Appleが2024年モデルのiPad Pro(M4)を5月15日(水)に発売することを発表しました。新型iPad ProはM3チップをすっ飛ばしてAI処理を強化したM4チップを搭載して11インチと13インチの2種類の画面サイズから選ぶことができます。
ここでは、iPad Pro(2024)は先代のiPad Pro 11インチ(第4世代)とiPad Pro 12.9インチ(第6世代)から何が進化したのかまとめました。
この記事の目次
iPad Pro(M4)進化したところ
ディスプレイ:11インチと13インチの2モデル
iPad Pro(M4)は11インチと13インチの2種類の画面サイズがあってどちらも有機ELディスプレイ(OLED)を搭載して高次元の明るさとコントラスを実現しました。
ついに、iPad Proも液晶ではなく有機ELディスプレイの時代が到来です。iPad Pro 12.9インチのmini LEDも美しいパネルでしたがさらに上回ることになるでしょう。
iPad Pro(M4)に採用される有機ELディスプレイ(Ultra Retina XDR)は2枚のOLEDパネルを使用して両方からの光を組み合わせて圧巻のフルスクリーン輝度を実現した最先端のタンデムOLEDテクノロジーを採用しています。
iPad Pro 11インチ(M4)とiPad Pro 11インチ(第4世代)のディスプレイの仕様を比較しました。
機種名 | iPad Pro 11インチ(M4) | iPad Pro 11インチ(第4世代) |
解像度 | 11インチ(2,420 x 1,668ピクセル)Ultra Retina XDR(有機ELディスプレイ) | 11インチ(2,388 x 1,668ピクセル)液晶ディスプレイ |
リフレッシュレート | 10 – 120Hz(ProMotion) | 最大120Hz(ProMotion) |
画面輝度 | 最大 1,000 – 1,600 nits | 最大600 nits |
パネル | 広色域ディスプレイ(P3) True Toneディスプレイ 耐指紋性撥油コーティング フルラミネーションディスプレイ 反射防止コーティング |
画面比率が変更されていてiPad Pro(2024)は横に画面が伸びていて、横向きでのコンテンツが見やすいように配慮されています。
iPad Pro 13インチ(M4)とiPad Pro 12.9インチ(第6世代)のディスプレイの仕様を比較しました。
機種名 | iPad Pro 13インチ(M4) | iPad Pro 12.9インチ(第6世代) |
解像度 | 13インチ(2,752 x 2,048ピクセル)Ultra Retina XDR(有機ELディスプレイ) | 12.9インチ(2,732 x 2,048ピクセル)miniLED液晶ディスプレイ |
リフレッシュレート | 10 – 120Hz(ProMotion) | 最大120Hz(ProMotion) |
画面輝度 | 最大 1,000 – 1,600 nits | 最大1,600 nits |
パネル | 広色域ディスプレイ(P3) True Toneディスプレイ 耐指紋性撥油コーティング フルラミネーションディスプレイ 反射防止コーティング |
大画面モデルも有機ELディスプレイを採用しています。画面輝度はminiLEDバックライトだったiPad Pro 12.9インチと同じですが有機ELになったことで、よりクッキリとした色鮮やかな表現が可能となります。
なお、オプションで低反射パネルとなるNano-textureディスプレイガラスに変更も可能です(1TBまたは2TBのオプション)
本体サイズ:より薄くスタイリッシュに
iPad Pro(M4)は本体がより薄くスタイリッシュになりました。
先代のiPad Pro 11インチ(第4世代)は本体の厚みが5.9mmだったのがiPad Pro 11インチ(M4)は5.3mmと0.6mmほど薄くなってます。重量も20gほど軽量化されてるのでほぼ同じ画面サイズでありながら、よりコンパクトなサイズ感に生まれ変わっています。
機種名 | iPad Pro 11インチ(M4) | iPad Pro 11インチ(第4世代) |
サイズ | 177.5 × 249.7 × 5.3 mm | 178.5 × 247.6 × 5.9 mm |
重量 | Wi-Fi:444 g セルラー:446 g | Wi-Fi:466 g セルラー:468 g |
