iPhoneなどスマホのストレージがいっぱいになってきて困った…ってことありますよね。RavPowerのFileHub(ファイルハブ)というモバイルワイヤレスカードリーダーがあれば、スマホの容量問題を解決できるかもしれません。
ここでは、RavPower FileHub RP-WD009を使ってどんなことができるのか、使い勝手をレビューしています。なお、今回はRavPowerさんに端末を提供してもらい記事にしています。
この記事の目次
FileHub RP-WD009の特徴
- SDカードまたはUSBストレージを接続して使う
- iPhoneの写真・動画をバックアップできる
- スマホ・タブレット・PCでデータを共有できるファイルハブ
- ワイヤレスカードリーダーとして使える
- モバイルWi-Fiルーターとして使える
- 6,700mAhのモバイルバッテリーとして使える
RavPower FileHub RP-WD009はストレージは内蔵していないのでSDカードを入れるか、USBメモリまたは外付けSSDなどのストレージを接続して使うことになります。
ワイヤレスカードリーダーを高機能化しファイルハブ、モバイルWi-Fiルーター、モバイルバッテリーとして使えるのがFileHub RP-WD009です。
端末サイズもとても小さく(113 × 76 × 25mm)で重量も199.4gと軽量なので外に持ち運んでデータをかんたんに共有することができます。さらに、FileHub RP-WD009はモバイルWi-Fiルーターとしても使うことができます。
例えば、ホテルの有線LANと接続して自前のワイヤレス環境を手に入れることができます。ホテルにも無線LAN環境が使えることが多いですが、速度が遅かったり満足に使えないこともありますよね。
でも、RP-WD009があればLAN環境があるところなら、かんたんにワイヤレス環境を作り出すことができます。出張でホテルに泊まることが多い方は1台持っておくと便利に使うことができますよ!
FileHub RP-WD009 レビュー
筐体の外観デザイン
FileHub RP-WD009はファイルハブ、モバイルWI-Fiルーター、モバイルバッテリーとして使うことができますが、筐体は113 × 76 × 25mmとコンパクトで持ち運んで使うことができるサイズ感となっています。
重量は200gほどなので、カバンの中に放り込んで持ち運ぶことが可能となっています。FileHub RP-WD009はバッテリーを内蔵していて外で使うこともできる端末で取り回しがすやすい大きさ、重さとなっています。
筐体には5つのインジゲーターを内蔵しているので、どんな状態なのかをかんたんに確認することが可能となっています。
LEDの状態 | 点灯 | 点滅 | 消灯 |
---|---|---|---|
インターネット | インターネット接続中 | – | 切断中 |
Wi-Fi | 2.4GHz・5GHzに接続中 | 起動中 | 接続処理 |
5G | 5GHzに接続中 | – | 切断中または2.4GHzに接続中 |
SDカード | SDカード接続中(赤色の場合はエラー) | 読み込み中/書き込み中 | – |
バッテリー | 30%以上の容量(赤色は30%未満) | 充電中 | – |
モバイルWi-Fiルーターとして使う場合はインターネット、Wi-Fiのインジゲーターの表示が重要となってきます。
FileHub RP-WD009の電源ボタンは筐体サイド部分にあります。
反対側にはWi-Fiの2.4GHz・5GHzを切り替えするボタン、SDカードスロット、SD → USBボタンがあります。
SDカードの容量が一杯になったとしてもUSBストレージを接続して「SD → USB」を押すだけでデータを自動的に移動させることができます。
端子部分はゴム蓋によって保護されています。
左からUSB-A、USB-C、リセットボタン、LANポートを搭載しています。
- USB-A:スマホへの充電ポート、USBメモリ接続
- USB-C:本体充電用のポート
- LANポート:有線ネットワークとの接続
USB-Aはスマホへの充電用のポート、USBメモリとの接続に使うポートとなっており、USB-Cは本体を充電するためのポートとなっています。USB-Cポート対応のスマホと接続しても充電はできないので注意です。
LANポートは有線ネットワークと接続用のコネクタとなっていて、APモード(アクセスポイント)として動作させることができます。
