戸建てに住んでいるとWi-Fiの電波を家中に張り巡らせることができるかが一つの課題となりますよね。
外部アンテナが大きい強力なWi-Fiルーターを使って家中に電波を飛ばせますが家の隅っこになるとどうしても通信速度が遅くなったり安定性に問題があったりします。
ということで、TP-Link Deco X20(AX1800)というWi-Fi 6に対応したメッシュルーターを3台設置してみました。
TP-Link Deco X20は単体での性能はそんなに高くないですが、複数台を家に設置で家中に満遍なく電波を飛ばすことができるメッシュWi-Fiシステムとなっています。
さらにWi-Fi 6(11ax)にも対応し戸建てのどの部屋でも高速データ通信が可能となります。
ということで、TP-LinkさんがTP-Link Deco X20(2-pack)を提供してくれたので、Deco X20のサイズ、使い勝手、通信速度などをレビューしています。
Wi-Fi 6対応のメッシュルーターを探している方は参考にしてみてください。
- シンプルなデザインで設置場所に困らない
- Wi-Fi 6の高速通信に対応している
- 気軽に端末を増やして通信を安定する
- アプリが使いやすくて設定しやすい
- 端末価格が2セットで1.9万円と安め
- V6プラス非対応(アップデートで対応)
- 最大通信速度は遅め
この記事の目次
TP-Link Deco X20(AX1800)の特徴
- Wi-Fi 6(802.11ax/ac/n/b/g)対応
- 5GHz:1201Mbps (802 11ax)
- 2.4GHz:574Mbps (802 11ax)
- 内蔵2アンテナ + デュアルバンド + ビームフォーミング
- OFDMA・MU-MIMOで複数端末と同時通信
- 6ストリームで150台の端末と同時接続(3パック)
- スマホでかんたん管理(Decoアプリ)
- 1Gbps WLAN/LAN ×2
- 本体サイズ:110 × 110 × 114 mm
- 実売価格:税込 2-pack:20,800円、3-pack:30,800円
TP-Link Deco X20は高速通信規格のWi-Fi 6(11ax)に対応しているワイヤレスルーターです。最高速度は1201Mbpsとさ速くないですが、実際の通信速度はとても速くて安定しているので使えます。
戸建でそこそこ広い家であっても複数台のTP-Link Deco X20を設置することで、電波を拡張することができるので広い家、オフィスで使うのに適したルーターといっていいでしょう。
- Deco X20 (2-pack):最大370平方メートル
- Deco X20 (3-pack):最大538平方メートル
ちょっと分かりにくいですが、感覚としては4LDKの戸建ならTP-Link Deco X20 (2-pack)があれば家中に快適な通信ができる電波で満たすことができます。
我が家は5LDKですが、どの部屋にいてもそれなりに快適に通信ができる環境を手に入れることができました。
TP-Link Deco X20は1台11,800円、2台セットで20,800円です。メッシュWi-Fiとしては価格はお手頃なの戸建てなど大きい家に住んでいる方は良い選択肢になるのかなと思います。
シームレスなメッシュWi-Fi
一般的にWi-Fiルーターでも子機を追加することで家中に電波を飛ばすことができましたが、メッシュWi-Fiに対応したTP-Link Deco X20であれば簡単な設定だけで同一のSSIDを使って通信ができます。
メッシュWi-FiであるTP-Link Deco X20は基本的に複数台で使うことになりますが、同一のSSIDで通信ができるのでルーターが切り替わるときに電波が切れるということがなく、安定した通信が可能となります。
Wi-Fi 6の高速通信に対応
TP-Link Deco X20はWi-Fi 6に対応しています。
Wi-Fi 6は通信速度が向上するだけでなく、スループットは従来規格比4倍となっているため複数の端末を同時に使っても安定した通信ができるというメリットもあります。
なお、iPhone 11、iPhone 12、iPhone 12 ProなどはWi-Fi 6に対応しています。最新のMacBook Air(M1)、MacBook Pro 13インチ(M1)も対応していてWi-Fi 6に対応している端末は今後も増えてきています。
実際に速度を計測してみたところ下り430Mbps、上り290Mbpsの超高速通信ができていましたよ。
「安全性の低いセキュリティ」って言われると気になってしまいますが、TP-Link Deco X20ならWPA3に設定することができる(初期設定はWPA/WPA2になってる。)ので、安心の環境を構築することが可能となっています。
TP-Link Deco X20 レビュー
外観デザイン・サイズ
TP-Link Deco X20は円柱型のWi-Fiルーターとなっています。本体カラーはホワイトなのでリビングにそのまま置ける、スタイリッシュなスタイルなのがとてもいいです。
今回レビューしているのは2-packモデルなのでDeco X20が2台あって、それぞれの電源アダプタ、モデムに接続する有線LANケーブルも付属しています。
