TP-LinkにはIPv6 IPoE(V6プラス)に対応しているルーターがいくつかありますが、低価格かつ高性能なTP-Link Archer AX4800が2021年8月12日に発売となります。
日本の光回線は一般的なPPPoE(プロバイダのIDとパスワードを入力するタイプ)は時間帯によって速度が遅くなってしまうことがありますが、IPv6 IPoE(V6プラス)は通信速度が遅くなりにくい規格です。
IPoE(IPv6)は海外のWi-Fiルーター対応しているモデルが限られてましたが、TP-LinkはIPoE(IPv6)に対応したルーターを次々と投入しており選択の幅が広がりつつあります。
この記事ではTP-Link Archer AX4800のサイズ・使いやすさ・通信速度をレビューしているので、IPoE(IPv6)に対応した高速ルーターを探している方は参考にどうぞ!
なお、Archer AX73との違いについても書いているのでどっちにするか迷っているかたも是非とも。
- IPv6 IPoE(V6プラス)対応
- デュアルバンド + 6ストリームに対応
- 1台で戸建て住宅をカバーできる
- ネットワークストレージを構築できる
- OneMesh対応でメッシュWi-Fi化も可能
- アプリが使いやすくて設定しやすい
- 端末価格が約1.2万円とかなり安い
- 10Gbps イーサネットに非対応
※TP-Linkさんに商品を提供していただき記事にしております。
この記事の目次
TP-Link Archer AX4800の特徴
- Wi-Fi 6(802.11ax/ac/n/b/g)対応
- 5GHz:4324Mbps (802 11ax,HE160)
- 2.4GHz:574Mbps (802 11ax)
- V6プラス(IPv6 IPoE)に対応
- 外部6アンテナ + デュアルバンド + ビームフォーミング
- OFDMA・MU-MIMOで複数端末と同時通信
- 6ストリームで80台の端末と同時接続
- スマホでかんたん管理(Tetherアプリ)
- 1Gbps WLAN ×1、1Gbps LAN ×4
- USB 3.0ポートを搭載しネットワークストレージ化も
- WPSボタンで簡単接続ができる
- 本体サイズ:262.2 × 144.3 × 51 mm
- 価格:税込 11,800円(実売価格)
Archer AX4800はIPv6 IPoE(V6プラス)に対応したWi-Fi 6対応ルーターとなっており、PPPoE接続の通信速度が遅くて使えない…なんてシチュエーションでも最強のWi-Fi環境を手に入れることができます。
さらに、高速通信と複数接続ができるWi-Fi 6(11ax)に対応しており外部アンテナを6つ搭載した6ストリーム、合計4.8Gbps(4.3Gbps + 574Mbps)のデュアルバンドWi-Fiというこの価格で本当にいいの…?って思ってしまうほど高性能なコスパの良い無線LANルーターとなっています。
Archer AX4800は強力な外部アンテナを6本搭載しているため1台運用で強度の強い電波を遠くまで飛ばして戸建住宅でも快適なデータ通信ができており、実際に我が家(5LDK戸建て)で試してみたところ各部屋で100〜450Mbpsの速度が出ていました。
1台だけでもほとんどの環境で快適な通信環境を手に入れることができますが、大きな家に住んでいたり事業所で使うならTP-Link OneMeshに対応した中継機・RE605Xを追加しWi-Fiのエリアを手軽に拡大することもできます。
TP-LinkにはArcher A10 ProというIPv6 IPoE(V6プラス)に対応した低価格ルーターがありますが、戸建て住宅(2階建5LDK)だと1台運用は少し厳しいところがありますが、Archer AX4800なら1台で快適な通信環境を構築できます。
Archer AX4800はIPv6 IPoE(V6プラス)、Wi-Fi 6に対応したルーターでありながらも11,600円で手に入れることができるので、とにかくハイコスパなモデルとなっています。
Archer AX4800とAX73のスペックの違い
Archer AX4800は新世代テクノロジーのWi-Fi 6に対応しているため高速通信ができるだけでなく多くの端末を同時に使うことができます。
Archer AX4800は6つの外部アンテナを搭載した6ストリームに対応、合計4.8Gbps(4.3Gbps + 574Mbps)の通信速度に対応し、戸建て住宅なら3回建てまで、マンションなら4LDKまでの広さ、最大接続台数は80台となっています。
Archer AX4800とArcher AX73、Archer A10 Proのスペックを比較しました。3台ともV6プラスに対応したルーターとなってます。
Archer AX4800 | Archer AX73 | Archer A10 Pro | |
対応規格 | 802.11ax/ac/n/a(5GHz) 802.11ax/n/b/g(2.4GHz) |
802.11ac/n/a(5GHz) 802.11n/b/g(2.4GHz) |
|
5GHz 2.4GHz |
4324Mbps 574Mbps |
