AppleがM2 Pro、M2 Maxを搭載した新型のMacBook Pro 14インチと16インチ(2023年モデル)が2023年2月3日に発売しました。
本体デザインやディスプレイの使用は旧型モデルと変わりないですが、SoCの内部スペックがM2 Pro / M2 Maxに刷新されて強力な性能を手に入れることができます。
この記事では、MacBook Pro 14・16インチ(2021)から何が進化し何が変わったのか違いを比較しています。
この記事の目次
MacBook Pro 14・16インチ(2023)の特徴
- 筐体デザインは2021年モデルと同じ
- 画面サイズ:14インチ / 16インチ
- SoC:M2 Pro / M2 Maxを搭載
- CPU:10コア / 12コア
- GPU:16コア / 19コア / 30コア / 38コア
- メモリ:16GB / 32GB / 64GB / 96GB
- ミニLEDディスプレイを搭載
- ProMotionテクノロジー(120Hz)対応
- USB-C(Thunderbolt 4)× 3、HDMIポート
- UHS-II対応SDカードスロット
- MagSafe 3ポートを搭載
- 2022年2月3日(金)発売
MacBook Pro 14・16インチ(2023)の本体デザインは2021年モデルと同じでミニLEDバックライトを採用したLiquid Retina XDRディスプレイを搭載しています。
SoC(システム・オン・チップ)はM2 Pro、M2 Maxのどちらかを選べます。
M2 Proの標準モデルがCPUが8コア → 10コア、GPUが14コア → 16コアに増えて基本スペックが向上、M2 Maxの最強モデルがCPUが10コア → 12コア、GPUが32コア → 38コアと化け物級のスペックに進化しています。
メモリは標準が16GB、最大で96GBまで増設可能です。(従来モデルは64GBまで)
ここまで必要になる作業ってなんだろう?
USB-CポートだけでなくHDMI、SDカードスロットも使えるようになってアダプタなしで様々な機器と接続可能で充電ポートがMagSafe 3が使えるのでポートを潰すことなく周辺機器の接続ができます。
MacBook Pro(M2 Pro/Max)と(M1 Pro/Max)を比較
MacBook Pro 14・16インチ(2023)とMacBook Pro 14・16インチ(2021)の違いを比較します。
M1 Pro と M2 Pro スペック比較
M1 ProからM2 Proになることでスペック・性能がどう変わるのか比較します。
SoC | M1 Pro | M2 Pro |
---|---|---|
CPU | 高性能6 + 高効率2 高性能8 + 高効率2 |
高性能6 + 高効率4 高性能8 + 高効率4 |
GPU | 14 / 16コア | 16 / 19コア |
Neural Engine | 16コア(11兆回/秒) | 16コア(15.6兆回/秒) |
RAM | 16・32GB ユニファイドメモリ 200GB/s |
|
メディアエンジン | ハードウェアアクセラレーテッドH.264、HEVC、ProRes、ProRes RAW、ビデオデコードエンジン、ビデオエンコードエンジン、ProResエンコード/デコードエンジン | |
プロセス | 5nm | 5nm(第2世代) |
トランジスタ数 | 337億個 | 400億個 |
SoCの世代がM1からM2になったことで高性能CPUの処理性能も向上しXcodeのコンパイル処理がM1 Pro → M2 Proで25%処理性能が向上しています。
また、製造プロセスが第2世代の5nmになってトランジスタ数が20%増加、高効率CPUのコア数が2つから4つに増えて負荷の少ない処理がより効率よく処理可能で同じ消費電力枠で20%処理性能が速くなっています。
つまり、従来のM1 ProモデルのMacBook Proよりも電力効率が向上し電池持ちが長くなります。
GPUのコア数も標準モデルで14コア → 16コアに、カスタマイズモデルも16コア → 19コアになってM1 Proと比べて最大30パーセント高速になって画像処理のパフォーマンスが大幅に向上しています。
