メッシュWi-Fiは複数台の端末を家の中に設置することで、快適なWi-Fi環境を構築できますが、各部屋に設置するところと電源を準備する必要があるので1台のWi-Fiルーターでまかないたいと思うこともあるかもしれません。
そこで、Archer AX90(AX6600)という強そうなWi-Fiルーターです。Wi-Fi 6に対応しているだけでなく8本の外部アンテナを搭載することで6.6Gbps(4.8Gbps + 1.2Gbps + 574Mbps)の超高速通信に対応しています。
この記事ではArcher AX90のサイズ・使いやすさ・通信速度をレビューしているので、戸建て住宅や広めのマンションに住んでいる方で1台のWi-Fiルーターで完結したいという方は参考にしてみてください。
- トライバンドWi-Fiで安定した高速通信
- 1台で戸建て住宅をカバーできる
- ネットワークストレージを構築できる
- OneMesh対応でメッシュWi-Fiかも可能
- アプリが使いやすくて設定しやすい
- V6プラス(IPv6 IPoE)に非対応
- 本体サイズが大きい
- 価格が少し高め
※商品を提供していただき記事にしております。
この記事の目次
TP-Link Archer AX90の特徴
- Wi-Fi 6(11ax)の高速通信に対応
- 4.8 + 1.2Gbps + 574Mbps トライバンドWi-Fi
- 8本のハイゲインアンテナとビームフォーミング技術
- OFDMAとMU-MIMOで複数端末と同時通信
- 1.5 GHz クアッドコアプロセッサを搭載
- 最大100台の端末を接続可能
- TP-Link OneMeshでメッシュWi-Fi化も
- USB 3.0を搭載しネットワークストレージ化も
- 暗号化規格WPA3でセキュリティーが高い
- 実売価格:税込 29,800円
Archer AX90は高速通信規格のWi-Fi 6(11ax)に対応しているワイヤレスルーターで、アンテナを8つ搭載した8ストリーム、合計6.6Gbps(4.8 + 1.2Gbps + 574Mbps)のトライバンドWi-Fiに対応しています。
強力な外部アンテナを8本搭載することで1台運用でもかなり遠くまで強度の強い電波を飛ばすことができるので戸建住宅でもかなり快適な通信が可能。実際に5LDKの戸建て使ってみましたが各部屋で満足いく通信速度を得ることができました。
メッシュWi-Fiのように複数台による運用をしたくないなら、アンテナが強力なArcher AX90を1台設置してシンプルな環境を構築するのも良さそうです。
なお、とんでもなく大きな家に住んでいたり、事業所で使うことを想定しているのならTP-Link OneMeshに対応した中継機・RE605Xなどを追加することでWi-Fiのエリアを手軽に拡大することもできるので拡張性は高いです。
Archer AX90のスペック
Archer AX90は新世代テクノロジーのWi-Fi 6に対応しています。より高速になった通信速度、より多くの端末と接続ができます。アンテナを8つ搭載し8ストリームに対応し合計6.6Gbps(4.8Gbps + 1.2Gbps + 574Mbps)の高速通信ができます。
Archer AX90とArcher AX50、Archer A10 Proのスペックを比較してみました。
Archer AX90 | Archer AX50 | Archer A10 Pro | |
対応規格 | 802.11ax/ac/n/a(5GHz) 802.11ax/n/b/g(2.4GHz) |
802.11ac/n/a(5GHz) 802.11n/b/g(2.4GHz) |
|
5GHz-2 5GHz-1 2.4GHz |
4804Mbps 1201Mbps 574Mbps |
– 2402Mbps 574Mbps |
– 1733Mbps 800Mbps |
アンテナ数 | 外付け×8 | 外付け×4 | 内蔵×1 外付け×3 |
Wi-Fi性能 | トライバンド、4×4 MU-MIMO、OFDMA、8ストリーム | デュアルバンド、OFDMA、4ストリーム | デュアルバンド、4×4 MU-MIMO、4ストリーム |
CPU | 1.5GHz クアッドコア |
デュアルコア | |
拡張性 | メッシュWi-Fi技術 OneMesh対応 | – | |