4804Mbps 574Mbps |
1733Mbps 800Mbps |
アンテナ数 | 外付け×6 | 内蔵×1 外付け×3 |
|
Wi-Fi性能 | デュアルバンド、4×4 MU-MIMO、OFDMA、6ストリーム | デュアルバンド、4×4 MU-MIMO、4ストリーム | |
CPU | 1.5GHz トリプルコア |
デュアルコア | |
拡張性 | メッシュWi-Fi技術 OneMesh対応 | – | |
IPoE | V6プラス対応 | ||
有線ポート | 1Gbps WLAN ×1、1Gbps LAN ×4 | ||
USBポート | USB 3.0 ×1 | ||
サイズ | 262.2 × 144.3 × 51.0 mm | 272.5 × 147.2 × 49.2 mm | 216 × 164 × 36.8 mm |
参考価格 | 11,800円 | 13,600円 | 9,980円 |
少し前に発売したArcher AX73とスペックはほぼ同じですが、最大通信速度が4.8Gbps → 4.3Gbpsになって、ルーター端末がひとまわり小さくなって、価格が2,000円も安くなったのがArcher AX4800となっています。
実際の通信速度はArcher AX73の方が確かに上となっていますが誤差範囲レベルといってもいいくらいなので、少しでも費用を抑えたいけど高速通信できるルーターを選ぶならArcher AX4800の方がいいかもしれないですね。
Archer AX4800レビュー
外観デザイン・サイズ
Archer AX4800は6本の外部アンテナが剥き出しとなったWi-Fiルーターです。
同梱品は電源アダプタ、LANケーブル、初期設定のSSID、パスワードが記載されたカードなどとなっています。
Archer AX4800は端末を平置きにして使うことができて外部アンテナを6本搭載しています。
Archer AX4800のアンテナ部分は可動式となっており、家の形状と広さに合わせてアンテナの向きを最適化してセッティングできるようになっています。
筐体はTP-LinkのArcher AXシリーズでお馴染みのデザインとなっています。
TP-Linkのロゴのある部分は光沢のあるデザインとなっていてアソビ心のあるスタイルとなっています。本体サイズは262.2 × 144.3 × 51.0 mmとなっていて横に長いルーターとなっています。
平置きで使う場合は筐体サイズがそれなりに大きいので設置場所を用意する必要がありますが、本体の裏側には壁に引っ掛けるための穴が設けられていて壁に釘でも打ち付けて壁掛けスタイルで使えるようになっています。
筐体の左部分に各種LEDインジゲーターを搭載していて状態を確認することができます。
左から順に電源(点滅:処理中・点灯:正常動作) → 2.4GHz Wi-Fi → 5GHz Wi-Fi → インターネット接続 → LANポート接続 → USB接続 → WPS動作となっており、状態を筐体側でしっかりと確認できるようになっています。
また、専用アプリを使うことで「夜モード」に設定し指定時間で自動的にLED表示をOFFにできるようにもなっております。
5つのWAN/LANポートを搭載
Archer AX4800はギガビットWANポートを1つ、ギガビットLANポートを4つ搭載しいるので、複数の端末を有線でイーサネット接続して安定した高速通信環境を構築することもできます。
6ストリーム、Wi-Fi 6に対応したルーターなのでワイヤレスでも高速通信できますが、動画編集をしたり、写真のデータなど大容量データを扱うことが多いパソコンが近くにあるならば有線で接続することでさらに高速通信ができるので作業効率を向上させることができます。
背面部分に操作ボタンを搭載しています。
- LEDボタン(1秒長押し):ON・OFF 切り替え
- WPSボタン(1秒長押し):WPS接続が有効になる
- Wi-Fiボタン(2秒長押し):ON・OFF 切り替え
Archer AX4800は基本的に専用アプリから操作することになりますが物理ボタンも搭載しているので、何らかの事情でWi-FiのON、OFFをしたり、WPS接続をして簡単接続したいときすぐに設定することもできます。
USB 3.0ポートでネットワークストレージにも
Archer AX4800はUSB 3.0ポートを本体の横側に搭載しています。
USB 3.0で最大5Gbpsで外付けストレージと接続ができるのでArcher AX4800を介して簡易なネットワークストレージ(NAS)を構築できるので、複数の端末から無線で写真、動画を簡単に共有して楽しむこともできます。
データの保存だけでなくMacのバックアップ機能・Time Machineのネットワークストレージとしても使えるので有線でMacを接続しなくても無線で自動的にMacをバックアップしておくこともできます。
HDDだと通信速度がちょっと遅いので予算に余裕があるのなら外付けSSDを接続することで、簡単にどの端末からでもアクセスができるネットワークストレージを作り出すことが可能。「TP-Linkクラウドサービス」と「Tetherアプリ」を使ってリモートアクセスもできます。
