Nikon FM3Aは2001年に発売したフィルムカメラでピント合わせは手で合わせる必要があるマニュアル機となっています。
実は人生で初めて買った一眼レフカメラがこのNikon FM3Aだったんですね。ここではNikon FM3Aはどんなカメラなのか、フィルムの装填方法、ピントの合わせ方について、さらにフィルムで写真撮影するとどんな写真が仕上がるのかなどレビューしています。
Nikon FM3Aは販売を終了しているカメラですが、中古で買うことができますしこれからフィルムカメラを始めてみたい…と思っている方は参考にしてください。
この記事の目次
Nikon FM3A レビュー
Nikon、最後のMFフィルムカメラ
Nikon FM3Aはクラシカルなスタイルの一眼レフカメラなので昔のカメラのように見えなくはないですが、発売は2001年と比較的新しいカメラです。といっても、すでに18年ほど経過していますが。
FM3AはニコンFマウントのカメラとなっていてCPUを搭載しているAiレンズであれが露出 + シャッター速度は自動で設定してくれる半マニュアル的な一眼レフカメラとなってます。
- レンズマウント:ニコンFマウント
- フィルム:パトローネ入り35mmフィルム各種
- 露出制御:Ai方式(絞り優先オート、マニュアル)
- シャッター(A):8~1/4000秒無段階電子制御式(表示は1~1/4000秒)
- シャッター(M):Bulb・1~1/4000秒、機械制御式
- ファインダー視野率:約93%(対実画面)
- ファインダー倍率:0.83倍(50mm標準レンズ)
- 電源:3Vリチウム電池(CR1/3Nタイプ)1個
- フィルム巻き取り:作動レバー式
- サイズ:142.5 × 90 × 58mm
- 重量:約570g
FM3Aの前身カメラ・FM2というカメラは機械制御のシャッターのMF機でフォーカス・シャッター速度も手動操作するカメラでしたが、FM3Aは電子制御・機械制御を組み合わせたハイブリッドシャッターを搭載しピント合わせだけ手動となっていました。
FM2は完全手動操作だったので電池は必要ありません。どんな僻地でも活躍できるカメラだったんですね。
しかし、FM3Aは絞り優先モードの電子制御シャッターが搭載されたのでボタン電池が必要となりました。もちろん、電池がなくても機械制御でシャッターを切ることもできるのでまさにハイブリッドシャッターのカメラなのです。
手動でシャッター速度を設定できるだけでなく「A」に合わせることで自動的にシャッター速度を合わせてくれます。
FM2など以前のカメラはシャッター速度も手動ですもんね。露出計からシャッター速度を割り出して、ピントを合わせて…写真を撮るだけでも大変なことをしていたんですよ。昔は。
Nikon FM3Aはレンズキットがあって単焦点レンズのNikkor Ai 50mm f/1.4Sが標準レンズとなっています。
- NIKKORレンズ
- 焦点距離:50mm 1:1.4 単焦点レンズ
- 絞り:1.4、2、2.8、4、5.6、8、11、16
思いっきり落としてしまってレンズの縁が曲がってしまいましたが、描写には特に問題なかったのでそのまま使っています。傷が味になっていくはず…。
露出からシャッター速度を決める
FM3Aのファインダーを覗くとこんな感じに見えるのですが、一番上の「1.4」がレンズの絞り値、左のメーターがシャッタースピードを表しています。
60の青色のメーターが現在のシャッタースピード、30の黒色のメーターが適正なシャッタースピードを教えてくれているのです。
つまり、黒色のメーターに青色のメーターを重ね合わせることで最適な露出を得ることができるということですね。
AUTOモードなら自動でシャッター速度を調整してくれますが、AUTOにしてない場合はすべて手動でシャッター速度を設定する必要があります。
例えば、レンズの絞りを5.6に設定すると適正な露出を得るにはシャッタースピードを「2(2分の1秒)」にしなければいけないことが露出計から判断できます。
シャッタースピードを「2(2分の1秒)」に設定するとメーターが一致します。
この状態ではじめて適正な露出となり十分な光を得ることができ暗くならず、明るくなりすぎないちょうど良い明るさの写真を撮影することができます。
もちろん、意図的にメーターからずらすことで明るくしたい時、暗くしたい時など調整することが可能です。
写真の勉強をしたいために難しそうなカメラを購入したんですが、結局のところ露出、シャッタースピードの設定はほとんどオートモードを使ってますけどね(笑)
