MicrosoftのタブレットPC・Surface Goは10インチディスプレイを搭載したSurfaceの小型モデル。
Surface Goの10インチの画面サイズはiPadを意識したものになっておりフルバージョンのWindows 10を動作できるので小型PCとして気になっている方も多いでしょう。
ということで、Surface Go(Pentium Gold・64GB eMMC・4GBRAM)と専用のタイプカバーを手に入れたので開封レビューとともに使用感について書いていきたいと思います。
この記事の目次
Surface Go レビュー
今回手に入れたSurface Goのスペックは一番安く買うことができるストレージ容量が64GBしか搭載されていない最小構成モデルです。
Surface Go | ||
CPU | Intel 第7世代 Pentium Gold 4415Y (2コア 1.6GHz) |
|
GPU | HD Graphics 615 | |
RAM | 4GB DDR3 SDRAM | 8GB DDR3 SDRAM |
ストレージ | 64GB(eMMC) | 128GB(SSD) |
価格 | 64,800円 | 82,800円 |
Surface Go(64GBモデル)であればタイプカバーとSurfaceペンを買ったとしても10万円程度に抑えることができるので、安くSurfaceを手に入れるには良い選択肢になるのかなと思います。
(といって高いけどね。この価格ならiPad Proで一式揃えることも可能。ただ、どうしてもWinodwsを使いたいという方にとっては良い選択肢になることは間違いないと思います。)
パッケージ・付属品
Surface Goのパッケージです。どことなくA社を思い浮かべてしまうデザイン。
蓋を開けるとSurface Goがドーンとお披露目です。
本体下に電源アダプタ一体型の充電ケーブル、説明書、Office Home & Business 2016のライセンスキーが同梱されています。
Office…いらないよねー。というのもOffice 365にすでに加入してるし完全に必要ないマンです。
ここに記載されているライセンスキーを入力することで使うことができるようになります。
外観デザイン
Surface Goは上位モデルのSurfaceを踏襲したデザインとなっており、キックスタンド部分にWinodwsのロゴマークが刻印されています。
筐体素材にはマグネシウムが採用されているのですがアルミ素材のiPadと比べて手で持った感触は柔らかい印象があります。どちらの方がいいとかではないですが、マグネシウム素材の手触りも悪くない感じです。
本体上部に電源ボタンと音量ボタンが搭載されています。
背面部分に800万画素のカメラも搭載されいているので、Surface Goで撮影した画像をそのまま加工してサイトに使用したり活用することができます。動画撮影はフルHDに対応しています。
Surface Goの左サイドは特に何もありません。キックスタンドを開くための切込みがあるだけになっています。
右サイドにヘッドフォンジャック、USB-Cポート、充電用のsurfaceコネクトが搭載されています。
Surface Goの電源コネクターは旧MacBook Proに採用されていたMagsafeのように磁石でくっつく構造となっており、なんか懐かしさを感じてしまいます。
Surfaceコネクトは専用のアダプタ・Surfaceドックを使うことでHDMIやUSBなどの接続ポートを拡張することができるようになっています。USB-Cについては後述しますが、USB-Cに対応している外部モニターと接続することも可能となっています。
キックスタンドを使った状態です。本体だけで立てかけることができるのは便利ですね。(何をいまさら。)
後ろから見たSurface Goはこんな感じ。筐体がマグネシウム素材なので質感はいい感じです。
本体内蔵型のキックスタンドに批判的な印象を持っていましたが、けっこういいかもしれないですね。膝の上でも普通に立てかけて作業をすることができるし、画面角度も自由に調整することができるし、使いやすいですねー。
なお、キックスタンド裏にマイクロSDカードスロットが搭載されています。
Surface Goの最小構成モデルは64GBと容量が少なく、あっという間に容量がいっぱいになってしまうので気軽にストレージ容量を増やすことができるのは便利です。
タイプカバーの使いやすさは?