IPoE | – | V6プラス対応 | |
有線ポート | 2.5Gbps W/LAN ×1、1Gbps W/LAN ×1、1Gbps LAN ×3 | 1Gbps W/LAN ×1、1Gbps LAN ×4 | |
USBポート | USB 3.0 ×1、USB 2.0 ×1 | USB 3.0 ×1 | |
サイズ | 311 × 207 × 174 mm | 260.2 × 135.0 × 38.6 mm | 216 × 164 × 36.8 mm |
参考価格 | 27,280円 | 11,800円 | 9,980円 |
Archer AX90はアンテナの数が8つ搭載し5GHz帯域が二つあるのが特徴で、二つの5GHz帯と2.4GHzで共通のネットワーク名(SSID)にすることができ、速度が速い帯域に自動的に切り替えてくれるスマートコネクトを搭載しています。
Archer AX90レビュー
外観デザイン・サイズ
Archer AX90はアンテナ剥き出しの強そうなWi-Fiルーターとなっています。
同梱品は電源アダプタ、LANケーブルが1つ入っています。
Archer AX90は本体自体は平置きにすると意外と薄くなっていますが、強そうなアンテナが8本も搭載しているためかなり迫力のなるスタイルとなっています。
本体の上部は排熱も考慮された集中線に造成されたデザインとなっています。
Archer AX90の本体サイズは311 × 207 × 174 mmとなっていてそこそこ大きいので設置場所を考える必要はあるかと思います。
ただ、本体の裏側には壁に引っ掛けるための穴が設けられているので、壁に釘を打ちつけて壁掛けスタイルで使えるように配慮されています。
本体の重量は890gで思うほど重くはないので壁掛けで使うのも良さそうです。
Archer AX90のアンテナ部分はこのように可動式となっているので、家の形状、広さに合わせてアンテナの向きを最適化することができます。
筐体の下部分にWi-Fiボタン、LEDボタン、WPSボタンを搭載しています。
- Wi-Fiボタン(2秒長押し):ON・OFF 切り替え
- LEDボタン(1秒長押し):ON・OFF 切り替え
- WPSボタン(1秒長押し):WPS接続が有効になる
Archer AX90は基本的に専用アプリから操作ができますが、このように物理ボタンも搭載しているので、何らかの事情でWi-FiのON、OFFをしたり、WPS接続をして簡単接続したいときなどすぐにできるようになっています。
Archer AX90はLEDインジゲーターの色で現在の状況を色で確認できるようになっています。
- 黄色:Wi-Fiオフ
- 黄色点滅:システム起動中
- 青色:正常に動作
- 青色点滅:アップデート中、WPSの接続確立中
- 赤色:インターネットに接続していない
- 赤色:Wi-Fiオフ、インターネット接続していない
LEDインジゲーターは本体の分かりやすいところに搭載しているので視認性はよく、エラーが発生しているときなど赤色でしっかり遠目からでも確認できるようになっています。
このルーターを寝室に設置することはないとは思いますが、LEDを消灯するタイムスケジュールを設定することもできるので眩しくて寝れないってことはないでしょう。
2.5Gbpsの高速WAN/LANポートを搭載
Archer AX90は2.5Gbps WAN/LANポートを1つ、1Gbps WAN/LANポートを1つ、1Gbps LANポートを3つ搭載しています。
2.5Gbpsの高速通信ができるWAN/LANポートを一つ搭載することで、10Gbpsの光回線サービスを契約している場合に十分な性能を発揮することができるスペックとなっています。
USB 3.0ポートでネットワークストレージにも
Archer AX90はUSB 2.0ポートだけでなくUSB 3.0ポートを本体の横側に搭載しています。
USB 3.0ポートがあるので、最大5Gbpsで外付けストレージと接続可能。Archer AX90を介して簡易なネットワークストレージ(簡易NAS)を構築することが可能となっています。
HDDだと通信速度がちょっと遅いので予算に余裕があるのなら外付けSSDを接続することで、簡単にどの端末からでもアクセスができるネットワークストレージを作り出すことが可能です。
もちろん、リモートアクセスにも対応しているので外からでもデータにアクセすることが可能となっています。
