動画編集することが増えると動画データは容量が大きいので外付けSSDにデータを保存することが多くなりますが、データ転送の速いSSDストレージならサクッと大容量データを移動さできます。
そもそも、外付けSSDのデータ転送速度は速くて快適ですが、M.2 NVMeに対応したSSDにするとさらに高速でデータ転送も可能になるんですね。
ただ、M.2 NVMe対応の外付けSSDは価格が高いのがネック。で、おすすめしたいのがM.2 NVMeのSSD単体 + 専用のケースを購入して組み合わせる方法です。
Crucial SSD M.2 P2と外付けケースを組み合わせるだけで1TBなら13,000円、2TBでも27,000円ほどで1,000MB/s以上のデータ転送ができる高速外付けSSDを手に入ります。
これは普通に安いと思います。
この記事では、M.2 NVMeと専用ケースを使って低価格で高速ストレージ環境を作る方法を紹介しています。これから動画編集を検討している方は参考にしてみてください。
この記事の目次
SSDは大きく分けて2つの種類がある
SSDには大きく分けて2つのタイプがありサイズ、データ転送速度が異なります。
SSD(SATA 3.0)
現在主流の外付けSSDは内部インターフェースがSATA接続でデータ転送速度の上限が600MB/sとなっており、各メーカーからUSB-C 3.2 Gen2で接続するSATAタイプの外付けSSDが発売されています。
普及モデルなので端末価格が安いのがメリットで、Samsung T5、SanDisk Extreme Portable、BUFFALO SSD-PGMU3の1TBなら2万円弱で買うことができます。
容量 | Samsung T5 | SanDisk E60 | SanDisk E30 | BUFFALO SSD-PGMU3 |
---|---|---|---|---|
500GB | 約11,000円 | 約12,000円 | 約9,200円 | 約7,800円 |
1TB | 約20,000円 | 約19,800円 | 約14,200円 | 約12,000円 |
2TB | 約50,000円 | 約39,800円 | 約25,800円 | – |
SanDiskの外付けSSDは色んなタイプがありますが、Portable E30は価格の安い外付けSSD、Extreme Portable E60は防滴防塵の耐久性の高い外付けSSDとなっています。
BUFFALO SSD-PGMU3は12,000円で1TBの容量のSSDストレージで安いです。BUFFALOはストレージ本体の見た目がチープですが他メーカーよりも安くて費用が抑えられます。
データ転送速度は500MB/sのものが多いですが十分高速なSSDですし、旧型Macの起動用外付けSSDストレージとしても活用できる性能を持っています。
ttps://sin-space.com/entry/ssd-recommendSSD(PCIe3.0 × NVMe)
少し前から製品化されている外付けSSDが内部インターフェースがPCIe3.0 × NVMeを採用しているタイプのSSDとなっています。この画像はNMNeのM.2タイプのSSDの基板です。
理論上はSanDiskのExtreme Portable E81は2,000MB/s、Samsung T7とSanDisk Portable E61、BUFFALO SSD-PHUは1,000MB/sのデータ転送速度となっています。
NMVeの外付けSSDは価格が高くてSATAタイプの外付けSSDよりも1万円ほど高くなっています。
容量 | Samsung T7 | SanDisk Pro E81 | SanDisk E61 | BUFFALO SSD-PHU3 |
---|---|---|---|---|
500GB | 約12,000円 | – | 約12,800円 | 約12,000円 |
1TB | 約16,000円 | 約26,800円 | 約22,800円 | 約25,000円 |
2TB | 約33,000円 | 約51,800円 | 約36,800円 | – |
4TB | – | 約92,800円 | 約72,800円 | – |
とはいえ、Samsung T7、BUFFALO SSD-PHU3は安いですね。1TBでNVMeのSSDを手に入れることができるならアリかもしれません。