なお、FileHub RP-WD009はUSB-A to Cケーブルが付属しています。
説明書もちゃんとあるので、これを読めばバッチリ使うことができると思います。
FileHub RP-WD009 機能・できること
ファイルハブ機能でデータ共有
FileHub RP-WD009はファイルハブ(ワイヤレスカードリーダー)として使うことができます。SDカードスロットに入れることでネットワーク上でファイルデータをスマホやパソコンで共有することができます。
SDカードだけでなくUSB-AにUSBメモリや外付けSSDを接続してデータを共有することができます。これはSamsung T5を接続してストレージを拡張した状態です。
SDカードは最大2TB、USBストレージは最大4TBまでの容量に対応しているのでFileHub RP-WD009 1台で最大6TBのデータを共有することが可能となります。
アプリでiPhoneからSDカードのデータを共有
SDカード、USBストレージ内のデータはスマホ、タブレットなら「RAV FileHub」というアプリをインストールすることで可能となります。
iOS版とAndroid版のアプリがあるので使っているスマホに合わせてインストールしてください。
FileHub RP-WD009の電源を入れてしばらく待っているとWi-Fiの項目に「RAV-FileHub」というネットワーク名が表示されるので、これをタップして接続をします。
Wi-Fiのパスワードは初期設定は「1111111」となっていますが、アプリで任意のパスワードに変更することができます。また、筐体の「2.4GHz/5GHz」ボタンを長押しすることで5GHz帯域のWi-Fiも使うことができます。
屋内で使うのなら5GHz帯域を使ってOKなので、自宅やホテルで使うのなら5gモードをONにしておきましょう。屋外で使う場合は2.4GHz帯域を使うようにしましょう。
FileHub RP-WD009との接続が成功すると「デバイスリスト」に表示されるのでOKをタップして設定を完了させます。
これで、スマホからFileHub RP-WD009を操作できるようになり、SDカードまたはUSBメモリにアクセスしファイルのやり取りをすることが可能となります。
「ファイル管理」という項目からSDカードまたはUSBメモリにアクセスすることができます。
ミラーレス一眼などで撮影したSDカード内の画像データをiPhoneで読み取ることができました。
ミラーレスカメラで撮影したデータをiPhoneに転送するには専用のアプリを使ってもできますが、転送速度が遅くてカメラも転送中は使えないので使い勝手はイマイチなところがありましたが、FileHub RP-WD009が快適にiPhoneのデータ転送ができそう。
また、iPhoneはmicroSDカードに非対応なので写真や動画データが溜まるとiCloudなどクラウドサービスを使ってデータを避難させてストレージ容量を確保する必要がありました。
FileHub RP-WD009を使うことでデータをSDカードに移動させることができます。しかも、ワイヤレスでiPadなど他のデバイスとも共有できてしまうのがいいですね。
アプリ内のカメラを使って写真を撮影することでダイレクトにSDカードに写真・動画データを保存することもできます。
iPhoneのストレージに写真を保存したくない場合(なんてあるのかな?)は、この方法で写真を撮影するのがいいでしょう。もちろん、Androidとのデータ共有もできます。
iPhoneで撮影した写真データとXperia 10 Ⅱで撮影した写真データを一つのSDカードにまとめて保存するといった使い方もできます。
Mac/PCからデータ共有する
Mac/PCからもFileHub RP-WD009にアクセスができます。ブラウザを使う場合はFileHubのワイヤレスネットワークに直接接続してURLの欄に「10.10.10.254」と入力することでSDカードまたはUSBメモリにアクセスできます。
ただし、ブラウザからの操作は少し難があるので使いにくいです。どちらかというとスマホアプリから使うことに特化しているような気がしますね。iPhoneなどスマホからのファイル操作はとてもしやすいですが。
macOSのFinderの「ネットワーク」からもアクセスができます。ネットワークからアクセスする場合はFileHub RP-WD009のネットワークを使う必要はなく、いつものWi-Fiネットワークに接続していれば大丈夫です。
