RICOH GRはコンパクトデジタルカメラでありながらAPS-Cサイズのイメージセンサーを搭載していることから、エントリーモデルの一眼レフカメラに迫る画質を得ることができます。
ポケットサイズに一眼レフカメラ画質を持ち歩くことができるのですから本当に凄い。というわけで、初期不良から帰ってきたコンデジ「RICOH GR」と一眼レフカメラ「Canon EOS kiss X7」、そして「iPhone 6」の画質を比べてみました。
この記事の目次
RICOH GR・EOS Kiss X7・iPhone 6のカメラ画質を比較する
各モデルのスペックは以下の通りです。EOS kissX7のレンズは標準レンズを広角で使用しました。
機種 | GR | kissX7 | iPhone 6 |
---|---|---|---|
画素数 | 1620万画素 | 1800万画素 | 800万画素 |
センサー | APS-C 23.7×15.7mm CMOS | APS-C 22.3×14.9mm CMOS | 1/2.6インチ CMOS |
ローパスフィルターレス | ○ | × | × |
F値 | F2.8~F16 | F3.5~F22 | F2.2 |
GRは高級一眼レフカメラと同様にモレアを低減させるためのローパスフィルターが搭載されていない機種となっており、この価格帯のカメラとしては非常に珍しいモデルといえます。なので、個人的にはどれくらいクッキリとした画質が実現できているのか非常に楽しみ!
RICOH GRは現在は第3世代モデル(RICOH GR3)となっています。ボディ内手ぶれ補正を内蔵するなど使いやすいコンパクトカメラになっています。
山から金沢を一望
石川県金沢市の大乗寺公園という場所から金沢の街を一望できます。そこから各カメラで撮影をしました。(クリックで画像を拡大できます。)
パッと見は色合いが違うかな…?っていうレベルですが拡大すればiPhone6との違いは確認できます。
iPhone6はブロックノイズというかイメージセンサーが小さいのでソフトウェア処理で誤魔化している感じがします。特に木の陰の部分。でも、ここまで再現できるのが凄いし普段使いでは十分なレベルなのかも。
EOS X7はレンズが大きいお陰なのか色合いは良いのですが少しぼやけた感じ。GRは青っぽい色合いですが画素数がEOS X7より少ないのにクッキリ表現できています。
これはローパスフィルターレスの効果が現れているのかもしれません。
紫陽花が咲いてました
紫陽花がたくさん咲いていたのでパシャパシャと撮影をしました!
GRとEOS X7はボケ味を上手に表現出来ています。
木漏れ日
ちょうど良い木漏れ日があったので撮影しました。
レンズの小さいGRでも光がいい感じに表現できてます。iPhone 6はさすがにレンズが小さいので普通の木漏れ日って感じです。
オレンジ色の電灯
いきなり夜になります。歩いていたらいい感じのオレンジの電灯があったので撮影しました。
さすがAPS-Cセンサーを搭載しているGRとEOS X7です。暗がりでもノイズが極端に増える事なく表現できています。この時間帯からのは小さいセンサーのiPhone 6は厳しくなってくるかもしれませんね。
夜の公園のブランコ
さすがに夜は子供達はいません。画像では明るく見えますが夜です。露出の問題で明るく見えているだけです。
EOS X7は標準レンズがGRよりも当然ながら大きいので夜は有利かもしれません。ただ、実際はこんなに明るくないのでGRくらいの表現が丁度良い感じかもしれません。
また、拡大してみました。
地下道からの階段
夜の地下道って怖いですよね…。僕が怪しい人になっていたのかもしれませんが。
やっぱりGRがいい感じなんだよなー!
夜の駅舎と電話ボックス
電話ボックスってまだあるところにはあるんですね。使う人いるんかな?ISDNの文字が懐かしいです。
実際はiPhone 6で撮影したのが本当の明るさかもしれませんね。でも、写真は表現ですから見えるものをそのまま撮影できるだけじゃダメなんです。(←根拠のない持論)明るくなりすぎず程良い明るさを上手に表現してくれるGR。
車通りの少ない道路
まだ20時だといいうのにこの車通りの少なさ!
GRとEOS X7ともにISO6400ですがノイズも極端に増える事もないので、夜の撮影においても常用することはできるかもしれません。iPhone 6がまさかのISO800で撮影できてますが、何となく物足りない写真ですね。
電信柱と葉っぱ
なんとなくGRとEOS X7でISO12800を使って見たかったので撮ってみました。
GRはモレアが発生しています。電灯の左側の紫色の模様です。ローパスフィルターレスだとこのような現象が撮影した写真に現れることがあります。さすがにISO12800だとノイズーですね。
でも、GRはそんなにボケてもいないし頑張っているようにも見えます。(iPhone 6は手動で設定できないのでISO2000になりました)
ちなみにGRは今では当たり前の手ぶれ補正機能は搭載されていません。しかし、このように夜間撮影も手持ちでも十分に対応できます。やはり小さいボディにAPS-Cセンサーですから余裕がありブレにくく必要のない機能なのかもしれません。
結論:RICOH GRは面白い
結論として「RICOH GR」は一眼レフカメラの代わりとして十分に通用する写真を撮影することができると思います。一眼レフカメラEOS kissX7と遜色ない画質を表現出来ているでしょう。
レンズ交換は出来ませんが非常にコンパクトですしスナップ写真を撮るには十分過ぎるくらいの画質を得ることができます。
弱点を上げるとすればAF速度が遅いことでしょうか。遅いというか暗いところではよく迷います。そして、子供の動きには確実に付いていくことができません。ただ、ファームウェアアップデート4.0でかなり高速化されましたので今後さらに改善される可能性もあります。
カメラによって写し出される写真も違うので使い分けが出来るようになると更に楽しい、危険な世界が待っているかもしれません。今回の実験で、コンデジもいいけど一眼レフカメラもやっぱりいいなーって思いましたし…。
2015年7月17日に「GR」の後継機種となる「RICOH GR2」が発売されます。
待望のWi-Fi機能などが搭載されますが、基本スペックは据え置きとなっておりそれらの機能が必要ない方は価格が安い「GR」をオススメしたいところ。(たぶん、AFのスピードも高速化してないっぽいですし…)
iPhone6のセンサーは1/3型で、1/2.6型を積むようになったのはXS以降です。