本体下部にはタイプカバー接続用の端子が搭載されています。
タイプカバー側にも同じような端子が搭載されており近づけると…
強力な磁力により引き寄せ合ってガッチャンと装着されます。
iPadよりも強力な磁石を搭載しているのかそう簡単に外れることはなさそうですね。iPadの場合はカバーだけ持ってしまうと外れてしまうことがたまーにありますが、Surface Goはカバーだけで持ったとしてもそう簡単に外れることはなさそう(たぶん)です。
キーボードのタイピング感
キーはいたって普通のタイプとなっており極端にキーの厚みが薄いということもなく、タイピング感をしっかり得ることができるので打ち心地はいい感じです。ただし、キーボードの横幅が10インチサイズということもあり少し狭さを感じてしまいます。
規格上はフルサイズキーボードなのかもしれませんが、キーが少しだけ小さめに設計されているのかタイピングミスは結構してしまいますね。iPad Pro 10.5のスマートキーボードで少し小さめのキーボードにはまあまあ慣れているはずなのですが、タイピングミスが多い。なぜなんだろう。慣れの問題なのかな?
トラックパッドの大きさ
なお、Surface Goのタイプカバーにはトラックパッドが搭載されておりパソコンと同じように使うことができます。Windowsを搭載しているSurface Goならではと言っていいでしょう。
トラックパッドは特に大きいということはありませんが、必要最低限サイズといった感じです。反応もとても良くて使いやすいと思います。
ファブリック素材で手触り良好
タイプカバーの内側はファブリック素材が採用されているので手触りは良好です。
Surface Goのタイプカバーは「Surface Go Signature タイプカバー」と少し価格が安い「Surface Go タイプカバー」の2種類あります。
- Surface Go Signature タイプカバー:15,400円
- Surface Go タイプカバー:11,800円
今回購入したのは安い方のSurface Go タイプカバーとなっています。
高い方と何が違うのかよく分からないのですが、Surface Go タイプカバーの表面はファブリック素材が採用されています。撥水加工はされていると思いますが、長く使っていくと汚れが目立ってくる可能性はありそうですね。
iPad Proのスマートキーボードと違ってボコボコしていないのでデザインはSurface Go タイプカバーの方が好きですね。
手触りもとてもいい感じです。 Surface Goにタイプカバーを装着した状態で約773gということでかなり軽くて持ちやすいです。
CPU・GPU・RAM・SSDのスペック
Pentium Gold 4415Yの性能について
Surface Goに搭載されているCPUはIntelの第7世代のCoreプロセッサ・Pentium Gold 4415Yが搭載されています。
いわゆるIntelのYシリーズのコアプロセッサとなっており1.6GHzで駆動するデュアルコアプロセッサです。
PentiumブランドはCoreブランドよりも下の位置付けされたプロセッサとなっていますが、これでも2コア4スレッドに対応しておりマルチタスクに最適化されたプロセッサとなっています。
GeekBench 4でPentium Gold 4415Yの性能を計測してみると…
…という結果に。このスコアはMacBook 12インチ(2015)に搭載されていたCore M-5Y31 @1.1GHz(シングル:2479、マルチ:4416)よりも低い性能となっています。
参考までにMacBook 12インチ(2017)と無印のiPad(第6世代)のCPUと比較するとこんな感じです。
モデル | Surface Go | iPad(第6世代) | MacBook 2017 |
---|---|---|---|
CPU | Pentium Gold 4415Y | A10 Fusion | Intel Core m3-7Y32 |
シングルコアスコア | 2044 | 3461 | 3522 |
マルチコアスコア | 3894 | 5890 | 6656 |