とてもシンプル。無駄がなくてとても良いです。筐体はΦ110 mm × 114 mmのコンパクトなサイズとなっていて、片手で持つとこれくらいのサイズ感となっています。
今まではずーっと使っていたAppleのAirMac Expressと横幅は同じくらいですが、背が低くてシンプルな円柱デザインを採用していることもあり、リビングやキッチンにそのまま置いてもいいくらいスタイリッシュなスタイルとなっています。
実は、これを機会に家中のWi-FiルーターをBUFFALO WXR-5950AX12 + AirMac Expressの構成からTP-Link Archer A10 Pro + TP-Link Deco X20に入れ替えをしました。
リビングに外部アンテナのあるルーターを置きたくなかったので、AirMac Expressの代替えとしてはかなりアリな端末となっています。
TP-Link Deco X20はLEDインジゲーターの色で現在の状況を色で確認できるようになっています。
- 黄色:起動中
- 青色:設定中
- 緑色:問題なし
- 赤色:問題が発生
LEDはとても明るく設置場所の下部分を色で照らしてくれるので遠くからでも状態を確認できるのはいいところです。もし、寝室に設置していて眩しいという場合でもLEDを消灯するスケジュール設定もできるので安心してください。
ちなみに、設定完了後にきちんと通信ができていたけど、ある日突然、赤色になって問題が発生した場合は再起動することで解決することがほとんどとなっています。
ポート数と機能について
TP-Link Deco X20の外部ポートはとてもシンプルで、電源用のポートとLAN/WANギガビット有線LANポートが2つのみとなっています。
一般的なWi-FiルーターはWANとLANが別々のポートになっていて、モデムからのLANケーブルをどっちに挿したらいいか迷うことがありますが、TP-Link Deco X20はどちらに接続しても問題ないようになっています。
とてもシンプルに設定することができるので分かりやすいですよね。
IPv6 IPoE(V6プラス)で通信するには
我が家の光回線はドコモ光 + GMOでV6プラス(IPv6 IPoE)の契約となっているためPPPoE(プロバイダのIDとパスワードを入力するタイプ)による接続ができません。
TP-Link Deco X20はV6プラスによる接続は非対応となっているので、V6プラス接続をしたい場合はプロバイダのモデムとTP-Link Deco X20の間にV6プラスに対応したルーターが必要となります。
つまり、TP-Link Deco X20の単体運用ではIPv6 IPoEの接続ができないということですね。
ただ、GMOはV6プラスを契約すると無料でV6プラスに対応したルーターを貸し出ししてくれるので、貸し出しのルーターとTP-Link Deco X20を接続すれば問題なく使うことができます。
TP-Link Deco X20の通信速度
今回はV6プラスに対応の同じメーカーのTP-Link Archer A10 Proを接続し、その先にTP-Link Deco X20を接続してDeco X20のWi-Fiを使って通信をする構成をとっています。
実際に通信速度をGoogleのスピードテストで計測してみました。
- Wi-Fiルーター:TP-Link Archer A10 Pro + TP-Link Deco X20(ブリッジ接続)
- 計測端末:iPhone 11 Pro
- 環境:戸建て2階建て(5LDK)
- 光回線:ドコモ光 × GMO光
- 契約:IPv6 IPoE(V6プラス)
1台接続の通信速度
まずはTP-Link Deco X20(A)を1台運用で通信速度を計測してみました。
Deco X20(1台) | Archer A10 Pro | ||
リビング1F | 受信 | 2.9Mbps | 243Mbps |
送信 | 12Mbps | 186Mbps | |
和室1F | 受信 | 79Mbps | 155Mbps |
送信 | 80Mbps | 101Mbps | |
お風呂1F | 受信 | 463Mbps | 524Mbps |
送信 | 334Mbps | 161Mbps | |
玄関1F | 受信 | 434Mbps | 352Mbps |
送信 | 246Mbps | 92Mbps | |
書斎2F | 受信 | 252Mbps | 418Mbps |
送信 | 134Mbps | 198Mbps | |
寝室2F | 受信 | 41Mbps | 125Mbps |
送信 | 29Mbps | 150Mbps | |
子ども部屋2F | 受信 | 30Mbps | 59Mbps |
送信 | 23Mbps | 55Mbps |
参考までにTP-Link Archer A10 Proの通信速度も合わせて記載していますが、さすがに1台だとルーターの近くでないと速度が出ないようで、外部アンテナを搭載しているArcher A10 Proの方が速度が出ます。
ただ、ルーターから近いところであれば、通信速度が速くなるので2LDKなどのマンションやアパートであれば1台でも十分使えるのかもしれません。
2台接続(無線)の通信速度