IPv6 IPoE(V6プラス)に対応
Archer AX4800は一般的なPPPoE(プロバイダのIDとパスワードを入力するタイプ)による接続だけでなく、高速通信ができるIPv6 IPoE(V6プラス)による接続にも対応しています。
一般的な光回線の契約はPPPoE方式ですが、この方式だとフレッツNGN網のPOI/ 網終端を通過することで通信速度が時間帯によって極端に遅くなってしまうことがありますが、網終端を通過せずにインターネット接続できる各プロバイダではIPv6 IPoE方式に契約を切り替えることで劇的に通信速度を向上できます。
その時に、ルーターがIPv6 IPoE方式に対応している必要があるのですが、Archer AX4800はしっかり対応しているので、この1台買うことで全てが解決してしまいます。
Archer AX4800の実際の通信速度
では、実際にArcher AX4800の通信速度はどれくらいなのか計測していきたいと思います。V6プラスに対応しているのでONUと接続するだけで安定した高速通信ができます。
以下の条件で接続をしてiPhone 12 Pro Maxを使って実際に通信速度をGoogleスピードテストで計測してみました。
Archer AX4800をお風呂場の上部分(1階と2階の間)にテレビアンテナや光回線のケーブルを引き込んで分岐させている空間があるので、そこにモデムとルーターを設置しています。
- ルーター:Archer AX4800
- 計測端末:iPhone 12 Pro Max
- 環境:戸建て2階建て(5LDK)
- 光回線:ドコモ光 × GMO光
- 契約:IPv6 IPoE(V6プラス)
参考までにIPv6 IPoE(V6プラス)に対応しているArcher AX73、Archer A10 Pro、による速度も比較しております。
Archer AX4800 | Archer AX73 | Archer A10 Pro | ||
リビング1F | 受信 | 173Mbps | 132Mbps | 118Mbps |
送信 | 66Mbps | 56Mbps | 108Mbps | |
和室1F | 受信 | 391Mbps | 327Mbps | 74.7Mbps |
送信 | 172Mbps | 159Mbps | 50.4Mbps | |
お風呂1F | 受信 | 447Mbps | 483Mbps | 334Mbps |
送信 | 128Mbps | 121Mbps | 173Mbps | |
玄関1F | 受信 | 488Mbps | 471Mbps | 373Mbps |
送信 | 174Mbps | 116Mbps | 183Mbps | |
書斎2F | 受信 | 431Mbps | 432Mbps | 297Mbps |
送信 | 124Mbps | 172Mbps | 215Mbps | |
寝室2F | 受信 | 336Mbps | 358Mbps | 128Mbps |
送信 | 161Mbps | 112Mbps | 219Mbps | |
子ども部屋2F | 受信 | 28Mbps | 44Mbps | 22Mbps |
送信 | 29Mbps | 16Mbps | 5Mbps |
Archer A10 ProよりもArcher AX4800の方が最大通信速度が速くなっておりA10 Proが最大373Mbps出ているところではAX4800なら488Mbpsと速度が向上しており少し離れたところでも安定した高速通信ができています。
やはり、4ストリーム → 6ストリームにアンテナが増えたことで遠くに安定した電波を飛ばすことができるようで、Archer AX4800なら1台で2階建て戸建て住宅をWi-Fiの電波で満たすことができます。
スペックが似ているArcher AX4800とArcher AX73はほぼ同じ性能となっていますね。少しだけAX73の方が広い範囲で通信速度が速いですが、体感としては同じなので価格の安いArcher AX4800を選ぶメリットは大きいように感じます。
なお、少し大きめな家や事業所でルーターから離れている場合でもArcher AX4800とはTP-Link OneMeshに対応しているためRE605Xなどを使ってメッシュWi-Fi化して通信できる範囲を広げることもできます。
→ TP-Link RE605X を詳しく見る
スマホから簡単に設定ができる
Archer AX4800はスマホに専用アプリ「TP-Link Tether」をインストールし簡単に設定できます。
TP-Link Tetherを起動してログインします。TP-Linkのアカウントを持っていない場合は「登録」しておきましょう。
アプリを起動して「デバイスの種類を選択」します。
Archer AX4800は「ルーター」の中にあって、モデムとArcher AX4800をLANケーブルで接続して電源を入れてしばらく待機、Archer AX4800とスマホをWi-Fiで接続します。
iPhoneなら「設定」→「Wi-Fi」を起動することでWi-Fiの一覧を表示できます。
Archer AX4800の本体裏面、SSIDが記載されているカードがあるのでWi-Fiの一覧から記載されている型式を探してタップすると接続することができます。