OSが違うから比較も何もって感じですが、軽量OSのiOSを搭載しているiPad(第6世代)に搭載しているA10 Fusionチップよりも性能が及ばないということは、それなりの操作感しか得ることができないというのは覚悟しておくべきでしょう。
GPUの性能についてもGeekBench 4で計測をしてみました。
GPUの性能もiPad(第6世代)と12インチMacBook 2017で比較をしてみました。
モデル | Surface Go | iPad(第6世代) | MacBook 2017 |
---|---|---|---|
CPU | HD Graphics 515 | A10 Fusion | Intel HD Graphics 615 |
OpenCL | 16310 | – | 15452 |
Metal | – | 13110 | 16714 |
Surface GoはWindowsなのでMetalのスコアを計測することはできませんが、OpenCLの性能はMacBook 2017よりも高スコアとなりました。WindowsとmacOSの差が出た結果なのかもしれませんね。
SSDの転送速度は読み込み速度が261.9MB/.s、書き込み速度が132.3MB/sとなっています。
Surface Goのストレージは128GBモデルは普通のSSDが採用されていますが、64GBモデルはeMMC(SDカードの規格に近いもの)となっておりSSDと比べるとデータ転送速度が遅いのが特徴となっています。
少しでもコストを下げるために64GBモデルはeMMCのストレージを採用したのだと思いますが、まあちょっと残念なポイントですよね。
ちなみに128GBのSSDを搭載したSurface goは1,000MB/sほどの転送データ速度が出ているみたいなので、このサイズを維持したまま性能重視するなら8GB RAM + 128GB SSDモデルを選ぶのが良さそうです。
追記:Surface Pro 7とSurface Pro Xがリリースします。ちょっとでもスペックの高くて操作性の高いSurfaceが欲しいなら間違いなくProシリーズがおすすめですよ。
4Kモニターと接続してデュアルモニター環境もできる
Surface GoはUSB-Cポートを搭載しているのでUSB-C対応の外部モニターに接続することができるようになっています。
実際に手持ちのUSB-C対応のLGの4Kモニターと接続をしてみました。
初期設定ではミラー表示になっていますが、「システム」→「ディスプレイ」の「複数のディスプレイ」から「表示画面を拡張する」に設定を変更することでデュアルディスプレイ仕様にすることができます。
こんな感じでデュアルモニター環境を構築することができます。
4Kモニターの場合はリフレッシュレートが30Hzに制限されてしまうので、スクロールやカーソルの動作がカクカクになってしまいます。フルHD解像度のモニターであれば60Hzで表示させることができますし処理もそこまで遅くなりません。
- 4Kモニター:リフレッシュレート60Hz
- フルHDモニター:リフレッシュレート30Hz
ちなみに、4Kモニターのデュアルモニター環境にすることで負荷がかなりかかってしまうので動作はモッサリしてしまいますが、Officeくらいの文章作成や表計算くらいなら普通に作業をすることができます。
全体のバランスを考慮するとフルHDの外部モニターと接続するのがいいのかなーといった感じでですね。
そもそもSurface Goは基本性能が低いので負荷がかかるデザイン作業や写真編集といった使い方には向いていないと思うので、使用目的は果たすことができるのかなと思います。
USB-Cで充電もできる
なお、USB-Cポートは充電機能にも対応しているのでモニター側から給電を受けながら画面出力をすることができます。
配線はUSB-Cケーブル一本だけにすることができるので机の上をすっきりまとめることができます。
給電に対応しているとは思っていなかったので、これは嬉しい仕様ですねー。自宅でデュアルモニターモードにして使えば専用の充電ケーブルを使って充電する必要はないですね。
操作性はどう?