次にリビングにTP-Link Deco X20(B)を置いて2台運用で速度を計測してみました。もちろん、(A)と(B)は無線接続となっています。
Deco X20(2台) | Deco X20(1台) | Archer A10 Pro | ||
リビング1F | 受信 | 204Mbps | 2.9Mbps | 243Mbps |
送信 | 70Mbps | 12Mbps | 186Mbps | |
和室1F | 受信 | 139Mbps | 79Mbps | 155Mbps |
送信 | 148Mbps | 80Mbps | 101Mbps | |
お風呂1F | 受信 | 472Mbps | 463Mbps | 524Mbps |
送信 | 187Mbps | 334Mbps | 161Mbps | |
玄関1F | 受信 | 317Mbps | 434Mbps | 352Mbps |
送信 | 105Mbps | 246Mbps | 92Mbps | |
書斎2F | 受信 | 393Mbps | 252Mbps | 418Mbps |
送信 | 209Mbps | 134Mbps | 198Mbps | |
寝室2F | 受信 | 159Mbps | 41Mbps | 125Mbps |
送信 | 177Mbps | 29Mbps | 150Mbps | |
子ども部屋2F | 受信 | 139Mbps | 30Mbps | 59Mbps |
送信 | 94Mbps | 23Mbps | 55Mbps |
2台運用にすることで部屋全体に良質な電波が行き渡って100Mbps〜200Mbpsの速度が常に出る状態に持っていくことができました。
外部アンテナを搭載しているTP-Link Archer A10 Proの1台運用でもそこそこの通信はできますが5GHz帯の電波が届かずに2.4GHzに切り替わる部屋もある中で、TP-Link Deco X20は2台あるので安定性が違います。
どこの部屋でも5GHz帯の安定した高速通信ができるようになりました。
感触としてはTP-Link Deco X20(A)と(B)の距離は近い方が速度が出るように感じます。できるだけ近い距離を保ちながら2〜3台を家のどこかに配置することで、家全体を一つの塊としての通信環境を整えることができると思います。
2台接続(有線)の通信速度
番外編として、我が家ではルーターのある配電盤からリビングまで壁の中を伝って有線LANケーブルを引いているため2台目のTP-Link Deco X20(B)を有線で接続することもできます。
Deco X20(2台有線接続) | Deco X20(2台無線接続) | Archer A10 Pro | ||
リビング1F | 受信 | 509Mbps | 204Mbps | 243Mbps |
送信 | 122Mbps | 70Mbps | 186Mbps | |
和室1F | 受信 | 139Mbps | 139Mbps | 155Mbps |
送信 | 148Mbps | 148Mbps | 101Mbps | |
お風呂1F | 受信 | 462Mbps | 472Mbps | 524Mbps |
送信 | 160Mbps | 187Mbps | 161Mbps | |
玄関1F | 受信 | 456Mbps | 317Mbps | 352Mbps |
送信 | 173Mbps | 105Mbps | 92Mbps | |
書斎2F | 受信 | 237Mbps | 393Mbps | 418Mbps |
送信 | 110Mbps | 209Mbps | 198Mbps | |
寝室2F | 受信 | 219Mbps | 159Mbps | 125Mbps |
送信 | 179Mbps | 177Mbps | 150Mbps | |
子ども部屋2F | 受信 | 285Mbps | 139Mbps | 59Mbps |
送信 | 207Mbps | 94Mbps | 55Mbps |
有線で接続したことによってTP-Link Deco X20(B)の速度が大幅に向上して家全体の左側の通信速度が大幅に向上しました。
TP-Link Deco X20は基本的に「無線で複数台使えるから便利だよ!」という製品なので「有線接続してしまうのはどうなんだろう…」とは思いましたが、有線接続できる環境があるなら、複数のDeco X20を有線接続してメッシュWi-Fi環境を作るのが最強になるのでおすすめです。
3台接続の通信速度
実はTP-Link Deco X20がとても良かったのでもう一台追加で購入しました。
5LDKの戸建てなら2台運用で十分なのですが、仕事をしている部屋(書斎)は動画をアップロードしたりと大容量データを扱うことが多いため、もう一台追加してiMac 27インチを有線接続してスピードアップできないと考えたのです。
3台設置しても無線による速度はあまり変化はなかったのですが、LANポートを使って有線接続したiMac 27インチの通信速度はめちゃくちゃ速度が向上しました。
書斎に設置したTP-Link Deco X20(D)と配電盤のDeco X20(A)は無線接続なので速度向上はあまり期待してなかったのですが全然違いました。100〜150Mbpsほどの通信速度だったのが、LAN接続をすることで360Mbpsに大幅に速度が向上し動画のアップロードも快適になりました。
