2022年10月に配信された iPadOS 16.1 と macOS Ventura 13.0 は「ステージマネージャ」を搭載し、アプリを瞬時に切り替えて潤滑にマルチタスク作業できるようになりました。
この記事では「ステージマネージャ」でiPad、Macでどんな新しい使い方ができるか、欠点や注意点について紹介しています。
この記事の目次
ステージマネージャ対応機種
iPadで「ステージマネージャ」が使えるのはA12X Bionic以降のSoCを搭載しているiPad Pro 11インチ、12.9インチと、M1チップを搭載したiPad Air(第5世代)となっています。
- Mac:macOS Ventura 13 以降
- iPad:iPadOS 16.1以降の以下のモデル
- iPad Pro 11インチ(A12X・A12Z・M1・M2)
- iPad Pro 12.9インチ(A12X・A12Z・M1・M2)
新しいモデルでもiPad(第10世代)やiPad mini(第6世代)は対象外なので「ステージマネージャ」を使いたいなら上記の機種を選ぶことになります。
アプリを瞬時に切り替えできる
iPadのアプリ切り替え
アプリを起動すると通常はフルで画面が表示されますが、右下の印のあるところをタップしたまま左上にスワイプで「ステージマネージャ」の画面を表示できます。
また、画面の左端から右にスワイプすることで「ステージマネージャー」を呼び出すこともできます。
左側にあるアプリのサムネイルは常駐アプリとなっていて最近使ったアプリとして表示されていてワンタップで簡単にスムーズにアプリの切り替えができます。
iPadと「ステージマネージャー」の相性は最高で右手で操作しながら左手でサムネイルをサッとタッチするだけでアプリの切り替えができるのでレスポンスがとにかく良いです。
これだけスムーズに動かすことができれば複数のアプリをウィンドウ表示する必要性も少なく、iPad本来の使い方でもあるシングルタスクが捗るかもしれません。
iPad ウィンドウサイズ変更可能に
また、iPadの「ステージマネージャー」はウィンドウのサイズも変更可能となっていて、これが大きな特徴と言ってもいいかもしれません。
Macと違って可変域はある程度固定されていて最大で3つのアプリなら並べて表示が可能です。
配置の入れ替えも可能で、もちろんウィンドウを重ねて表示できるのでMacのように作業しながら情報を随時チェックすることもできます。
Macは今まで通りウィンドウの大きさは変更可能です。
iPad 縦持ちで上下に配置できる
iPadOS 15.7までは画面分割機能はあったものの縦持ちだと左右にしか分けることができず少し画面が縦長になりすぎる問題がありましたが…
iPadOS 16.1の「ステージマネージャー」ならウィンドウの縦のサイズを調整できるので上下にアプリの配置をして使うことができます。
ウィンドウが重なった状態になりますが、通常モードの分割機能よりも縦持ちで使う時も使いやすいのではないでしょうか。変則的な配置もできるので自由度は高いと思います。
Macのアプリ切り替え
Macの「ステージマネージャー」もiPadと同じようにワンクリックでアプリの切り替えができます。
また、Mission Controlとの併用もできるのでアプリ全体を見渡しての切り替えも可能です。
Macの「ステージマネージャー」の動作はiPadの方が滑らかでMac版は少し動作にモタつきがあるのが少し気になるところですね。
ちなみに、「ステージマネージャ」を有効にすると従来のDockに常駐させる方法は使えなくなります。
Macといえばジニーエフェクト、20年も前から実装されていた機能が今後無くなる可能性もありそうでちょっと残念です。
Mac版ステージマネージャーの欠点
iPadの「ステージマネージャー」はスムーズに動作しとても使いやすくいのですが、Macの「ステージマネージャー」は決定的な欠点が二つあります。
Dockを左設定デスクトップが埋もれる
macOS Ventura 13.0 には従来のバージョンと同じように画面下に「Dock」があってよく使うアプリを常駐させておくことができます。
このDockは位置を左や右に配置することができますが、左に配置するとデスクトップ上にあるファイルやフォルダが「ステージマネージャー」の下敷きになってしまいます。
右にDockを配置した場合はアイコンがズレてくれるので問題はないですが、左にDockを配置のときにステージマネージャのサムネイルとデスクトップにあるファイルが重なってしまいます。
おそらくアップデートで改善はされるとは思いますが、ちゃんとチェックしたのか心配になるレベルです。
Finderがアプリを跨いで使いにくい → 少し解決
ブログを書くときにIllustratorやPhotoshopで画像データを作成しながらブログエディタに画像を差し込んだりしますが普通の使い方だと「ステージマネージャ」はアプリごとで画面が切り替わってFinderを跨いで使えないので凄くややこしくなります。
「Safari + Finder」の組み合わせの枠を作ればブログエディタに画像をドラッグ&ドロップでアップロード可能ですが「Illustrator」の枠に移動すると「Finder」にアクセスできなくなります。
解決策としてはFinderの「オプション」から「すべてのデスクトップ」にチェックを入れます。
この設定にするとアプリをステージマネジャ上で切り替えても常に「Finder」が表示する状態となり「Photoshop」や「Illustrator」「Safari」に切り替えてもドラッグ&ドロップでデータの移動が簡単にできるようになります。
ただし、この方法でも基本的にMacのステージマネージャーは「一つのアプリ + Finder」という構成で複数のアプリを同時に使うにはあまり適してないので使いにくいですね…。
使おうと思えば「ステージマネージャ」で作業可能ですがややこしいです。普通に作業するなら最初からウィンドウを並べておける「通常モード」の「Mission Control」の方が作業効率は上でアプリ間でデータ移動のないシンプルな使い方の時に「ステージマネージャ」は役に立つ機能となっています。
ステージマネージャーの設定方法
iPadOS 16.1、macOS Ventura 13にアップデートしても「ステージマネージャー」は使えないので「設定」から有効化する必要があります。
iPadの場合
「設定」アプリの「ホーム画面とマルチタスク」の中にある「ステージマネージャ」の「iPadでステージマネージャを使用」をONにします。
「最近使ったApp」、「Dock」の表示の有無の設定も可能となっているので使い方に合わせて設定することができます。
Macの場合
Macは「システム設定」の「デスクトップとDock」の中にある「ステージマネージャ」をONで使えます。
デフォルト設定はデスクトップ上のファイルが非表示になってるので、「デスクトップ項目」をONにするのがおすすめです。
Macなのにデスクトップにファイルが置けないなんて使いにくいし、「それならiPadでいいよね?」ってなります。
デスクトップ項目は迷わずONです。
ステージマネージャー、iPadはおすすめ
PadOS 16.1 と macOS Ventura 13.0 で使える「ステージマネージャー」はワンタップ、ワンクリックでアプリを瞬時に切り替えて使える凄い機能です。
iPadとの相性はとても良く左手でアプリのサムネイルをタップして右手で操作できるので流れるように使えるメリットがあります。
使って感じたのは「ステージマネージャー」はタッチ操作を前提としたUIになってるように思いました。
Macでも同じようにアプリ切り替えができますが、カーソル操作になってしまうのでレスポンスはiPadには敵わないですし、今後、もしかしたらMacにタッチパネルが搭載される…。
「ステージマネージャー」はその布石となる可能性はあるかもしれないですね。期待です。
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