Windowsの場合もExplorerの「ネットワーク」からFileHub RP-WD009にアクセスができます。
Surface Go 2で試しましたが、いつも使っているWi-Fiネットワークからアクセスすることができました。
ただし、Mac/PCとのネットワーク機能との相性があまりよくないのかちゃんとアクセスできないことかあります。Finderから安定的に接続することができればかなり使えるのかなと思うだけに少し残念なところ。
iPhoneの写真・動画をバックアップできる
「すべての写真をバックアップ」という機能を使うことでiPhoneに保存されている写真・動画データを一気にSDカードに保存してくれる機能があります。
枚数が多いと時間がかかるので2.4GHzモードではなく5GHzモードに切り替えてデータ転送するのがいいでしょう。
iPhoneはAndroidスマホと違ってmicroSDカードを入れてストレージを拡張することができません。
写真や動画が溜まってくるとiCloudの有料プランを使ってデータをクラウドに保存する必要がありますが、FileHub RP-WD009を使うことでワイヤレスでかんたんに写真や動画データをSDカードに保存、バックアップすることができます。
Wi-Fiルーターとして使う
FileHub RP-WD009はWi-Fiルーターとして使うことができます。IEEE 802.11ac / 802.11nに対応していて2.4GHz帯は最大300Mbps、5GHz帯は最大433Mbpsで通信となります。
通信性能は据え置きのルーターと比べると控えめですが持ち運びすることができるモバイルルーターということを考慮するなら十分なスピードと見ていいのかもしれません。
ブリッジモード
いつも使っているWi-Fiネットワークへの接続設定することでワイヤレスルーター(ブリッジモード)として使うことができます。FileHubのホーム画面の右上にある「設定」から「iStorage設定」を選択します。
「iStorage設定」の「インターネット設定」を開くと受信できる「無線LAN」の一覧が表示されるので、いつも使っているネットワークを選択してパスワードを入力します。
これで、「RAV-FileHub-2G-〇〇〇〇」または「RAV-FileHub-5G-〇〇〇〇」に接続した状態でインターネットに繋いでスマホを使えるようになります。
ただし、ブリッジモードは「ルーター ⇄ FileHub」間は2.4GHz帯域の接続となってしまうので少し通信速度は落ちてしまいます。
また、この設定をすることでいつも使っているWi-Fiネットワークに接続しながらFileHub RP-WD009にアクセスできるようになります。
なので、わざわざ「RAV-FileHub-2G-〇〇〇〇」または「RAV-FileHub-5G-〇〇〇〇」に接続しなくても使えるようになり、普段使うときはいつも使っている据え置き用の5GHz帯域の無線LANを使って高速通信をしつつFileHubにアクセスしてデータを共有して使うことが可能となります。
APモード
モデムや既存のルーターから出てる有線LANをつなげることでFileHub RP-WD009をアクセスポイント(APモード)として使うことができます。
設定はとくに必要なくLANケーブルを有線LANを接続するだけでOKです。
APモードは有線LANを無線ネットワークに早変わりできるので、既存のネットワーク上に新しいSSDIを作成するブリッジモードよりも通信速度が高速です。
また、ホテルの有線LANに接続すると部屋にワイヤレス通信環境をかんたんに構築することもできるので、出張に持っていくにはもってこいの端末と言ってもいいのではないでしょうか。
ルーターモード
ルーターモードはプロバイダの情報を入力することで、モデムとしても通常のルーターとして使うことができます。
FileHub RP-WD009は持ち運びを想定したモバイル端末ですが据置用として使うこともできるようになっています。ルーターモードでも使用はあまりないと思いますが、色んな使い方ができるようになっているようですね。
モバイルルーターとしての通信性能
FileHub RP-WD009はWi-Fiモバイルルーターとしても使うことができます。
- 2.4GHz:300Mbps
- 5GHz:433Mbps