ちなみに、M.2タイプのSATA接続のSSDもありますが転送速度はNVMeのように速くないので注意してください。
M.2 NVMe SSD + ケースは安い
M.2 NVMeのSSDは中身を単体で買うことができます。
なので、NVMe接続に対応している専用のケースと組み合わせることで安く高速転送ができる外付けストレージを手に入れることができます。
例えば、Crucial SSD M.2 P1(Type2280)1TB + TREBLEET NVME M.2 SSDケースを組み合わせると16,331円となります。
- Crucial SSD M.2:13,432円
- TREBLEETケース:2,899円
- 合計:16,331円
M.2タイプのNVMeの外付けSSDがこの価格で手に入れることができるのは素晴らしい。BUFFALO SSD-PHU3(1TB)の25,000円よりも6,000円も安いです。
この価格差をどう見るかですが、個人的にはM.2 NVMe SSDと専用ケースの組み合わせにして余裕がでた予算でさらに上の容量のSSDを買うのがおすすめですよ。
M.2 SSDをケースに装着する方法
では、M.2タイプのSSDを専用ケースに装着する方法について紹介します。
SSDとケースを準備する
今回購入したM.2 SSDは2280サイズのCrucial SSD M.2 P1(Type2280)1TBです。M.2 SSDはサイズがいくつかありますが2280サイズが一般的なものとなっています。
(※現在はP1が中古しかない場合があるのでより速度が高速なP2がおすすめです。)
ケースは2880サイズに対応したTREBLEET NVME M.2 SSDです。
ケースだけでなくUSB-C to Cケーブル、USB-C to Aケーブル、ケースを開けるためのドライバー、SSDに貼るためのヒートシンクシールなども同梱しています。
NVMe M.2 SSDは発熱がかなりあるのでヒートシンクシールを貼って上手くアルミの筐体に放熱できるようになってるのは心強い設計となっています。
M.2タイプのSSDはこのような細長い基板となっています。
NVMeに対応したM.2 SSDは2280サイズが一般的となっていますが、これより小さいサイズのM.2 SSDはSATAに対応したタイプのもがあったりするので注意してください。(2280サイズのSATAもある)
TREBLEETのSSDケースに装着する
TREBLEETのケースはアルミ素材を採用したコンパクトな筐体(103mm x 35mm x 10mm、60g)となっていて、22×30 / 22×42 / 22×60 / 22×80 mmのM.2 (M Key )のSSDに対応しています。
JMS583マスターチップを採用していて最大2TBまでのSSDを認識、安定したデータ転送ができるようになってるとか。M.2 SSDを装着するとアルミ筐体とツライチになるので効率よくSSDの熱を放熱できるようになっています。
実際に使ってみるとそれなりに熱くなるのですが上手く放熱ができているということなのでしょう。
USB-C(USB-C 3.1/3.2 Gen2)を搭載していて最大転送速度は10Gbpsとなっています。
では、M.2 SSDをケースに装着していきます。
ケースの裏面にあるビスを付属のドライバーを使って外して裏蓋を外します。
ケースの中にはベース基板があり、M.2 SSDを装着できるコネクタがあるのが分かります。M.2 SSDをこのコネクタに合わせて接続していきます。
M.2 SSDを接続すると自然と斜めに刺さった状態となります。かなり不自然ですがこれが自然な状態でなので安心してください。
付属のビスを使ってM.2 SSDを留めてケースと並行になるようにします。
こんな感じで基板が固定されればOKです。ビス留めしているところが1箇所だけなので衝撃には強くなさそうなので優しく扱うようにしましょう。
裏蓋を元に戻して装着完了です。あとは付属のUSB-Cケーブルを接続します。
USB-C to Cケーブルを使えばUSB-C対応のMacBook Air・Pro、iMac、iPad Pro、Surface Pro Xなどに使うことができますし、USB-C to Aを使うことで旧型のMacBook Airなどでも使うことができるでしょう。
ただし。このケースはビス穴がバカになりやすいので注意です。