大画面モデルのiPad Pro 13インチ(M4)も同様に本体の厚みが薄くなっており、iPad Pro 12.9インチ(第6世代)は6.4mmあったのがiPad Pro 13インチ(M4)は5.1mmと1.3mmも薄くなっています。
機種名 | iPad Pro 13インチ(M4) | iPad Pro 12.9インチ(第6世代) |
サイズ | 215.5 × 281.6 × 5.1 mm | 214.9 × 280.6 × 6.4 mm |
重量 | Wi-Fi:579 g セルラー:582 g | Wi-Fi:682 g セルラー:684 g |
1.3mmも薄いって驚異的ですよね。さらに、本体重量も682g → 576gと100gも軽量化しています。これは有機ELディスプレイになったことでバックライトが必要なくなったことも影響してるのでしょう。
大画面のiPadでありながらもより薄く、軽量な端末に進化しています。
SoC:M4チップに進化し処理性能向上
2024年モデルのiPad ProのSoC(システムオンチップ)はM4チップを搭載します。M3をすっ飛ばしてMacBook Air(M3)を超えてしまいました。
M4チップはTSMC 3nm(第2世代)プロセスで製造されたSoCで9コアCPU、10コアGPU、16コアNPU(Neural Engine)を内蔵したチップでM2チップよりもCPUの処理性能が1.5倍、GPUの処理性能が4倍も高速化しています。
機種名 | iPad Pro(2024) | iPad Pro(2022) |
SoC | M4 | M2 |
CPU | 9コア(3 + 6) 10コア( + 6) 50%高速化 | 8コア(4 + 4) |
GPU | 10コア 4倍高速化 | 10コア |
Neural Engine | 16コア:38兆回 / 秒 | 16コア:15.8兆回 / 秒 |
メモリ | 8GB or 16GB 120GB/s | 8GB or 16GB 100GB/s |
ストレージ | 256GB〜2TB | 128GB〜2TB |
トランジスタ数 | 280億個 | 200億個 |
プロセス | TSMC 3nm(第2世代) | TSMC 5nm(第2世代) |
GPUはDynamic Cachingに対応し動的にメモリを使うことで無駄なく効率よく処理できるようになり、ハードウェアアクセラレーテッドメッシュシェーディングとレイトレーシングに対応してゲームや3Dレンダリングの処理性能が大きく向上しています。
基本スペックはM3チップと同じですがCPUのコア数が変則的になって、Neural Engineの処理性能も大幅に向上しています。第2世代の3nmプロセスにより電力効率が向上し発熱を抑えながらパワフルな処理が可能となるようです。
なお、発熱対策としてiPadとして初めてグラファイト放熱板を内蔵しAppleのロゴマークに銅素材を採用することで放熱性能を高めてゲーム性能や負荷のかかる作業をより快適にできるようになっています。
カメラ:シングル + LiDARスキャナに
iPad Pro(M4)はシングルカメラ + LiDARスキャナの組み合わせに変更となっており、先代のiPad Pro(M2)のデュアルカメラ + LiDARスキャナからスペックダウンしています。
機種名 | iPad Pro(2024) | iPad Pro(2022) |
広角カメラ | 12MP・F/1.8 | 12MP・F/1.8 |
超広角カメラ | – | 10MP・F/2.4 |
フラッシュ | アダプティブTrue Toneフラッシュ | True Toneフラッシュ |
高画質技術 | スマートHDR4 | スマートHDR4 |
動画撮影 | 最大4K60fps 最大4K30fps ProRes(256GB:FHD30fps) 最大4K60fps ProRes(外部ストレージ記録時) | 最大4K60fps 最大4K30fps ProRes(128GB:FHD30fps) |
フロントカメラ | 12MP・F/2.4 TrueDepthカメラ(横向き) | 12MP・F/2.4 TrueDepthカメラ |
超広角カメラが廃止されたのは意外でした。ただ、カメラデザインは正方形のまま変わらずでLiDARスキャナも引き続き採用されてます。フラッシュはアダプティブLEDフラッシュになってフラッシュ撮影時により自然な画質で撮影できるようになりました。
オーディオ:4スピーカーシステム
iPad Pro(M4)のオーディオ周りは先代と同じく4スピーカーシステムを採用しています。
