iPad(第5世代)は2017年3月に発売した価格の安いエントリー向けモデルで2016年以前のiPadは5万円以上していた高価な端末でした。
そんな中で、スペックを抑えた廉価版のiPad(第5世代)が登場したことでタブレット端末を気軽に手に入れることができるようになりした。
iPad(第5世代)がベースとなっているのは2013年発売のiPad Air(第1世代)でiPad Air 2よりも性能は抑えられています。
この記事ではiPad(第5世代)のデザイン、スペックのレビューとiPad Air 2、iPad Pro 9.7インチの違いを比較しているのでiPad(第5世代)を検討している方は参考にしてみてください。
なお、現行モデルはiPad(第9世代)、iPad Air(第5世代)となっています。
この記事の目次
iPad(第5世代)とiPad Air 2の比較
iPad(第5世代)は2022年10月配信のiPadOS 16をサポートしています。2014年発売のiPad Air 2はiPadOS 15までとなっています。
iPad(第5世代) | iPad Air 2 | |
サイズ | 9.7インチ | |
パネル | Retinaディスプレイ | Retinaフルラミネーションディスプレイ |
解像度 | 2,048 × 1,536ピクセル | |
SoC | A9 | A8X |
メモリ | 2GB | 2GB |
ストレージ | 32GB・128GB | 16GB・64GB・128GB |
生体認証 | Touch ID(第2世代指紋認証) | Touch ID |
リアカメラ | 8MP・F/2.4 | |
インカメラ | 1.2MP・F/2.4 | |
Wi-Fi | 802.11a/b/g/n/ac | |
モバイル | LTE(21バンド) | LTE(20バンド) |
Bluetooth | 4.2 | 4.0 |
充電ポート | Lightning、3.5mmヘッドフォンジャック | |
サイズ | 240 × 169.5 × 7.5 mm | 240 × 169.5 × 6.1 mm |
重量 | 469 g | 437 g |
OS | iPadOS 16 | iPadOS 15 |
発売日 | 2017年3月 | 2014年10月 |
iPad(第5世代)はiPhone SE(第1世代)に搭載しているA9チップに2GBのメモリを搭載したまだ現役で使える性能を持ったSoCです。さすがに動作は重いですがタブレットとして使うならまだ使えます。
さすが2022年現在、iPad(第5世代)を新品で買えないですが、中古のイオシスなどで中古品を19,800円から買えます。
Apple Pencilは使わない、ブラウジング、SNS、動画視聴しかないならタブレットとして普通に使うことができます。
iPad Air 2のSoCはA8XとGPUの性能を強化したチップなので2014年のiPadですが意外と快適に動作します。ただ、ストレージ容量が16GBのモデルはかなりキツくてフリーズしてしまいます。
もし、iPad Air 2を中古で買うなら32GB以上のモデルを選ぶのがおすすめです。
iPad(第5世代)の外観はiPad Airと同じ
iPad(第5世代)のストレージ容量は32GBか128GBから選ぶことができ、シルバー、スペースグレイ、ゴールドの3色のカラーラインナップから選ぶことができます。
箱を開けるとiPad(第5世代)がお披露目です!
付属品は10W出力の充電器とLighteningケーブルとなっています。
iPad Air 2やiPad Pro 9.7インチとパッと見で見分けつきませんが、手に持つと明らかにiPad Air 2やiPad Proに比べて分厚くて重量感があることに気付きます。
もし、iPad Air 2からiPad(第5世代)に乗り換えると「ん?重い…」と感じるかもしれません。
背面パネルにはいつも通りAppleのリンゴマークとiPadのロゴマークがあり、背面カメラはフラットなのでテーブルに置いたとしてもiPad Proのようにガタついてしまうことはありません。
本体下部にLighteningコネクタと内蔵のステレオスピーカーが搭載されていますが、この辺りの仕様はiPad Air 2と変わってないです。
リアカメラは800万画素のイメージセンサーにf/2.4のレンズを搭載し、iPad Air 2と同等のスペックです。Pad Airの背面カメラは500万画素だったのでiPad AirからはiPad(第5世代)はスペックアップしています。
3.5mmヘッドフォンジャックは本体右上部分に搭載されているので有線で音楽を楽しみたい方は問題なく使うことができます。
iPad(第5世代)は特徴的なところはなくとてもシンプルなデザインですが、iPad(第5世代)の本体はiPad Air 2よりも本体の厚さが分厚くなるなどスペックはiPad Air 2より劣化するので乗り換えには注意です。
iPad(第5世代)・iPad Air 2の外観比較
本体サイズの違い
iPad(第5世代)とiPad Pro 9.7インチ、iPad Air 2の3機種で外観のデザインの違いを比較してみました。並べるとどれがどの機種なのか全く見分けることができません。
本体の薄さがiPad Air 2とiPad Proが6.1mmなのに対し、新型モデルのiPad(第5世代)は7.5mmと1.4mmも増加しており、iPad Airと同じ厚みです。