やっぱりオートは楽です。
ピント合わせはマニュアル
FM3Aはマニュアルカメラなのでピントは手動で合わせます。ここはオートにすることはできないので慣れるしかないですね。
ファインダーを除くと中央に円形の線が表示していて、その真ん中に切り込みが入っています。この切り込みのズレを直線に合わせることでピントが合う仕組みです。
ピントが合うと被写体のズレがなくなります。
これでも少しだけズレているのでもしかしたらピントが甘くなっている可能性はあるかもしれません。マニュアルフォーカスのカメラは数をこなせばピントを外す回数は少なくできるので、実践あるのみですね。
フィルムについて
Nikon FM3Aに対応しているフィルムは35mmタイプです。
昔は数多くのフィルムがありましたが、現在は富士フイルムの「フジカラー SUPERIA PREMIUM 400」や「フジカラーS100 」が一般的でしょうか。
「SUPERIA PREMIUM 400」はちょっと高いので価格の安い「フジカラー X-TRA 400」の海外版をAmazonで買うのがいいような気がします。
ISO400の36枚撮りのネガフィルムが3本パックになって2,700円で購入できます。SUPERIA PREMIUM 400だと3,333円なので、X-TRA 400の方が少しだけお買い得ですね。
今のカメラはISO感度を簡単に設定していますがフィルム時代のISOってその日に撮影する場面を想像してからフィルムを装填して準備が必要でしたが、それも楽しみでもあったように感じます。
- ISO100:晴天の下
- ISO400:曇り、明るい屋内
- ISO800:雨、暗めの屋内
- ISO1600:暗いところ
外での撮影が多いのならISO100のフィルムを入れておけば問題ありませんが、雨が降ったりすると少し厳しくなるのでISO400のフィルムを入れるのが安心できるのかな。ただ、ISO100のフィルムの方が安いんですよね。
業務用とかもあるし少しでも安く抑えたいならISO100のフィルムでしょうか。
フィルムを装填する方法
FM3Aにフィルムを装填する方法を紹介します。カメラの左側にあるレバーを上に引っ張ると…
フィルムカバーが開きます。
ここにフィルムを入れていきます。
フィルムをケースの中から少しだけ引き出して…
右側にある軸にフィルムを引っ掛ける爪にフィルムを引っ掛けて手でここまで巻きます。
こんな感じにフィルムがセッティングできていればOKです。
フィルムが巻けたらフィルムカバーを閉じます。
フィルムのカウントメーターが「S」になっているのでシャッターをこのままの状態で切って…
フィルムの巻き取りを2〜3回ほど続けます。「1」までフィルムを回します。
ただし、1枚目、2枚目辺りまでフィルムが感光していることがあるので3枚目くらいから本番のフィルムと思っておけばOKだと思います。以上で、フィルムの装填が完了です。
FM3Aで撮影するフィルム写真
FM3A + Nikkor Ai 50mm f/1.4SにISO400のフィルムを入れて撮影をしてみました。フィルムで撮影するとどんな感じの写真に仕上がるのか参考にしていただけたらと思います。
レンズがF1.4と明るいので暗いところでもISO400のフィルムを入れていても普通に撮影することができます。
兼六園は2019年に入ってから撮影したので比較的新しい写真となっています。
単焦点レンズなのでボケ味がとてもキレイですよね。ピントがバチっと合わすことができれば素敵な写真にすることができます。
装填したフィルムは「SUPERIA PREMIUM 400」なので色鮮やかな表現が得意となっています。
フィルムだけど色鮮やかな雰囲気のある写真に仕上がっています。
ピントを合わせは手動なので風景を撮影するのは慣れれば問題はないのですが、動き回る子ども達を撮影するのはとても難しいんですよね。ボケボケ写真を量産してしまいます。
Nikon FM3A レビュー まとめ
Nikon FM3Aはニコンが最後に発売したマニュアルのフィルム一眼レフカメラです。2001年発売のカメラなのでフィルムカメラの中では新しい機種となっています。
ハイブリッドシャッターによってシャッター速度はオートにすることができるので、ピント合わせに集中することができるので扱いやすいマニュアルカメラ。フィルムのカメラをやってみたい…という方はぜひ使ってみて欲しいですね。
といっても現在は中古でしか販売していないので注意です。
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