Appleの「Apple 35W デュアルUSB-C コンパクト電源アダプタ 」はApple初となる2つの端末を同時に充電できるアダプタとなっています。
今まで、Apple純正の電源アダプタは20W、30W、67W…などとそれぞれの端末に合ったものがありましたが、同時にiPhoneとiPadを充電できませんでした。
そんな中で、二つのUSB-Cポートがある「Apple 35W デュアルUSB-C コンパクト電源アダプタ」が2022年6月19日に発売し、iPhoneとApple Watchを同時に充電できるようになりました。
これが意外と便利なんですね。iPhoneとApple Watchはとくにペアで使うことが多い端末なので一つの電源アダプタで充電できるメリットはとても大きいのです。
この記事では、デュアルUSB-Cポート搭載Apple 35Wコンパクト電源アダプタのデザイン・サイズ・充電速度などをレビューしてます。
実際に使ってみてどうなのかメリット・デメリットも書いているので気になってる方は参考にどうぞ!
- USB-C 2ポートで2台同時充電
- 同時充電速度が数値以上に速い
- ケーブルの取り回しがしやすい
- プラグを折りたたみ可能
- 純正ならではの安心感がある
- サイズ大きめで使う場所を選ぶ
- HomePod mini 2台同時で使えない
- 端末価格が7,800円と割高
Apple 35W デュアルUSB-C コンパクト電源アダプタは35Wという数値だけ見るとイマイチですが実際に同時充電すると充電速度がかなり速いです。
ポート横向きタイプの「コンパクト」とApple 30W USB-C電源アダプタと同じデザインのポート上向きの「標準」の2種類あります。(標準という名称はありません。)
この記事の目次
Apple 35W デュアルUSB-C コンパクト電源アダプタの特徴
- 最大35W出力の電源アダプタ
- USB-C 2ポートで2台同時充電が可能
- MacBook Air / Pro:35W
- iPhone + iPad 2台接続:17.5W + 17.5W
- MacBook + Apple Watch:27.5W + 7.5W
- iPhone 13 + iPad mini 6:100分でフル充電(実測)
- MagSafe充電のアダプタとしても使える
- 本体サイズ:48 × 48 × 28mm(実測)
- 本体重量:105g(実測)
- 端末価格:7,800円
Apple 35W デュアルUSB-C コンパクト電源アダプタはApple初のデュアルポートの電源アダプタで、iPhoneとiPadを同時充電したり、MacBook Airも35Wで充電できるアダプタです。
35Wという数値は少し微妙な感じもしますが、Appleの純正アダプタということもあって、35W以上に同時充電速度が速いです。
おそらく、純正アダプタなので効率良くコントロールしながら充電できるのでしょう。詳しくはこの記事の後半で書いているので是非。
Apple 20W 充電アダプタをそれぞれ使って充電するのと同じ速度でiPhoneとiPadを充電可能で、感覚として他社製の30Wアダプタをそれぞれ使って充電してる速度は出ています。
Appleの35Wタイプの充電アダプタは2種類あります。
この記事で詳しく紹介するUSB-Cポートが横にあって本体の高さが抑えられた「コンパクト」ですが、従来のApple 30W 電源アダプタと同じデザインの「標準」のモデルもあります。
Apple 35W デュアルUSB-C コンパクト電源アダプタはコンセントに差し込むと上か下にUSB-Cポートが向いてくれるのでケーブルが横に飛び出すことがありません。
ケーブルを上手くまとめられるのでリビングのコンセントとの相性はとても良いように感じます。
ただし、「Apple 35W デュアルUSB-C コンパクト電源アダプタ」は日本のコンセントの幅は考慮されてないのかアダプタが横に大きく併用は困難で干渉したり一般的な電源タップも横と干渉するので使う場所はかなり選ぶアダプタなので注意です。
Apple 35W デュアルUSB-C コンパクト電源アダプタ レビュー
コンパクトのようで大きい筐体サイズ
Apple 35W デュアルUSB-C コンパクト電源アダプタは「コンパクト」なので小さいのかな…と思いましたが、そうでもありません。
たしかにMacBook Air(M1)の純正アダプタ・Apple 30W USB-C 電源アダプタよりはわずかに小さいですがコンパクトというほどでもないでしょう。
40Wのデュアルポート・Anker 521 Chagerと比べても少し大きいサイズ感です。
本体サイズは48 × 48 × 28mm(実測)、重量は105g(実測)となっています。
プラグは折りたたみ式を採用しているので持ち運びはしやすい電源アダプタと言っていいでしょう。
使い時にプラグを引き出してコンセントに接続して使います。
Apple 35W デュアルUSB-C コンパクト電源アダプタは高さと横幅が広く厚みが抑えられてUSB-Cポートが横向きに配置されてるのが大きな特徴となっています。
電源アダプタを取り外ししやすいようにサイド部分が窪んでるのは細かい配慮となっていますね。
ケーブルの収まりが良くなる
