2400万画素APS-Cイメージセンサーを搭載したCanonのEOS 9000DとEOS kiss X9iですが、「45点オールクロスAFセンサー」や「デュアルピクセルCMOSセンサー」に映像処理エンジンに「DIGIC 7」を搭載し、常用ISO感度100~25600まで対応し、エントリーモデルでありながら中級機を上回るスペックを誇っています。
ここでは、Canon EOS 9000DとEOS kiss X7の画質と高感度性能を比較しました。
EOS kiss X7はエントリークラスのカメラとして長らく販売が継続されていたカメラですが、EOS 9000D/EOS kiss X9iに乗り換えることで、どれくらい画質が向上するのか参考にしてみてください。
この記事の目次
EOS 9000DとEOS kiss X7を比較
小型一眼レフ機としてEOS kiss X7が長らく販売されていて、EOS Kiss X9iと比べてもかなり安く手に入れることができどっちを購入するべきか迷う人もいると思います。
とはいえ、EOS 9000D/EOS kiss X9iは新世代のイメージセンサーと映像エンジンを搭載したことで、大幅に画質を向上しているので、乗り換えるメリットはかなり大きいかなと思います。
ボディサイズはEOS 9000DとEOS kiss X9iの方が一回り大きくなってしまうので、サイズ感を維持したいならEOS Kiss X9を選ぶのがいいでしょう。
EOS kiss X9i/9000Dの解像感について
EOS kiss X7は1800万画素のAPS-Cセンサーを搭載していましたが、EOS kiss X9i/9000Dは2400万画素のAPS-Cセンサーとなり画素数が向上しました。
高画素のEOS kiss X9i/9000Dの方がより細かい描写をすることが可能となっています。金沢の街並みを両機種で撮影した写真ですが、赤枠の部分を拡大して見ます。
EOS kiss X7は若干ボケていますが、EOS X9i/9000Dはよりクッキリと描画できていることが確認できます。望遠側で撮影して見ました。
このように拡大すると違いがよく分かります。
ただ、トリミングをすることがないのであれば1800万画素のEOS kiss X7でも違いが分からないレベルと言っていいでしょう。むしろ、1800万画素から2400万画素に画素数が増えたことで、データの保存容量がJpegでも10MBを超えてしまうのが辛いところでもあります。
金沢の兼六園に行って色々と撮影をしてきました。色補正を全くしていない撮って出しの画像です。ここで装着したレンズはレンズキッドでもあるEF-S 18-135mm F3.5-5.6 IS USMです。
細かい桜の花びらも繊細に描写しています。青空と花びらの白色のバランスもなかなか良いです。
標準のキッドレンズなので驚くような描写は期待できませんが、綺麗な桜をズームして撮影可能。
金沢城は桜が似合います。
Canonのカメラは暗いところでも少し明るめになる傾向が強いように感じますが、場合によっては雰囲気のある写真を撮ることもできます。
兼六園近くになる広坂神社。
45点オールクロスAFセンサーを搭載しているので、かピントが合っていないという写真が9点のEOS kiss X7と比較して確実に少なくなっています。このような手前の絵馬にピントを合わせるのも自動オートフォーカスでお任せでいけちゃいます。
21世紀美術館にあった謎の物体もカリッと撮れちゃいます。
プロジェクト工房というところに風の谷のナウシカのメーヴェが展示されていました。
本当に飛行しているっていうから凄いですよね。
話は逸れましたが、EOS kiss X9i/9000Dはオートフォーカス機能が強化されたので、非常にピントの精度が向上しています。何も考えずにシャッターを切ってもだいたいピントは合っています。
少し暗くなった夕暮れも手ブレに多少気を使うことで問題なく撮影できます。
明らかに暗いところの撮影に強くなっているので、夕方など暗いシチュエーションでも手ブレの確率が減っているので、幅広いシーンで使うことが可能となります。
EOS kiss X9i/9000Dの高感度性能について
EOS kiss X9i/9000Dの標準レンズはモデルチェンジしていて、EF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS STMからEF-S 18-55mm F4-5.6 IS STMになっています。
広角側の絞り値がF3.5からF4になってしまい少しだけ暗いレンズになっていますが、光学式の手ぶれ補正が強化したことで、暗くてもブレにくい写真を撮影できるようになっています。