ドライバーでネジを締めるときは優しく締めてあげてください。それか、別のタイプのケースを選ぶのもいいかもしれません。
UGREEN M.2 SSD 外付けケース
なので、僕はこちらのUGREENのケースを発注し乗り換えました。
NVMe対応SSD外付けケースでUSB-C(USB 3.1 Gen.2)のケーブルが付属してるのでUSB-C対応の端末だけでなくUSB-C to Aケーブルの用意でUSB-Aの端末でも使えます。
スライド式なので工具なしでSSDの取り付けができます。
各サイズのSSDに対応していますが、今回のM.2 SSDは2280サイズとなっています。
M.2 SSDをこのようにコネクタに接続します。
黒色のゴムを基盤に挟んで取り付けします。
蓋を閉じて元通りに。
とてもシンプルな構造でSSDの取り付けも簡単にすることができあmす。工具なしで行けるのは楽でいいですね。
NVMe M.2 SSDの転送速度
USB-C to Cで接続
では、実際にどれくらいの速度が出るのか、Cruciai M.2 NVMe SSDをTREBLEETのSSDケースに装着してMacBook Pro 16インチでデータ転送速度を計測してみたいと思います。
端末に接続してもSSDを初期化しないと認識してくれないので、「アプリケーション」→「ユーティリティ」→「ディスクユーティリティ」を起動して「消去」することで使えるようになります。
Disk Speed TestでCruciai M.2 NVMe SSD + TREBLEETケースのデータ転送速度を計測してみました。参考までにSanDisk Extreme Portable SSD E60の転送速度と比較しています。
書き込み(Write) | 読み込み(READ) | |
Cruciai M.2 NVMe SSD + TREBLEET | 946MB/s | 957.2MB/s |
Cruciai M.2 NVMe SSD + ineo | 926.3MB/s | 952.9MB/s |
SanDisk Extreme Portable SSD | 469MB/s | 518MB/s |
書き込み・読み込みともに1GB/sに近いスコアを叩き出しました。かなり速いですね。SanDisk Extreme Portable SSD E60だと500MB/sほどの速度なのでNVMe M.2だと倍の速度で作業ができる…ということになります。
AmorphousDiskMarkでも転送速度を計測してみました。まずは通常タイプのSanDisk Extreme Portable SSD E60です。
読み込み・書き込みともに500MB/sほどの転送速度になっているのが分かります。これでも十分な速度なので動画など大容量データもサクサクと保存できますよ。
次に高速タイプのCruciai M.2 NVMe SSD + TREBLEETです。
読み込み・書き込みともに900MB/sほどの転送速度でSanDiskの外付けSSDよりも速度が速くなっています。一部の項目でスコアが低くいですがトータルで高速転送ができているでしょう。
Cruciai M.2 NVMe SSD + UGREENのスコアです。
UGREENのケースも860〜950MB/sの高速通信ができているので、取り付けな簡単なこちらのケースの方が使い勝手いいかもしれません。
なお、USB-Cを搭載しているiPad Pro 11インチ・12.9インチもCruciai M.2 NVMe SSD + UGREENケースの組み合わせで使えます。
iPadはPhotoshopに対応しLumaFusionで動画編集もできるようになって大容量のデータを扱うことが多くなりました。
iPadでクリエティブな作業をする方にもおすすめです。(ただし、SSDは初期化しないと使えないのでパソコンが必要となります。)
USB-C to Aで接続
USB-C to AケーブルでiMac 27インチに接続した場合のデータ転送速度を見てみましょう。
iMacのUSB-AはUSB 3.0(最大5Gbps)となるのでUSB-Cよりも転送速度が遅くなってしまいます。
書き込み(Write) | 読み込み(READ) | |
Cruciai M.2 NVMe SSD + TREBLEET | 422MB/s | 422MB/s |
SanDisk Extreme Portable SSD | 410MB/s | 425MB/s |
