2019年7月9日。MacBook 12インチがまさかの…まさかの廃止。ディスコンされてしまい販売終了となってしまいました。
ずっとアップデートすることを待ち望んでいたMacBookを使っているユーザーさんもたくさんいたんじゃないでしょうか?
なのに、まさかのMacBookの廃止。廃止…。これは、2019年秋に配信されるiPadOS 13とiPad Pro 12.9インチの存在が影響しているのではないか…。と、どうしても思ってしまうんですよね。
この記事の目次
MacBook 12インチ 廃止の意味とは
MacBookの廃止は2回目
MacBookは2006年に初めて登場したノート型のMacで、2010年のポリカーボネートユニボディモデルを最後に2011年に販売を終了しています。
- 2006年:Core Duoプロセッサを搭載したポリカーボネートMacBookが誕生
- 2008年:アルミニウムユニボディのMacBookが発売
- 2009年:MacBook Proにアルミボディの座を渡しポリカーボネートに原点回帰
- 2010年:ポリカーボネートユニボディモデルが発売
- 2011年:MacBookの販売終了、エントリーモデルはMacBook Airの時代へ
- 2015年:完全新設計のMacBook 12インチ(2015)発売
- 2016年:CPUの性能を強化したMacBook 12インチ(2016)発売
- 2017年:第2世代バタフライ構造キーボードのMacBook 12インチ(2017)発売
- 2019年:MacBook 12インチ 販売終了
MacBook Air 11.6インチと13.3インチにその座を受け渡した…ということですね。そして、4年の歳月を経て2015年に超薄型のMacBookが復活した経緯があります。
なので、今回のMacBookの廃止は2回目ということになります。
なぜ、AppleはMacBookを廃止したのでしょうか。真相は明らかになることはないでしょうが、その背景には2019年秋に配信予定のiPad OS 13の存在は明らかにあると思います。
iPadOSでiPadがMac化する
現在のiPadOS 17は複数のアプリ、ウィンドウを同時に表示できるようにパワーアップしており、さらにブラウザもMacと同じようにデスクトップ表示ができます。
以前まではデスクトップ版の表示は可能でしたが、内部処理がモバイル版のままでWordPressやはてなブログのエディタやGoogleドキュメントがまともに動作しませんでした。
しかし、iPadOSはMacと同じように動作するようになるので、Macの代わりにiPadで作業ができるようになってしまったんですよね。
- 同じアプリの同時表示が可能に
- Slide Overで複数のアプリを開くことが可能になり瞬時に切り替え可能に
- デスクトップ版のブラウザ表示が可能(WordPress・はてなブログのエディタやGoogleドキュメントの作業が可能に)
- ファイルアプリが強化される(iCloudドライブフォルダの共有、ファイルサーバ)ダウンロードマネージャーの搭載
- 外付けドライブに対応
- フォントの管理ができるようになる(各アプリで好きなフォントを使えるように)
iPad Pro(2018)はUSB-Cに対応しミラーレスカメラと直接繋いでデータを転送することができましたが、外付けドライブからの読み取りは非対応でした。
しかし、iPadOS 13から外付けドライブの読み取りも可能になってUSBメモリや外付けHHD/SSDからiPad Proにデータを転送も可能で、iPadOS 17からは外部モニターの拡張出力もできるので完全のパソコンとして使えてしまいます。
機種 | MacBook(macOS) | iPad Pro(iPadOS 13以降) | iPad Pro(iOS 12) |
---|---|---|---|
マルチタスク作業 | ◎ | ◎ | ○ |
デスクトップ版ブラウザ作業 | ◎ | ◎ | △ |
ファイル管理 | ◎ | ◎ | △ |
外付けドライブ | ◎ | ◎ | △(SDカードのみ) |
フォントの管理 | ◎ | ◎ | △ |
持ち運びのしやすさ | ○(12インチ) | ◎(11インチ) ○(12.9インチ) | ◎(11インチ) ○(12.9インチ) |
使い勝手の違いはあるもののiPadOS 13をインストールすることで、今まで出来なかった作業もiPadで出きるようになります。
iPad ProとMacBookの棲み分けが難しくなる
iOS 12までは出来ることに差があったため、MacBookとiPad Proとの差別化は画面サイズが似ていてもできていました。しかし、iPadOS 13の登場によって操作性は異なりますが出来ることがほぼ同じになります。
つまり、MacBookとiPad Proとの棲み分けがさらに難しくなってしまったから…MacBook 12インチを廃止するという決断をしたのではないでしょうか。
なお、2020年4月にiPad Pro専用のMagic Keyboardが発売となりました。
シザー構造のキーボードを搭載しただけでなく、トラックパッドまで内蔵してしまったので完全にノートパソコンとして使うことができるように。
まあ、厳密にはiPad Pro + Magic Keyboardでもパソコンになることはないのですが、シングルタスクの作業効率は向上させることができます。
MacBook AirとMacBookはサイズ的に別物
MacBook AirがあるからMacBook 12インチが必要ないのでは?と思う方も多いと思いますが、個人的には両モデルはサイズ的に完全に別モノ。サイズ、軽さが全然違います。
