スマートフォンは画面が大型化している中で3.3インチの小型ディスプレイを搭載した手のひらサイズの超コンパクトスマホ・Palm Phoneが2019年4月に発売されました。
3.3インチとかなり小さな画面なので使い勝手はどうなんだろうか…と懐疑的でしたが、実際にPalm Phoneを使ってみると操作性が良くて意外と使いやすいスマホとなっています。
この記事ではPalm Phoneのデザイン、スペック、操作性などレビューしているので、購入を検討している方は是非参考にしていただければと思います!
この記事の目次
超小型スマホ Palm Phone レビュー
Palm Phoneを開発したメーカーは中国のスマホメーカーTCL傘下になっているPalmですが、元はPDA端末の先駆けて開発をしていたメーカーで少し前まではアメリカのHPの子会社でした。
2018年10月に海外でPalm Phoneが発売されたのですが、2019年4月24日に日本向けにローカライズされて発売。Palm Phoneの「Palm」は「手のひら」という意味ですが、マジで手のひらサイズの小型スマホで驚きです。
本体サイズは56.0 × 96.6 × 7.4mmとカードと同じくらいの大きさとなっており、重量がも62.5gと軽量なものとなっています。本体デザインがiPhone XSっぽいのは狙っているんでしょうか。角丸の角度とかまさにiPhoneを小型化したようなスタイルになっています。
Palm Phoneの画面サイズは3.3インチでHD(1.280 × 720)解像度です。4インチのiPhone SEよりも小さい画面なので操作性はどうなんだろう思っていましたが、意外と操作性は良かったです。
OSはAndroid 8.1を搭載していて普通のスマートフォンと全く同じ操作方法ですし動作もサクサク動いてくれるのでインターネットで調べものをしたり、TwitterなどのSNSをしたり、メールを送ったりということはPalm Phoneで問題なくすることができます。
- ディスプレイ:.3インチ 1280×720ピクセル(445ppi)
- CPU:Qualcomm Snapdragon 435(MSM8940)オクタコア1.4GHz
- GPU:Adreno 505
- RAM:3GB
- ストレージ:32GB
- リアカメラ:1200万画素、LEDフラッシュ
- フロントカメラ:800万画素
- Wi-Fi通信:802.11 b/g/n
- LTE通信:FDD/TDD-LTE(LTE Cat.6)
- Bluetooth:4.2
- 防水防塵:IP68等級
- ポート:USB-C
- バッテリー:800mAh
- 本体サイズ:96.6 × 50.6 × 7.4mm、62.5g
Palm Phoneは本体サイズがかなり小さいので「こんなに小さくても文字入力もできるの?」と思うかもしれませんが、触覚フィードバックに対応していてキーをタイプすると振動するので意外と入力しやすいので長文を打つのでなければ問題なく使うことができるでしょう。
ただ、バッテリーがあまり持たないのでPalm Phoneをメインに使用するならモバイルバッテリーは必須になるのかなと思います。
Palm Phone パッケージと付属品
Palm Phoneのパッケージは黒を基調としたものとなっており、高級感のあるスタイルとなっています。
付属品は本体のほかに充電ケーブル(USB-C)、充電アダプタ(USB-C、5wタイプ)、SIMカードスロットピン、説明書となっています。
説明書が写真集のようなクオリティとなっており、日本語にもきちんローカライズされていて独自の操作方法も問題なく使いこなすことができるでしょう。
いまどき、ここまでこだわりのある説明書はなかなかないですよね。
箱から出したてのPalm Phoneは丁寧に保護フィルムに包まれた状態となっており好感度が高くなっています。
背面側の保護フィルムにはシリアル番号などが記載されたシールが貼り付けられているので剥がしてパッケージのどこかにでも貼り付けて保管しておいたほうがいいでしょう。
Palm Phoneの外観とサイズ
Palm Phoneの外観を詳しく見ていきましょう。
とにかく小さい本体サイズ