IPoE(V6プラス)の通信をするには
Archer AX90はIPoE(V6プラス)による接続は非対応なので一般的なPPPoE(プロバイダのIDとパスワードを入力するタイプ)による接続となります。
もし、V6プラスの接続で使うのならプロバイダのモデムとArcher AX90の間にV6プラスに対応したルーターが必要となります。
ありがたいことにGMOはV6プラスを契約すると無料でV6プラスに対応したルーターを貸し出ししてくれるので、Archer AX90と組み合わせて問題なくV6プラスの接続で通信することができます。
GMOのプロバイダを使っていない方は間に別のV6プラスに対応したのTP-Link Archer A10 Pro、Archer AX73などのルーターを入れる必要があります。
Archer AX90の通信速度
今回はV6プラスに対応のTP-Link Archer A10 Proを接続し、その先にArcher AX90を接続するといった構成で試してみました。左側手前にあるのがArcher AX90、右側にあるのがArcher A10 Proです。
では、Archer AX90の性能を確かめてみたいと思います。以下の条件で接続をして実際に通信速度をGoogleのスピードテストで計測してみました。
- ルーター:Archer A10 Pro + Archer AX90
- 計測端末:iPhone 12
- 環境:戸建て2階建て(5LDK)
- 光回線:ドコモ光 × GMO光
- 契約:IPv6 IPoE(V6プラス)
実際の通信速度を比較
Archer AX90をお風呂場の上部分(1階と2階の間)にテレビアンテナや光回線のケーブルを引き込んで分岐させている空間があるので、そこにモデムとルーターを設置しています。
参考までにArcher A10 Pro(1台)、Deco X20(2台)による速度も比較しております。
Archer AX90 | Archer A10 Pro | Deco X20(2台無線接続) | ||
リビング1F | 受信 | 229Mbps | 180Mbps | 210Mbps |
送信 | 142Mbps | 182Mbps | 80Mbps | |
和室1F | 受信 | 396Mbps | 249Mbps | 240Mbps |
送信 | 196Mbps | 251Mbps | 129Mbps | |
お風呂1F | 受信 | 502Mbps | 440Mbps | 480Mbps |
送信 | 159Mbps | 253Mbps | 241Mbps | |
玄関1F | 受信 | 376Mbps | 186Mbps | 418Mbps |
送信 | 201Mbps | 93Mbps | 178Mbps | |
書斎2F | 受信 | 392Mbps | 278Mbps | 389Mbps |
送信 | 220Mbps | 175Mbps | 246Mbps | |
寝室2F | 受信 | 390Mbps | 381Mbps | 179Mbps |
送信 | 207Mbps | 235Mbps | 90Mbps | |
子ども部屋2F | 受信 | 131Mbps | 56Mbps | 207Mbps |
送信 | 63Mbps | 128Mbps | 181Mbps |
Archer AX90はさすがですね。強そうな外付けアンテナが8本も搭載していることもあり5LDKの戸建住宅でも家中に5GHz帯域のWi-Fiの電波で満たすことができていまうs。
ルーターから近いところなら下りで500Mbps、少し離れたとしても300〜400Mbpsほどの速度が出ています。一番離れている部屋が子ども部屋になりますが、それでも130Mbpsほどの速度が出ているのでArcher A10 Proと比べても安定した通信が可能となっているようです。
5LDKの場合だとベランダ・庭など外になると5.0GHz帯域の電波が届きにくくなって2.4GHz帯域に切り替わりますが、それでも満足いく速度で通信ができます。
Archer AX90ならそこそこ大きめな戸建て住宅でも1台で十分運用することができると思いますよ。
スマホから簡単に設定ができる
Archer AX90はスマホに専用アプリ「TP-Link Tether」をインストールし簡単に設定できるようになっています。
