッサと見ていいでしょう。
Surface Pro Xはユーザーが交換できる特殊SSDを搭載していますが、サイズはとても小さいものになっているようですね。
ということで、CrystaDisMarkを使ってSSD速度を計測してみました。ちなみに、ARMネイティブで動作しているようです。
デバイス | Surface Pro X | MacBook Pro 16 | MacBook Air |
---|---|---|---|
ストレージ容量 | 128GB | 512GB | 128GB |
Seq QD32(Read) | 1664 MB/s | 3413 MB/s | 1641 MB/s |
Seq QD32(Write) | 262 MB/s | 1395 MB/s | 431 MB/s |
参考までにMacBook Air 2018のSSDも計測してみましたが、読込速度は1600MB/sと同じくらい、書き込み速度は260MB/sと少し遅い傾向があるようですね。
SSDは容量によって速度が異なるので、256GB・512GBモデルのSurface Pro Xならもっと速度が出ているはずでもっと快適に動作しているはず。少しでも快適に作業したいなら容量は大きいモデルを選ぶのがいいでしょう。
4Kモニターとの接続もできる
Surface Pro XはUSB-Cポートを二つ搭載していますが、USB-C対応の4Kモニターと接続することでケーブル1本で画面出力が可能となっています。
4K解像度でも60Hzのリフレッシュレートで画面出力ができるので意外と普通に使うことができます。ただ、負荷がかかるので動作は少しモッサリになってしまうので注意です。
Surface Pro Xのスタンドは可動範囲が広いので画面をここまで倒してデュアルモニター環境を構築することができます。4Kモバイルモニターをメイン画面にしてSurface Pro Xをサブモニターとして使うこともできますよ。
バッテリー駆動時間
Surface Pro XはモバイルプロセッサのMicrosoft SQ1を搭載し従来のモデルと比べて省電力になっているといわれています。では、実際にどれくらいのバッテリー駆動時間を実現しているのか確かめてみました。
使用環境はARM対応のブラウザ・Microsoft Edge Canaryでブログの執筆しながらTwitterするといった感じなので、負荷はあまり掛からない環境下といっていいでしょう。
ARM Edge | x86 Edge | |
0分 | 100% | 100% |
1時間 | 86% | 83% |
2時間 | 74% | 61% |
3時間 | 60% | 37% |
4時間 | 49% | 18%(途中から省電力モード) |
5時間 | 36% | 0% |
6時間 | 21% | – |
7時間 | 9%(省電力モード) | – |
7.5時間 | 0%(省電力モード) | – |
実際はマルチタスクでいろいろなアプリを起動して作業することになるので、もう少しバッテリーの持ちは悪くなってフル充電から6時間くらいが実際に使える時間になるでしょう。
ちなみに、エミュレート動作させないといけないGoogle Chromeの作業だとバッテリー消費は激しくなってしまい感覚としてフル充電で5時間ほどの電池持ちとなっています。
なお、上位モデルのSQ2プロセッサを搭載したモデルは電池持ちが少しだけ向上していまます。
Suface Pro X レビュー:まとめ
Surface Pro Xのメリット
Surface Pro XはARMアーキテクチャを採用した従来のSurface Pro 7とは全く異なるパソコンとなっていて同じ感覚で買ってしまうと大変なので注意です。それでも、従来のモデルよりも本体サイズがコンパクトでモバイル通信に対応しているのは心強いですよね。
- 本体サイズが薄くコンパクト、持ち運びしやすい
- LTE通信対応でどこでもインターネット接続ができる
- Surface Slim Penをキーボードに収納できる
- バッテリー持ちが良い(ARMアプリを使っている時)
- 顔認証機能で画面ロック解除が楽で快適
発売当初から時間が経過したのもあり、ARM版のWindowsも安定してきた感じがあるので、以前と比べてらSurface Pro Xの使いやすさは向上しています。
ブラウザの動作など一般的な使い方であれば、Surface Pro Xで作業しても十分こなすことができます。また、2020年11月以降に64bitのエミュレーターも(ベータ版)で解禁されるので、近い将来で使えないアプリがなくなって使いやすい端末になる可能性が出てきました。
Surface Pro Xのデメリット
Surface Pro Xのデメリットは使えるアプリが限定してしまうという点ですが、これは時間がいずれ解決してくれます。もう少し待ったらそこそこ使える端末になるのではないでしょうか。
- 使えるアプリが限定されてしまう
- x86アプリを使ってるとフリーズすることがある
- 本体が汚れやすくふき取りにくい
- 端末価格が少し高い(キーボード込みで16万円)
ハードウェアとしてはとてもいい端末なので、少し癖があるところを我慢できるならSurface Pro Xはおすすめです。
どんな人がSurface Pro Xを買うべきか
Surface Pro XはARMアーキテクチャに対応したモデルです。
使う側から見たら内部設計の違いはどうでもいいところ。しかし、現実問題としてSurface Pro 7で動作するアプリがSurface Pro Xで使うことができないなど同じ感覚で購入すると痛い目にあってしまいます。
とくにAdobeの制作ツールは32bit版なら動かすことができますが、最新のバージョンは64bitに移行したものがほとんどでLightroom・Premiere Proはインストールすらできないので注意ですよ。
この価格帯のパソコンで Lightroom・Premiere Proが使えないというところをどう見るか。かなり痛いですよね…。なので、普通に作業をしたいなら普通のSurface Pro 7を選ぶべきなんでしょう。
では、このSurface Pro Xを買うメリットはなんなのか?それは、完全に新しいデバイスが好きな人が手にする端末…といっていいでしょう。
現時点ではARM64でネイティブに動作するアプリがほとんどないのでx86のアプリをエミュレートで起動することになります。しかし、動作がモッサリしていてお世辞でも使いやすいなんて言えません。イラッとします。
あと、ARM版のWindows 10も不安定さが目立ちます。フリーズすること多いですしブルースクリーンが出ることもあります。まだまだ、安定していないな…といった感じ。
1年後くらいにARM版のWindowsに対応したアプリが増えたときに、Surface Pro Xがホントの新世代のプロモデルになる可能性はあるのでMicrosoftの腕の見せ所といったところでしょうか。
さあ、Surface Proは化けることができるのか。1年後が楽しみですね。
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