M1 Max ・ M2 Max スペック比較
M1 MaxからM2 Maxになることでスペック・性能がどう変わるのか比較します。
SoC | M1 Max | M2 Max |
---|---|---|
CPU | 高性能8 + 高効率2 | 高性能8 + 高効率4 |
GPU | 16 / 32コア | 30 / 38コア |
NPU | 16コアNeural Engine | |
RAM | 32・64GB ユニファイドメモリ 400GB/s |
32・64・96GB ユニファイドメモリ 400GB/s |
メディアエンジン | ハードウェアアクセラレーテッドH.264、HEVC、ProRes、ProRes RAW、ビデオデコードエンジン、ビデオエンコードエンジン、ProResエンコード/デコードエンジン ×2 | |
プロセス | 5nm | 5nm(第2世代) |
トランジスタ数 | 570億個 | 670億個 |
M2 MaxもM1 Maxよりもトランジスタ数が100億個増えて高性能CPUが8コア、高効率CPUが2コアから4コアに増えて負荷の少ない作業の処理性能と電力効率が向上しています。
GPUのコア数も16コア → 30コアに増えて最大39コアという化け物級のGPU性能になって、より負荷のかかるアプリを軽々と動かすことができる性能を手にしています。
M2 Maxのメイメモリは32GBが標準で64GB、96GBまで増設が可能です。
これがモバイルノートのMacBook Proの中に入れて使えることが凄いです。完全にロマンですね。一度でいいから使ってみたいものです。
バッテリー駆動時間が向上する
MacBook Pro 14・16インチ(2023)のバッテリー容量は14インチが70Wh、16インチが100Whと2021年モデルと同じですがSoCが電力効率が向上しバッテリー駆動時間が長いです。
MacBook Pro | 14.2インチ | 16.2インチ |
---|---|---|
バッテリー容量 | 70Wh | 100Wh |
2023年 | 最大22時間 | 最大18時間 |
2021年 | 最大21時間 | 最大17時間 |
ワイヤレスでインターネットをしてる状況で14インチが最大21時間 → 22時間になってます。
実際の環境においてはおそらく8〜12時間くらいの電池持ちだと思いますが、それでも十分使えるバッテリーライフと見ていいでしょう。
Bluetooth 5.3に対応する
MacBook Pro 14・16インチ(2023)はBluetooth 5.3に対応しています。
MacBook Pro 14・16インチ | 2023 | 2021 |
---|---|---|
Bluetooth | 5.3 | 5.0 |
AirPods Pro(第2世代)は最新規格の5.3に対応してるので、今後のアップデートで性能が向上する可能性もあるので大きなメリットになるでしょう。
Wi-Fi 6Eに対応する
また、MacBook Pro(2023)は6GHz帯のWi-Fiによる高速通信も可能です。
MacBook Pro 14・16インチ | 2023 | 2021 |
---|---|---|
Wi-Fi | Wi-Fi 6E(802.11ax) | Wi-Fi 6(802.11ax) |
Wi-Fi 6Eに対応したルーター(TP-Link Deco XE75など)が必要となりますが、5GHz帯よりも安定した通信が可能となります。
最大240Hzの外部モニターに対応
MacBook Pro 14・16インチ(2023)は外部モニターの出力できる性能が向上しています。
MacBook Pro 14・16インチ | Thunderbolt | HDMI |
---|---|---|
M2 Max | 6K60Hz × 3 6K60Hz × 2 6K60Hz × 2 |
4K144Hz × 1 8K60Hz × 1 4K240Hz × 1 |
M2 Pro | 6K60Hz × 2 6K60Hz × 1 – – |
– 4K144Hz × 1 8K60Hz × 1 4K240Hz × 1 |
M1 Max | 6K60Hz × 3 | 4K60Hz × 1 |
M1 Pro | 6K60Hz × 2 | 4K60Hz × 1 |