本体を正面から見るとちっちゃいiPhoneという雰囲気があります。ホーム画面はPalm Phone独自のUIが採用されていて、操作感はなかなかいい感じに仕上がっています。
3.3インチのHD(1,280×720ピクセル)画質のディスプレイを採用し四隅は丸角処理が施されていて可愛らしい雰囲気のあるスタイルを実現しています。
本体上部に受話レシーバーとフロントカメラが搭載されています。
顔認証機能にも対応しているので電源ボタンを押して画面を上にスワイプするだけで画面ロック解除ができるスタイルとなります。
操作ボタンは電源ボタンのみ
本体右サイドに電源ボタンとSIMカードスロットがあります。
普通のスマホなら左サイドに音量ボタンが搭載されている機種が多いですが、Palm Phoneには音量ボタンがないので、通知画面から音量調整するスタイルとなっています。
スクリーンショットもボタンで撮影できないのでこの画面から機能を使う形になるようです。
若干の面倒くささはありますが、本体サイズを小さくするための割り切りとして良い判断だったのではないでしょうか。
充電ポートはUSB-Cを搭載
Palm Phoneの充電ポートはUSB-Cを採用しています。
ローエンド向けのスマートフォンはいまだにMicroUSBが採用されることが多い中でPalm Phoneは最新のUSB-Cに対応しているので、最新のPCなどのケーブルを共用することが可能となっています。
本体サイズが小さいのでUSB-Cケーブルの大きさが目立ちます。
リアカメラはLEDフラッシュ搭載
Palm Phoneは背面パネル左上部にリアカメラを搭載していてLEDフラッシュも備えているので暗い場所での撮影も可能となっています。
画質はそんなに良くはありませんが、このサイズ感でカメラの撮影もできのでちょっとしたメモを取りたい時に便利かもしれないですね。
iPhone SEとiPhone 8とのサイズ差
Palm Phoneの本体サイズの大きさをより分かって欲しいので、iPhone SEとiPhone 8と並べてみました。iPhone SEも片手で使えるコンパクトモデルですが、それよりもはるかに小さくなっているのがわかります。
Palm Phoneは片手サイズというか手のひらサイズなんですよね。重量も約63gとかなり軽いのでポケットに入れてると持っていることを忘れてしまうほどのサイズ感なんです。
バンドを付ければ大きめなApple Watchにもなる。
これで動画再生したら最高じゃない?バンドつけれないかな?
Palm Phoneのスペックと性能
Palm Phoneに採用されているCPUはSnapdragon 435(MSM8940)でメインメモリ(RAM)の容量は3GBです。
Snapdragon 435はローエンド向けのCPUプロセッサなので性能については「そこそこ動く」というレベルといっていいでしょう。
画面サイズ | 3.3インチ(1,280 × 720ピクセル) |
---|---|
CPU | Snapdragon 435(MSM8940) |
RAM | 3GB |
ストレージ容量 | 32GB |
Geekbench 4でCPUの性能を計測してみました。
参考までにiPhone 6のA8プロセッサのスコアと比較してみました。
機種 | Palm Phone | iPhone 6 |
---|---|---|
CPU | Snapdragon 435(MSM8940) | A8 |
RAM | 3GB | 1GB |
CPUシングルコアスコア | 684 | 1386 |
CPUマルチコアスコア | 2797 | 2360 |
GPU | 2378 | 4204 |
Snapdragon 435はiPhone 6と同じくらいの性能ですがメインメモリの容量が3GBと多めなので操作感はそんなに遅くはないのかなと思います。
ただし、3Dグラフィックを多用したゲームやアプリ、アプリのダウンロード・インストールは少し時間がかかるので最初の初期設定は少し時間がかかります。
Antutuでも計測してみました。
CPU | Snapdragon 435(MSM8940) |
---|---|
総合性能 | 55285 |