縦持ち、横持ちで自動的に方向を認識して常にステレオ再生ができる仕組みは今までと同様です。マイクが5つから4つに減ってるのが少し気になるところです。
通信:eSIM専用に(セルラーモデル)
iPad Pro(M4)の通信性能は以下のとおりです。Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3に対応しているのは先代モデルと同じです。
機種名 | iPad Pro(2024) | iPad Pro(2022) |
Wi-Fi | Wi-Fi 6E(802.11ax) | Wi-Fi 6E(802.11ax) |
Bluetooth | 5.3 | 5.3 |
モバイル通信 (セルラーモデル) | 5G / 4G LTE(31バンド) | 5G / 4G LTE(32バンド) |
SIMカード (セルラーモデル) | eSIM | nanoSIM + eSIM |
ポート | USB-C USB 4 / Thunderbolt 3 最大40GB/s |
注意しないといけないのがセルラーモデルでeSIM専用機になりました。今まではnanoSIMを入れることができたのが、iPad Pro(M4)は非対応となりeSIMのみで通信ができる仕様に変更となっています。
Apple Pencil Proに対応
iPad Pro(M4)は新しくApple Pencil Proに対応します。
新たにセンサーが内蔵されてスクイーズ(指で強く押した状態)を感知してツールパレットを表示できるようになります。
ペン先の角度によってツール、線の太さ、色のすべてをすばやく切り替えたり独自の触覚エンジンでスクイーズしたり、ダブルタップしたり、図形認識でスナップすると軽いタップを返して直感的な操作が可能となります。
なお、従来型のApple Pencil(第2世代)は非対応なので注意です。今までのiPad Proから乗り換える場合は新しくApple Pencil Proを購入する必要があります。
Magic Keyboard:アルミ製でより薄くなった
iPad Pro(M4)向けのMagic Keyboardが刷新されました。より薄くなってパームレストにアルミニウム素材を採用し質感が向上しています。
また、キーボード上部に新しくファンクションキーを搭載しより快適にキーボードで作業することが可能となります。
トラックパッドも新しくなってMacBookと同じようにガラス製のトラックパッドになって精度が向上しより滑らかに直感的に操作ができるようになりました。
触覚フィードバックにも対応し、まさにMacBookのトラックパッドをiPad Proで使えるようになったと見て良さそうです。iPadのMagic KeyboardのトラックパッドはMacBookと比べると劣るところがあったので嬉しい進化です。
端末価格:円安の影響で値上げ
iPad Pro 11インチ(M4)はストレージ容量が256GBからとなりました。価格は円安の影響で2〜4万円ほどの値上げとなります。
iPad Pro | 11インチ(M4) | 11インチ(第4世代) |
---|---|---|
128GB | – | 124,800円 |
256GB | 164,800円 | 140,800円 |
512GB | 204,800円 | 172,800円 |
1TB | 272,800円 | 236,800円 |
2TB | 340,800円 | 300,800円 |
iPad Pro 13インチ(M4)も256GBからとなって3〜5万円の値上げとなります。
iPad Pro | 13インチ(M4) | 12.9インチ(第6世代) |
---|---|---|
128GB | – | 172,800円 |
256GB | 218,800円 | 188,800円 |
512GB | 254,800円 | 220,800円 |
1TB | 322,800円 | 284,800円 |
2TB | 390,800円 | 348,800円 |
全体的にかなり高くなった印象ですね。Apple Pencil Proが21,800円、Magic Keyboardが49,800円なので全部揃えると最低でも25万円ほどの費用が必要です。
なかなか良いお値段ですね。
そこまで性能を求めないなら型落ちiPadになったiPad Pro 11インチ(第4世代)を選んでも良いかもしれません。
→ iPad Pro 11インチ(第4世代)を詳しく見る
→ iPadの比較はこちら
コメントをどうぞ!