従来のApple 30W USB-C電源アダプタや同時発売のApple 35W デュアルUSB-C電源アダプタは壁にあるコンセントで使うとケーブルが飛び出て邪魔になることがあります。
Apple 35W デュアルUSB-C コンパクト電源アダプタはUSB-Cポートが横向きに搭載してるため壁コンセントで使うとケーブルの取り回しがしやすいです。
ケーブルを飛び出させることなくスマートに配線できるのでリビングにある壁コンセントで使ったり、設置場所に制限がある狭いところでの配線に役立つかもしれません。
幅が大きくて併用は厳しい
ただし、Apple 35W デュアルUSB-C コンパクト電源アダプタは筐体の厚みは抑えられているものの、縦と横の幅が大きめで一つの壁コンセントで2台同時使用は厳しいです。
片方のアダプタが干渉してしっかり接続できないので基本的に1壁コンセントにつきApple 35W デュアルUSB-C コンパクト電源アダプタ1台での使用となります。
Anker Nano II 65Wとの組み合わせでも干渉します。
出力の小さいAnker Nano II 45W、Anker 711 Nano II 30Wあたりなら1つの壁コンセントで併用はできるので出力の小さい電源アダプタと一緒に使うのはいいかもしれません。
電源タップも一般的なこのタイプだと横幅が大きすぎて左右と干渉してしまうので使い物になりません。厳しいです。絶望的です。
いずれにしても、Apple 35W デュアルUSB-C コンパクト電源アダプタはコンセント周りのマネジメントが難しいアダプタです。
もう少し幅が抑えられていたら使いやすかっただけにとても残念。
なので、Apple 35W デュアルUSB-C コンパクト電源アダプタは壁コンセントで使うか、単体でコンセントがあるようなところでの使用が基本となりそうです。
2つの端末を同時充電できる
Apple 35W デュアルUSB-C コンパクト電源アダプタはUSB-Cポートを二つ搭載し2台の端末を同時に充電できます。
1台接続なら最大35Wでの充電ができるのでMacBook Air(M1)を集中的に充電したり…
iPhoneとiPadの2台を同時に充電したりもできます。
デュアルでUSB-Cポートが二つあるので今までApple 20W USB-C 電源アダプタを二つ使っていたシーンにおいても…
Apple 35W デュアルUSB-C コンパクト電源アダプタなら1台にまとめることができます。
しかも、USB-Cポートが横向きにあるのでケーブルを隠して使うことも可能。もちろん、MagSafe充電アダプタの電源としても使うことができます。
Apple Watchの電源アダプタとの併用なら最大27.5W出力ができるのでMagSafe充電器の15W出力にも対応できるはず。iPadとの組みだと17.5WになるのでMagSafe充電の出力が落ちることになりそうです。
HomePod mini 2台接続できない
ただし、HomePod miniの2台同時接続は出力不足で使えないので注意です。
HomePod miniは18Wの電源が必要となりますが、Apple 35W デュアルUSB-C コンパクト電源アダプタだと1W不足して片方のHomePod miniが電力不足で動作しません。
たった1W…。なぜ、35Wなんでしょうね。36WならHomePod miniのステレオでの使用がApple 35W デュアルUSB-C コンパクト電源アダプタでできるのに。
HomePod miniのファームウェアアップデートで使えるようになる可能性もあるかもしれないですが、現時点ではHomePod miniの2台接続はできません。
スペック・充電性能について
Apple 35W デュアルUSB-C コンパクト電源アダプタの出力は15W (5V/3A)、27W (9V/3A)、35W (20V/1.75A、15V/2.33A)となっています。
公式で発表されてる各デバイスを接続したときの出力は以下の通りです。(→ How to use the 35W Dual USB-C Port Power Adapter)
- MacBook Air / Pro:35W
- iPhone + iPad :17.5W + 17.5W
- MacBook + iPad:17.5W + 17.5W
- MacBook + Apple Watch:27.5W + 7.5W
- MacBook + AirPods:27.5W + 7.5W
MacBook Air(M1)の1台接続で32.8W(19.2V × 1.71A)。
2台同時充電だとMacBook Air(M1)が16.1W(19.5V × 0.83A)、iPad mini 6が16.1W(14.5V × 1.11A)とほぼ同じ出力です。
MacBook Air(M1)は16Wくらいでもとりあえず充電はできているので一晩でフル充電するくらいの能力はしっかりあるはずです。
iPhoneとiPadだと、iPhone 13 Proが16.8W(8.8V × 1.91A)、iPad mini 6が16.1W(14.5V × 1.10A)とこちらもほぼ同じ出力に。
2台同時充電でこれくらい出力が出ていれば、かなりのスピードで充電が可能となっています。
実際の充電速度は?