同時に出力できる数が増えただけでなく最大240Hzのリフレッシュレートにも対応するのでゲーミングモニターを接続して高リフレッシュレートで操作することも可能になります。
(※ただし、8K60Hzや4K240HzはHDMI経由です。)
新旧モデルと変わらないところ
14.2インチと16.2インチの2サイズ
M2 Pro、M2 MaxのMacBook Proは14.2インチ、16.2インチの二つの画面サイズから選ぶことができ、ベゼルの幅が狭いフルディスプレイスタイルで画面上にノッチのあるスタイルとなっています。
MacBook Pro 14インチ | MacBook Pro 16インチ | |
サイズ | 14.2インチ | 16.2インチ |
解像度 | 3,024 x 1,964ピクセル | 3,456 x 2,234ピクセル |
最大輝度 | 1,000ニト(1,600ニトのピーク輝度) | |
仕様 | ProMotionテクノロジーによる最大120Hzのアダプティブリフレッシュレート、広色域(P3)、True Toneテクノロジー |
最大120HzのアダプティブリフレッシュレートのProMotionテクノロジーが搭載し滑らかディスプレイに対応し可変式のリフレッシュレートで電力効率、バッテリー持ちもしっかり考慮されています。
ミニLEDディスプレイを搭載する
さらに、MacBook Pro 14インチ、16インチのディスプレイはミニLEDバックライトに対応したLiquid Retina XDRディスプレイを搭載しています。
ミニLEDディスプレイはバックライトLEDを細かく分散させることで色の黒い部分のLEDを暗くするなど部分的に明るさを制御することができる液晶を発展させたパネルで100万:1のコントラスト比を実現しています。
写真、ビデオ、ゲームのHDRコンテンツを、洗練された光のハイライトと一緒にシャドウの細部までとらえ、現実の世界に近いあざやかな色で映し出すことができます。
HDRにも対応しているためよりキレイで鮮やかな画面でMacBook Air(M2)と比べてもHDR対応の動画は驚くほど明るく表示することが可能です。
USB-C以外の複数のポートを搭載
MacBook Pro 14インチ、16インチはUSB-Cポート(Thunderbolt 4)以外にもHDMI、UHS-II対応のSDXCカードのポートを搭載しています。
Thunderbolt 4に対応し最大40Gbpsの高速通信ができるだけでなくM2 Proモデルは最大2台のPro Display XDRやStudio Displayの接続ができます。
MagSafe 3ポートを搭載する
MacBook Pro 14・16インチ(2023)も磁石系充電アダプタとなるMagSafe 3に対応しています。
ケーブルを足に引っ掛けてしまったとしても本体が吹き飛ぶ事故を防ぐことができますし、充電のためにUSB-Cポートを潰すことがありません。
6スピーカーサウンドシステムを搭載
MacBook Pro 14インチ、16インチは4つのフォースキャンセリングウーファーを備えた原音に忠実な6スピーカーサウンドシステムを搭載しています。
低音域が広いフォースキャンセリングウーファーにボーカル域がよりクリアとなった高性能のツイーターも搭載し内蔵スピーカーでのドルビーアトモスの音楽またはビデオ再生時は空間オーディオに対応しています。
MacBook Pro 14・16インチ スペック比較
MacBook Pro 14・16インチのスペックを比較しました。
モデル | MacBook Pro 14インチ | MacBook Pro 16インチ |
---|---|---|
サイズ | 14.2インチ | 16.2インチ |
解像度 | 3,024 x 1,964ピクセル | 3,456 x 2,234ピクセル |
ディスプレイ | ProMotionテクノロジー(最大120Hzのアダプティブリフレッシュレート)、最大1,000ニト(1,600ニトのピーク輝度)、広色域(P3)、True Toneテクノロジー | |
SoC | M2 Pro / M2 Max | |
CPU | 10コア / 12コア | 12コア |