CPU | 24937 |
GPU | 7830 |
UX | 17737 |
MEM | 4781 |
なお、Snapdragon 435はローエンド向けのプロセッサですが発熱するようで、ちょっとpalm Phoneを操作しているとすぐに本体が熱くなってきます。
Palm Phoneの操作感について
実際にPalm Phoneを操作しているところを動画にしてみました。こんな感じで使うことができます。(ドコモ回線のLINEモバイルでデータ通信をしています。)
想像していたよりもサクサクと動作するのでインターネットをしたり、TwitterなどのSNSをしたり、メールを確認したり、地図を確認したりといった基本的な機能であれば問題なく使うことができるでしょう。
ただし、さすがにPalm Phoneでゲームを遊ぶのは性能的にも画面サイズから見てもちょっと厳しいとは思います。
こんなに小さいサイズだと「文字入力がしにくいのでは?」と思うかもしれません。
確かにキーボードの大きさはかなり小さくなっているのですが、触覚フィードバックに対応していてキーをタイプすると振動するようになっていて意外と入力しやすくなっています。
さすがに長文を打つのは厳しいですが、メッセージを入力したり検索するくらいの文字入力であれば問題なく使えるでしょう。
また、Googleアシスタント、Amazon Alexaなどの音声認識機能も使うことができるので、何か情報を検索したいときにキーボードが小さくて困るということはないのかなと思います。
カメラの画質について
Palm Phoneはリアカメラに1200万画素、フロントカメラに800万画素のイメージセンサーを採用しています。
リアカメラ | 1200万画素 f2.0 LEDフラッシュ |
---|---|
フロントカメラ | 800万画素 f2.2 |
レンズのF値は公式発スペックにはありませんが、実際に写真を撮影したメタデータの中に記述されておりリアカメラがF2.0と意外と明るめのレンズが使用されいました。
実際にPalm Phoneのリアカメラで撮影をしてみました。
1200万画素のイメージセンサーにF2.0の明るめのレンズが採用されていますが、画質はそんなに綺麗ではありません。
とくに夜間撮影になるとノイズが多い写真に仕上がります。
リアカメラにはLEDフラッシュを搭載しているので、内蔵フラッシュを使うことでノイズの少ない綺麗な写真を撮影することができます。
とはいえ、最新のスマホと違ってLEDフラッシュの光量も少なくて夜間撮影能力も低いため、昔のカメラのような雰囲気のある写真になるような。
写ルンですっぽいですよね?
Palm Phoneのカメラには顔追尾機能もきちんと動作するので人物ポートレートもいけますが、画質はさほど綺麗ではありません。
しかし、うまく言い換えるなら温かみのある写真を撮影することができるのです。
子どもたちをPalm Phoneのカメラで撮影してもなんとなく味のある写真に仕上がるので使い方次第ではいいカメラなのかも?最新のキレッキレのカメラを搭載しているスマホでは撮影することができない味のある写真を撮ることができるような気がします。
顔認証機能で快適画面ロック解除
Palm Phoneはフロントカメラを使った顔認証機能に対応しています。
指紋認証には非対応ですが、顔認証の精度はまあまあ良いので真っ暗闇でない限り普通に顔認証をして画面ロック解除ができるようになっています。夜の街灯の光でも顔認証ができたので実用度は高いでしょう。
ドコモ回線とソフトバンク回線のみ使える
Palm PhoneはnanoSIMカードに対応していて付属のピンでカードスロットを開けてSIMカードを入れることができます。
Palm Phoneはドコモ、au、ソフトバンクのLTE回線に対応していますが、使用できる回線はドコモとソフトバンクのみとなっていてVoLTEには非対応となっています。
Band | ドコモ | au | ソフトバンク | |
4G(FDD-LTE) | 1(2.1GHz) | ○ | ○ | ○ |
3(1.7GHz) | ○ | – | ○ | |
7(2.6GHz) | – | – | – | |