なので、メインパソコンがある部屋にもDeco X20を1台追加してこのように有線接続するだけでも通信環境を改善できるので、おすすめです。
スマホから簡単に設定ができる
TP-Link Deco X20はスマホに専用アプリ「TP-Link Deco」をインストールすることで簡単に設定することができます。
TP-Link Decoを起動してログインをします。TP-Linkのアカウントを持っていない場合は「登録」してログインをしましょう。
「自宅をWi-Fiで塗りつぶそう」を開始すると「DecoがBluetoothの使用を求めています」と表示されるので「OK」をタップ。製品一覧から「X20」があるアイコンをタップして追加していきます。
モデムとTP-Link Deco X20をLANケーブルで接続して電源を入れてしばらく待機します。
Deco X20とスマホをWi-Fiで接続をします。
SSIDがDeco X20の裏面に記載されているので、スマホのWi-Fiの設定から記載されているDecoを探してタップすると接続ができるようになっています。
Wi-Fiの接続ができたらアプリに戻って「インターネット接続タイプ」を選択します。Deco X20をメインのルーターとして使う場合はPPPoE接続を選択してプロバイダのIDとパスワードを入力して設定ができるようになっています。
ここでは、TP-Link Archer A10 Proをメインのルーターとしているので動的IPに設定しています。(動的IP、PPPoE、静的IP、L2TP、PPTPから選択できる。)
もし、インターネットに接続できない場合は「この手順をスキップ」してブリッジモードなどに変更することによって接続させることがあるようです。詳しくはTP-Linkの公式サイトを見てください。
なお、2台目以降のTP-Link Deco X20も簡単に設定することができます。
2台目の端末の電源を入れてしばらく待機してると自動的に認識してくれて設定を完了してくれます。
もし、Decoの追加時に「他のDecoが見つかりません」と表示した場合は「Bluetoothを使う」が表示されるまで「再試行」し「Bluetoothを使う」が表示されたら「Bluetoothを使う」をタップすると追加できるはずです。
WPA3に設定する方法
TP-Link Deco X20の暗号化タイプがWPA/WPA2が初期設定となっているため、iOS 14・iPad OS 14では「安全性の低いセキュリティ」という表示が出てしまいます。
なんか気になりますよね。自宅で使うなら特に気にする必要もないのですが、アプリからWPA3に設定しておきましょう。アプリの下メニューの「もっと」のアイコンから「Wi-Fi」をタップします。
Wi-Fiネットワーク名をタップするとパスワードなどの詳細が表示されますが、ここにWPA3の項目設定があります。
WPA3をONにすることで、WPA3による暗号化がONとなります。
「安全性の低いセキュリティ」という項目が消えてスッキリしましたね。
TP-Link Deco X20 レビュー:まとめ
TP-Link Deco X20はWi-Fi 6に対応した小型メッシュルーターです。
- シンプルなデザインで設置場所に困らない
- Wi-Fi 6の高速通信に対応している
- 気軽に端末を増やして通信を安定する
- アプリが使いやすくて設定しやすい
- 端末価格が2セットで1.9万円と安め
- V6プラスに非対応(アップデートで対応)
- 最大通信速度は遅め
TP-Link Deco X20のメリット
ルーターの筐体がとてもコンパクトなので、プライベートルームやリビングにそのまま置いて使うことができるのがTP-Link Deco X20のいいところです。
ちょっと速度が遅いな…と感じたところに、1台追加することで通信速度を向上させることができます。
だいぶ前に別メーカーのメッシュWi-Fiを使ったことがあって速度が思ったほど出ない、微妙だな…と感じて避けてたのですが、TP-Link Deco X20は満足いく速度が出ますし、通信も安定していて接続が切れることもありません。
TP-Link Deco X20(2-pack)が20,800円なので、Wi-Fi 6対応のメッシュWi-Fiルーターとしては価格控えめでおすすめです。
TP-Link Deco X20のデメリット
TP-Link Deco X20はV6プラス(IPv6 IPoE)は対応していません。ルーターとして使うにはPPPoEによる接続となるので、V6プラスを使う場合はV6プラスに対応したルーターが別途必要となります。
(追記:最新アップデートでV6プラスに対応しています。)
また、すでにV6プラスのルーターを使っている方はTP-Link Deco X20を追加してブリッジモードでWi-Fi 6のメッシュWi-Fi環境をかんたんに構築できるので快適な電波で満たしたい方におすすめです。
V6プラス対応のWi-Fiルーターはこちら。
https://www.tp-link.com/jp/support/faq/2383/
いつのまにか x20 ipoe に対応しているようです。
よかったら設定方法公開してください。