CPUプロセッサの性能が低いの動作が遅いのかと思い込んでいましたが、全然そんなことはありませんでした。
確かにアプリのインストールや重いアプリを起動するときは若干時間がかかったり、動作もワンテンポ遅いなーと感じること多々ありますが、Surface Goのマルチタスクはアプリの切り替えをするときなどの動作はサクサクと動かすことができています。
いつの間にかWindowsもMacと似たような操作をすることができるようになったんですね。トラックパッドを使って仮想化デスクトップを切り替えることができるのはまさにMacですよね。
4GBのRAMだとアプリ切り替えのモタツキがあったりするのかなーって不安でしたが、普通にサクサク動きます。
ただし、あくまで軽作業しかこなすことは難しいのかなと思います。Adobe CCのデスクトップアプリケーションをインストールするだけでもかなり時間かかったし、少しでも負荷かかる作業をすると動作が遅くなる印象があります。
IllustratorやPhotoshopなどを起動して使ってみましたが動作はしますし普通に使うことができます。
しかし、動作はワンテンポ遅くモッサリしているので快適ではないです。ただ、外出先でもとりあえず修正はすることはできるので、外で使うことができるということに意義があるのかなと思います。
SモードからWindows 10 Homeに切り替えも簡単
Surface GoはWindows 10 Sモードを搭載しています。SモードはMicrosoftストアに公開されているアプリしかインストールできなくなっており、高いセキュリティといつまでも落ちないパフォーマンスがウリとなっているモードです。
つまり、SモードのままだとGoogle ChromeやFirefoxといったウェブブラウザもインストールすることができません。
マイクロソフトのEDGEを強制的に使わされて、さらに検索エンジンもGoogleは使えずBingを使うことになります。
なのでサクッとSモードをOFFにして通常のWinodws 10 Homeに切り替えをしました。無料でできるのでなんら問題ありません。
Sモードの解除方法についてはこちらの記事(→ Windows 10 SモードとWindows 10 Home/Pro 機能の違いとSモードを解除する方法も!)で詳しく書いているので参考にしてください。
SモードのOFFはMicrosoftストアから簡単にすることができます。ちなみに、SモードをOFFにすると元に戻すことはできなくなるので注意しましょう。
といってもSモードに戻したいと思うことはほぼないと思います。個人で使うにはよく分からないモードなので。組織で使うなら野良アプリをインストールできないSモードはセキュリティのことを考えてメリットはあると思いますけどね。
まとめ:Surface Goのメリットとは
Surface Goは10インチのコンパクトサイズなのにフルバージョンのWindows 10を使えて、タブレットとしても使うことができる万能で小型な2 in 1 PCとなっています。
- 10インチのコンパクトサイズで持ち運びしやすい
- フルバージョンにおWindows 10が使える
- タブレットとしても使うことができる
- LTEモデルならモバイル通信もできる
- サブ機として使うならちょうどいい
- Type CoverとSurface Penを揃えても安い
- 画面がちょっと小さいので作業しにくい
- CPUの性能が低いので負荷のかかる作業はきつい
単純にタブレットとして使うならiPadを選んだ方がいいのかもしれません。
しかし、Surface GoはフルバージョンのWindows 10を使うことができるので会社のシステムでどうしてもWindowsが必要な場合でも対応することができるのは便利と言わざるを得ないですよね。
僕は根っからAppleユーザーでWindowsはあまり好きでありません。Macを使ってるとどうしても使いにくいと感じる点が多いからです。
なので今までのSurfaceに関してもそこまで興味が湧かなかったのですが、Surface Goが発表されたときにハードウェアに惹かれたんですよね。iPadとほぼ同じサイズでフルバージョンのWindows 10を使うことができるSurface Goはどれほどの操作性を持っているのか。
とりあえず使ってみたいと思い購入に至ったわけです。で、実際にSurface Goを使てみて「さすがMicrosoftが手掛けたデバイスだけあって使いやすい」と感じました。
Macよりも使いやすいという意味ではありません。サードパーティーが手掛けたノートPCと比較して使いやすいという意味で、Windowsを開発しているMicrosoftだからこそできる微調整がうまくいってるのかもしれません。
今までにもいくつかWindowsのノートPCを使ってきましたが、トラックパッドが使いにくかったり、スクロールの挙動がおかしかったり、操作性におけるアンバランスさがありましたが、Surface Goにはそれがありません。
トラックパッドは素直にスムーズに思った通りに動いてくれるし、タッチパネルのスクロールもタッチ判定も快適に動いてくれるのでそこそこ快適に操作することができます。
ということは上位モデルであるSurface Proはもっと快適に操作することができるってことですよね。
意外とSurfaceはいいのかもしれないと思いつつもどうしても許せないことがあるんです。
それはWindowsのフォントが美しくないこと。なんでこんなに文字が汚いのか。Surface Goがどんなに素晴らしいデバイスだったとしてもこれだけで台無しになってるような気がします。フォントだけでも改善してくれるだけでもっと好きになれるのに。
はじめまして!
surface goの使用感が気になりブログを拝見させて頂きました。
購入をすごく悩んでて、surface goでjwcadは使用できるのか気になって仕方ないのです!!(°▽°)
仕事上、jwcadを使用するので。
もしわかれば教えて頂けないでしょうか?