MacBook 12インチは1kgを切った920gというMacBook史上最高の軽さを誇ったモデル。MacBook Airは「Air」という名称を持ちながらも1.29kgも重量があり、モバイル性能に差があるのが実情です。
なので、MacBookとMacBook Airの使い分けはしっかり出来るはず…なんですけど、MacBookは廃止されてしまいました。悲しい。
iPad Pro 12.9インチの存在が大きい
MacBook 12インチの廃止はiPad Pro 12.9インチの存在が大きいのかなと感じます。
iPad Pro 12.9インチはMacBook 12インチよりも画面が大きくて、CPUの性能も高い。さらに、タッチ操作ができてApple Pencilでノートを取ったり、イラストを描くこともできる。
そこに、iPad OS 13が降ってきらMacBookでしかできなかった作業もiPad Proでできるようになってしまうのです。確かに、MacBookの優位性は無くなってしまいますよね…。
特にMacBookはCPUプロセッサが非力なので、iPad OS 13をインストールしたiPad Proの方が快適に作業できるでしょう。
WordPressのGutenbergエディタは文字数、画像が増えてくると処理が重くなってしまい、MacBookだと少し辛い場面が出てきますが、性能が高いA12Xプロセッサを搭載しているiPad Proならサクサク動作させることができるんですよね。
iPad Pro 12.9インチ | MacBook 12インチ | |
CPU | A12X | Core m3-7Y32 |
RAM | 4GB(1TBは6GB) | 8GB/16GB |
シングルコア | 4997 | 3680 |
マルチコア | 17939 | 6707 |
GPU(Metal) | 43460 | 16714 |
メインメモリだけはMacBookの方が優位性は高いといえますが、CPUの処理速度は雲泥の差でiPad Proの方が上ということになります。
MacBook 12インチに採用されているYシリーズのCoreプロセッサ(TDP 5W)は後継プロセッサがないと言われています。(MacBook Airに採用されているYシリーズのCoreプロセッサはTDP 7W)
これも廃止になった要因になったのかも…。いずれにしても、Appleとしては13インチ以下のデバイスはiPad Proに移行をしたいという思いがあるのでしょうね。まあ、これで画面サイズで悩むことはなくなるのかもしれません。
まとめ:MacBookユーザーはどうしたらいい?
MacBook 12インチを使っている方はそう多くはないのかなと思います。主流はMacBook AirかMacBook Pro 13インチでしょう。
でも、移動が多くて荷物を減らしたいという方でMacBookを愛用している方はたくさんいると思いますがどうしたらいいのでしょうか。
2017年のMacBookで16GBのメインメモリを搭載したモデルを使っている方はまだまだ使うことができるかなと思います。
2015年〜2016年のMacBookで8GBのメインメモリを搭載しているモデルは正直なところ、ちょっと厳しくなってきてるんじゃないのかな…と思います。というのも僕が使っている2017年のMacBook(8GBのメインメモリ)もちょっとモッサリしているので。
もし、今使っているMacBookの性能に不満を感じているなら思い切ってMacBook AirかMacBook Pro 13インチに乗り換えるしか手段はないでしょうね。
それか、MacBook 12インチ(2017)のカスタマイズモデルがApple整備済製品に登場するのを待つか。2015年モデルを使っている場合は2017年モデルに乗り換えるメリットはかなり大きいのかなと思います。
- MacBook 2015/2016を使っている → MacBook 2017のカスタマイズ品をApple整備済製品で購入する(買えない可能性もある)
- MacBook 2017(8GB RAM)を使っている → MacBook Air・MacBook Pro 13インチに乗り換える
- MacBook 2017(16GB RAM)を使っている → 乗り換えなくてもOK
- いっそのことiPad Pro 12.9インチに乗り換えるのもアリ
MacBookからMacbook Airへの乗り換えはこのサイズ感に慣れていたら「重い…」って感じるかもしれませんが、まあいずれ慣れるとは思います。
ちなみに、MacBook 2017はAmazonでも購入ができます。
どんな作業をするかにもよりますが、iPadOS 13をインストールしたiPad ProはMacBookの代わりとして十分使うことができます。
実際にiPad ProにiPadOS 13のパブリックベータ版をインストールして試していますが、普通にお客さんから依頼のあったホームページの更新、WordPressの更新、はてなブログの更新は問題なくできます。
あとは、AdobeのPhotoShopのフルバージョンがいつiPadに登場するのか…。欲をいえばIllustratorもiPadに対応させてほしいですが。
MacBookとiPad Pro(iOS 12以前)の違い、使い分けについて比較した記事があります。iPad OS 13によって大きく変わってきそうです。
MacBookシリーズのレビューはこちらをどうぞ!
iPad OS 13についてはこちら!
https://sin-space.com/entry/ios13-ipados-new-system
https://sin-space.com/entry/ios11-public-beta-install-downgrade
どうするか困っていました。判断のポイントをいただきありがとうございました。