5GHzモードで使うと通信速度が速くなるので大容量データを転送する時に重宝します。普段使っているWi-Fiルーターに2.4GHzで接続(ブリッジモード)した状態で通信速度を計測してみたところ、下り39Mbps、上り8.24Mbpsの速度が出ていました。
決して速くはないですが、使えるレベルの通信性能はあるようです。
次に5GHzで接続(ブリッジモード)した状態で通信速度を計測してみたところ、下り89Mbps、上り86.7Mbpsの速度となっていました。
2.4GHz帯域よりも5GHz帯域を使うことによって2倍以上も通信速度が速いので、自宅など屋内で使うのなら基本的に5GHzモードにしておくのがいいでしょう。
有線LANをつなげるAPモードで5GHz帯域に接続した状態で通信速度を計測してみたところ、下り160.3Mbps、上り235.7Mbpsの速度となっていました。
やはり、有線LANを直接接続しているので速度が速いですね。通常の無線LANと同等レベルの通信速度が出ているので、普段使いするならモデムにFileHub RP-WD009を接続して使うのがいいのかもしれません。
モバイルバッテリーとしても使える
FileHub RP-WD009は6,700mAhのバッテリーを内蔵しているので、電源なしでワイヤレスカードリーダー、Wi-Fiルーターとして使えるだけでなくスマホの充電ができるモバイルバッテリーとして使うこともできます。
スマホへの充電はUSB-Aポートからのみ対応しています。出力は7.5W(5V × 1.5A)なので充電速度は速くはないですが、ホテルでFileHub RP-WD009を有線LANを接続してワイヤレス環境を作って充電しながら使うことができます。
なお、FileHub RP-WD009単体での駆動時間は最大8.4時間(スタンバイ時は14.5時間)となっています。
FileHub RP-WD009 レビュー:まとめ
RAVPower FileHub RP-WD009はワイヤレスカードリーダー、Wi-Fiルーター、モバイルバッテリーとして使うことができる多機能モバイル端末です。
- スマホの写真・動画をSDカードに保存できる
- USBメモリ・ストレージも接続ができる
- ワイヤレスファイルハブとしてデータ共有できる
- モバイルWi-Fiルーターとして使える
- モバイルバッテリーとして使える
iPhoneを使っていてiCloudなどクラウドサービスを使っていない場合は写真や動画でストレージ容量が一杯になってしまうことがありますが、FileHub RP-WD009があればワイヤレスでかんたんにデータを移動させることができます。
保存したデータは別の端末からワイヤレスでアクセスして観ることもできるので便利に使いこなすことができるでしょう。
- Mac/PCとのファイル共有がイマイチ
- USB-Cによるデータ転送ができない
Mac/PCのファイルシステムからFileHub RP-WD009のシェアフォルダにアクセスできるようになっているものの、接続できたり、できなかったり動作が不安定なところがあるので、パソコンで使いこなそうと思うと少し難しいなと感じることがあります。
あくまでスマホ、タブレットでのデータ共有マシンとして使うのが良さそう。
また、USB-Cが本体充電用のポートとしてしか機能していないのが残念なところです。USB-Cケーブル対応の外付けSSDなど増えてきているのでデータ転送ができればさらに使い勝手はよくなるので後継機種に期待したいところですね。
FileHub RP-WD009はスマホの写真動画データをワイヤレスで保存、共有できるのでストレージが一杯になっている方にもおすすめ。また、出張が多くてホテルで滞在することが多いというビジネスマンの方もいいかなと感じます。
個人的にもホテル滞在する時にFileHub RP-WD009を有線LANを接続することで良質なネットワークを簡易的に構築できるのはとても魅力を感じています。
おすすめの外付けSSDについてはこちらをどうぞ。
何度やってもWindowsのExplorerの「ネットワーク」からアクセスする方法が分からない・・・
この方法が使えるから購入しましたが、何か特別な設定が有るのですかね?
特に何も言及されていませんがRP-WD009はWi-Fiネットワークに接続しとけばよいのか、
それとも有線LANで接続しなければならないのか。
ご教授していたたければ助かります。