USB-C to Cでの接続と比べて半分以下の転送速度となってしまい、通常のSSDと同じくらいのスピードになってしまうんですね。
なので、使っているパソコンのポートがUSB 3.0・USB-3.1(Gen1)の5Gbpsしか搭載しないない場合はNVMe M.2のSSDにする意味がないので注意をしてください。
大容量データの転送時間
動画撮影をすると10GBくらいのデータがバンバン溜まっていきます。ということで、11GBほどの動画データ(全部で15ファイルくらい)を移動・コピーの時間を計測してみました。
Cruciai M.2 NVMe SSD + TREBLEET | SanDisk Extreme Portable SSD | |
11GBのデータ移動 | 12.6秒 | 23.2秒 |
Illustrator起動(500MBのデザインデータ) | 21.7秒 | 24.2秒 |
通常タイプのSanDisk Extreme Portable SSD E60も500MB/sと速く11GBの大容量データでも23秒で転送可能ですが、Cruciai M.2 NVMe SSD + TREBLEETは12秒と倍速でファイルの移動ができます。
また、500MBほどのIllustratorのデータの起動もNVMe M.2のSSDのほうが速く起動可能です。これはスゴイ。同じ外付けSSDでもNVMe M.2 SSDだと快適な作業環境を手に入れることができますよ!
メーカーの外付けSSD・M.2 SSD + 外付けケース どっちを選ぶ?
メーカー品のNVMe対応外付けSSDを手にするのがいいですが費用がかかってしまいます。そこで、NVMe M.2 SSDと専用ケースを組み合わせることで費用を抑えることができます。
例えば、NVMe対応のSanDisk Extreme Portable E61で価格を比較するとこうなります。
500GB | 1TB | 2TB | |
SanDisk Extreme Portable E61 | 約12,000円 | 約21,800円 | 約36,800円 |
Crucial SSD M.2 + TREBLEETケース | 約11,000円 | 約14,000円 | 約27,000円 |
SanDisk Extreme Portable E61(1TB)とNVMe M.2 SSD(1TB) + ケースだと6,000円ほどの価格差があります。2TBだと11,000円も価格差が出るのでこれは大きいですよね。
この価格差をどう見るか?
信頼性、耐久性、衝撃性を重視するならメーカーがきちんと開発した外付けSSDを選んだ方がいいです。SanDisk Extreme Portable E61は耐衝撃性はもちろんですが防水にも対応しているので信頼性は高いです。
Samsung T7 Touchは指紋センサーでデータセキュリティを守ることができるスゴイやつもあります。外付けSSDってセキュリティがザルになりがちなのでこれはいいかもしれません。
ただ、これらのストレージは端末価格が高いのがネックです。
価格が安くて大容量の高速転送ができることを重視するならNVMe M.2 SSD + ケースを選ぶのがおすすめ。512GBモデルの予算で1TBの高速ストレージを手に入れることもできます。
14,000円くらいでNVMe M.2のSSD 1TBの容量のストレージが手に入るのはなかなかコスパは良いですよね。USB-Cポートを搭載したMacBook ProやiPad Proを使っているならおすすめです。
ちなみに、衝撃性にも強そうなSSDケースがASUSから発売されています。衝撃性を高めたい、格好良いケースを使いたいのなら良さそうです。
さらに高速タイプのSSDとThunderbolt対応のケースを使うことで2000MB/sの高速通信も可能となります。
そもそも、外付けSSDは通常タイプでも十分な転送速度があり、動画データを外付けSSDから読み込んでそのまま編集するなどヘビーなユーザーでなければ価格の安い外付けSSDでも全く問題はないです。
むしろ、そのような使用用途でも使えます。
なので、1GB/sほどの転送速度のSSDが必要ないなら通常タイプの価格の安い外付けSSDを選ぶのがいいのかもです。
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