- iPad(第5世代):240 × 169.5 × 7.5 mm、469 g
- iPad Air(第1世代):240 × 169.5 × 7.5 mm、469 g
- iPad Air 2:240 × 169.5 × 6.1 mm、437 g
- iPad Pro 9.7インチ:240 × 169.5 × 6.1 mm、437 g
本体サイズは全モデル同じで本体の厚みはiPad AirとiPad(第5世代)が7.5mmと同じで重量も同じとなっています。つまり、iPad(第5世代)はiPad Air 2の筐体をそのまま流用したモデルということです。
エッジ部分の加工が非光沢に
従来のiPadと違う点としてダイヤモンドカットをしているエッジ部分の加工が「光沢あり」から「光沢なし」に仕様が変更されています。光沢がなくなったので、少し落ち着いた雰囲気になっています。
iPhone 5sからiPhone SE(第1世代)も同じようにエッジ部分の加工処理になりましたが、iPad(第5世代)も同じでiPhone SEのようなエントリーモデルとしての位置付けであることは間違いなさそうです。
iPad、iPad Pro、iPad Air 2の比較
iPad(第5世代)、iPad Pro 9.7、iPad Air 2を細かく比較してみたいと思います。まずは本体下部のデザインです。
充電用のLightningポート、スピーカーの位置はiPad Air 2と同じになっています。
右側面です。
音量ボタンの間が少しだけ広がってボタンの厚みが少しだけ増したでしょうか。iPad Airと同じになったということなのかな?iPad Airが手元にないので確認しようがないのですが。
iPad(第5世代)は小さなマイクの穴の位置が細かく変更されています。
背面パネル中央のiPadロゴマークはフォントが変更されています。
フォントの種類がコロコロと変更しているのが少し気になるところですが、iPad Air 2のロゴは太く力強い書体でしたが、iPad Pro 9.7で細い書体に変更、そして今回のiPad(第5世代)では少しだけ太い書体に変更されています。(標準の太さになった?)
背面カメラです。
カメラのレンズはフラットタイプとなっていてLEDフラッシュは非搭載です。
画素数はiPad Air 2と同じ800万画素でLive Photosや4K動画撮影もできないので、カメラの機能や画質にこだわるのであればiPad Pro 9.7インチを選んだ方がいいでしょう。
モデル | iPad Pro | iPad(第6・第5世代) | iPad Air 2 | iPad Air |
---|---|---|---|---|
背面カメラ | 1200万画素 ƒ/2.2のレンズ Live Photos True Toneフラッシュ 広色域キャプチャ Focus Pixels AF 4K動画撮影 |
800万画素 ƒ/2.4のレンズ |
500万画素 ƒ/2.4のレンズ |
|
前面カメラ | 500万画素 ƒ/2.2のレンズ Retina Flash |
120万画素 ƒ/2.2のレンズ |
マイクの小さな穴の位置がカメラ周りから中央に変更されていますね。
画面への光の反射は酷くなってしまった
iPad(第5世代)は廉価版モデルなので、iPad Air 2に採用されていたフルラミネーションディスプレイやiPad Proの広色域ディスプレイ(P3)が省かれたディスプレイを搭載しています。
モデル | iPad Pro | iPad(第5世代) | iPad Air 2 | iPad Air |
---|---|---|---|---|
サイズ・解像度 | 9.7インチ 2,048 × 1,536ピクセル |
|||
耐指紋性撥油 コーティング |
○ | |||
フルラミネーション ディスプレイ |
○ | × | ○ | × |
反射防止 コーティング |
○ | × | ○ | × |
広色域ディスプレイ (P3) |
○ | × | ||
True Tone ディスプレイ |
○ | × | ||
耐指紋性撥油 コーティングイ |
○ | × |
フルラミネーションディスプレイはLCD・タッチパネル・保護ガラスを統合したディスプレイで部品の隙間が狭くなっていて乱反射が少なく発色も良いパネルとなっていますが、iPad(第5世代)は対応していません。
また、iPad(第5世代)のディスプレイの保護パネルには反射防止コーティングが施されていないので外光が反射しやすく外で使うと視認性の良くないディスプレイとなっています。
このように明るいところで使うとiPad(第5世代)は光を思いっきり反射してしまいます。
黒色の画面になった時の黒の締まり具合が全然違いますよね。
このようにiPad(第5世代)は廉価ディスプレイを採用しているので光の反射が激しくなってしまいます。
iPad Air 2のディスプレイは少しだけ青っぽい反射になっていますがiPad Proの加工も少しだけ異なるのかもしれません。なお、現行のiPad(第7世代)もフルラミネーションディスプレイは採用されていません。
SoCの性能比較
iPad(第5世代)にはiPhone6s/6s Plus/SEに搭載されていたA9プロセッサが搭載されています。メインメモリ(RAM)の容量は2GBであることが明らかになっています。