左が新型のEF-S 18-55mm F4-5.6 IS STM、右が旧型のEF-S 18-55mm F4-5.6 IS STMとなっています。
また、EOS kiss X9i/9000Dは最新の映像エンジンDIGIC 7を採用することで、より高感度になり暗くなったレンズでも綺麗に夜間撮影を行えるように進化しています。以下、IOS6400、ISO12800、ISO25600に設定して撮り比べました。
EOS kiss X7はノイズがかなり発生しておりISO3200くらいまでなら常用できるレベルとなっていますがISO6400になると大きなノイズが出てきます。また、手振れもしやすいです。
EOS kiss X9i/9000DはISO6400でもノイズは少なく、場合によってはISO12800でも使えます。手振れも非常にしにくいので、EOS kiss X9i/9000Dは夜間撮影の失敗がより少なくすることができます。
トンネルの中も手ブレを起こすことなく撮影できます。(EOS 9000D EF-S 18-55mm F4-5.6 IS STM ISO6400)
が、トンネルの写真に関してはEOS kiss X7の方が良い雰囲気に撮れていますね。(EOS kiss X7 EF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS STM ISO6400)
参考までにFUJIFILM X-T2で撮るとこうなります。(X-T2 XF16-55mm F2.8 R LM WR ISO5000)
やっぱ、雰囲気出るな〜。価格帯が違うから比べるのもおかしな話なんですけど。
オレンジ色の照明の当たっている階段。(EOS 9000D EF-S 18-55mm F4-5.6 IS STM ISO6400)
(EOS kiss X7 EF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS STM ISO6400)
(X-T2 XF16-55mm F2.8 R LM WR ISO6400)
AIサーボAFとライブビュー撮影が高速で正確に
キヤノンのカメラには動く被写体を追い続けることができるAIサーボAFⅡが搭載されていますが、EOS kiss X9i/9000Dはオールクロス45点AFセンサーと人物の顔に優先的にピントを合わせる被写体追尾に対応。
子どもの写真を撮るのが非常に簡単になりました。
シャッターを半押し状態を続けている限り動いている子どもにピントを合わせてくれます。EOS kiss X7にもAIサーボAFが搭載されていますが使い物にならないレベルでしたが、EOS X9i/9000DはのAIサーボAFはかなり使えます。
また、デュアルピクセルCMOSセンサーを搭載したことで、ライブビュー撮影のピント合わせも非常に高速になりました。顔検知と追尾が非常に高速なので、子どもを撮影するときは便利です。
4つのレンズ補正機能に対応
EOS kiss X9i/9000Dは4つのレンズ光学補正に対応しています。
歪曲収差補正は画像周辺部の歪みを補正、色収差補正は被写体の輪郭部分に出る色のにじみを補正、周辺光量補正はレンズの周辺光量の落ち込みを補正、回折補正は絞り込んだ時に起きる解像感の低下を補正する機能です。
EOS 80D | EOS kiss X9i/9000D | EOS kiss X8i/8000D | EOS kiss X7 | |
歪曲収差補正 | ○ | ○ | ○ | × |
色収差補正 | ○ | ○ | ○ | ○ |
周辺光量補正 | ○ | ○ | ○ | ○ |
回折補正 | × | ○ | × | × |
なんと、中級機のEOS 80Dよりも高性能という驚きの仕様となっています。
初心者こそEOS kiss X9i/9000Dがオススメ
EOS kiss X9i/9000DはEOS kiss X7と比較しても画質がキレイになっただけではなく、手ブレやピントのズレに強くなり、写真を撮るのを失敗しにくく進化しています。
少しでも失敗写真を減らしたいという方はEOS kiss X7ではなくEOS kiss X9iか9000Dを選んだ方がいいでしょう。基本性能はkiss X9i/9000Dともに同じなので好みで選択すればいいと思います。
とにかく安くて、小さくて軽い一眼レフが欲しいという方はEOS kiss X7を選びましょう。4万円台でレンズキッドを手に入れることができるって凄い破格ですよ..。
コメントをどうぞ!