TP-Link Tetherを起動してログインをします。TP-Linkのアカウントを持っていない場合は「登録」しておきましょう。
「設定するデバイス」を選んでいきます。
モデムとArcher AX90をLANケーブルで接続して電源を入れてしばらく待機します。
Archer AX90とスマホをWi-Fiで接続をします。iPhoneなら「設定」→「Wi-Fi」を起動することでWi-Fiの一覧を表示させることができます。
Archer AX90の本体裏面やSSIDが記載されているカードがあるのでWi-Fiの一覧から記載されている型式を探してタップすると接続した状態となるので、アプリに戻って「インターネット接続タイプ」を選択します。
Archer AX90をメインのルーターとして使う場合はPPPoE接続を選択してプロバイダのIDとパスワードを入力して設定をする流れとなりますが、ここではV6プラスに対応しているTP-Link Archer A10 Proをメインのルーターとしているので動的IPに設定しています。
PPPoE、静的IP、L2TP、PPTPから選択できるようになっていますね。
SSIDとパスワードは自由にカスタマイズできるので、自分好みの設定にすることができますし、スマートコネクトを設定することで一つのSSIDとパスワードで自動的に高速な帯域を選んで快適に通信ができるようになります。
Archer AX90は5GHz帯域が二つある少し特殊な仕様となっているので、スマートコネクトを使って自動的に最適な電波を使うように設定しておいた方がよりよいパフォーマンスを得られるかと思います。
OneMeshでメッシュWi-Fi化もできる
8本の外部アンテナを搭載しているArcher AX90なので、滅多なことがない限り追加ルーターが必要になるシチュエーションは少ないかと思いますが、TP-Link独自技術のOneMeshを使うことでArcher AX90をメイン機としたメッシュWi-Fi環境の構築もできます。
OneMeshによるメッシュWi-Fiを構築するにはOneMesh対応機器を使う必要があります。
最大通信速度はArcher AX90と比べると劣りますが、少し電波が弱いと感じるところを簡単に補強することができます。価格も安いのでちょっと物足りないと思ったら追加購入してみるのもいいでしょう。
詳しくは公式ページの「TP-Link OneMesh対応機器」をご覧ください。対応端末もしっかりと記載されています。
Archer AX90 レビュー:まとめ
Archer AX90のメリット
Archer AX90はWi-Fi 6に対応したWi-Fiルーターです。
- トライバンドWi-Fiで安定した高速通信
- 1台で戸建て住宅をカバーできる
- ネットワークストレージを構築できる
- OneMesh対応でメッシュWi-Fiかも可能
- アプリが使いやすくて設定しやすい
8本の外付けアンテナを搭載することで戸建て住宅でも1台で電波で満たすことが可能となっています。もし、豪邸に住んでいて電波が不安といった場合でもOneMesh対応機器を追加することでWi-Fi範囲を簡単に広げることができます。
USB 3.0ポートを搭載しているので外付けSSDを接続することで簡易ネットワークストレージとしても使うことができます。通信速度が速いので満足いく転送速度を得ることができるかと思います。
Archer AX90のデメリット
Archer AX90はV6プラス(IPv6 IPoE)は対応していないので注意です。一般的なPPPoEによる接続となります。
- V6プラス(IPv6 IPoE)に非対応
- 本体サイズが大きい
- 価格が少し高め
V6プラス(IPv6 IPoE)を使って接続したい場合は対応したルーターが別で必要となります。ただ、GMO光とかはV6プラスの契約をすると無料でV6プラス対応のルーターを貸してくれるので問題はないでしょう。
その他のプロバイダの場合はV6プラス対応のルーターを別で手に入れる必要がありますが、Archer AX90なら2.5GbpsのWAN/LANポートを搭載しているのでルーター間による通信速度の低減は最小限に抑えることができるかと思います。
V6プラス対応のWi-Fiルーターはこちら。
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