iPad Pro | iPad (第5世代) |
iPad Air 2 | iPad Air | |
SoC | A9X | A9 | A8X | A7 |
RAM | LPDDR4 2GB | LPDDR3 2GB |
LPDDR3 1GB |
GeekBench 4でプロセッサの性能をiPad Air 2、iPad(第5世代)、iPad Pro 9.7で比較してみました。
モデル | iPad Pro | iPad(第5世代) | iPad Air 2 |
---|---|---|---|
SoC | A9X | A9 | A8X |
シングルコアCPU | 2885 | 2452 | 1742 |
マルチコアCPU | 4718 | 4145 | 4081 |
iPhone 6s/6s Plus/SEと同じA9チップを搭載しているチップで、A8Xよりも少しだけ性能が高くなっていることが確認できます。
GPUの性能を計測することができるAntutuでのスコアは以下のとおり。
iPad Air 2 | iPad(第5世代) | iPad Pro | |
CPU | A8X | A9 | A9X |
総合 | 101070 | 124372 | 159252 |
3D | 31246 | 32808 | 47167 |
CPU | 33355 | 41905 | 48894 |
RAM | 9314 | 8702 | 10169 |
A9チップ(デュアルコア)はのA8X(トリプルコア)よりも高い性能となっていて、GPUの性能もA8Xとほぼ同じとなっています。
メインメモリも2GBあるのでiPad(第5世代)の性能はiPad Air 2と同等レベルと見ていいでしょう。
A9チップのプロセスルールは16nm FinFET(14nm FinFET)に微細化されていて消費電力も少ないのでバッテリー駆動時間も長くなりそうです。(公式ではすべてのモデルが10時間となっています。)
Apple Pencilは使えない
iPad(第5世代)はApple Pencilは使えません。無印のiPadが使えるようになったのは後継機種のiPad(第6世代)からです。
最新のiPad(第7世代)はApple PencilだけでなくSmart Keyboardも使うことができるので、ちょっとしたパソコンとして使うことも可能となっています。
iPad(第5世代)レビュー:まとめ
iPad(第5世代)はスペックが抑えられた廉価版モデルで、iPad Air 2ではなくiPad Airの後継機となっており系譜にするとこんな感じです。
- 普及モデル:iPad(第4世代)→ iPad Air → iPad (第5世代)→ iPad(第6世代)→ iPad(第7世代)→ iPad(第8世代) → iPad(第9世代)
- 上位モデル:iPad(第4世代)→ iPad Air → iPad Air 2→ iPad Air 3 → iPad Air 4 → iPad Air 5
iPad(第5世代)はスペックは抑えられていますが、タブレットとしてネットサーフィンしたり、SNSしたり、動画を見るくらいなら十分使える端末になっています。
さすが2022年現在、iPad(第5世代)を新品で買えないですが、中古のイオシスなどで中古品を19,800円から買えます。
現在はiPad(第9世代)がエントリーモデルとして49,800円で買えます。円安の影響もあって少し高いのでiPad(第8世代)をiPad整備済製品で買うのもいいかもしれません。
iPad ProとiPadの中間モデルとしてiPad Air 3はプロの性能はいらないけどキレイな画面で動画を見たい方も安心して選ぶことができるようになっています。
https://sin-space.com/entry/iPadPro-vs-iPad5iPad(第5世代)から乗り換えるならどれ?
いま現在、iPad(第5世代)を使っていて動作が遅くなってきたから買い換えたい…という方はどのモデルを選ぶべきか?
- 同じようなコトができればいい → iPad(第9世代)
- キレイな画面でコンテンツを楽しみたい → iPad Air 5
- 動画や音楽を快適に楽しみたい → iPad Pro 11インチ
- 動画編集・イラストを描きたい → iPad Pro 12.9インチ
基本的にタブレットとして使うのならiPad(第8世代)を選べばOKです。画面サイズが9.7インチ → 10.2インチと大きくなってより快適に使うことができます。
パソコンとして資料作成したりブログを更新したりするならiPad Air 3を選ぶことでより快適に作業することができるでしょう。もし、動画編集もするならUSB-Cポートに対応しているiPad Pro 11インチを選ぶのがいいです。
旧型のiPadは整備済製品としてAppleの公式サイトで販売されているので旧型モデルでもいいけど新品のiPadが欲しいという方はおすすめです。安いモデルなら3万円ほどでiPadを手に入れることもできます。
→ iPadの比較はこちら
https://sin-space.com/entry/ipad-osusume
→ iPad 整備済み製品について
iPad Pro 11インチ・12.9インチの比較はこちらをどうぞ。
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