Apple 35W デュアルUSB-C コンパクト電源アダプタとApple 20W USB-C電源アダプタで実際の充電速度を計測してみました。
アダプタ | Apple 35W デュアルUSB-C | Apple 20W USB-C(単体で充電) | ||
---|---|---|---|---|
モデル | iPhone 13 | iPad mini 6 | iPhone 13 | iPad mini 6 |
30分 | 0 → 51% | 0 → 36% | 0 → 40% | 0 → 24% |
60分 | 83% | 67% | 85% | 60% |
90分 | 89% | 97% | 100% | 84% |
100分 | – | 100% | – | – |
110分 | 100% | – | – | 100% |
比較すると単体で20Wの出力ができるApple 20Wよりも遅くなることもありますが、35Wでありながら20W × 2と同等かそれ以上の充電速度になることもあるので、十分使える充電速度となっています。
Anker 711(Nano II 30W)での充電速度と比較してみました。
アダプタ | Apple 35W デュアルUSB-C | Anker 711 30W(単体で充電) | ||
---|---|---|---|---|
モデル | iPhone 13 | iPad mini 6 | iPhone 13 | iPad mini 6 |
30分 | 0 → 51% | 0 → 36% | 0 → 58% | 0 → 39% |
60分 | 83% | 67% | 86% | 65% |
90分 | 89% | 97% | 100% | 95% |
100分 | – | 100% | – | 100% |
110分 | 100% | – | – | – |
さすがにAnker 711は30Wの単体充電器なのでiPhone 13を素早く充電できますが、iPad mini 6はほぼ同じ充電速度だったので結構頑張っています。
40Wの2ポート電源アダプタのAnker 521 Chargerとの充電速度も比較してみました。
アダプタ | Apple 35W デュアルUSB-C | Anker 521(40W) | ||
---|---|---|---|---|
モデル | iPhone 13 | iPad mini 6 | iPhone 13 | iPad mini 6 |
30分 | 0 → 51% | 0 → 36% | 0 → 54% | 0 → 36% |
60分 | 83% | 67% | 82% | 70% |
90分 | 89% | 97% | 87% | 94% |
100分 | – | 100% | – | 100% |
110分 | 100% | – | 100% |
35WデュアルUSB-Cポート電源アダプタは35WですがAnkerの40Wの2ポート電源と同等の充電速度でした。
実際に充電してても35Wなのに充電速度が意外と速いのでこの辺りはさすがApple純正のアダプタなんだなと思わせてくれます。
各端末の充電規格にしっかり合った効率の良い充電ができているのでしょう。
MacBook Airの充電速度も35WデュアルUSB-Cポート電源アダプタとApple 30W USB-C電源アダプタで比較してみました。
MacBook Air(M2) | Apple 35W デュアルUSB-C | Apple 30W USB-C |
---|---|---|
30分 | 0 → 31%(31%増) | 0 → 27% (27%増) |
60分 | 61%(30%増) | 54%(27%増) |
90分 | 85%(24%増) | 79%(25%増) |
120分 | 100%(15%増) | 98%(19%増) |
130分 | – | 100%(2%増) |
一つの端末で充電するなら35W出力なのでApple 30W USB-C電源アダプタよりもわずかに素早く充電が可能で120分でフル充電できる性能を持っていて充電速度が向上しています。
iPhoneとiPad、またはApple Watchを同時充電して就寝時にMacBook Airを充電するといった使い方ができそうです。
Apple 35W デュアルUSB-C コンパクト電源アダプタ レビュー:まとめ
Apple 35W デュアルUSB-Cコンパクト電源アダプタをレビューしてきましたが、最後にまとめです。
デュアルUSB-Cコンパクトがおすすめな人は
Apple 35W デュアルUSB-Cコンパクト電源アダプタは2台の端末を同時に充電可能でiPhoneとiPadまたはApple Watchを同時に素早くバッテリーを補給できるアダプタです。
- 壁コンセントで使いたい
- 2つの端末を同時充電したい
- 安定した充電環境が欲しい
35Wという出力は中途半端さはあるものの充電速度はさすが純正のアダプタらしくとても速くてサクッとiPhoneを充電することができます。
また、USB-Cポートが普通のアダプタと違って横向きでケーブルの取り回ししやすい「Apple 35W デュアルUSB-C コンパクト電源アダプタ」のメリットです。
多くの方にはApple 35W デュアルUSB-Cコンパクト電源アダプタをおすすめできないですが、Apple純正のアダプタで安心を得たい方、従来の電源アダプタにはないケーブルの取り回しができるので配線を工夫するならメリットです。
デュアルUSB-Cがおすすめな人は
Apple 35W デュアルUSB-Cコンパクト電源アダプタは厚みは低いですが本体の幅があるので日本のコンセントのサイズには少し合ってないように感じます。
そこで通常の形状となるデュアルUSB-C電源アダプタの出番です。
- 電源タップで使いたい
- 2つの端末を同時充電したい
- 安定した充電環境が欲しい
iPhoneとApple Watchを同時に充電するならちょうど使いやすい電源アダプタなので、高出力充電が必要ないなら荷物を減らすことができるのでおすすめの電源アダプタです。
→ 40Wの2ポート充電アダプタ・Anker 711 Chargerのほうがいいって方はこちら
→ Apple 20W USB-C電源アダプタはこちら
→ 他社製の電源アダプタはこちら
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