接続が成功したらアプリに戻って「インターネット接続タイプ」を選択しましょう。Archer AX4800をはIPv6 IPoE(V6プラス)に対応してるので、今回は「v6プラス(MAP-E)」を選択します。
IPv6 IPoE(V6プラス)を契約していない場合はPPPoEを選択してプロバイダから配布されているIDとパスワードを入力してください。他にも、動的IP、静的IP、L2TP、PPTP、DS-Liteから選択できます。
SSIDとパスワードは自由にカスタマイズできるので、自分好みの設定できるようになっており、スマートコネクトを設定することで一つのSSIDとパスワードで自動的に高速な帯域を選んで快適に通信が可能となっています。
スマートコネクトを設定すると自動的に最適な電波(5GHz・2.4GHz)で通信してくれるので、少し広い家での使用におすすめです。
なお、4LDKの戸建て、マンションであればスマートコネクトを使わなくても常に5GHz帯域を使えるので設定はしなくてもいいでしょう。
それ以上、大きな家、事業所になると5GHz帯域で届かない可能性もあるのでスマートコネクトを設定しておいた方がよりよいパフォーマンスを得られるかと思います。
OneMeshでメッシュWi-Fi化もできる
6本の外部アンテナを搭載しているArcher AX4800なので追加ルーターが必要になるシチュエーションはあまりないですが、5LDK以上の大きな家、事業所で隅の部屋になると通信速度が極端に遅くなることもあります。
そこで、TP-Link独自技術のOneMeshに対応した機器と組み合わせることでArcher AX4800をメイン機としたメッシュWi-Fi環境の構築もできます。
OneMeshによるメッシュWi-Fiを構築するにはOneMesh対応機器で対応することができます。
最大通信速度はArcher AX4800と比べても劣りますが電波が弱い、もう少し範囲を広げたいところを簡単に補強できるので安定感は向上します。価格も安いのでちょっと物足りないと思ったら追加してみてください。
詳しくは公式ページの「TP-Link OneMesh対応機器」をご覧ください。対応端末もしっかりと記載されています。
Archer AX4800 レビュー:まとめ
Archer AX4800のメリット
Archer AX4800はIPv6 IPoE(V6プラス)に対応したWi-Fi 6ルーターで、Archer AX73よりも少しだけ通信速度(理論値)が遅くなっているだけで、スペックはほぼ同じと見ていいです。
むしろ、Archer AX4800はルーターの大きさがAX73よりも少しだけコンパクトになっているのでリビングに設置するならAX4800の方がいいかもしれないですね。
- IPv6 IPoE(V6プラス)対応
- デュアルバンド + 6ストリームに対応
- 1台で戸建て住宅をカバーできる
- ネットワークストレージを構築できる
- OneMesh対応でメッシュWi-Fi化も可能
- アプリが使いやすくて設定しやすい
- 端末価格が約1.2万円とかなり安い
Archer AX4800はIPv6 IPoEに対応しているのでV6プラスの契約していて、Wi-Fi 6の高速通信を安定的に使いたい方におすすめです。この1台だけで2回立て戸建て住宅で使えて、6本の外付けアンテナで十分な速度を得ることができます。
もし、大豪邸に住んでいて電波が不安な部屋があったとしてもOneMesh対応機器を追加することでWi-Fi範囲を広げられるので、汎用性はとても高くて使いやすいルーターになっています。
Archer AX4800のデメリット
Archer AX4800は全部入りのWi-Fiルーターで一般用途においてはデメリットはほとんどないですが、強いて言うなら全部入りのルーターというわけではなく有線LANは10Gbpsに非対応です。
- 10Gbps イーサネットに非対応
10Gbpsの光回線を契約してるならArcher AX90、Deco X90がいいです。(ただし、V6プラスには対応していない)
Archer AX4800 どんな人におすすめか
海外製のルーターはV6プラスに対応したものが少なく選びようがなかったのですが、TP-Linkは確実に選択肢の幅を広げています。光回線でIPv6 IPoE(V6プラス)契約をしているならArcher AX4800は全ての人におすすめできるルーターです。
通信速度をさらに上げたいなら上位モデルのArcher AX73を選んでもいいですし(体感でそんなに違いはない。)、マンションやアパートに住んでいてとにかく費用を抑えたいならArcher A10 Proを選ぶのもいいでしょう。
2階建て戸建て住宅(4LDK)ならArcher AX4800はかなり良い選択肢です。
5LDKになると隅の部屋で5GHz帯域が届かずに速度が落ちますが、スマートコネクトを有効にして2.4GHz帯を上手く使うことで通信は普通にできるので高速通信を求めないのであれば問題はあまりないでしょう。
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