GPU | 16コア / 19コア / 30コア / 38コア | 19コア / 30コア / 38コア |
RAM | M2 Pro:16GB・32GB M2 Max:32GB・64GB |
|
ストレージ | 512GB / 1TB / 2TB /4TB / 8TB | |
生体認証 | Touch ID(指紋認証) | |
ワイヤレス | 802.11ax Wi-Fi 6E Bluetooth 5.3 |
|
カメラ | 1080p FaceTime HDカメラ | |
オーディオ | フォースキャンセリングウーファーを備えた原音に忠実な6スピーカーサウンドシステム | |
バッテリー | 70Wh 最大18時間 |
100Wh 最大22時間 |
外部ポート | Thunderbolt 4(USB-C)ポート × 3、HDMIポート、SDXCカードスロット | |
電源アダプタ | 67W USB-C電源アダプタ 96W USB-C電源アダプタ |
140W USB-C電源アダプタ |
サイズ | 31.26 × 22.12 × 1.55cm | 35.57 × 24.81 × 1.68cm |
重量 | 1.6kg | 2.1kg |
価格 | 288,800円〜 | 344,800円〜 |
端末価格はMacBook Pro 14インチが288,800円〜、16インチが344,800円〜となっておりM2 Pro、M2 Max、メモリ、ストレージのカスタマイズで追加費用がかかってきます。
- M2 Pro(10CPU/16GPU)→ M2 Pro(12CPU/16GPU):+42,000円
- M2 Pro(10CPU/16GPU)→ M2 Pro(12CPU/30GPU):+76,000円
- M2 Pro(10CPU/16GPU)→ M2 Max(12CPU/38GPU):+104,000円
- 16GB → 32GBユニファイドメモリ:+56,000円
- 32GB → 64GBユニファイドメモリ:+56,000円
- 64GB → 96GBユニファイドメモリ:+56,000円
M2 Pro、M2 MaxはM2と比べてもパワーアップしているので、メインメモリは16GBでも十分動作しますが、もっともっと強力な性能が欲しいならパワーアップできます。
MacBook Pro 14・16インチは買いか?
2021年モデルからの乗り換えは微妙
2023年モデルのMacBook Pro 14インチ、16インチは基本的なスペックは2021年モデルと同じですが、SoCがM1シリーズからM2シリーズになって動作速度が向上しています。
細かいところでもスペックアップしていますが2021年モデルが使っている方がわざわざ乗り換えるほどのものではないでしょう。
もし、IntelプロセッサのMacBook Proを使ってるなら最新のMacBook Pro 14インチ、16インチに乗り換えることで大きな進化を感じることができるはずです。
M1モデルからのスペックアップに
文章作成、ブログの執筆、資料作成などの用途であればMacBook Air(M1)、MacBook Air(M2)で十分事足りますしちょっとした4K動画編集もこなすことができます。
ただ、Illustrator、Photoshopを使ったデザイン作業をしながら4K動画編集をするなど高度な使い方になってくるとM2、M1でも厳しくなってくる場面があります。
そこで、M2 Pro / M2 Maxを搭載したMacBook Pro 14インチ、16インチの出番です。外部モニターも2〜3台同時に出力ができますしマルチディスプレイ環境を構築したい場合も使えます。
M1 Pro / M1 Maxを安く買うのもいいかも
たしかに最新のMacBook Pro 14・16インチ(2023)はスペックアップしてますが、2021年モデルのブラッシュアップモデルで旧型でも高性能ですしストレスを感じる場面は少ないです。
Mac整備済み製品で安く買うこともできるので新型のこだわりがないなら型落ちモデルをお手頃価格で手に入れるのが賢いかと思います。
→ MacBook Pro 14インチはこちら
→ 67W、96W 電源アダプタの比較はこちら
→ MacBookの比較はこちら
→ MacBook・iPad どっちがいい?
コメントをどうぞ!