8(900MHz) | – | – | ○ | |
20(800MHz) | – | – | – |
auはBand 1の帯域に対応はしていますが使うことはできないようです。ドコモは2Bandに対応しているのに対してソフトバンクはプラチナバンドを含む3Bandに対応しているので電波の届きやすさはソフトバンク回線の方が上となっています。
ドコモ回線のLINEモバイルのSIMカードを入れてみたところ、自動的に認識してネットワーク設定がされてデータ通信ができるようになりました。
試しにUQ mobileのSIMカードを入れてみたところ認識はしますが、通信をすることができず、緊急通報のみ通信することができるようになっていました。
いずれにしても、Palm Phoneを使う場合はドコモ回線かソフトバンク回線のどちらかを使うのがいいでしょう。また、他のスマホに比べて対応している帯域が少ないので電波の繋がりが悪くなったり通信速度が極端に遅くなる場合もあるので注意です。
バッテリー駆動時間は短い
Palm Phoneは内蔵バッテリーが800mAhと少ないのでバッテリーの持ちはかなり悪いです。
まあ、この本体サイズなので仕方のないことかもしれませんが、半日ほど使うとバッテリーが切れて電源が落ちてしまいます。
この日はPalm PhoneでTwitterを見たりブラウジングをしたりして過ごしましたが7時間ほどでバッテリー残量が1%になってしまい、すぐに電源が切れてしまいました。
なので、Palm Phoneをメインのスマホにするならモバイルバッテリーは必須となるでしょう。また、バッテリー容量が少ないので1時間もあればフル充電することが可能となっています。
- 9:15:0%
- 9:45(30分):53%
- 10:00(45分):77%
- 10:15(60分):95%
- 10:25(70分):100%
なので、コンパクトなモバイルバッテリーを併用して気が付いたらPalm Phoneをこまめに充電することができれば、普段使いすることもできるようになるのではないでしょうか。
IP68等級の防水防塵性能
Palm Phoneはこんなに小さなボディサイズなのにIP68等級の防水防塵性能を持ち合わせています。IP68等級はiPhone XS/XS Maxの耐水性能と同じとなっており水深2メートルで最大30分耐えることができます。
なので、水に濡れてしまっても壊れることがない安心感があります。
Palm Phoneはどんな人におすすめなのだろう?
Palm Phoneはスマホに必要不可欠な機能を残しつつ3.3インチというコンパクトな本体サイズを実現した小型スマホです。
思っていた以上に操作性が良いのでメインで使おうと思えば使えるスマホだと思います。
しかし、スマホに詳しくないユーザーが「満足に使いこなすことができるのか?」と考えるとちょっと厳しいでしょう。
- 画面が小さすぎる
- バッテリー駆動時間が短い
- カメラの画質が綺麗ではない
画面が小さいすぎるはメリットでもありデメリットでもあるので使う人によって感じ方は大きく変わる部分です。
しかし、普通に使っていてバッテリーが一日持たないのはかなりツライでしょう。モバイルバッテリーを常に持ち歩かないといけません。
また、カメラの画質はそんなに綺麗でもないのでインスタに画像をアップしたい女子はあまり満足できないんじゃないのかな。まあ、味のある写真にこだわるのならPalm Phoneのカメラは悪くないような気もしますが。
では、どんな人がPalm Phoneを持つと満足することができるのか?
- とにかくスマホをコンパクトに持ち運びたい
- 電話、メッセージ、SNSくらいしかスマホの機能を使わない
- メインのスマホを持っていてサブ機として使いたい
Palm Phoneはサブ機として持つなら最高のミニスマホです。ポケットに入れておくことで、ふと思った時にツイッターやメールをチェックしたりすることができます。
運動するときもジャージのポケットに入れておいても邪魔にならないので便利に使うことができそう。
Palm Phoneにはモバイルバッテリーは必須になるので、持っていない方は合わせて購入しておくことをおすすめします。
役に立ちました。